公安対魔特異課のヒーラー   作:水滴

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描写はしていませんが主人公もいうて美形です。
やっぱメインで動かすなら美形の方がいいよな、ガハハ。

感想返信で言っていることはその場で考えていることなのであまり参考にはしないでください。

このサイトって本当にバーに色がつくことあるんですね。皆さんありがとうございます。


4. 人間と怪物

 

 8時22分、僕は永遠の悪魔が潜んでいたホテルに到着した。すると駐車場を疲れた様子の特異4課のみんなが歩いていた。デンジは姫野さんに抱えられて、アキくんはパワーちゃんに肩を貸させている。コベニちゃんと荒井くんもついてきている。みんなマキマと話してから来た僕以上に疲れた様子だ。僕は挨拶もそこそこに彼らに近づくと抱えていた死体袋を地面に落とし、広げた。

 

「すごい不謹慎だけど、こんなんしか用意できなかったんだ。どっちから入る?」

 

「デンジからだ」

 

 アキくんが答える。怪我人側の要望なのでさっさと言う通りにしよう。

 

「姫野さん、荒井くん手伝って。デンジをこの袋に入れます。コベニちゃんは救急車呼んどいて。治っても病院は必要そうだから」

 

「どう言うつもりじゃ?デンジは死んどらんぞ」

 

「足から入れるよ」

 

「わかりました」

 

 パワーちゃんはこれからやることが理解できないようだが、姫野さんと荒井くんは察しがついているようだ。

 

「よし、始めるから手拍子叩くまで死体袋の反対向いてて」

 

 一部困惑してる人もいるけどみんな死体袋に背中を向ける。それを確認した後、いつも通り両手を打ちつけて音を鳴らす。

 みんなが振り返って様子を見る中僕は死体袋を開いた。

 そこにはさっきまでついていた傷や汚れがなくなったデンジが寝ていたが、外から日光が目に入ったようで目を覚ました。

 

「地面で……起きたのは………久しぶりだぜ」

 

「おはよう。アキくんにも同じことをするからデンジを出すよ」

 

 デンジを出してアキくんと交代させて驚いた様子のパワーちゃんの肩を貸させる。アキくんにはまだ意識があったからか、先ほどより素早く死体袋に収めることができた。

 

「アキくん、開けるまで目を閉じてね」

 

 目を閉じたのを確認して袋を閉じる。察したみんなが先ほどのように死体袋に背を向けた。ありがたい。

 先ほどと同じように両手を打ちつけ、しゃがんで死体袋を開ける。

 

「おはようアキくん、気分はどう?」

 

「最悪だ」

 

 アキくんは眩しさから顔を顰めているが傷は大丈そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの永遠の悪魔駆除から数日後の朝、目が覚めるが体が重い。金縛りってやつ?これまでかかったことないのに……。

 金縛りって一度かかったらクセになるって聞くし嫌なんだけど。

 いや、足は動くぞ。でも、体が起こせない。そう思いながら目を開けると緑色の目をしたこちらを覗き込む美少女が居た。ってかレゼじゃん‼︎

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇーーー‼︎??」

 

「わぁぁぁぁぁぁぁぁーーー‼︎??」

 

 僕が叫ぶのに驚いて、僕のお腹の上に座って胸に手をついて起床を妨害していた下手人も叫ぶ。どうりで起きられなかったわけだ。

 

「キミ、レゼ?…………これ夢?なぁ、キミ。これって夢?」

 

 まずレゼであることはあり得ない。他組織からの僕の奪還を恐れて僕の能力を知っている人には秘密保持契約がなされている。最近公安から不審に失踪した人の話も聞かないし他組織にはバレていないはずだ。

 あり得るとしたらこれが本当に夢であるか、夢の悪魔、或いは何らかの人に化けられる悪魔の仕業だ。上に乗った推定悪魔が入ってくる際に部屋が吹っ飛ばされたことを考えて周りを見回すが何も壊されていたりはしない。天井も無事だ。上から揶揄うような口調の声が聞こえてくる。

 

「キミが1番好きで可愛い怪物になってあげたんだけど。ご不満?」

 

「やっぱり悪魔か!レゼちゃんは好きだけどまがいもんに用はないね‼︎早く降りろ‼︎」

 

