戦闘民族、異世界に襲来!   作:KKRT

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かなーりお待たせしました。 待たせすぎました。 でもまたお待たせするかもしれません。 ゆるしてちょんまげ。
…どうもすみませんでした。
とにかく皆さん前回の誤字報告と感想ありがとうございます!!!!


第六話 悟空の切り札! 魔王軍幹部をぶっ飛ばせ!

 

 …ユウトが勇者としてこの世界に召喚されてから、もう10年ほどの月日が経っていた。 彼は元々日本と呼ばれる国にいたが、ある日突然、他二人と共にこの世界に勇者として召喚された。 初めは未知の世界に戸惑っていたが、一緒に呼び出された二人の勇者と共に旅をし、助け合い、そして数多くの人々を救っていた。

 

 その中で、彼らはユウトを筆頭にどんどん強くなっていった。 当時の魔王軍幹部では、まるで相手にならなかったと言う。 しかし、その強さが彼らの驕りを生んだ。 無策で魔王に挑んでしまったのだ。

 

 魔王は彼らの想像以上に強大であった。 その結果彼らは完膚なきまでに叩きのめされ、勇者パーティは全滅の危機に陥っていた。 だが、その三人の中で最強であったユウトは、他の二人を逃すため、たった一人で魔王に立ち向かった。

 

 結果、ユウトは魔王の呪いを喰らい、レベルが上がらなくなってしまったのだ。 そして、魔王はそのユウトの未来を嘲笑うかのように見逃し、魔王城から追い出した。

 

 そうして、長い年月が過ぎた現在。 ユウトは強くなっていく周りに追いつけず、やがて周りからの評価は、『最強』から『最弱』へと変わってしまった。

 

 絶望の未来に、ユウトは心を閉ざしてしまった。 もう勇者も世界も、何もかもどうでも良くなっていた。人目につかない所でのうのうと生き、常に死に場所を探していた。 が、ついに目の前に自分より強い魔王軍幹部が現れた。

 

「あまり調子に乗るなよ…人間!」

 

 まさかいきなり、こんなレベルの魔王軍幹部が現れるとは。 思えば今日は本当に運が無い日だった。 戻りたくない場所には戻ってしまい、自分みたいなのを好いてくる、変なエルフに急に抱き付かれ。変な髪型の戦闘狂に挑まれ。

 

「こ、こんなの…レベルが…」

 

 後ろのルフェというエルフは幹部の力に戦慄し、青ざめた顔でそう言った。 

 それを聞いて、自分もそんな思考が持てていたらな、と後悔の記憶を思い出した。『最強』と言う名声に酔い、レベルがまるで違う敵に挑み、そして力も名声も失った過去を。

 …一体、何が足りなかったんだろうか。 何を間違えた? …勇気と無謀を、履き違えたのだろうか?

 なら、もう間違えない。 間違いたくない。 恐らく目の前の敵は、いや間違いなく、自分よりレベルが高い。 つまり、ここで挑むのは無謀だ。

 ユウトは理解した。 自分のやるべき事を、自分の死に場所を…

 

「…オラ、ワクワクしてきたぞ。」

 

 …しかし、後ろの悟空と言う男は、そう言ってニヤリと笑いながら構えていた。

…何が? これのどこにワクワクするんだ? まさか戦う気か? こいつに負ければ終わりなんだぞ、こいつはバカなのか?

 勇気と無謀は違うんだぞ?

 眉を顰め、ユウトは悟空の言動に苛立ちを見せ始めていた。

 

「ん? そうか、お前が魔王様の言っていた、変な力を使うと言う勇者だな? 確か、気…だったか?」

「なんだ? オラの事知ってるんか?」

「な、何でそんな事…やっぱりあの花、魔王の手下だったんだわ!」

 

 あの花とは、恐らく悟空を突き刺していたあの変な花だろう。 情報はすでに行き渡っていたか。…そういえば、悟空は何故、あんな死にかけた体験をしてもヘラヘラ出来るんだろうか?

