【書籍化】最強以外ありえない   作:てんぞー

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《核爆発》

 ノアズ・シャークが現れた!

 ノアズ・シャークは部下を繰り出して来た!

 モンスターA~Dが現れた!

 ノアズ・シャークはコンテナの迷路の中へと姿を隠した……。

 

 ざばーん、と背びれだけを見せる様に水中にもぐり、張り巡らされたコンテナの迷路の中に姿を隠す。本来であればサンゴの迷路に姿を隠していたんだが……まあ、住処が消し飛んだからしょうがないよね! それよりも問題は出現した4体の雑魚モンスターの方だ。

 

「雑魚を処理すりゃあ殴れるタイプと見たぜ」

 

「スっくん正解」

 

 じゃあ説明するぜ!

 

「最初のモンスター、アイツはアンモ騎士! アンモナイトの姿をしたタンク型モンスターで《ワイドガード》を使ってくる厄介な奴だよ!」

 

 盾と剣を握ったモンスターがかんかんかん、と武器と盾を叩いて自分の存在感をアピールした。戦闘? 紹介フェイズなので皆大人しく自分の番を待ってる。アンモ騎士がアピールを終えると次のモンスターへ移動する。

 

「お次は陽気なオトシゴ! 見ての通りタツノオトシゴがモチーフのモンスターだよ! ラッパみたいな口が気になる? 大正解! なんと珍しく歌唱スキルを使ってるモンスターだよ! 放置しておくとバフを死ぬほど盛ってくる厄介な奴だよ」

 

「早めに処理しなくちゃいけないって事ね」

 

 紹介された陽気なオトシゴはぱらっぱっぱっぱー、とラッパを吹かせてメロディを鳴らす。対抗してエデもララララー、と歌声を披露する。むむ、やりおる……と相手と視線を交わし合っている。ライバルっぽい雰囲気出してるとこ悪いけどソイツ今から死ぬよ。というか敵の歌唱持ちとか絶殺だよ。

 

「で、最後」

 

 2体枠に出現しているモンスターを指差す。姿はちょっとチェレンコフ光染みた色合いのハリセンボンだ。

 

「ニュークリアハリセンボンだ」

 

「ニュークリアハリセンボン」

 

「別名核弾頭」

 

「核弾頭」

 

「ターン終了時生存していると《核爆発》を行う」

 

「《核爆発》」

 

 全員の視線がニュークリアハリセンボンに向けられる。びちびちしているニュークリアハリセンボンは、はあ、はあ、と息苦しそうに跳ねながらもう限界! という感じの表情を見せていた。何が限界だって? 勿論我慢の限界だ。核爆発のな。

 

「《核爆発》、とは」

 

「自爆+全体超特大ダメージ+HP最大値低下。ついでにガイガーカウンターが凄いカリカリしだす。凄いカリカリするよ」

 

「ニュークリアハリセンボン、お前は存在してはいけないモンスターだ……!」

 

 はい。

 

 なんでこんなモンスター作ったのぉ? そりゃあゲームだからだよ。リアルになったら存在してはならないモンスターになっちゃうんだよね。ところでゲーム主人公くん、処理ミスった後普通に被ばくしたままノアに乗り込んで探索してたの君?

 

「あ、一応言っておくけど街1つふっ飛ばすぐらいの火力は余裕であるから。核ったらまあ、俺達全員死ぬと思っておこう……」

 

 この閉鎖空間で核爆発に耐えられる生命はまあまあ地球に存在しないと思いますよ。少なくとも人類で耐えられる奴はいないだろうね。そんなもんをあのサメくんは飛ばして来たんだよ。いやあ、まあ、もう殺すしかないよね。こんなのを召喚してくる奴なんて。

 

 じゃあ、紹介フェイズ終わったので戦闘フェイズ入りますね。

 

 改めて戦闘を再開する。

 

 盾1、歌唱1、核兵器2という花火師大歓喜の構築をまずは倒さないとならない。最優先目標は勿論ハリセンボンである。地上でも海上でもこの生物の存在して良い場所なんてないのだ。

 

 《箱舟都市ノア》よりお知らせです。

 生命保護の理に従いあらゆる生命を守ります。守れませんでした。

 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……。

 《箱舟都市ノア》ではクリティカルが発生しない!

 ジャックはショックガンを放った!

 アンモ騎士は痺れた!

 尊の《ワープスター》! 味方が最速で動けるようになった!

 ミレーナの《デスペリアハザード》!

 アンモ騎士の《ワイドガード》!

 ……体が痺れて動けない!

 黒い風が全てを飲み込んで消し飛ばした!

 1ウェーブ目が殲滅された!

 

 既にUフォームに入っているミレーナは強化上限解除にある。その上で事前に采配を50連発して魔法攻撃力の強化段階を上限いっぱいまで上げている。この火力であればボスでさえワンパンでゲージをふっ飛ばせるだけの火力が出る。

 

 タンクが庇えない状況であれば容易に敵を殲滅出来る。1ウェーブ目を殲滅すると次のモンスターが水の下から射出して打ち上げられる。

 

 1体目、ニュークリアハリセンボン。

 

 2体目、ニュークリアハリセンボン。

 

 3体目、ニュークリアハリセンボン。

 

 4体目、ニュークリアハリセンボン。

 

「ざけんじゃねぇぞ糞ザメ!!!」

 

「殺す気満々じゃないコイツ!!」

 

 プラットフォームに打ち上げられたハリセンボンたちがはあはあ言いながらぴちぴちと限界まで膨れ上がって行く。それが爆発する前にスクナが薙ぎ払って殲滅した。この貨物区という限定された空間の中で1匹でも爆発させた瞬間ゲームオーバーだからか、スクナの動きにも遊びが見えない。

 

 2ウェーブ目を処理した!

