猗窩座が血鬼術で変身していた鬼化した恋雪な鬼滅の刃   作:五色ぞの

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第150話 気づき

誰かと手合わせをするのは好きだ。特に同じ位の‘‘柱‘‘であれば。

自分の実力を確かめる手段でもあり、互いの技を理解し合い、戦闘の場で連携がしやすくなる。

鬼殺隊最高の位であり自身の位‘‘柱‘‘。

そんな仲間たちとの手合わせでは本気で行なっているつもりでも、相手は仲間であり、互いの攻撃が、自分の攻撃が本気を出せていないことをヒシヒシと感じていた。

 

けれども今、己が圧倒される強者に久々に出会い、短時間で感覚が鋭く錬磨されるのが分かった。閉じていた感覚がたたき起こされ、引きずられる、強者の立つ場所へ。

()()りの命の奪り合いというものが、どれほど人の実力を伸ばすのか、理解した。

 

「伊黒さん…」

 

伊黒は先ほどの猗窩座の攻撃により、左腕部分の隊服が破けていた。

そして、その破けた隊服の隙間から見えたのは

 

――痣。

 

伊黒の痣は蛇の様な紋様をしていた。

 

伊黒は猗窩座へ斬りかかる。猗窩座はそれをかわし伊黒に向けて拳を振るうが、伊黒も攻撃をかわし距離を詰め、猗窩座の頸へ刃を振るう。首は落とせなかったものの、伊黒の斬撃は猗窩座の頸へ浅い傷を与えた。

猗窩座は後ろへ下がり、痣が発現し速度が上がったことに驚いていた。

 

「蛇の呼吸 参ノ型 塒締め」

 

伊黒から距離を取ろうとする猗窩座だったがそれよりも速い速度で伊黒が詰め、攻撃を仕掛けた。

その攻撃は猗窩座の腕に斬撃を与えたが、同時に攻撃を受けた伊黒の額から血が噴き出た。

 

どちらも速いが伊黒の上がった速度に猗窩座は順応した。長期戦になれば永遠に体力が続くわけではない人間が圧倒的不利となる。

そもそもこの戦いの目的は無残を倒すことであり、一晩かけて猗窩座を倒すわけにもいかない。

蜜璃は焦る。

 

(急がないと、早く倒さなきゃ、急がないとみんなが死んじゃう、しのぶちゃんの他にも犠牲者が沢山出ちゃう…)

 

焦る蜜璃だったが伊黒と話したことを思い出す。

 

(大丈夫、きっと大丈夫よ!!私は私にできる事を!!)

 

 

『猗窩座は‘‘闘気‘‘という言葉を使っていました』

 

煉獄さんとの戦いで猗窩座は‘‘闘気‘‘という言葉得を使っていた、と柱稽古のとき炭治郎君から聞いた。

闘気って何かしら?

 

『猗窩座の攻撃はすごく速くて正確で、目で追うのが精いっぱいでした』

 

戦っていて分かった。猗窩座の攻撃は磁石のように吸い寄せられていた奇妙な感覚だった。きっとそれと闘気が何かしら関係していること。

それから何を話したかしら?

炭治郎君との会話、何かなかったかしら?

猗窩座は闘気を感知して戦っている(と仮定する)

闘気って何?

殺気とも違う?

闘おうとする意志?

鍛錬した時間?それとも量?

動作予知のようなもの?

 

蜜璃の視界には猗窩座に押されている伊黒の姿が映る。

 

駄目!これ以上戦いを長引かせたら伊黒さんが…

 

『もし分からなかったら戦闘中でもどんな時でもいいから簡潔に情報を俺に伝えてくれ』

 

蜜璃は伊黒との会話を思い出す。

そして、行動に出ることを決意した。

 

「伊黒さん!!やっぱり私には無理だった!!だから言うね!!」

 

その蜜璃の言葉に伊黒は反応し、耳を傾ける。

1つの言葉も聞き逃さないように。

 

「闘気 磁石 羅針盤 感知 殺気 不可能 至高の領域

 伊黒さんお願い!!」

 

伊黒は自身の心臓の音が大きくなっていくのを感じた。

 

(そうか、あれだ)

 

何かを思い出したように、伊黒は目を見開く。

すぐに我に返り、そして刀を構え直す。

 

「ありがとう、甘露寺」

 

伊黒の過去の記憶が叩き起こされる。

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