再びあの灼熱のマウンドの世界へ   作:心ここにあらず

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前回もダイヤのAのことを書いてみましたが色々ご指摘いただいた結果ちゃんと考えてもう一度違う題材で書き直すことにしました。色々ご指摘頂きありがとうございます。今回はちゃんと最後まで書きたいと思います


第1話

真夏の太陽に焼かれる孤独の舞台

 

 

心臓の鼓動まで炙られる真夏の檻

 

 

焼けつく土と白球に夢と重圧を握りしめ仲間の想いを背に甲子園を夢見る者だけが立てる、焦げるほど熱い青春の丘

 

 

そんな高校野球の地に俺は立っていた

 

 

「あっちぃ!」

 

 

真夏の炎天下30度を超えるような猛暑の中俺はマウンドの上で相手バッターと対峙する

 

 

「やべぇなっ!どいつもコイツも腹括ってきやがる…」

 

 

状況はランナー三塁の得点圏一打出ればサヨナラの場面バッターは一番

 

 

ピンチっちゃあピンチだが

 

 

終わらせねぇよここじゃあ延長に入れば俺たちが勝つ_

 

 

「らぁっ!」

 

 

_ ギュンッ!

 

 

そう言い放たれた渾身のボールは相手のバットを詰まらせることに成功した

 

 

しかし

 

 

 

ボールの行方は無常にもサードとレフトの間に落ちた…

 

 

《三塁ランナーホームイン!サヨナラーー!!一番レフト千丸のレフトへのタイムリーで終幕!3-2 この激闘を制したのは一大三校!過去2戦の雪辱を果たしベスト16進出!》

 

 

負けたか…俺たちが

 

 

_ふぅー

 

 

「雷市ー整列だ行こう」

 

 

俺は相手チームをなん度も追い詰めたウチの主砲の肩を支えながら整列の準備をした

 

 

「すまん…止められなかったわ…」

 

 

俺の後輩は顔中が涙や土で汚れていた

 

 

「「「ありがとうございました!」」」

 

 

俺たちは負けた。それも俺が打たれたせいで。エースだったのに…

 

 

 

帰りのバスに乗る前俺は監督の前に立った

 

 

「監督!一年半本当にありがとうございました!」

 

 

そう言う俺をみながら監督は目尻に涙を浮かべ

 

 

「バッキャろ!お前こんなとこで言う奴があるかっ!」

 

 

「いやほんと監督じゃきゃあここまで俺は成長出来たかわかんないっす」

 

 

「…真田。…このチームは最高のチームだ。今日負けてしまったが決して一大三校や青道・稲実にも劣らねぇ。今日の敗因は監督である俺だ」

 

 

「…すいません。甲子園連れてけなくて…」

 

 

監督は責任は自分にあると言っていたが俺はエースを任されてマウンドになった以上打たれた責任は俺にある…

 

 

そんな俺に監督は

 

 

「野球…やめんなよ真田…野球は高校野球だけじゃあねぇぞ」

 

 

高校野球か…限られた時間の中・勝利も涙も、同じ背番号を背負った仲間としか分かち合えない特別な舞台…

 

 

「こんな激アツな場所他にねぇよな…」

 

 

俺は吐き捨てるようにセリフを吐きバスに乗り込んだ

 

 

 

 

部内での最後の挨拶や仲間との交流を終え俺は自宅への帰路に立っていた

 

 

「何も考えれねぇや」

 

 

この先自分が何になるのか、何をしたいのか、今はまだ何も考えられない。

 

まだ今日のことが忘れられねぇ

 

最善の準備をしていた。怪我は少し前にしていたがそれでもほとんど完治していたし影響はなかった…

 

 

それでも頂には届かなかった

 

 

俺は負けた原因を探すように考えながら歩いていた

 

 

すると

 

 

 

「危ない!」

 

 

 

_ キイィィィィッ!! ドガァンッ!!

 

 

「えっ」

 

 

耳を裂くブレーキ音――振り返った瞬間

 

 

巨大な鉄の塊が視界を埋め尽くす。逃げ場を失った身体は、轟音とともに宙を舞い、

 骨の軋む 「ミシッ」 という音が頭の奥に突き刺さる。

 

周りの騒音やぶつかった痛みが徐々に消えていき意識がなくなりかける

 

 

あぁ。こんなところで終わりかよ

 

勝ちたかったなぁ…

 

死ぬ間際最後に思い残すことも野球のことだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわっ!」

 

_ガバッ!

 

大きく飛び上がりながら布団を蹴飛ばし俺は飛び起きた

 

 

「ハァッ…ハァッ…ハァッ…!」

 

 

「なんだったんだ今のは…ん?ここは俺の部屋?」

 

 

周りを見渡すと見慣れた景色…俺は自宅の自分の部屋のベットの上にいた。さっきまで試合からの帰宅中で道路を歩いてたはずなのに…

 

 

それになんか変だ

 

 

体を心臓を抑えていた手に違和感を感じ鏡の前に立つと

 

 

「…小さくなってる!」

 

 

なんでだ!なんで小さくなってる!

 

 

俺は自らが小さくなった衝撃が大きく階段を降りて下のリビングに向かった

 

 

「母さん!」

 

 

そこには30代の女性…真田佳代子が立っていた

 

 

「なぁに俊ちゃん?」

 

 

「…」

 

 

見慣れた母親のはずがそれはいつもみている母親よりも10歳以上若くなっていた

 

 

そして

 

 

「どうしたんだ俊平?」

 

 

リビングに座っていた父・真田総一郎も俺の知っている父より若くなっていた

 

 

「…なんでもない大丈夫」

 

 

どう言うことだ。俺が小さくなって両親も若返っている

 

…まさか

 

そんなアニメや漫画のようなことがあるのか!

