『まったく、呼ぶのが遅いよ。マスター。キミは実にバカだなぁ。』
「...もしかして、テトか?」
「おい!なんだあんた?部外者はすっこんでくれないかい?」
『あはは...すっこんでろって言われちゃった。』
え、マジで?このタイミングで最後の願いが実行されたの??でも目の前には生前愛用していた重音テトがいる。それも金属バットを持って??って混乱している間に無事着地できた。
『事情は大方察したよ。』
「お...おう?」
『ボクはもともとマスターほど体力は無いし、喧嘩?してるあいてにひっこめ宣言されちゃったしね。今の僕の状態、"超限界"モードの能力をマスターに付与する。』
「...ほう???」
『ボクは晶のスマホに隠れてるから、あとは頑張って!』
「え?ちょまっ...うわぁぁぁぁぁ!?!?」
次の瞬間、一瞬だけ視界が真っ白になった。そして、すぐに視界が戻っていく。
「...おい、なんだその姿。」
「うん?」
「服変わってるしなんか番号みたいなのが印字されてるぞ?」
「は!?」
うわほんとだ。重音テトっぽい姿になってる。髪型がドリルになっていないのが救いだろう。
「この姿...なんか恥ずかしい!」
「...なにがなんだかわからねーが、今度こそあんたを潰す!!!」
そう言いながら杏子が突っ込んでくる。多少焦ったものの、自分のインベントリにあるものが追加されていることに気が付いた。
「これは...!?よし、これでなにも考えられずに相手できる!」
そして私は"あるモノ"を取り出して、杏子の攻撃を受け止めた。
「はぁ!?チェーンソーとかどっから出したんだよ!」
「うし!なんとか間に合った。」
チェーンソーなら光剣よりも安全に、かつそれなりに対抗できる。それに、もう2つ武器があることにも気が付いた。
「お、さっきの金属バットに2丁ブラスターじゃん...うわっ!?」
「ぼさっとすんなよ!気絶するぜ!!」
あぶねぇ!攻撃当たるとこだった。どうやら反射神経が強化されているようだ。すぐに杏子から離れ、2丁ブラスターで杏子をさらに遠ざける。
ドカン!ドカン!
「くっそ、近づけねぇ!」
よし、槍ですぐに攻撃されない距離まで離れられた!これならテトから付与された中で最後に残った能力を使える!!
「調子にのんなあぁぁぁぁああああ"あ"あ"あ"あ"!?!?!?!?なんだこれ!体が動かねぇ!」
そう、私は私の目を赤く発光させることで、相手の動きを拘束する能力も付与されている。そして、私はそのまま《テレポート》で杏子に0距離で急接近し、
「これで...おわりだ!」
バキッ!!
「がはぁっ...」
私は杏子の顔面に素手で思いっきり殴った。杏子はそのまま気絶し、私も疲労で気を失ってしまった。
☆☆☆ーーー☆☆☆
『...スタ...マスター!』
「...ん!?あぁ、テトか。」
『マスターが生き返った!』
おい、まるで私が死んだみたいじゃないか。
「...心配かけてごめんね。ところでどうしたら元の姿に戻るの?」
『ちょっとまってね...ほい!』
テトは能力の付与を解除し、私はもとの姿に戻った。
『それにしても、マスターは何故金属バットで殴らなかったの?』
「あほか。あれ使って全力で殴ったら死ぬぞ。」
『たしかに...()』
「まったく、キミは実にバカだなぁ、なんつって。」
『あ~!それボクの決め台詞!!』
テトと話しているうちに、他のみんなが駆け寄ってくる。
「「「「「伶(ちゃん/さん)!!」」」」」
「...みんな。そうだ、杏子のソウルジェムは?私と...戦っている時徐々に黒くなっていたけど...」
「杏子なら大丈夫や。ウチがグリーフシードで穢れを取っておいた。既にインキュベーターが回収しているから気にせんといて。」
「そうか...ありがとう...」
「大丈夫?伶ちゃん、立てないの?」
「まどか、大丈夫だよ。ただ、少し横になって...いたいだけ。死なないから安心して。」
「そっか、よかった...ってほむらちゃん?」
「ほむら...?」
そのとき、ほむらが私の顔の前に近づいた。そしてそのまま、
バチン!!