 

「まあ、どうでも良い…何故なら今日、貴様らはここで死ぬんだからな!」

 

 すると、ラレッタと言う幹部が両手を空に上げ、背後に大量の火の玉を出現させた。

 

「いいっ!? 何だあれ!? ルフェの魔法がいっぺえだ!」

「言ってる場合か! 来るぞ!」

メテオライトファイア!

 

 幹部はそう唱え、火の玉の弾幕を放った。 このままでは、恐らく背後の二人が巻き込まれる。

 

「おわわっ!?」

「ちっ…お前ら! 俺の後ろに隠れろ!」

「えっ!? は、はいっ!」

「分かった!」

 

 二人が後ろに隠れた事を確認すると、片手を地面に向けて呪文を唱えた。

 

グランドウォールッ!

 

 すると、巨大な土の壁が現れた。 そこへ無数に降り注ぐ炎の弾が着弾し、攻撃を防いだ。

 

「た、助かった…」

「サンキュー! ユウト!」

「言ってる場合か! さっさと逃げろ!」

「へ? そりゃねえよ、オラもあいつと(たたけ)えてえぞ!」

 

 悟空は真剣な眼差しでそう言ってきた。

 この期に及んで何言ってる…!? バカか!? 死ぬぞ!? …そう言いたかった。口から出しかけたその言葉を、不思議な安心感が止めていた。

 そうしていると、またラレッタが両手を空に掲げた。

 

「…元最強の勇者って名も伊達じゃないな。」

「だが、いつまで守り続けられるかな!?」

 

 すると、ラレッタが先ほどとは違う、太陽と錯覚する様な巨大な炎の弾を作り上げはじめた…あの魔法は、自分が現役だった時代に無かった魔法だ。

 しかし、作り上げるには時間がかかりそうだ。これなら詠唱が出来る。

 

「やべえっ! でけえのが来るぞ!」

「分かっている! …『我が剣は光子…光子となりて、邪悪を切り裂く光となれ…』

『母なる火よ、我らを導く炎よ、強く強く燃え上がり、我らの道を照らす太陽となれ…』

 

 ユウトとラレッタは、お互いを滅するため、詠唱で魔法の威力を高めていった。増幅していく魔力の光が、二人の身体を照らしている。

 

「な、なんだあ? 二人してぶつぶつ言い始めたぞ…」

「魔法の詠唱よ。 言葉で魔法の威力を高めてるのよ!」

 

 そして、詠唱によって強大になったその凄まじい魔力を、言葉と共に放った。

 

『やがて、我らの道を切り開く眩い光となれっ!』光子撃斬(フォトンバーストブレイド)ッ!

『そして、大地を燃やし、命を焼き尽くす太陽となれェッ!』グランドシャインファイア!

 

 放たれた二つの魔法は、目に見えるほどの強大な力を帯びて飛んでいき、激突した。 その力は大地を揺らし、そして眩く照らしていた。

 

「すっ、すっげえ…!」

「こ、これが高レベル同士の戦い…!」

「ぐぐぐぐぐっ…!」

「ははは…どうした!」

 

 しかし、ラレッタの魔法が一枚上手だったようだ。 ユウトの魔法を、徐々に押している。

 

「そんな…ユウト様が押されてる…!」

「く、くそっ…!」

「最強と呼ばれていた勇者も、今となってはこの程度か!」

 

 戦いの優勢に立ち、ラレッタはユウトを嘲笑うかのように高く笑った。

 このままでは背後の二人が巻き込まれてしまう。 せめて自分が負けても、二人が逃げられる時間を稼がないと。

 状況を悟ったユウトは、後ろの二人へ意識を向けた。

 

「お、お前ら…俺が奴の魔法を止めている隙に、早く逃げろ!」

 

 幸い、あの幹部は部下を連れていない。 いつでも逃げられる状況のはず。 だが、二人は中々逃げようとしない。

 

「で、でもユウト様…!」

「良いから逃げろ! 死にたいか!?」

「…死にたくないです。 でも、ユウト様が死ぬよりかは…!」

「何バカなこと言ってんだ!? 自分の命の方が大切だ!! さっさと逃げろ!」

 

 俺の心配なんてしないでくれ。 この世界には、俺よりもっとカッコよくて、もっと強い勇者がたくさんいる。

 半ば諦めかのように、心の中でそう呼びかける。 …だが、そんなユウトに対し、悟空が穏やかな笑みを浮かべながら、口を開く。

 

