【書籍化】最強以外ありえない   作:てんぞー

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人類代表、俺

 根の国から出ればもう12月。

 

 既に雪が積もり始めて白く染まる世界。根の国は比較的に時間の流れが地上に近いおかげでそこまで時差を心配しなくて済むのが助かる。根の国での出来事は事実上失敗だったが、色々と収穫があった。

 

 そろそろ、ここで一旦全てを整理する必要が出来た。状況は元――原作と比べれば複雑に変化している。再確認が必要だ。既に原作なんてもんは再現されたゲームぐらいの価値しかないのかもしれない。それでも元と今、その違いを確認しつつ新たに目標を立てる事は大事だ。

 

 という訳で。

 

 冬最強のアイテム、こたつ出陣。

 

「人類代表、俺」

 

「図書館代表の館長です」

 

「樹海代表のラトゥーリアです」

 

「暫定的にドラゴンズバレー代表のディザストロだ」

 

「ノア代表のおぢさんだよぉ」

 

「そしてロストエデンから観光中のヘスティアさ!」

 

 お前はスポット出演キャラじゃなかったのか? という感想が全員から出て来るぐらい本当に自然に一緒に根の国から出てきてウチの牧場に居座ったこのボケカス竈の女神が勝手にロストエデン代表面で我が家のこたつに居座っていた。お前そろそろ帰れや。攻略前のダンジョンから味方面して居座るな。

 

 どでかい鍋をこたつの中央に置いて、その中に色んなもんぶちこんで会議With鍋。鍋、やはり鍋! 冬と言ったら鍋! 鍋ミュニケーション! この人数なのでこたつもちょっとビッグな感じで。約一名火鍋やろうぜ! って主張してきた駄女神を全員でしばいてから鍋を突く。

 

「という訳で鍋を突きつつ、現在の攻略状況とかちょっと振り返ろっか」

 

「そうだね、尊くんと図書館で出会ってから色々とあったし、それから何年も経ってる。そろそろ状況の整理をするのも悪くないだろうね。あ、二度突いちゃ駄目だよ」

 

「すっかり館長も地球文化に染まってるなぁ」

 

「この場に当然の顔して馴染んでるお前が言う事じゃねぇだろ」

 

 ディザストロが呆れた表情でヘスティアを見てた。ラトゥーリアは配膳とか鍋の具合を確かめていてくれて助かるのだが、地味にヘスティアをその対象から外してる。全員から白い目で見られてるじゃねぇかお前。いや、でもボスモンスターがたむろってるのも今更だしな……。

 

 咎めるのはまあまあめんどくさいんだよね。

 

「とりあえず根の国そのものの攻略は最終段階に達してるかな。日本人の最上位マスターがチーム組んで現在攻略中、ゲームデータをベースに攻略構築や戦術を固めていてかなりイイ線いってる。あの感じ、来年中には攻略するんじゃない? 早ければ数か月中に」

 

「これに関してはもう手放しに喜ぶしかないよね」

 

「ねー」

 

 根の国が一般Sマスターによって攻略されつつあるという状況は俺と館長から見て、人類の戦闘力がブライアンや国木田仮面みたいな特級戦力ばかりではなく、一般最上位ランクでも攻略出来るほどの実力やタクティクス、環境が備わって来たという証でもある。

 

 ここまで環境激変テロを続けてきたのが報われた感じがしてとても喜ばしい。

 

「ただ大ボス……統括の深淵の大母は俺が己を定めた時、本気の姿となって相対する事を約束してくれた。俺にとっても完全なる未知の領域の話になって来る。生半可な実力では勝負のテーブルにさえ乗れないだろう」

 

「大母の時点でレベル150はあるからねぇ……概念的な死の化身になればレベルという測りそのものが無意味な存在になるだろうねぇ」

 

 まあ、最低で最終世代じゃないと話にならないな。俺の知っている死の世界、その源泉に突っ込むというのなら最終世代クラスの概念的強さがないと突っ込む段階で即死するだろう。勿論、突っ込む人間も死に対する多大な耐性か親和性……それとも死の運命の中で己を見失わない天命、運命力が求められる。