「「「「「!!!???」」」」」
杏子以外のみんなは驚愕した。なぜなら、ほむらは私の顔を強くビンタしたからだ。(杏子はまだ気を失ってるけど生きてる)
「...ったいねぇ。ヘロヘロの人間に、することじゃないだろ?」
「...バカ...」
「ん?ごめん...聞こえないから...大きいk「バカ!伶のバカァ!!!」」
「...!そうか...そうだよね。私のこと...嫌いなんだよね?だから...」
「違う!!」
そう強く言われた時、体がビクッとなった。
「...え?」
「心配したのよ...!あなたが死んだらどうしようかと...」
「はぁ?私がそう簡単に死ぬわけないでしょ。」
「でも!さっき空中で槍を突かれかけたのよ!!心配も...ずるあよ...」
「ほむら...泣かないでよ。あんたの綺麗な顔が...台無しじゃない。」
「泣くのは当たり前でしょう!」
ほむらは続ける。
「伶、私と約束したわよね?【真の完全勝利】っていうのを目指すって。」
「あぁ。」
「それから、巴さんが魔女に食べられたり美樹さんが魔法少女の契約をするのを回避したよね?私、あなたがそれを実現したとき、これならいける!って思ってた。周りとも打ち解けることもできた...」
「...」
「なのに...ここであなた1人でも死んだら、私...どうしたらいいか...」
「...ごめん。本当にごめんね。」
「...私の方こそ、ここのところずっとそっけない態度した。こちらこそごめんなさい。」
「...ほむら。」
「でも、嫌いだからっていう理由じゃないの。」
「...?」
「伶...私は、」
次の瞬間、私はほむらから発せられた言葉で硬直してしまった。
「あなたの事が...好きだった。」
「...へ?」
「私ね、今まで私自身のことを本気で向き合ってくれる人に出会えなかったの。まどかとかはちゃんと話合えたけど、因果が暴走して魔女になるか死んじゃうし、他のみんなは私からどんどん遠ざかっていく...」
「...」
「でも、あなただけは違った。私の事情をバカにせず、それどころか妹さんまで巻き込んでまで笑顔で協力してくれた。なにより、あなたが前世で私を推してくれていたことがなによりもうれしかった。」
「...!!」
「...いつのまにかあなたのことが日に日に好きになっちゃったみたい。だから、目を合わせられなかったり、冷たく当たってしまったの。」
「それは、恥ずかしくて?」
「えぇ...」
な~んだ。そういうことか...ってえ、は?好きだったの??私の事!?
「だから、私は1人の人間として、あなたのことを生涯支えたい。」
「...ほむ...ら。」
私は胸が熱くなった。こんな気持ちになったのは初めてだ。
『マスター。』
『なんだい、テト。』
『マスター、泣いてる。』
『え...』
テトにテレパシーで言われた初めて気が付いた。私の頬をあたたかい液体がつたっていることに。
「だからね伶、私から遠いところに行かないで...」ヒック...
「...あぁ...あああああ...よかったぁぁぁぁぁ...嫌われてるのかと思ったよぉぉぉ...!!」
そして、私とほむらは抱き合いながら泣いた。こんなにも泣いたのはいつぶりだろうか。泣き止もうとしてもなかなか泣き止めない。あぁ...どうしよう。
「うぅ...なんていい話なんだぁぁぁ!」
「せやな、さやかぁ!」
「「...」」ヒック...
『マスター...』
ふと見渡したら、他の子たちも泣いていた。あぁ、まだやることあるのに...
気が付いたら、私は寝てしまった。
↑伶視点
ーーーーーー
↓晶視点
「...ん?あれ、アタシ...」
「「「「「!!!!!!」」」」」
杏子が目覚めたようだ。姉御(=伶)は寝てるので気が付いていないが...