 

 

「母さん!今って何年!」

 

「ん?今?西暦◯◯年よ」

 

 

やっぱりだ。…戻ってる

 

しかも西暦から考えるに今の俺は小学生。それも低学年か。前で言うとちょうど野球を始める前くらいだな

 

なんでかわかんねぇけどもっかいあの舞台《高校野球》に上がるチャンスを貰えたんだ

 

別に後悔があるわけじゃなかったが出し切れたとも思ってねぇ

 

まだ最後戦えなかったライバルたちもいる

 

ここでもう一度目指さなかったら男じゃねぇ

 

 

 

 

「激アツじゃねぇか」

 

 

 

俺は己の欲求に従うことにしその日のうちに父と母に野球をやりたい旨を伝えた

 

 

前世ったら言ってもいいのかな?前と同じように父も母もすんなりやらせてくれそうなので明日そのまま体験に行くことになった

 

前世ではそのまま強くも弱くもない普通の中堅リトルに入ったんだったな

 

今世はどうなることやら

 

 

 

 

 

 

 

今俺の目の前には前世と同じリトルの練習風景が広がっていた

 

うん。前世の高校野球であの人の教えを受けていた今なら分かる。ここじゃあ俺は強くなれねぇ。大した指導者もがいないこともだけど何よりも

 

 

このチームには【〝飢え〟】が足りねぇ

 

 

絶対に強くなってやる…強豪チームを喰ってやるって気概を微塵も感じねぇ

 

 

どうしよう。違うチームに入りたいことを父に伝えてみるか?

 

いや迷惑かな。この辺ここしかないし

 

そんなことを考えていると

 

 

「俊平?どうしたんだ?何か不満なのか?」

 

 

父が俺の考えていることでも、分かるかのように問い詰めてきた

 

 

「父さん他のチームじゃダメかな?このチームも見てみたい」

 

 

「…いいぞ明日また見に行ってみるか」

 

 

父は俺の意見を少し悩みながらも聞いてくれて後日別のチームを見てみることになった。前世とこれだけでももう違う道に進み始めているのだろう

 

 

 

 

 

 

後日父と車に乗り二つ隣の町にある江戸川リトルというリトルチームに行ってみることにした

 

江戸川リトルはむちゃくちゃ強い強豪ってわけでもないがそれでも近年は確実にチーム力をあげ強豪の仲間入りを果たした成り上がりのチームである

 

前世では一回もやったことなかったなぁ

 

 

 

 

 

なるほどね。特段優れた選手がいるわけじゃねぇが平均的にレベルが高く指導者やコーチも優秀だ。それに何よりもコイツらからは《上手くなりたい》って気持ちを感じる

 

 

グラウンド外のフェンスに手をかけ練習を見ていると

 

 

「あれ!君も江戸川リトルはいるの!?」

 

 

声が聞こえたので振り向くとそこには

 

茶色がかった短髪で、少し無造作に跳ねている髪型

 

切れ長の目に性格の小悪魔っぽさや企みを感じさせる表情が多い顔

 

帽子をかけメガネをかけている

 

 

コイツ…どっかで…

 

 

するとその少年は

 

 

「ねぇねぇ!何年生?名前なんて言うの!俺御幸一也!一也って呼んで」

 

 

「!!」

 

 

御幸…一也…なんて偶然してやがる

 

前世のライバルチームのキャプテンで正捕手で主砲

 

コイツに打たれて負けたこともある

 

 

真顔で黙り込んだ俺を見た御幸一也は

 

 

「どったの?そんな黙り込んで?」

 

 

いやこれはチャンスか…コイツは実力は俺らの世代でNo. 1捕手と言われてた奴だ

 

コイツといれば俺は前世より強くなれるかも知れねぇ

 

 

「…いやなんでもねぇ。俺は小3で名前は真田俊平だ。友達は俊って呼ぶから俊って呼んでくれ」

 

 

「うん!俊も江戸川リトル入るの!?」

 

 

「あぁ俺も入ることに決めた」

 

 

それから俺たちはいろんなことを話した。勿論野球のことじゃなく小学生らしくゲームや学校のことなど色々だ

 

そんな話をしていると

 

 

「一也!そろそろ帰るぞ!」

 

 

「はーい。じゃあ俊次会う時は江戸川リトルに入る時だね!じゃあね!」

 

 

「あぁ!また今度な一也!」

 

 

俺たちは互いに自分の父のもとに歩いていった

 

 

 

 

その後父にこのリトルに入りたいことを伝えると父は快諾してくれて送り迎えもしてくれるそうだ。

 

ちなみに帰りにスポーツショップでグローブを買ってもらった

 

勿論投手用だ

 

 

 

 

 

うちに帰り風呂に入りながら今日のことを振り返った

 

 

まさかあの御幸一也と同じリトルに入ることになるとはな

 

人生何が起こるか分からねぇってことか

 

 

「ふぅ」

 

 

 

ま、何にしてもこれからのことを想像すると顔がニヤけちまう

 

 

 

「…激アツじゃねぇか」

 

 

 

そうして夜が老けていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちゃんと書きたいので投稿頻度は落ちると思いますが頑張ります!
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