 

 まあ、俺だな。後は主人公を名乗れるレベルで舞台に立てる役者かな。ブライアンとかジジイレベルの運命力はないとダメかも。俺専用の追加ダンジョンらしいし、Sランクに上がって準備を整えたらトゥルーエンディングへのフラグ回収の為に踏破させて貰おう。

 

 根の国はこれで良し。

 

「図書館は攻略済みだから特に話す内容はないね……?」

 

「そうだね。付け加えるなら尊くんがSランクに上がった時、それで終わりだと思われない為のちょっとしたシステムとコンテンツを作成中かな」

 

 全員の視線が館長に向けられた。向けられた視線の中でふっふっふ、と館長が眼鏡をクイ、っと上げて笑った。

 

「尊くんやパンイチ君とゲーム開発にかかわったおかげで色々とアイデアが湧いて来たからね。今運用している皆をモンスター……概念体として転生させるシステムそのものをアップデートさせられると思う。それに合わせて自分なりの最強構築ってのを思いついたからね」

 

 眼鏡きらーん。

 

最強(グラマス)になっても退屈だけはしない……って約束するよ」

 

 図書館は拡張要素を備えつつ現状は攻略完了、と。後続の人類によって禁書庫も徐々に攻略が進んでおり、此方もまた順調。協力関係は継続していて館長もモチベーションたっぷり。女神を倒すまでの道筋が見えている事が一番の希望になっている様にも感じる。

 

 あ、待て、ディザストロ。その肉は俺のぉ―――!

 

「あ、尊様、此方のお肉をどうぞ。次は樹海の事に関してですね? 時折攻略の為に樹海を訪れる方はいますが、あまり奥まで踏み込む様子はありませんね。樹海の浅層を回って道筋を探っている様子は見えるのですが深くまでは踏み込めないようで」

 

「お肉うまぁ。やっぱ樹海の攻略は進まないかぁ」

 

「はい……」

 

 ウチの牧場を利用している連中には樹海ゲートの利用許可も出してるし、この前のドラゴンズバレーの件で総理に使わせてね? されたからいいよーしてるのでまあまあ国のランカーがウチの牧場経由で暗黒樹海に突っ込むのだが、ラトゥーリアによると全く攻略は進んでいないらしい。

 

 まあ、マップ規模最大級でクッソ迷う構造してるから仕方がないと言えば仕方がないのだが。しかもアレで徘徊型のボスが複数樹海の中を彷徨ってる。根の国や図書館と違って連中は人類に非協力的……というか理性がなかったり狂ってたりバグってるのが多い。

 

 お蔭で長期的に探索するには僅かに存在する安置を探すか、毎度外に出て村まで戻って休む必要がある。暗黒樹海の攻略難易度は戦闘面でも探索面でも高い。両分野において突出した能力がないと難しいだろう。

 

「単純にキツイし辛いし、一番奥に行くまで時差で1年吹っ飛ぶのがヤバイから攻略したくないんだけどねー」

 

「アレがいるからねぇ、原初の島には」

 

「いますね……原初の島に」

 

 俺と館長とラトゥーリアの3人だけが通じ合う認識にヘスティアが肉を摘まみながら首を傾げる。

 

「え、なに? 何かヤバイもんでもあるの?」

 

「ヤバいのは当然の様に居座ってるお前だろ」

 

「もういいじゃんその事は!! それよりも何そのリアクション」

 

 いや、まあ、野菜で肉を包んでから自分の器の方に移して食べる。

 

「破壊神イラが原初の島に置きっぱなしになってて」

 

 肉を食ってたヘスティアとディザストロの動きが完全停止し、その視線が中空で凍り付いた。こいつら、野菜を回避してずっと肉しか食ってねぇな……? 鍋って肉よりも汁を吸った野菜の方が美味しい気がするんだけどなぁ……? それでも肉を摘まむんだけど。

 

「あの終末期に稼働する事が期待されていた癖に一切起動する事無く世界の終わりまで眠り続けてたポンコツ破壊神!?」

 