「…そうは行かねえさ、ユウト。」

「ああ!?」

 

 そう言いながら、火球を止めるユウトの隣に立ち、両手を上下に、そして構えた。

 まさか俺を助ける気か? 冗談は良せ。 無謀な事をしようとする悟空に、そう言いたかった……だが、この構えにある謎の既視感に、その言葉はせき止められた。 この既視感はいったいどこから? しかし、その正体は、その記憶は、すぐに思い起こされた。 この異世界で見たわけではない、もっと前の記憶から。 その記憶ある感情は後悔でも、絶望でもない。

 ワクワクしたような感情だった。

 

か…め…は…め…!

 

 悟空の顔は昔テレビで見た、アニメの主人公と似ている。 いやそっくりだった。 でも何故? いや、まさか本物なのか…?

 

「お、お前…!」

 

 そう考えると、また一つの記憶を想起した。 それは魔王に負けたばかりで、一人であてもなく世界を彷徨っていた頃の記憶。

 何故この時の記憶が? そう思ったが、すると、ある事をまた思い出した。 焚き火の前で俯きながら、絶望の現実に泣き、彼は助けを求めるような言葉を呟いていた。

 その時に思い浮かべていたのは、特徴的な髪型の、強くて明るくて、そして優しくて、大好きだったあの英雄(HERO)

 『孫悟空』の顔だった。

 


 

「波ァッ!!」

 

 悟空は言葉と共に気を溜めると、両手を突き出してそれを放ち、ユウトの魔法と共に、ラレッタの魔法を受け止めた。

 

「…お、おい! 待て! レベル15のお前がいくらやっても…」

「へへっ…そんなの、やってみなきゃ分かんねえさ。」

「分かるんだよ!! そのための()()()だ!! 良いからさっさと逃げ……」

「いいや、分かんねえ……レベルとか…戦闘力じゃ…分かんねえから面白えんだ、戦いってのは!」

「はぁっ!?」

 

 ユウトの言葉通り、かめはめ波が加わっても対して状況は変わらなかった。 さっきと変わらず迫り来る巨大な炎の玉が、こちらへ向かってくる。

 だが、それでも悟空の笑みは消えなかった。

 

「ははははっ! これで勇者二人は同時に死に、私はその功績を讃えられる!」

「へへっ…どうかな?」

「はぁ?何だと?」

 

 同じく隣で技を放っているユウトに向かって、悟空は語りかける。

 

「なあユウト!」

「あ…?」

「さっき見せようとした技! まだ見せれてなかったよな!」

「な、何言って…」

「…今、見せてやらぁっ!」

 

 すると、悟空の周りに白い炎が現れ、その炎はどんどん赤くなっていった。

 

「はあぁぁぁぁぁぁっ…!」

「な、何だ!?」

 

 それと同時に、かめはめ波の力も強まっていき、その変化にいち早くラレッタが気付く。

 やがて悟空が纏う炎が完全に赤くなると、悟空はその技の名前を()()()

 

界王拳…3倍だぁぁぁぁっ!!

 

 『界王拳』。 そう叫んだ瞬間、かめはめ波がより大きい光線となり、ユウトの魔法と共にラレッタの魔法を吹き飛ばした。

 

「なぁっ!?」

 

 ラレッタは跳ね返され、飛んできた魔法をギリギリのところで回避した。 意表を突かれ、頭に血管が浮き出始めたラレッタは、ギロリと睨むように悟空たちの方を向いた。

 

「何を…一体、何を…!」

 

 悟空の姿を再び見ると、その身体は赤色に光っていた。 身体からは熱気のようなものが吹き、周りの大気を震わしている。

 悟空はラレッタがこちらを睨んでいる事に気付くと、ラレッタと戦える戦力であるユウトの方へ声を掛ける。

 

「この状態はあまり保てねえ…ユウト! 行けっか!?」

 

 悟空はそう言って振り向き、ユウトの顔を見た。 だが、ユウトの顔を見た悟空は頭を傾げた。

 

「…ユウト、大丈夫か? 何で泣いてんだ?」

「…何でもない。 ああ、いつでも行けるぞ。」

「おし! じゃあ…行くか!」

 

 ユウトは目を拭き、目の前の強敵に向けて、剣を構えた。

 悟空は絶対にこの戦いに勝つために、敵へ構えを取った。

 そして二人は、まだ見ぬ冒険(アドベンチャー)を求めるため…飛び出した!

