【一巻発売中】裏切りや絶望が溢れるゲーム世界で、鬱展開全てぶっ壊す   作:棘棘生命

135 / 139
皆様いつも読んでいただきありがとうございます!
もう少しで本作を投稿してから一年になります。そのため記念として番外編をまた書きたいと思います!気になる題目があれば、ご選択お願いします。


自由を得るための翼

 シウ・ゼヴァクの魔兵たち、ヨヌアとオズを抜いた群青血の騎士たち、そして俺。今俺は、シウゼヴァクとの共同戦線を張っている状態だ。ただ一体の怪物のために、これだけの人員を必要としている。

 

 

「久しぶり、ってほどでもないがハードすぎるぜ、これは……」

『丁度良い餌が、大量……竜纏いどもは褒めてやらねえとなあ! 次はてめえだ、青色の!』

「く……ローズ殿! 『蒼月の光刃』」

『――また! 邪魔しやがって……! 鉄屑野郎!』

 

 

 騎士ローズが狙われかけたため、俺が後方から巨大な光刃を飛ばして引き付ける。ドラクシエルの分身は、まるで意思を持っているかのように俺へ怒りを露にした。

 女神と崇められようと実態はこれだ。汚いやり口を好む、そこらの上位種と変わらない。偽女神の中で一番粗野な、本能に従っているタイプなのだ。

 

 だが、力は分身であるのに凄まじい。空を自由に動き回り、逃げる草食動物を追うように。あらゆる角度から巨大な爪での引き裂きを多用してくる。

 竜擬きというより、感覚としては鳥の上位種を相手している気分である。

 

 あの種族への対処は苦手だ。攻撃こそ軽いため付け入る隙を与えてくれるが、ドラクシエルは違う。翼を持っている上に虚空を足場にしているのだ。それ故に攻め方が単一ではなく、タイミングもずれる。

 

 

「『霊月の槍』」

『……ちまちまと飛ばしてきやがって! 行けよ「飛翔牙」!』

 

 

 ドラクシエルの分身から、俺の放つ光刃と同じような、魔法が飛んでくる。それらは俺の魔法と相殺され、大きな破裂音を発した。

 

 先ほどアデスに言われたばかりのことが浮かぶ。「翼が無いのはもどかしい」。確かにその通りだ。飛び道具と脚力だけでは限界がある。

 これからの戦いについて行くには、空も主戦場に出来る戦士であるべきだ。

 

 主人公の勇者が覚えたあの魔法を習得できるように動くか、学院の技か。

 前者は習得する手段が分からない。ハルランを頼るべきか。後者は、流石に研究成果を渡したり、頭を下げたりするだけで、ルリベナが了承してくれないだろう。全くの部外者を弟子としているのが異例なのだから。

 試してみる価値はあるが。

 

 

(しかし、こ(・)ん(・)な(・)も(・)の(・)な(・)の(・)か(・)? これに本来、アデス団長やラディアが負けた……?)

 

 

 集団で襲い掛かってくるのが脅威だったのだろう。だが、思っていたよりも対処できる。もし複数を相手にしたとしても余裕がある程度には。

 新しい見出した「月」は、単なる強力な魔法だというわけではなさそうだ。

 

 心が急速に落ち着いていく。ここに、強者が勢ぞろいしているのだと思えば、更に冷静になれる。

 この戦いで、思いついたもの全てを試してみよう。上位種どもに勝ち切ることが、不可能ではないと証明するために。

 

 

◆

 

 

 最高の防護術式で守られた地下室。つい最近まで越境組織において選りすぐりの腕利きが集ったここに、今罵声も悪意もない。「束ねられた腕」は事実上解体された。内紛の惨状は色濃く、まとめ上げる必要のある人員も数える程度に減ったのである。

 

 虚ろな名誉に飾られた部屋は、防護施設としての完成度から再利用されている。

 囁き声、からからという機織りの音、設計図の上を羽ペンが滑る音。どれも微かに聞こえるそれらは「人形師」の集団によるものだった。

 

