鈴仙・優曇華院・イナバ
宮古芳香
に引き続き新しく書き始めました
今作は埴安神袿姫が主人公を務めます。
東方Projectから出てくるキャラは埴安神袿姫と杖刀偶磨弓のみです
それではよろしくお願いします
「袿姫……聞いてますの?」
脚元まで伸びた鮮やかな紺碧の色のロングヘアとルビーよりも真紅に煌めく虹彩を持っている者……現在進行形で机に突っ伏しながら幼馴染であり無二の親友である八百万百の声に対して袿姫と呼ばれた女子生徒はヒラヒラと手を振りながら答える。
「あぁ聞いてる聞いてる〜、百が雄英のヒーロー科に行くんだって話でしょ? 私も行くから宜しく〜」
そう語ると百は声のトーンを一段落として冷たい声音で問いかけてきた。
「……ソレ、私は聞いてませんわよ? 私はそんな事、ねぇ袿姫」
幼い頃からの幼馴染であり無二の親友故……八百万百は埴安神袿姫と話す時だけはいつもの丁寧な口調がやや崩れる。
そしてやや威圧的にもなる。
「今言ったんだもん。そんな顔しないの百〜、美人が台無しだよ勿体無い、それはそうとミニミニ八百万は元気してる? てか、私が一番驚いてるよ、誰から聞いたの?」
突っ伏しながらヤオモモの髪をわしゃわしゃと撫で回す袿姫。
幼少の砌、初めて贈った誕生日プレゼントである人形を今でも大事にされているのを嬉しく思いつつ、さらりと話をすり替える。
「はぁ、先生方から確認されたのですわ……『なぁ八百万、お前の親友の埴安神袿姫も雄英行くらしいのだけど本人から何か聞いていないか?』って、貴方の成績は私と同等で個性も私と似通ってる。然るべき手順を踏めば推薦も夢ではなかったと言うのに、先生方嘆いてましたよ? この学校から雄英推薦者2名輩出という偉業を成し遂げられなかったって」
袿姫から頬をぷにぷにと弄ばれつつそう伝えるも肝心の袿姫は興味なさそうにしている。
幼少の頃からの付き合いで八百万にはめんどくさいと思ってるのが丸わかりの表情でぐでぇっと机に突っ伏したまま語る。
「1000を超えるあらゆる作品コンクールで最優秀賞受賞してれば学校の評判としては十分でしょう? 全く」
ヤオモモの頬をぷにぷにと弄りながらそう告げる袿姫。
袿姫の持つ天才的、天賦と言っても差し支えの無い、ともすればソレは神から与えられたとすら言える程の造形への才覚。
袿姫の個性など、この才覚の前には霞んでしまう程の才覚。
自らを天才造形師と名乗って憚らない袿姫はまさしく天才なのだ。
そんな袿姫の個性は『
袿姫のその両手でこの世全ての有りとあらゆる物質、そしてその質量を自由自在に操作してありとあらゆる物に形成する事が出来る。
例えばそこらの、掌に収まるサイズの50gに満たないコンクリート破片だろうと袿姫の手にかかれば250トン以上の純金への変換が可能となる。
また、袿姫が造った被造物は身代わりにしたり、一緒に遊んだり部屋に飾ったり出来る優れ物。
たとえ壊れても1秒程度で完全に修復する。
戦闘兵器たる埴輪兵団の身体はファインセラミックスで構築されている為に病気知らずで休憩もいらない。
そして、戦闘兵器たる埴輪兵団だけではなく銃器やアクセサリーなども作れる。
もはや形あるものなら何でも作れるといっても過言ではない。
もう一つ……袿姫が血を吐く思いで習得した技能があるのだがソレは雄英入学後に披露すると言って決して見せてはくれなかった。
「そんな貴女は雄英に進むとしてもヒーロー科ではなく物作りに特化されたサポート科に入学すると思っていましたのに……何故ヒーロー科へ?」
その問い掛けに対して袿姫は顔を上げて八百万百の顔を見据えながら……にへらっと笑みを浮かべて語る。
「それはヤオモモ、あの日、貴女と交わした約束の通り」
幼馴染であり無二の親友たる彼女との、絶対の約束。
互いが交わした最古の取り決めの1つ。
それを告げられ……八百万百は袿姫へと語る。
「志したからには入学試験に受かりませんでしたなんて結果は認めませんわよ? 必ず2人で喜びを分かち合うんです」
その言葉に無言で手を振る袿姫。
そうして……試験当日となった。
「雄英の試験会場かぁ、市街地を模してあるだけあって広いわこりゃ」
筆記試験は楽に終わらせて実技試験会場へと向かい着いた所は街一つ分はある広大に敷地内に設置された市街地。
袿姫は市街地を見廻しながら実技試験の説明を思い返す。
その数秒後、唐突に、脈絡なく、間延びした声と共に響く。
『はいスタート〜』
全く覇気の無い薄っぺらい声だがスタートの宣告は為されたと理解して袿姫は地面に手を触れて等身大の埴輪兵を創り出す。
今回は
5秒程度で袿姫の眼前には500体の埴輪兵団が勢揃いしていた。
袿姫の護衛を務める44体の埴輪兵とソレを除いた軍団長1体、そしてその指揮下である団長5体とそれに追従する90体。
軍団長を務める菖蒲色の髪をたなびかせた埴輪兵は指揮下の埴輪兵団の団員に指示を飛ばす。
「全隊傾聴‼︎ 我らの敵を踏み潰せ‼︎撃滅しろ‼︎」
その指示に従って埴輪兵団は行動を開始した。
今回袿姫が埴輪兵団に持たせた武装は近接特化させた武装のみ。
両腕に施されたパイルバンカー2丁のみ。
しかしながら、ぶっちゃけた話、そんなの使わなくても埴輪兵団の能力ならば素手どころか指一本でロボを損壊せしめる事は容易い。
元より埴輪兵団は埴安神袿姫が戦闘兵器として構築した物だ。
戦闘を基本的な使用法として創り出した埴輪兵団。
埴輪という名称が使われてはいるものの外見は普通の人間と同様であり……中身はオーバーテクノロジーの塊であり演算能力は既存の演算機械を遥かに上回る超スペックである。
埴輪兵団の能力。
それは受けた攻撃を瞬時に解析し、その攻撃と同等の能力の武装を瞬時に設計したり、その攻撃を模倣して自分達の物とすることができる。
受けた攻撃や原理解析からの新兵器製造までを一瞬にして済ませそれらを自分を含めた全ての埴輪兵団の仲間と同期させる事が可能。
それ故に、理論上無限に強くなることができる。
また、模倣以外にも原理を解析し解決策となる応用兵器も創造主たる袿姫の確認無しに自分達の一存で開発可能である。
また、それぞれ役割が決まっている。
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各自の役割毎にスペックの差はあれどこの程度の試験で撃破される要員は0である。
何よりも、袿姫に創造された際、主眼を置かれたのは『問いに答える相手』としてである為に……“対応”し“答え”を導くように生み出されている。
その為、外部からの反応に対応して反応を返すように成長し続けた結果として受けた攻撃を一瞬で模倣したり、解析結果から新しい兵器を新造することも可能となった。
本来の創造目的から、問いかけに関する返答も可能。
真実を語るために、論理的な思考や言葉遣いをする。
試験開始から僅か3分。
埴安神袿姫の創りし……埴輪兵団達により仮想