【悲報】ここはStellaris世界でそのうち危機が来るらしい   作:カカルキリヤ

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(掲示板じゃない描写は)初投稿です


6. "不快なサプライズ"

国際地球連合 第一艦隊

 

人類が外宇宙に進出する際、万が一敵対的な何らかの存在に遭遇した際の備えとして用意された(地球)人類初の星間軍事艦隊である。

しかしその記念すべき初任務は、戦闘行為ではなく行方不明の調査船の捜索だった。

 

「第一艦隊より総司令部 第一艦隊は目標宙域に到達 これより行方不明の調査船"ISS アルキメデス"の捜索を開始する」

「各艦散開隊形 センサー感度を最大に 異常があれば速やかに報告せよ」

 

「…しかし提督、緊急信号のおおよその発信元の位置は判明しているんです なぜ全艦で真っすぐ向かわないんですか?」

「アインシュタイン級調査船に搭載されたセンサーは我々の乗るコルベットの物より遥かに高性能だ にも関わらず詳細な報告をする間もなく消息を絶ったということは、我々のセンサーでは探知出来ない何らかの現象、あるいは攻撃に巻き込まれたということになる 我々が一塊になって動いていたら、最悪の場合第一艦隊が丸ごとアルキメデスのようになる可能性も否定できない」

「なるほど…」

 

 

 

提督の指示に従い捜索を行う第一艦隊。数時間掛けて慎重に前進し、少しずつ、だが確実に緊急信号の発信元に近づいている、いるはずなのだが…

 

「なんだか… 発信元が動いていませんか?」

「どういうことだ?」

「当初の予測ではそろそろ有視界内に入っているはずなのですが、周囲に見えるのは小さな岩塊だけです」

「それだけならただ予測が間違っていただけの可能性もあるが… 違うんだな?」

「はい、おかしいと思って捜索開始時からのデータを再確認していて、各艦が受信する緊急信号の方向を元に発信元の推定位置を示したものがこちらです」

 

そう言いながら提督に渡された過去数時間のデータは、時間が進むにつれて発信元の位置が明らかに移動していることを示していた。それも、第一艦隊の進路から外れるように移動方向を変えながら。

 

「…艦隊各艦に通達 全艦第一戦闘配備 ただし許可あるまで発砲は禁ずる」

「戦闘配備ですか!?」

「アルキメデスが自力で航行可能な状態なら、我々に気付いた時点でこちらに向かって移動するはずで、むしろ我々から離れるように動くのは不自然だ アルキメデスと我々を合流させたくない何者かに曳航、あるいは拿捕されている可能性がある」

「確かに一理ありますね」

「私の考えすぎだと良いが…」

 

提督の推測は当たらずとも遠からず、調査船アルキメデスを飲み込んだカサロイドは明らかに自分が飲み込んだ船の仲間である第一艦隊から逃げようと必死に動いていたのだ。

しかしカサロイドの速度でコルベットから逃げきれるはずもなく、(地球)人類初の太陽系外存在との戦闘は刻一刻と近づいていく。

 

『こちらISS オセロット 間もなくアルキメデスが有視界内に入る 確認次第映像を送る …っ!?』

「オセロット、何があった? 報告せよ」

『アルキメデスが居るはずの所に大きな小惑星が… 周囲にアルキメデスの姿は確認できません』

「どういうことだ…?」

「国連オープンチャンネルに信号あり、アルキメデスの物です!」

「何だと!?」

「圧縮データアーカイブです 内容は科学データと… 現在のアルキメデスの状況のようです」

「総司令部に転送 それとアルキメデスの状況の方を開封しろ」

「…丁寧に概要と詳細が分けられているようです ひとまず概要の方を表示します」

 

科学者らしく簡潔にまとめられたそれには、自分たちが調査船ごと小惑星に潜む宇宙生物の触腕に拘束され飲み込まれたこと、この生物をカサロイドと(勝手に)命名したこと、飲み込まれる直前のデータから推測した触腕のパワー等の生物的スペック、試算では外部からカサロイドを攻撃しても内部の調査船に致命的なダメージは入らないこと等が記されていた。

 

「…オセロット! すぐにその場から退避せよ!」

『オセロット了解、後退する ……前方より高速で接近する物体!回避間に合わな』

 

突如飛来したコルベットの半分ほどの大きさの岩石がISS オセロットに高速で衝突し、一撃でデフレクターを過負荷状態にし貫通。そのまま艦体を突き抜け、甚大な損傷を受けたISS オセロットは爆散した。

 

『こちらマングース、オセロットの爆発をセンサーと目視で確認!』

『ISS シュライク、飛翔体の接近を探知! 回避行動を取る!』

「全艦散開! 対象の大型小惑星を目標アルファとして識別! 全火力をもって目標アルファを破壊せよ!」

 

もう逃げられないと悟ったカサロイドが行った待ち伏せからの投石による先制攻撃により、なし崩し的に国際地球連合初の実戦が始まったのである。

 

 

 

戦闘開始から数十分、それとも数時間か。一発でも直撃したら船ごと爆散するような攻撃に晒され続けたコルベットの乗員たちはひどく疲弊し、本来の能力を発揮出来なくなってきていた。

 

『マカフーチ被弾、デフレクター過負荷状態 されど戦闘継続可能』

「無理をするな マカフーチは一時後退せよ」

『…了解』

 

戦況は膠着寄りの劣勢。相手は一体にも関わらず、数十隻から放たれるレーザーを浴びても小惑星は一向に壊れる様子が無い。一方こちらは、被撃沈こそ不意を突かれたオセロット一隻のみだが、回避しきれずに掠めて装甲や武装の一部を抉られた艦は多数。このままでは追加で沈むのも時間の問題だろう。

今なら無傷の艦が殿を務めれば残存艦はすべて撤退出来る。しかし、それではオセロットのいるかもしれない生存者を見捨てることになるし、この機会を逃したらアルキメデスとその乗員を救うことは二度と出来なくなる。提督は決断を迫られていた。

 

「…っ! 総司令部より通信! アルキメデスから送られたデータを基に目標アルファ… カサロイドの弱点を推測したとのことです」

「本当か!?」

「投石や捕食に使用する触腕は小惑星に覆われておらず、生体部分が露出していて、そこを狙えば投石攻撃を無力化しつつ有効打を与えられる可能性があるとのことです」

「可能性か… いや、この情報に賭けよう 各艦は可能な限り触腕の付け根の露出部を狙え!」

 

触腕への集中攻撃を受けたカサロイドは投石の頻度が落ち、それによって回避に専念する必要が無くなったコルベットがさらに攻撃を加え、一つまた一つと触腕を焼き切られたカサロイドはついにすべての抵抗手段を失い討ち取られた。こうして(地球)人類初の宇宙戦闘は勝利に終わったのである。




書きたいことを書いてたら戦闘シーンがものすごく短くなってしまいました
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