 「降りろ‼︎降りろ‼︎」と連呼すると、「しょうがないなぁ」と言いながら僕から降りてベッドの横に立つレゼもどき。

 ねぇ、今武器持ってないんだけど、これって絶対絶命?そう考えていると、レゼもどきが黒い結晶のようなものに包まれそれが霧散する。霧散した結晶は彼女の背後に吸い込まれるように消えている。どうなってるんだろう。結晶から出てきた悪魔は黒い結晶で出来た二本角を持つどこかで見たことがあるようで、見たことのない黒髪の美少女の姿をしていた。暗い緑色のワンピースを着ている。目はさっきより更に明るい緑色だ。

 

「私は怪物の悪魔。キミの頭の中の女の怪物を混ぜていい感じに化けてやったから騒がないで」

 

 こっちの口調が素のようだ。

 怪物の悪魔?そんな奴は知り合いにいないし、原作にもいない。ってかそんなに強そうな奴なら尚更この状況はまずそう。

 

「何の用だよ。言っとくけど僕はミント味だ。辛くて食えたもんじゃないよ」

 

「キミを食いにきたんじゃない。キミから可能性の悪魔の力を感じるんだ。契約してるでしょ?」

 

「……してるけど?お前は可能性の悪魔の眷属かなんか?」

 

 何となく話が読めてきたぞ…。そう思ってると得意げな様子で怪物の悪魔が話し出す。

 

「違う。私は思考する生物のそれぞれが想像する怪物への恐怖からなる、怪物の悪魔だ。可能性の悪魔は友達で数年前から探している」

 

 なるほど。と言っても可能性の悪魔の所在なんて僕が知りたいくらいだ。僕を殺す気もないみたいだしお引き取り願おう。

 

「知らないんだよ。見つけたら僕にも教えてね」

 

 そう言いながら怪物の悪魔の後ろに回ると肩を押してこの部屋の玄関へと押していく。押されながら怪物の悪魔が話し出した。

 

「可能性の悪魔の力はキミからしか感じ取れない。キミが関係あるのは間違いないんだ」

 

 なんか話してるが僕に取り合うつもりはない。

 

「だからぁ〜。知らないものは知らないの」

 

 そうして怪物の悪魔を押していると、急に動かせなくなった。お…、重い……。

 

「さっきキミの思う怪物を見てみたんだけど、ありゃ凄い。キミ、私と組んでよ。キミが考えた怪物ならどんな奴でも食えそうだ。」

 

「悪魔はともかく人間はまずいんだよ。僕も共犯になっちゃう」

 

「人間は人間を殺しちゃダメなんだったな……。めんどくさい連中…」

 

 これはもしかして……。期待しながら僕は口を開いた。

 

「悪魔しか食べないなら、一緒に可能性の悪魔を探してやってもいいよ?」

 

 「公安ってとこで一緒に仕事してもらうけど」と付け足す。マキマにこの状況がバレていないわけがないので公安に行くのは確定だ。すると怪物の悪魔は頭をこちらへ向けてこう答えた。首の可動域は人間に準拠しているみたい。

 

「たまにキミの血をちょうだいよ。それならそのコーアンで働いてあげる。可能性の悪魔を見つけるまでだけど」

 

 契約は成立だ。バディ見っけ‼︎

 

 

 

 

 

 

「というわけでこの娘が怪物の悪魔です。悪魔が食べられて、可能性の悪魔を見つけるまでならここで働いてもいいとのこと。理性も強くて人間を我慢してもいいみたいです。血はたまに僕があげます」

 

「ここなら可能性の悪魔の情報も勝手に集まってくるだろうと聞いた。よろしく‼︎」

 

 その声と共に服の裾から黒い結晶の粉が吹き出し、僕の隣に人型になる。

 

「へぇ。ビッグネームだね」

 

 そう目の前で答えるのはマキマだ。あの急な本性カミングアウト以来、特に変なことはしてこないので気にしないことにしている。

 

「バディにしてもいいけど名前がないと不便だよ」

 

「モンちゃんって呼ぶことにしました」

 

「私はそれで構わない」

 

 可能性の悪魔にそう呼ばれていたようだ。ずいぶんチェンソーマンっぽいネーミングだなと思ってる。

 

「上には私が話しておきます。見回りしながら色々教えてあげて」

 