 

「――どーも! 調整は終わりましたか?」

 

 

 そこへ元気よく、手を挙げながら戸を開く者が現れた。騒々しい来客に、しかし面々は特段嫌がるそぶりを見せなかった。纏う意匠は違えど、この者も同じ過去を持つ同輩なのだから。

 体格からして、群青鎧に着せられているカーディに、まとめ役たる針金のように細い肉付きの女性が近づく。がらと台車の車輪が回って、二人の横にやってきた。

 

 台車に乗っていたヒトガタは手をついて立ち上がり、二人を交互に見るように首を動かした。腰に手をやり、剣の鞘だけが括られた場所を握る。

 ヒトガタの貌には、目も鼻も備わっていない。外側にある金属鎧と、兜の正面に幾つもの横溝がつけられていることだけが特徴だった。

 

 

「ほら、この通り。十分にできましたよ。大母様にご確認いただいてきて」

「流石、先輩方は仕事がお早いー! では、ささっと行ってきます!」

「……カーディ。ルヴネトには無事に。お手入れも欠かさずにね。お勤めだけでなく、英雄様から学んでいらっしゃい」

 

 

 早速地下室から離れようとするカーディを止める。その後、彼の赤紫の髪を華やかにしている白のリボンへ、その女性はそっと触れた。

 

 

「もーちろんです、沢山メモしてきますのでお楽しみに! 矛神にも似たお連れの方がいたそうですが……人形師の良さをアピール! してきますよー!」

 

 

 カーディはくすぐったそうに女性の手をどかし、歯を見せて笑う。

 彼が少女のように着飾る理由は、殆どの人形師たちの性質にも関係している。

 

 名を「特別」なものとされながら、特別な存在とする行為は不完全だった。男女の区別ができないほどに未熟で止まる。奇異な生命として生まれた瞬間から呪いを背負わされ、その責任は誰も取りはしなかった。

 

 故にモユヌエに集められた子らは、定義づけを自ら行った。未熟なまま生き、死ぬというなら、若葉としての美しさを誇るのだと。

 格好は、この女性の趣味嗜好とも言えるが。

 

 

「――では、私がご案内しますので付いてきてくださいー! 慣れないお体ですから、足元にお気をつけて!」

『…………』

 

 

 カーディは奥にいる人形師全員に向けて手を振った後、鎧の傀儡人形を先導する。かちゃかちゃと音を鳴らしながら、魂を宿すそれは一段ずつ踏みしめていった。

 

 

◆

 

 

 そしてカーディが用事から戻って来て、しばらく。ミナのベッドの周りには、数日前の静けさでは考えられないほど人が集まっていた。

 何時までも毛布にくるまっているのはどうかと考え、ミナはベッドに腰かけた状態で訪問者に目線をやる。

 

 じっと物言わずこちらへ首を傾けている鎧の圧は無視し、包帯を取り払った知人へ互いの無事を喜びあっていた。後についても話し、ミナの声音は落ち着いた調子になる。

 

 

「――そうなんだ。まあ、不安がるのも分かるなあ。良かったじゃん! 愛されてるってことだし」

「親父にそんな情はありませんよ。ですが、これも悪い話やない。僕も平じゃなく、摩擦が緩和できるように働きかける時が来た、いうことでしょう」

「はあ、偉い人のご子息は大変だー! ケルちゃんも、私の膝におさまってるのが不思議な感じになっちゃったしなー」

「……? そうなのかな?」

「まあまあ、一番良い立ち位置じゃないですか。帰りも大先生にくっついていかれるでしょう? 道中お気をつけてくださいよ」

 

 

 ミナは、見上げてくるケルの頭を撫で、脱力しながら他者の心労を思う。一年未満の旅路で、彼女と出会ってきた人々は後半にいけばいくほど、背負うものが大きい者ばかりになっていった。

