猗窩座が血鬼術で変身していた鬼化した恋雪な鬼滅の刃 作:五色ぞの
理解した。
俺はコイツを体の芯から受け付けないのだ。
金属に爪を立てるような嫌悪感、不協和音に吐き気がする。
勘違いがあった、初めはいつも通り女だから弱者だと思い、不快なのだと思っていた。
しかしどうだ?この女は。
強者だとわかっても尚、不快感が消えない。
コイツの目が声が言葉が全て、俺の臓腑を内側からやすりで削りつけてくるようだ。
そう考えていた猗窩座の肩に誰かが手を置き、背後から語り掛けてきた。
『強い人間は、ただそこにいるだけで人を支えることができる。
何をするにも初めは皆赤ん坊だ、周りから手助けされて覚えていくものだ』
やめろ
やめろ
猗窩座の頭の中にモヤがかかった‘‘何か‘‘が入ってきた。
やめろ、やめろやめろやめろ…!!
猗窩座は自分の肩に置かれていた手を振り払った。
しかし自分の肩には何もなかった。
蜜璃は困惑した。
(え!?何!?何もないところを振り払った?)
後ろを向いていた猗窩座の視線は蜜璃へ移る。
「蜜璃、やはり貴方は不快です」
「破壊殺 砕式 万葉閃柳」
後ろに下がり、蜜璃は攻撃を避ける。
(途轍もなく速いわ!!いや速いというよりこれは…この感じこの正確さ、これは…)
(しまった、下!!)
蜜璃は下からの攻撃の反応に遅れてしまう。
「破壊殺 脚式 飛遊星千輪」
「かはっ」
「甘露寺下がれ!!」
遠い方から伊黒の声が聞こえ、言われた通り後ろへ下がる。
「蛇の呼吸 弐ノ型 挟頭の毒牙」
猗窩座は伊黒の攻撃をよけたつもりだったが、頸には浅い傷ができていた。
「ハハハ!!面白いですね!予測不能の蛇の動きの様に刀がうねって見えます、どういう振り方をするのか、実に興味深いです!!」
(考えるのよ…伊黒さんが相手をしてくれているうちに…急いで…柱稽古のときにした、炭治郎君から聞いた上弦の参のこと…)
伊黒は蜜璃が何をしようとしているか理解した。
しかし、現時点で自分は蜜璃のように痣も出せていない役に立てるかという、そんな思考が戦いを邪魔する。
「しまっ」
猗窩座の蹴りを避けた伊黒だったが拳の攻撃への反応が遅れた。
(拳が直撃する…!!)
「恋の呼吸 壱ノ型 初恋のわななき!!」
蜜璃は考えるのをやめ、伊黒を庇う。
(私が役に立たなくちゃ…)
「恋の呼吸…」
「破壊殺 乱式」
(あ、やばっ!!)
無数の拳打が蜜璃に降りかかる。
「蛇の呼吸 肆ノ型 頸蛇双生!!」
互いが互いを支えあう。
そんな光景を目の当たりにし、猗窩座はさらに嫌悪感が募った。
物陰に隠れ、二人は話す。
「甘露寺、落ち着いて冷静に行こう」
「…はい」
「俺が上弦の参の相手をする、お前は攻略法を考えてくれ、柱稽古のとき竈門から色々聞いたんだろう?頼む」
「わかったわ!できるか不安だけど…」
「もし分からなかったら戦闘中でもどんな時でもいいから簡潔に情報を俺に伝えてくれ」
「…はい!!」
(伊黒さんカッコよくて頼もしいわ!!私も頑張らないと!!)
「二人で上弦の参の頸を落とすぞ」
「はいっ!!!」