 話のわかる上司を持って幸せだ。何か起きてチェンソーマン諦めてくれたら、もっといい上司になれると思うよ。

 

「あっ、この娘を手駒にするのは無しですよ」

 

「そんな約束はしてないよ」

 

「じゃあ、お願いです」

 

「一回だけって言ってたやつ?」

 

「それとは別です」

 

 僕とマキマの間で交わされる会話をモンちゃんはよくわからなそうに聞いていた。

 マキマには無理だろうけど釘を刺しておく。結局やられちゃうかもしれないけど言うだけなら無料だ。

 

「では、行ってきます」

 

 そう言いながら僕はモンちゃんと共に扉から廊下へと出た。

 Let's 見回り‼︎

 

 

 

 

 

 

 僕とモンちゃんは人通りがほとんどない道を歩く。今日は悪魔であるモンちゃんがいるからあまり人がいないコースだ。隣を歩くモンちゃんは朝とは違い白いワイシャツと黒いスラックスを履いて、ワイシャツの上から少しオーバーサイズの黒色で裏地が黄緑色の薄いジャンパーを着ている。

 

「ミミ、腹が空いた。何か食べたい」

 

「もうお昼だね。何も出なさそうだしお昼食べたら本部に戻ろっか。一緒に訓練しよう?」

 

「私には必要ないよ。怪物になればいいだろう?」

 

「初めてなる怪物になったらちょっと困らない?それに狭いところとか周りに人が多かったら人型でも戦わなくちゃいけなくなるよ?」

 

「……なるほど。それはあり得る。前言撤回、私に訓練をつけて」

 

「元からそのつもりだよ。まずはラーメン屋にでも行こうか」

 

 そう話す僕らの上を大きな影が通ると目の前に何かが着地した。

 僕はすでにグラディウスを引き抜いている。着地時に奇襲してこなかったあたり、こちらを結構なめているようだ。腰のホルスターに入ったコンテンダーは今回も使うのは無しでいいだろう。

 目の前に降りた巨大な何らかの鳥の悪魔が話しかけてくる。

 

「人間と、弱そうな悪魔の匂い。手頃そうだなァ」

 

「ちょうど退屈してたんだ。昼食前に運動がてら試させろ雑魚悪魔!」

 

 そう言いながらモンちゃんは結晶に包まれ、そのまま黒い結晶がすごいスピードで大きくなっていく。その間に僕は鳥型の悪魔に肉薄するとそのまま飛び始めようとした推定鷹の悪魔の片方の羽を中程で切り落とす。叫び声がうるさいが、これでしばらくは飛べないはずだ。

 

「わざわざ話しかけに来てくれてサンキュー。お前逃したら大勢死にそうだから、ここで殺すよ」

 

「私がやる。それ以上はいいよ」

 

「わかってるよ。やっちゃえモンちゃん」

 

 反撃しようと顔をこちらに向け嘴で攻撃しようとしていた鷹の悪魔。しかし、横合いから迫ってきた黒い結晶で出来たほとんど道と同じくらいの横幅と大きさを持つ、狼のような怪物になったモンちゃんの顎に噛みつかれることとなった。

 

「後処理もめんどくさいからさ、食べきっちゃっていいよ」

 

「わかった」

 

 その言葉と共にすでに鷹の悪魔が動けない力で閉じられていた顎はその命を摘み取るために力強く閉じられた。

 

「グエエエェエェェェェェェェェーーーー‼︎‼︎」

 

鷹の悪魔の胴体がモンちゃんに食いちぎられ、残った羽と足、頭が地面に転がる。

 

「こんな強そうな…、匂いしなかった……」

 

「それはそうだろう。人型の時は弱い怪物になっているワケだからね」

 

 モンちゃんはそう頭だけになっても話す鷹の悪魔の疑問に答えると、地面に残った部位の中からまずは頭を食べることに決めたようで口に含み捕食した。

 

「やっぱり足は残しとこう。全部食べるのは流石に問題になりそうだ」

 

「いいだろう。不味そうだから私も足は食べたくなかった」

 

 羽の残りを食べ終わるとモンちゃんが話しかけてくる。

 

「やはり良い。キミの頭の中の怪物は強いらしいな。結晶のまま怪物になるなど、私だけではできなかった」

 