 心の中央に今もいる青白い騎士も、もはや腕利きというだけではない。抱く想いが大きくなるのと比例するように、彼は大陸内で名を轟かせていく。評価されていないとはもう言えない。ミナの中にあった密かな目標は、他ならぬ彼の行動によって自然に達成されたのだ。

 

 なら、己には何があるのか。ただついて行くだけで、戦力にもならない。ミナは自身だけにある「武器」というものがいくら探しても見つからず、途方に暮れていた。

 しかし、エドワルドはミナの無力感に、彼女の価値を一点示し入れた。確かにミナは大切な一人なのだと。

 

 

「望むなら、妾が手配してやるのじゃ。お主ほどの魔力持ちはそう多くはない。エドワルドと一緒に、カーディから学ぶのも良いじゃろう」

「い、いえ! そこまでしていただくのは……!」

「むむ。妾、そんなに怖いか?」

「あはは……」

 

 

 沈んだ様子のモユヌエに、アルビンは濁すように笑う。彼の立場は確かに特異だが、それ以上にモユヌエは雲の上の人物だ。発言に気をつけなければ外交問題になり、更には自身の命を手段にされるところだった相手だ。

 挨拶は終えた。早く立ち去りたいと思いながら、アルビンは足を後ろ向きにしていた。

 

 彼の機微を察したミナは最後に、短いながらも共に旅をしたもう一人について伝える。アルビンは細い目をぎゅっとしぼった。

 

 

「またどこかで。ロオファ……のこと、支えてあげてね。貴方がどうにかできることじゃないかもしれないけどさ」

「ええ、また。出来る限り頑張ってみます。あちらさんに悟られないよう、団長様が動いて下されば……まずは審問をどう抜けるかや」

 

 

 アルビンはそれぞれに頭を下げ、病棟を離れていく。「アザレアの脚」であることが発覚したロオファは、意識が戻ってからすぐ、既に矛神の神官たちによってラーマイマへ移送されている。モユヌエが暴いたことがきっかけではあったが、特徴的なタトゥーが刻まれていることが決め手となった。

 

 巨大組織故に、諜報員は潜んでいる。虫の上位種による襲撃を重く見た、双子神教合一の身体検査により、ロオファ以外にも多くの人間が審問にかけられる手筈になっている。

 もしモユヌエが調査しなかったとしても、明るみに出るのは時間の問題だったと言える。

 

 しかし先に暗色が漂っているとも、アルビンは晴れやかな表情だった。

 矛神教は長らく個人主義であった。ラディアの弟子同士でさえ交流を深めたことは無い。

 これからは違うと彼は考えた。双子神教の融和の流れを受け、排他的な思考も、殺伐とした空気もより良く変えていける可能性がある。立場が全く違うロオファと肩を並べられたのが、その萌芽だと思えた。

 

 まずは弟子同士の結束である。矛神で再び生きられるように、彼は持てる全てを使うつもりだった。その誓いは正しいかどうかではない。

 アルビンは此度の戦に転換点を、希望を見出したのだ。

 

 

◆

 

 

 人が訪れては去っていく病室にて、モユヌエはゆったりとエドたちの帰還を待っている。茶葉を取り出しながら、カーディが置いていった傀儡人形を再度見た。

 それは指の一本も動かさず、直立不動で存在感を放っている。ミナとケル、そしてモユヌエだけになり、空気が少しずつ停滞していく中で、たまらずミナが尋ねた。

 

 

「ええっと、すみません……この大きい人、何で黙ってるんですか……? ちょっと、落ち着かなくって」 

「ぼくも気になってた! モユヌエさん、このお人形さんって話せないの?」

「……越境の職員みたいな感じなの、これ……」

 

 

 ミナは右手を鎧の頭部近くで振る。すると今まで石のようだったそれが掌を向けて、ミナの手を軽く叩き返した。

 従来の傀儡人形のように、決められた動きをこなしているようには見えない。しかし人が動かしているにしては、動作が固すぎる。ぎょっとしたミナは、ケルをぬいぐるみのように力強く抱きしめた。