 ノアズ・シャークは我慢できずに飛び出して来た!

 《サメ映画》! ノアズ・シャークは生命特攻を得た!

 《B級映画の主役》! 全ての攻撃がOC扱いとなる!

 《復讐者》! 住処を滅ぼした相手に対する攻撃力がカンスト扱いとなる。

 ラムシンは閃光手榴弾を投げた!

 次のノアズ・シャークの物理攻撃が絶対外れる様になった!

 

「これで物理への備えは良いだろう」

 

 ラムシンの援護が入る。直ぐに回復されそうだが保険にはなる。

 

 プラットフォームの上に自動スキルを発動させたノアズ・シャークが飛び乗って来た……これで漸く本体が叩ける。

 

 勿論、相手はサメだ。サメなので陸の上でも活動可能だし、僅かに浮いているので陸海空の全環境で問題なく行動できる。流石究極ミーム生物と言われるサメだ。頭がおかしくなりそうだぜ。

 

 とはいえまずは一発目、対ボス封殺戦術で倒させてもらう。

 

 ノアズ・シャークは《JAWS》を発動した!

 ターン終了時ランダム庇う貫通即死!

 チビの《クイックレイド》!

 ノアズ・シャークにダメージ!

 チビの《クイックレイド》!

 ノアズ・シャークにダメージ!

 チビの―――。

 

 ディザストロ戦を思い出させる《クイックレイド》の連射が放たれた。一瞬で姿がブレる様に消えたチビの連続攻撃がノアズ・シャークに叩き込まれた。

 

 スクナの様な無法個人バフはない。

 

 ミレーナの様に上限解除は持っていない。

 

 だがその代わりに無法とも言える手数を保有している。上限までスタックされたレイドの攻撃回数は対ボス封殺において最強の選択肢の1つだ。時空を歪めて突き刺さる最速攻撃手段に一瞬でノアズ・シャークのライフゲージは消し飛んだ。

 

「SHAAAAAAARK!!!!」

 

 ノアズ・シャークは蓄えられた生命を解放した!

 ノアズ・シャークは水面に飛び込ん―――。

 「型にハマりすぎじゃなーい?」

 「逃がすかよ!」

 《鬼神撃》! 鬼の拳が叩き込まれた!

 ノアズ・シャークは怯んだ!

 ノアズ・シャークは逃げ損なった!

 《デスペリアハザード》! 黒き暴風が全てを飲み込んだ!

 BREAK! ノアズ・シャークの体力は消し飛んだ!

 再び蓄えられた生命を解放した!

 ノアズ・シャークの《ゼロリセット》!

 全てがゼロになった!

 ノアズ・シャークは急いで水面に戻った!

 

 ちゃぽーん、とやや上品に水飛沫をなるべくあげずにサメが水の中へと戻った。これで再び雑魚召喚フェイズに突入する。水面下に隠れたノアズ・シャークの姿は見えなくなった。

 

 と思った瞬間。

 

 《JAWS》は《JAWS2》にミーム進化した!

 でーでん。

 でーでんでーでん。

 でーでんでーでんでーでん。

 恐怖のBGMと共に奴が帰ってきた!

 スクナは水底に引きずり込まれた!

 チビは水底に引きずり込まれた!

 スクナは即死した! 完殺付与!

 チビは即死した! 完殺付与!

 2人は蘇生出来ない!

 

 プラットフォームを下から貫通してノアズ・シャークが出現する。チビとスクナに纏めて噛み付くとそのまま水面の下に消え、後は血の跡のみが残された。

 

「あぁ!? 何それ!?」

 

 急に知らん動きされた。俺氏、困惑。しかも完全殺害付与なので戦闘中の復帰もできない。しかも今2人同時に殺さなかった? え、普通にゲキヤバギミック使ってくるじゃん。

 

 《ゼロリセット》でステータスを戻されたのも痛い。ミレーナが生きてるのが不幸中の幸いか。《全能者の采配》を連打してミレーナの魔法攻撃強化を一気に+20まで引き上げる。ここまでやれば即死クラスの火力が出るはずだ。

 

「みこっちゃん!!」

 

「なんか良く解らん進化してる! 何が原因だ……?」

 

 復讐心でパワーアップした? いや、違う。これは明らかに後付けで強化されてる。誰かが俺がやったようにボスデータを弄ってやがる。

 

 そう思いながらノアズ・シャークを釣り出すために、次に召喚されるモンスターに備える。アタッカーが減った分、戦闘はやや厳しくなる。

 

 ぽんぽんぽん、とモンスターが水の中から射出された。

 

 ニュークリアハリセンボンが現れた!

 アンモ騎士が現れた!

 アンモ騎士が現れた!

 陽気なオトシゴが現れた!

 モンスター博士が現れた!

 

 ばしゃーん!

 

 射出されたモンスター達がプラットフォームの上に着地した。びたんびたん。ばたん。

 

 最後の1匹……いや、1人が白衣をばたばたさせながらポーズを取った。

 

「さ、サメェ―――!!」

 

「犯人お前かあああああああ―――!!!」

 

 全員一斉に叫んだ。

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