「怪物の悪魔なのに自由に変身できないの?」

 

「私は基本的に対面している連中の1番恐れる怪物に変身するか、私の思う恐ろしくて強い怪物に変身していた」

 

「相手が恐れているものが強いとは限らないし、私自身ではなれる怪物の引き出しが少ない」

 

「その点、キミの頭の中には今まで変身してきた数の何倍もの強くて厄介そうな怪物が居る」

 

 そう言いながら大きな狼のような黒い結晶が霧散していくと中からモンちゃんが出てくる。その手には銃弾のような形をした肉片が握られていた。

 

「集めているらしいから飲み込まないでおいたよ」

 

「ありがとう」

 

手のひらの上にある銃の悪魔の肉片をつまみ取ると僕はハンカチで包みポケットへとしまった。

 

「仕事もしたんだ、ラーメンを食べに行こう」

 

 モンちゃんがこちらへと向き直る。力を示せたからか嬉しそうだ。

 

「まだ食べれるの?」

 

「当たり前だ。古今東西、怪物というものは大食いだからね」

 

「……ここからなら良いラーメン屋が近くにあるよ」

 

「頼んだよ」

 

 僕の可能性の悪魔の能力とも相性が良さそうだし本人も強い、モンちゃんと会えたことはとても良いことだったのかもしれない。

 

 

 

 あの後ラーメン屋に着いたモンちゃんは並ラーメンを食べていた。怪物形態と別腹ではあるが、人型の時は見た目通りの量しか食べられないらしい。僕の財布が爆発させられることがなくて安心した。

 

 

 

 

 

 

 報告をしようとマキマの執務室へ向かう途中、アキくんと廊下で遭遇した。アキくんは僕の隣を歩くモンちゃんの角を見て驚いた様子だ。これはもしかして、どう説明しても怒られるんじゃないか?逆にこっちから話しかけよう。

 

「やぁ、アキくん。隣のこの娘は今日から僕のバディのモンちゃん。多分僕より真面目だから心配しないで」

 

「やっと出来たバディは悪魔か……。悪魔は悪魔だからな、あまり信用するなよ」

 

「モンちゃんとは約束があるからね。多分大丈夫だよ」

 

 アキくんは悪魔が嫌いだからね。モンちゃんの安全性を今後もアピールしていこう。

 

「そうか…………。今週末に新人歓迎会をやろうと思ってる。ミミとモンも出られるなら出てくれ」

 

「シンジンカンゲイカイ……?」

 

 悪魔にそんな文化はないからか、モンちゃんは意味がわからないみたいだ。悪魔は新人を歓迎することより、何もわからない状態のままぶっ殺すことの方が多そう。

 

「ご飯とお酒がいっぱい楽しめるってことで一旦は大丈夫だよ、モンちゃん」

 

「へぇ…」

 

 モンちゃんも乗り気そうだ。ここで返事をしておこう。

 

「どっちも出られるよ、楽しみにしとくね」

 

「ああ、わかった」

 

「じゃあ、報告があるからここらで」

 

 そう言ってアキくんと離れる。もしかして怒られなかった?このまま執務室へ行こう。

 

 

 

 無事マキマへの報告をすまして執務室の扉の前に出た僕とモンちゃん。僕たちが外回りに行っている間にモンちゃんは僕の部屋で預かることに決まったらしい。

 

「ふむ、朝のあの部屋か。なかなか広かったし、私が住んでも問題はないだろう?」

 

「そっちに問題はないけど、僕の心に問題があるかな」

 

「私はすでに人間の一般常識を身につけている。心配は無用だ」

 

「だと良いけど……」

 

 モンちゃん自体にはあまり心配はない。半日一緒に過ごしてわかっただけでも僕が知る悪魔、魔人の中で1番まともだと言っていい。どちらかと言うと美少女との共同生活を強いられることになった僕自身への心配のほうが大きい。

 僕は一旦そのことを頭から追い出して、新人歓迎会と午後の訓練について考えることにした。

 

 

 

 

 

 




バディが居ないってことはこれからできるってことか?となりこうなりました。モンちゃんがちょっと強すぎそうですが今後を考えるとこれでもかなって…。
可能性に関係する事象は多いと思うので、可能性の悪魔はお仲間が多そうですよね。
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