 ケルは嬉しそうにミナの腕を胸に抱える。

 

 

「大丈夫だよミナお姉ちゃん! ぼく、この中にいる皆といっぱいお話してきたもん!」

「発声機能は追加で付ける予定よ。幾ら統率が取れていようと、数多の霊魂を好きに喋らせると頭が痛くなるでな」

「そっか……」

「それで、お主らに考えてほしいんじゃ! しばらく一緒に旅をすることになるなら、希望を聞いておいた方が良かろう?」

「え……これと……?」

 

 

 モユヌエは説明する。この傀儡人形は、エドワルドが人形術を学ぶ上で必要な道具であり、亡霊たちの器でもあること。また魔力を燃料にしているため、ある程度自律して行動できることを。

 設計の詳細についても話されたが、ミナとケルが理解できるものでもない。しかしミナが抱いた不気味さは軽減されることになった。

 

 霊魂の言葉を音として直接聞けば、精神に異常をきたす恐れがある。そのため意思疎通を取るには、フィルターを用意する必要があるのだと、モユヌエは続ける。つまり、基本的な出力を男女のどちらにするかということだ。

 

 

「確かに……大きくはあるけど、どっちっぽさもあるかも」

「エドワルドについても考えてほしいのじゃ。あやつはどちらでもいいと言い出すじゃろうし。どっちが気分が上がるかの……?」

「私は男の人の方が良いですー! これ以上エドが……」

「ぼくもミナお姉ちゃんと一緒にする! そのままお話しできるの、楽しみ……!」

「うふふ、あい分かった。なら男の声にしておくのじゃ――ん?」

 

 

 ミナの必死さと、ケルの興味が無いことへの適当さの対比に、思わず笑ったモユヌエは直後はっと目を見張る。

 向いたのは会話していたのとは反対の、王城がある方であった。

 

 ケルも同じように、顔を強張らせる。雰囲気の変わった二人にミナは、自身が感知しえぬ重大な事態が迫っているのだと理解した。

 

 戦闘不能者を運び出す際、一瞬だけ開かれた世界。ケルとモユヌエは、そこから邪悪な魔力を感じとったのである。

 穏やかな感情は、モユヌエの頭から吹き飛んだ。椅子から飛び降りるようにして立ち、ミナの腕の中で動きだそうとしている幼子を制止する。

 

 

「……行かねば」

「ぼくも!」

「ケルはここで待っておれ。何故エドワルドがお主を連れなかったか、考えてみるのじゃ……今回ばかりはな」

「ううっ……」

「ではミナよ。ケルのことを頼んだぞ」

 

 

 もう幼き老女の表情は、入れ替わっている。頷きだけをミナは返し、王城を見やった。ケルを止めることが今自分に出来ること、信じて待つしかないのだと。

 

 

 

 モユヌエが向かった先には、儀式の終わりまで待機するよう命じられた矛神の神官たちがいた。魔法「感知」と「探知」などはリシディア教の技術であり、双子神教は魔力の流れを感覚的に理解する。

 つまり自身の魔力が届く範囲外の異変については、感じ取ることは出来ずにいた。

 

 モユヌエはまごまごしている人々の群れに、躊躇いなく突っ込んだ。そして厳重に包装されている金属塊を指差しながら、一際装飾の凝った騎士へ告げる。その壮年の女性は、別地方から招集を受けた総司令官だった。

 箱には同じ素材の金属鎖が巻き付けられていた。

 

 

「突然の願いで恐縮じゃ。ハルラン様の元へ、妾ともにこの鎧を持ってくれぬか?」

「……ええ。アデス団長の代理として、私が。皆、鎖を解いてまいれ!」

 

 

 アデスから受けた指示と、矛神の集団の中で只一人感じ取った魔力。それを天秤にかけた総司令官の女性は、後者を選択した。

 