 

「頑張って…悟空、ユウト様!」

「おうっ!」

 

 ルフェの声援に、悟空は応え、ユウトと共にラレッタへ向かっていく。

 それに対し、ラレッタは迎撃の態勢を取る。

 

「身体の色が変わったぐらいで…良い気になるなぁっ! メテオライトファイア!

 

 怒号を交らせながらラレッタは再び呪文を唱え、迫り来る悟空とユウトに向けて大量の火の玉を浴びせた。

 

「「うおおおおおおおおっ!!」」

 

 その火の玉を上回る速度で二人は回避し、一気にラレッタへ迫った。

 

「なっ!?」

「でりゃあっ!」

 

 悟空は気を纏いながら、拳をラレッタに振るう。 しかし、ラレッタは後退してそれを回避。

 

「はぁっ!!」

「くっ! マジックガードッ!」

 

 その回避した先に、ユウトの剣が迫る。 ラレッタは咄嗟に魔法でシールドを出し、それを防ぐ。

 だが、すぐ横には急加速した悟空の拳が迫っていた。

 

「あっ!? ま、マジックガー…」

「だりゃぁっ!!」

「がはっ!?」

 

 しかし、詠唱は間に合わず、拳を鎧の顔に受けてしまう。

 

「畳みかけっぞ、ユウト!」

「ああっ!」

「「うおおおおおおおっ!!」」

 

 その好機を逃さず、一撃、また一撃とどんどん攻撃を入れていき、その攻撃はどんどん加速していった。

 

「「だあああっ!!」」

 

 そして、二人は同時に攻撃し、ラレッタを吹き飛ばした。 ラレッタは地面にズザザ…と足で勢いを殺して止まると、また二人を睨んだ。

 

「はぁっ…はぁっ…お、おのれ…」

「トドメだっ!」

決着(ケリ)付けっぞ!」

「こんな所で…負ける訳にはぁっ!!」

 

 満身創痍のラレッタに、悟空とユウトは力を溜め始める。

このままでは負ける。 自分にそう思わせた想像以上の力を見せ始めた二人の連携に、ラレッタは今放てる最大級の魔法の詠唱を始めた。

 

「か…」

「『我らを導く恵みの光よ、大地を照らし、闇を裂き、我らの道を切り開く力を、我が剣に!』」

「め…」

「『万象を焼き尽くす母なる炎よ、我に立ち塞がる障壁を焼き払い、大地を燃やし尽くす炎を我が手に!』」

「は…」

「行けーっ!! 悟空! ユウト様ーっ!!」

「め…!」

 

 そして三人は、全ての力を込め、全力の一撃を放った!

 

「『光子飛王斬(フォトンロードビームスラッシュ)』!」

「『グランドメテオボンバー』ッ!」

「波ァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

 草原の緑を変色させるほど輝く凄まじい光と共に、それらの技は三人の全力を以って放たれた。

 悟空が放ったかめはめ波、ユウトが放った光子飛王斬(フォトンロードビームスラッシュ)の二つの攻撃は、やがて一筋の光となって合わさり、巨大な炎球(グランドメテオボンバー)へ衝突した。

 

「んぎぎぎぎぎぎぎぎっ…!」

「ぐっ…おおおおおおおおっ!!」

 

 戦況は互角。 激突する光線と炎球は、その間の位置を大きく揺らしていた。

 だが、その競り合いもすぐに終わる事となる。

 

「そ、その程度か勇者共…! その程度で…私が負けるか!」

 

 ラレッタはトドメとばかりに、魔法はさらに力を込めようとする。 …が。

 

「ファイアボールっ!」

「がっ!?」

 

 ラレッタの横顔に、突然火球が衝突する。 そのせいで、魔法の威力を上げる事に失敗した。 強く苛立ちながら、ラレッタは火球が飛んできた横を見る。

 

