私たちは今、ワルプルギスの夜を最速で倒す作戦の実行を開始した。
「よし、一気に高度を上げてからヤツの上を取るよ!晶は私と一緒にほむらの腕をつかんで。ほむら、少しだけ体に負担かかるけど我慢してね。」
「まかせとき!」
「えぇ。私はあなたたちとは違って猛スピードで動けないし、そこは承知の上よ。」
そう。今のほむらは空を飛べても《テレポート》による瞬間移動はできない。だから、私と晶で物理的牽引する必要があるのだ。そして、私たちは一気に高度を上げる。
「うおっ!ワルプルギスの夜って炎も吐くのか。」
「そうよ。それにあたると、最悪体が一瞬で焦げるわ。」
「「一瞬で焦げるの!?」」
怖すぎるでしょ。当たらないように気を付けなきゃ。
『暁美さん、炎球に当たらないよう注意すればいいかしら。』
『えぇ。佐倉さんにも伝えておいて。』
『わかったわ。』
マミもほむらの声が聞こえたようで、テレパシーで会話しているようだ。一通りの確認を終えたのを見て、私と晶は《テレポート》を発動し、使い魔と炎球のダメージを受けないよう、細心の注意を払いながら高速移動をした。
「よし!ワルプルギスの夜の上を取った!」
「2人とも、弱点の
「あそこがワルプルギスの夜の弱点...!意外と上からなら見えるものなのね。」
「えぇ。それにしても上から攻めるのは初めてだわ。なんか新鮮ね。」
ついにワルプルギスの夜の弱点に到達した。ここから一気に畳みかける。
「いくで、はぁぁぁぁぁぁぁ.......!!!!」
「晶!?お前その電気...」
「あぁこれ?ミクって電子の歌姫やんか。それの能力だってよ。」
「すごいエネルギーね...私たちも負けられないわ。」
「あぁ!」
私とほむらは光剣を、晶は鎌を使ってワルプルギスの夜の弱点に同時に強打した。そのまま、私と晶は強力な電気エネルギーを、ほむらは魔力をそれぞれの武器に押し込んでいく。
「「「おぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」
やがて歯車にヒビが入る。だけど、まだまだ足りない。私たちはさらに力を振り絞る。
「「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
既に3人の体は悲鳴をあげている。正直もうこれ以上出力を上げるのは...限界だ。
負けんな 覚醒せよ、鼓動たちよ
どこからか上の言葉が聞こえた。その瞬間、私たちの体は嘘のように悲鳴をあげなくなった。おそらく限界突破はしているのだろう。でも、なぜだかいける気がした。
「いけるか、みんな!」
「「もちろん...!」」
そこから、私たちが出せる最大出力になるまで武器に"魔法"を流し込んだ。その間にも歯車のヒビが広がり、私たちの周りには黄色と紫の光が徐々に強くなっていく。
「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
私たちがそう叫んだ瞬間、ヒビが歯車全体にいきわたった。
バァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
という轟音とともに、歯車が砕け散る。そして、あたり一面が白い光に包まれ、目の前には魔法少女のような人がいた。
『あなたが私を救ってくれた人ね。』
「...はい。そうですけど、あなたは?」
『私は舞台装置の魔女になってしまった魔法少女です。』
「...!やはり魔法少女でしたか。」
『やはり...その感じ、魔女が魔法少女のなれの果てであることを知っていたのですね。』
「そうですね。と言っても、私は魔法少女じゃないんですけどね。」
『...魔法少女でないのにどうしてそこまで戦えたのですか...』
「...魔女になってから、相当苦しかったですよね。」
『えぇ。ですが、それも今日までです。これでようやく楽になれる...』
「私はあなたを今のように楽にさせてあげたかった。ただそれだけです。」
『そうですか...あなたは私の暴走を止めてくれた。本当にありがとうございます。』
「いえいえ。そちらも苦しみから解放されてよかった。」
『ふふ。それと、私からもお願いがあります。私の願いは...』
「...!!」
『あなたの素晴らしいお仲間にもお伝えくださいまし。幸運を祈っております。』
「...はい。」
☆☆☆ーーー☆☆☆
気が付いたら、私は地面で横になっていた。そこにはワルプルギスの夜が徐々に崩れていくのが見えている。
「...ご冥福をお祈り申し上げます。」
横になりながらなので少々失礼かもだが、私はそう言いながら合唱した。
おめでとう。
「ありがとう。そしてよく耐えた、私。」
すごいよ。原作や他のSSではかなり苦戦していたのに、ここでは多分最速でワルプルギスの夜を討伐できたんじゃないかな。
「おぉ!でも、その分いつもより文章量少なかったような。」
ぶっちゃけ僕もびっくりしてる。まぁおかげでエピローグの執筆・公開が10月末までにできそうだよ。
「そっか。これ最終回じゃないんだった。」
さて、次回はまどマギ編最終回、「#12 エピローグ」です。最終回も何卒。