宇宙船の窓に、大きな月。子供たちが私に抱きつく。
「傑お兄ちゃん!」
「お兄ちゃん、月がでっかい!」
「傑、月の下でちゅーしよ!」
「美々子も!」
「菜々子も!」
「ほっぺたにならいいよ」
私は時折、サトリと美々子と菜々子と宇宙まで行くようになった。
小さな子供たちが、全身で飛びついて抱きついて、大好きを全身で表現してくる。
3人とも結婚してくれるらしい。ハーレムだね?
初めは私も、悟の姿にならないように注意していたが、もう慣れてしまった。
でも、サトリの本当の姿を見せてもらえないのは悲しい。
子供達をまとめて抱きしめて撫でる。
「傑、次はいつ会える?」
「繁忙期だからね。またしばらく会えないかな」
「電話して! 移動中! 毎日!」
「わかったよ」
私は、休みに実家に帰るようになっていた。
悟もたまに来て美々子と菜々子の面倒を見てくれるが、悟がいるとサトリに会えないのが難しい所だ。
硝子にはロリコンと罵倒された。悲しい。
サトリは大人の悟の姿になったり、子供の悟の姿になったり、私の興を得ようと忙しい。宇宙人なりに精一杯地球を勉強して私の心を読んだのだろうプレゼントをくれたり。私は、いつしか悟に似てるからではなく、サトリを可愛いを思うようになっていった。六眼そっくりの宝石を渡された時はびっくりしてしまった。私の望みらしい。正直、すごく嬉しかった。私は強欲だ。
サトリから、遺伝子操作された青く美しい花を渡された。
それはまるで悟のような。
「傑、愛してる。俺、傑の子供が欲しい」
「男同士で子供はできないだろう」
「俺、メスだし!」
「は!? あ、そうか、化けてるだけだから……でも、異種族だし」
「そこは大丈夫! 異種族婚、俺の種族珍しくないし! 絶対大事にする、傑も、子供も! ちゃんと、養えるよ!」
アメリカ経由で、サトリは戸籍や仕事も用意してあるのだという。
アメリカ国籍なので、国際結婚という事になる。
サポートは万全らしい。
仕事もペーパーカンパニーではなく、医療系の実績を出しているらしい。宇宙船が作れるなら、それは科学技術の提供もできるだろう。
「でもサトリ。私は特級術師で、君に養ってもらう謂れはないよ」
「傑、本当は呪術師したくないだろ。優しい傑は、戦い向いてないよ。子供育てた後は、傑が本当にしたい仕事探して、一緒に頑張ろう」
「!!」
他の人が言ったらバカにしてるのかって思う。
でも、サトリは人の心が読めるから。
私の知らない私の気持ちを教えてくれるから。
「傑。俺は傑と生きていきたい」
私は、まっすぐなその銀河の瞳に逆らうことができなかった。
「卒業おめでとう!」
「まあ、卒業したから何が変わるってわけでもないけどな」
「変わるよ。私、国際結婚して家庭に入るつもりだし」
「「「は?」」」
「以前、偶然に助けた子と付き合っててね。仕事バリバリしてるから、家庭に入ってくれって。術式使えなくなるの困るから、術師辞めるつもりはないけど、まあ2年間はアメリカで専業主夫する事になるかな」
「「はあああああああああああああああああああ!??」」
「結婚式は!?」
「前の休みの時に終わった」
「「「終わった!??」」」
「悪いね。結婚した子が守秘義務必要なとこのエリートでさ。詳細言えなくて」
「何それ。非術師?」
「そういえば、あの子見えるのかな? 今度確かめとくよ」
呪霊のことを知ってるのは私の記憶からかもしれないからね。
「どんな子?」
「だから言えないって」
「偉い人の娘とか?」
「そうだね。身辺警護が必要なくらい優秀な技術者とだけ」
「もう会えないとか言わないよな?」
恐る恐る悟が聞いてくる。
「あー。どうだろ」
「どうだろ!?」
「嘘、嘘。数年して落ち着いたら、日本に帰ってくる約束だし」
「数年……」
悟と硝子がショックを受けた顔をしている。ごめんよ。
そうして、私はアメリカへと飛んだ。
アメリカの荒野のど真ん中にポツンとある、警備バリバリの研究施設が私達の新居だった。
「傑くん、大船に乗ったつもりで任せてね」
「お世話になります」
ここで私は、サトリの肉体改造を受けながら、苗床になるのだ。
サトリは卵を孕むのではなく、産みつけるタイプの女の子だったので。
次話、五条発狂回です。
マシュマロ
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