「稼働さえすれば世界食いに対抗出来たと言われている癖に一切稼働する事無く出番の来なかったアレがあるのか!?」

 

「あるんです。しかもなんとスイッチが入りかけてます。後ついでに制御不能です」

 

 わあ、ぱちぱちー、とラトゥーリアが拍手するのに合わせて俺達も拍手する。ヘスティアとディザストロは顔面蒼白だった。

 

「アレ、竜王と海王が動けない状態だとほぼ最強生物だった記憶があるんですけど……!」

 

「はい」

 

「はい、じゃありませんけど……?」

 

 星のリセット装置なのは伊達じゃないぞ! 起動すれば竜王が動けない今、地球を粉砕してしまうぞ! 海王も発狂してるから一緒に暴れてしまうかもしれないぞ! わはははは!

 

 笑いごとじゃねぇんだわ。

 

「暗黒樹海の時差が濃くて良かったね」

 

「現状、原初の島に巣食うフェニックス様が監視を行っているのですが、フェニックス様では時間稼ぎにすらならないので……」

 

 さりげなく物凄く酷い扱いをされているフェニックス。でも破壊神はコマンド破壊とかしてくるタイプのモンスターなのでかなり理不尽なんだよね。なお竜王様はそんなもんでは壊せるわけがなかろうで耐える。少しは戦闘のルールを守れよお前ら。

 

「という訳で将来的に破壊神イラを破壊しに行きまーす」

 

「これもアンブロシアを食べたAでは不可能なレベルの強さをしているね。Sランクに上がって最終世代に更新した上で限界までスキルと戦闘力を詰めた上での挑戦かな? まだまだ先の話になりそうだね」

 

 という訳で根の国に続き此方もSランクでの挑戦リストに追加。ボケカス造物主がよお。なんで全知全能のくせしてこの手のポカ多いんだコイツ? 全知全能だったらこの手のミス減らしてくれねぇか? そもそも創造した生物を消すのが可哀想だから暗黒樹海に隔離したってなんだよ。どういう発想で生みだしたんだよこの魔境。なんでその近くに破壊神置いたんだよ。

 

 俺のお前に対する好感度は既にマイナス突っ切ってるからな。幾つか擁護の言葉はあるけどラスボスと樹海と破壊神は何も擁護出来んからなお前。

 

「樹海もSになったら攻略、と」

 

「Sとやらになってからが多いな」

 

「完成された戦力前提の強さを持つ連中ばかりだからね、この領域は」

 

 エンドコンテンツやDLCはそういうもんだし。真・根の国、アップグレード図書館と合わせて樹海もSになったら攻略する予定になる。やっぱSになってからじゃないと根本的な攻略は不可能だよなぁ。

 

「じゃあお次」

 

「おぢさんかな? ノアは相変わらず海の底だったよ。沈んでる海域は魔海になっていて、周辺海域そのものがダンジョンになってたねぇ。流石に踏み込むことはしなかったけど……海王様の気配はずっとしてるよ」

 

「ノアは現状の攻略目標でもあるからどうにかして海王に感知されず乗り込む手段がほしいな」

 

 元船長だっただけあり、ノトスはノアの感知が可能だった。感知できるからどうした、という話だが現在の状況を把握するにはそこそこ便利な能力だ。

 

「ノアには転移防止装置があるから直接乗り込めないんだよねぇ」

 

「直接乗り込んで止めるまでは図書館で直通の通路を通す事は不可能かあ」

 

「言っておくが、ノアを攻める時に俺達(ドラゴン)に期待するなよ。竜王様はカラスバミコトと勝負するまでこの戦いに参加するつもりはねぇ。俺みたいに個人で参加するってやつはいるだろうけど、大部分は竜王様に従って静観するだろうよ」

 

「そのままドラゴンズバレーの話にも繋がるねぇ」

 

 つんつん。むしゃむしゃ。あ、カニだ。尊は行儀が良いので口に食べ物が入る時は静かに口を閉じて食べるのだ。

 

「竜王の撃破は必要不可欠だよ尊くん」

 

「まあ、なんとかします」

 

 ゲーム内で倒せたんだ。リアルでもう一度倒せというのならやるさ。たださあ……?