 神官と騎士が協力し、箱から鎧を取り出した。背面には一対の特殊な機構が備わっており、非常に薄い。単体では防具としての効果を為せない代物である。

 双子神教が開発した新型の鎧であり、どのような金属鎧とも融和できるように丈夫な皮の留め具が施されている。その鎧はそのまま、「翼」と呼称されていた。

 

 学院の一部だけではなく、人を新たな段階へと進歩させる。空へ手を届かせるための業。

 

 

 ハルランとアデスの会談の内容を間接的に聞き及んでいた彼女は、知っていた。儀式の完遂にあたり、報酬として渡される物品と、その締結を。

 また与えられるモノについて、エドワルド以外の儀式に参加するすべての戦士が理解していた。抽象的な名誉ではなく、命を賭せる価値を得られるからこそ、戦士は臨んだのだ。

 

 

(……この場で、無償とするは美徳にはならんぞ。エドワルドよ――)

 

 

 矛神騎士たちの前を歩き、モユヌエはついに一室を開いた。そこには空間をこじ開けたような、大きな裂け目があった。周囲にはぼろぼろの戦士が座り、裂け目の最も近くに竜の如き鎧の巨体があった。

 巨体の女性、ハルランは、モユヌエと矛神騎士たちに気づく。

 

 

「ハルラン様、儀式の状況は!? 戦士たちはどうなっておるのじゃ!」

「ああ、君も来たのか。儀式は成功したようだ。今は後始末を……いや本命を片付けている最中。皆無事だ、今のところは」

「本命……? い、今のところは? ……この先から感じる、魔力は!」

「取り決めがあって話せないことがある。直接見てみてくれ」

 

 

 ハルランはモユヌエを呼び、状況をそのまま見せる。モユヌエを襲った猛烈な不安感は、杞憂で終わらなかった。

 直接の単語にしてはいけないと、ハルランはぼかして伝える。だが矛神の儀式で呼び出されるものと聞けば、時代の生き証人たるモユヌエにはすぐに判別がついた。

 飛び回る有翼の怪物は、ドラクシエルに限りなく近い存在なのだと。

 そしてモユヌエは、動き回るエドワルドの負傷に気が付いた。青白い鎧は、ところどころが引き裂かれ見る影もない。

 

 ハルランとエドワルド、どちらも目を離すと碌な事がない。エドワルドの動きに注力し戦況を呟くハルランに、モユヌエは人差し指を下に、説き伏せる。

 

 

「ううん。傷は……浅くはないが、余裕がある動きだ。予想通り介入しなくとも――」

「ハルラン様! もっと只人の目線で考えてくだされ! ……妾に鎧を」

「……ごめん、集中するといつもこうだ。援護する」

「……要りませぬ。ハルラン様は先ほどまでと同じく、救助を優先して下され」

 

 

 立腹のまま、渡された鎧を両手いっぱいに抱きしめた。一歩、広げられた裂け目をくぐる。

 次に驚いたのは、裂け目近くで撤退の援護をしていた者たちだ。モユヌエはそれを制し、見慣れた少女を小さく手招いた。

 

 

「アイナよ、妾はこれをエドワルドへ届けるつもりじゃ。共に行くか?」

「……助けになれるなら、喜んで!」

「良い返事じゃ」

 

(んんむ……本当に世話が焼ける奴じゃ。事が済んだら……! でも、責めてはいかん。労ってやらねばの)

 

 

 モユヌエはぼろぼろの騎士へ不満を思いながらも、アイナに分割された鎧の片方を手渡す。彼女は左腕に力を入れて鎧を支えながらも、髪を撫で、ぱちりと右指を弾く。

 これこそ、彼女が究めた業を行使する合図。赤茶けた大地に落とされた簪がぐるりと曲がり伸び、土を肉に人型を形作る。

 

 この空間は上位種を通し、また別の世界に繋がっている。遺恨の魂が、人形に呼応した。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。