「...杏子、大丈夫か?」
「いってて...って全然痛くない。どういうことだ?」
「ウチが全治魔法かけたんやで。」
「マジで?ってことは、イレギュラーさん?」
「なんでそれだけでわかんねん。」
「インキュベーター、だっけ?そいつから情報があってだな。あんた魔法少女じゃないのに魔法使えるってのはそういうことかなーって。」
「あ~あの野郎から聞いてたのか...」
「...伶が羨ましいなぁ。」
「もしかして...友達とかのこと?」
「!?なんでわかったんだよ...」
「あ~ウチと伶はな...」
そこから晶は杏子に対して転生について語る。
「うっそだろ...私たちが今いる世界がアニメだって!?」
「うん。事件・事故が起こる時期までははっきり覚えていないこともあるけど...」
「...だったら...なんで親父たちを助けてくれなかった!あの時助けてくれたら、アタシは1人にならずに済んだ!!」
うっ...一番言われたくないことを言われてしまった。
「...それは、東京から引っ越してきた時期が佐倉家の一家心中が起こった後だったからだ。ウチらだって救いたかった!でも、引っ越しの受け入れ開始時期に間に合わなかったんだ...」
「...だったら、1度でもいいから来れば「東京から群馬に移動するのにどのくらいかかると思ってる!」...ッ!」
「それにさっきも言ったやろ。"事件・事故が起こる時期までははっきり覚えていないこともある"って。一家心中が起こった時期がわかったのは...引っ越しする前日だった。その時点で既に過ぎていたんや...!」
「くっ......」
その場にいる全員が黙ってしまう。中でもマミは一番つらそうな顔をしていた。突然家族を失ったことが痛いほどわかるのだろう。
「...家族を失った気持ちはよく理解できていない。だけど、伶やウチと違って生き残ったあんたはあんたらしく今後の人生を楽しんで全うすればいいと思う。一度死んだ身からのちょっとアドバイス程度でええから、頭の片隅に入れておいてほしいな...」
「...」
「今の顔を、家族が見たらなんて思う?」
「...あ~もう、わかった!」
パチン!と杏子は自身の顔をたたく。
「杏子?」
「少しすっきりしたよ。あんたたちのおかげでね。」
「...や~っと本心から笑顔になったか。あんたの師匠もよろこんでるだろうね。」
「師匠...?ってマミ!?」
「あら佐倉さん、気づかなかったの?」
「...みっともない姿みせてしまった...」ハハハ...
☆☆☆ーーー☆☆☆
それからウチは杏子に、数週間後にワルプルギスの夜が来ること、ワルプルギスの夜を討伐するには杏子の力が必要であることを伝えた。
「...見返りは?」
「う~ん、ワルプルギスの夜からドロップしたグリーフシードと...」
「と?」
「マミさんの手料理とか?」
「「え!?」」
「ちょっと待って、何で私の手料理なの?」
「杏子の師匠なんでしょ?杏子はよく食べるから、師匠の美味しい手料理がいい見返りかなぁって。」
「...はぁ。わかったわ。」
「本当にいいのか!?」
「弟子が戻ってきてくれたんだもの。ワルプルギスの夜の討伐後になるけど、頑張って祝うわ。」
すごい、さっきまでの表情とは全然違う。杏子がここまで喜ぶとは思わなかったナ。
「それと、これはウチと伶からのお願いなんやけど...」
「なんだ、まだあるのかよ。」
「あそこにいるピンクい子と青い子...まどかとさやかなんだけど、彼女たちを魔法少女に契約させないでほしい。」
「んだそんなことか!こっちからお願いしたいくらいだよ。グリーフシードの取り分少なくなっても困るんでね。」
「ありがとな。」
よし、杏子から協力の意を得れた。あとはワルプルギスの夜を倒すだけだ。
「...晶、伶を運ぶのを手伝ってくれないかしら。1人だと家まで担げれそうになさそう。」
「まだ寝てるんか!はぁ~も~しゃーないなぁ...」
ウチはため息を吐きながら、ほむらとともに伶を家まで運んだのだった。
...途中から雑になりました。次回も何卒。