 

「地球上で戦うと星を滅ぼす事になるからなんとかして地球を滅ぼさないなるべく頑丈な戦場が欲しいんだよね。まあ、元の予定通り月の上で戦ってもいいんだけど」

 

「月で戦えば良いんじゃないか?」

 

「生命維持はおまかせください。どれだけ距離があろうとも尊様の命の気配は追えますので」

 

 じゃあ原作通り月で決戦で決定かな? 竜王戦の最終手前のフェイズは地球に配慮して此方を掴んで月面に叩きつける所からスタートするからね。

 

 最終フェイズ? 砕けて崩壊する月面の上で戦闘っすよ。ここまで来ると竜王も滅茶苦茶楽しそうに惑星貫通ブレスで攻撃してくるんだよね。ふざけんじゃねぇぞ。

 

 スーパーなロボットのゲームじゃねぇんだぞ! 攻撃の度に銀河にダメージを残すな!!!

 

「少なくとも海王はこれとほぼ同格だからなぁ……なるべくなら相手したくない」

 

 でもしなくちゃならない。ただ海王の最終フェイズはノアそのものを使って戦うイベント戦になっているから、竜王戦と比べるとぐっと楽になる。

 

 問題は……ノアに潜っている間、野放しになっている海王が絶対に大人しくしている訳がないという話だ。間違いなく必要だろう。ゲームだと攻略中は大人しくしてくれてたけど、考えれば考えるほどありえない。

 

 足止めがいる。

 

 ノア攻略中に海上に残って戦う人類の総力が。

 

 これがあるからノアは攻略出来ないんだよね! 攻略したいから全人類滅亡する可能性を受け入れてください……なんて言える訳ないだろうが!!

 

 RPG後半のインフレ設定は世界が危機にあってそれを皆が認識してるから一丸となって行動できるんだ。

 

 リアルでは危機になってもSNSでレスバしてる人間だらけだ。死ぬ直前までスマホで撮影している奴も多い。この中でノア攻略しよう! とか言い出せるわけ無いだろ。

 

 はい、次!

 

「満を持して私だね……!」

 

「はよ帰れや」

 

「酷ぉい!」

 

 ぷんぷんしながら人の家の鍋を勝手に食ってる事実は何も変わらないんだよな。別に構わないんだけどね。それでも何でこいつ残ってるの?

 

「というか登場が唐突すぎるし発言が意味深過ぎるんだよ。なんでお前んとこだけ時間の流れが違うんだよ」

 

「なんでだろうね? あ、やめ、蹴らない! こたつの中で蹴るのやめなよー! ガチめに蹴ってるの誰?」

 

 こたつの中で静かな攻防を展開するが、結局の所ヘスティアが秘密を語ろうとする事はなく、無駄な時間を過ごすだけだった。マジで何しに来たんだよお前。

 

「上にいるのは暇なんだよー。折角なんだから人類で今一番問題解決に走り回ってる奴を労ったりからかったりしたいだろー?」

 

「今のうちに消すか兄弟?」

 

「殺意高っ!」

 

 ディザストロは割と直情型だもんね。そのおかげでこういう縁もある訳ですが。ただ家の中で暴れられると大変なので控えて欲しい。

 

 ともあれ、ヘスティアは本当にまともに語るつもりはないらしく、此方を楽しそうに観察していた。或いはそれそのものが目的なのかもしれない。

 

 実際俺は人類の最前線として見極められる立場にある。

 

 だからこいつの事はスルーしておく。

 

 で、次だ。

 

「後は次元城とラスダンかな? 次元城はドリームランドを通した入り口が発見済み、ただし現在の人類に攻略するだけの戦力はない」

 

「これもケリをつけたいことの1つだね。最終決戦で横槍を入れられない為にも倒す必要があるよ、邪神達は」

 