「べーっ!」

「お、おのれ…!」

 

 見たのは、舌を出してラレッタを小馬鹿にしていたルフェだった。 そのルフェの魔法によって与えられた僅かな隙が、この戦いの勝敗を決めた。

 

「今よ! 二人共っ!」

「行くぞ…悟空っ!」

「界王拳…4倍だぁぁぁぁぁっ!!」

 

 その叫びが大地に響き、一線の光が大きさを増した。 その光は炎の玉を貫き、ラレッタへ迫っていく。

 

「なっ!?」

 

 光は、ラレッタをその身に包む鎧ごと包んでいき、大地を削りながら遙か彼方へと飛ばしていった。

 

「こ、こんな…こんなところでええっ!! ああああああっ!!」

 

 その叫びが消えると、大地を削っていた光は消え、残ったのは息を切らしながら立つ悟空とユウト、そしてその二人に駆け寄るルフェだった。

 


 

「か…勝った…?」

「へへっ…ああ! オラ達の…勝ちだ!」

「悟空! ユウト様っ!」

 

 ルフェは走りながら、疲れ果てたユウトへダイブしていった。

 

「おまっ…ばっ!?」

 

 そのまま抱きつき、ユウトは地面に押し倒される。

 

「ルへ! さっきはあんがとな! おかげで助かったぞ!」

「大した事はしてないわよ。 …ただ、何もしてない自分が我慢できなくて、ちょっかいかけただけ。」

「それでも、そのおかげでオラ達が勝てたんだ。 ルヘにはすげえ感謝してっぞ!」

「…そう。 ありがと!」

「なあ…そう会話してる余裕があるなら俺から離れろよ…」

「あ! ごめんなさい…」

 

 ルフェが離れると、ユウトは身体を起こし、そして悟空に顔を向けた。

 

「ユウトもありがとな! おめえがいなかったら、オラ達ここで終わってたかもしんねえ。」

「いや、良い。 それは俺も同じだったから……なあ、悟空。」

「ん? なんだ?」

「その…さっきは…ごめん。」

「さっきって? おめえなんかしてたか?」

「なっ…!?」

 

 ユウトは、ラレッタが来る前の悟空に対する言動を謝罪したつもりだった。 だが悟空はその事を大して気にしていなかったのか、記憶から抜け落ちていた。

 

「あ、あれだ…ラレッタ…あの敵が来る前の、お前への態度だよ。」

「…? ああ、あん時か! ま、気にすんな。 無理言って挑んだんはオラだからな。」

「…ありがとう。」

「おう! …ところでさ、さっきまで街に向かってたけんど、おめえらはどうする? このまま向かうか?」

 

 そう悟空は提案するが、さすがにこの体力を使い果たした状態で、街に行くなんて事は出来ないと理解していた。 故に、返答も予想はつく。

 

「…いいや、今日は疲れた。 日も暮れるし、今日は休もう。」

「ユウト様がそう言うなら、私もそうするわ。」

「ははっ、そうだな! そうすっか!」

 

 いつの間にか、夕陽が三人を照らしていた。 戦いに勝利し、絆を深めた三人を、まるで祝福するかのように。

 


 

 一方その頃、カノスバ街付近の洞窟にて…

豪勢な鎧に身を包んだ男が、巨大な獣のような魔物の前に立っていた。

 

「ギャオオオオッ!?」

「…まあ、こんなものか。」

 

 男は魔物を一撃で下し、余裕の笑みを浮かべながら、倒された魔物の死体を見下ろした。

 そんな男へ、数人の女が駆け寄っていく。

 

「さすが勇者様!」

「あんな魔物を一撃で倒すなんて!」

「……ま、僕にかかれば、ね…」

「ふふっ、さすがにその実力は伊達じゃないわね。

 

…最強の勇者、ミネハラ。」




 これにて0章終了です。 あれ…? ミネハラって『巧戦の』って名前じゃなかった…?
 果たして次の第1章ではどんな戦いが待ち受けているのか? と言いたい所ですが、それに移る前に一回ベジータ視点のお話を挟みます。 とにかくお楽しみに!!!
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