 館長の言葉に頷く。もしこいつらをアリア=マリス討伐まで放置していた場合、死んだあとに世界で暴れ回るのが見えている。それに対処出来るほど人類は強くないぞ。

 

「ここも要攻略だな。パペッターは始末したけどチクタクマン、インスペクター、ゴーストライター、パラレルミラー、ネガコスモスは全員野放しだしな」

 

「そうでなくとも邪神は勢力ですから、中小クラスの邪神もいますよ」

 

 それな。邪神連中は今語った大ボスの他に所謂雑魚枠が存在する。全部非プレイアブルのモンスターだったなぁ、という記憶がある。なんにせよ、こいつらも皆殺し確定だ。

 

 人類の未来のためにも残しておく事はできない。

 

 俺がSランクマスターになったら始末をつけるしかない。

 

「ラスダンは?」

 

「まだ現実に存在しないね。此方からは干渉出来ないよ」

 

 ラスダンは未だに顕現すらしていない。寝起き爆破みたいなのはそのせいで出来ないから、正々堂々と殺し合う必要がある。こればかりはどう足掻いても変えられない事の1つか。

 

「これで大体の整理は終わったかな。纏めると……」

 

 根の国。人類によって攻略中、近々完全攻略想定。真実を知るためには真・根の国を攻略する必要あり。戦力想定最終世代相当。

 

 図書館。完全攻略済み。現在エンドコンテンツを準備中。

 

 暗黒樹海。未攻略。戦力想定が最終世代相当で、絶対に倒さなくてはならない標的が奥にある。

 

 ノア。未攻略未発見。白紙の物語による攻略目標に指定されている。また来年には事件の起きる可能性があり、人類の総力戦になる可能性大。

 

 ドラゴンズバレー。半攻略。竜王の鱗は月から運ばれて手に入れた。竜王とその眷属は竜王を超えない限り従わない為、総力戦による撃破が求められる。一部、ディザストロとその思想を同じくする仲間達が此方に合流した。竜王は旧世界において唯一ワールドイーターを殺害出来た存在。最終決戦前に必ず味方にしたい。

 

 ロストエデン。未発見未攻略。時の流れがゲーム時代とは違っている。逆説的に時間の流れを操作する事で時間を与えたいものがあるのかもしれない。ヘスティア含めた神々は暇を装って下界の審査に乗り出している……と判断する。酒クズが事前に警告してなければマジでこの女神が遊びに来てるだけだと思ってただろう。実際は人類の見極め辺りかなぁ、と予測する。

 

 次元城。発見済み、攻略不可能。多数の邪神未確認。必ず攻略し滅ぼさなくてはならない目標の1つ。現在の人類戦力ではどうにもならないので将来への負債として残さざるを得ない。確実に全員逃さず始末する必要がある。殲滅なしでは勝利を語れない。

 

 ラスダン。黒の夢。虚空の夢。狭間の過去。終わりのある未来。続かなかった現在。未顕現。未だに女神の神体は虚空の揺りかごに揺られて深き夢に微睡んでいる。最終目標。人類と己の未来の為に必ず滅ぼさないとならない。

 

「ま、こんな所かー」

 

 色々と発見したダンジョンは多いし、動向も解るようになってきた。でもまともに攻略出来ているのは現状、図書館だけだ。それもかなり親切にされた上で、だ。

 

 こう見ると、改めて完全攻略はまだまだ先だな……ってのが見えてくる。というかクリアさせる気あるのか? って難易度してる。

 

 俺と館長抜きならガチめに人類詰んでたよ。

 

 だから結局の所、やることは決まっている。

 

「強くなって皆殺しにすればいいのだ!」

 

「ああ! それで解決だな兄弟、その調子だ」

 

「間違ってるけど何も間違ってないのがまたなぁ……」

 

 聞こえてくる館長の嘆きを無視しつつ鍋の中にまだ肉残ってないかなぁ……そう思って箸を突っ込んだらでかい肉の塊を引っ張り上げた。

 

 その名もララ。

 

 皆が見てないうちに肉を鍋に戻す。

 

「ごちそうさま!」

 

 しばらく鍋はいいや!!

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