クリエイター少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

10 / 15
今作が総合ランキング35位
二次創作限定20位にランクインしててびっくりしました

読んでくださる皆様の応援のおかげです。
感謝を。


第1種目・障害物競走

 選手宣誓が終わった直後、ミッドナイト先生より第一種目が発表される。

 

『障害物競争』と発表されスタート位置に着く、

 スタートランプが点灯して開始が為される。

 合計11クラスでの総当たりレース……220人が同時には絶対通り抜ける事が不可能な幅で構築されたスタートゲート。

 

 ギッチギチに詰め込まれている為にスタート地点そのものが……最初に振るい落とす関門となる。

 それを踏まえて動いたのは轟凍火

 地面を凍結させ自身以外の全員の動きを封じ込める。

 しかし……同じクラスの皆は当然としてかなりの生徒が凍結を避ける。

 その中でも特に速かったのは爆豪勝己と八百万百、そして袿姫である。

 爆豪勝己は爆破による高速飛翔で、八百万百は創造による創造物で、そして袿姫は造形による『造り替え』を行い氷そのものを別の物質へと転換させて移動用の中型バイクを造り出す……各々が各々の為せる技で回避し先を突っ走る。

 そして速くも見えるは第1の障害物。

 入試でご対面した0ポイント巨大ロボットであった。

 それがざっと25機。

 だが……袿姫には一切関係無い。

 自身がそうあれかしと望み造形したバイクで颯爽と走り抜け誰よりも速く第1関門を突破するが続く第2関門で……崖の下へと真っ逆様に落ちる前にバイクを乗り捨てて舌打ちする。

 慣性に従い乗り捨てたバイクは奈落の底へと落下していき爆発音と火柱を上げて壊れていくがそんなのはどうでも良い。

 第2関門である綱渡り……名称『ザ・フォール』

 極限まで簡単に言えば綱渡りなのだが……50〜60m下まで落ちるのが嫌ならば踏破に30分は掛かりそうな極端に遠い迂回路を通過していけと。

 煽り文で示されたソレを一瞥して袿姫は自身のジャージに手を触れて望む物を望むままに造り出す。

 自身の背中に造り出したのは天使を想起させる美しい4対の羽根。

 翼をふわりと動かして空を舞う袿姫。

 ……嗚呼、汎用性という面に於いては八百万百同様に他の追随を赦す事はない袿姫の個性。

 それは道具やアクセサリーを造るのみならず自由自在に空を舞う羽根と言うこの様な造形も可能。

 そも、素材の質量や性質の自在移動からして汎用性が高い、袿姫がその気になれば希少金属や宝石は軒並みその希少価値を失い……至ってありふれたモノになる。

 ひとえに……それをしないのは袿姫や八百万百に求められる資質であった。

 思いの儘に造り出したら経済が崩壊する事は目に見えている。

 それを思案しながらふわりと翼を動かして悠々と第2関門を突破していく袿姫。

 現在のところ圧倒的大差を着けての1位独走。

 それを踏まえて……久方振りに感じる『詰まらない』という感情。

 しかし、その感情は速くも消え去る事となる。

 眼下を見ると……凍火と八百万百が結託して第2関門を突破していた。

 凍火が八百万を掴みながら創り出した氷で滑走しつつ……八百万が此方へと何かの照準を合わせていた。

 黒く、鈍色のそれを見た刹那……回避行動を取った袿姫だが遅かった。

 耳を劈く発砲音と共に網が発射され袿姫の羽根が絡め取られてコントロール不能になり錐揉み状に墜落していく。

 錐揉み状に墜落しつつ袿姫は叫ぶ。

 

「いいね‼︎ 詰まらないと思っていた所だけど……考えを改めよう‼︎ 楽しいな‼︎」

 

 そう叫び谷底に真っ逆様に落ちる前に袿姫は何とか羽根に手を伸ばしてその形状を変える。

 墜落寸前で機械で出来た大鷲の脚を掴んで上昇する袿姫。

 トップ独走からは蹴落とされた。

 だが、それがどうしたと言うのか? まだ終わってない。

 爆豪や緑谷も猛追してくるが依然として最初に生まれたアドバンテージを覆すには至らない。

 八百万百と轟凍火が真っ先に第2関門を突破し残すは第3関門。

 

『轟凍火と八百万百が結託して埴安神袿姫を蹴落としたぁぁぁ‼︎ さぁ誰がどう勝つのか読めなくなってきた展開だが残す第3関門は地雷原‼︎ 眼を凝らせば見えるから慎重に走り抜けぇぇ‼︎』

 

 プレゼントマイクの実況が響き渡り第三関門の凡そ半分を超えている轟と八百万は僅かに動揺の色を見せる。

 

 しかし、轟凍火は……自分達と袿姫の距離を脳内で計算しほんの一瞬だけチラリと背後を確認した際に確認した……ざっくりではあるが300mはある。

 距離のアドバンテージならこちらが大幅に上回っている……。

 遥か後方に居る袿姫よりも……僅か10cmの至近距離で背後に居る者達の脅威を取り除く。

 再度地面を広範囲に凍結させるが2回目3回目となると回避も容易く。

 ほぼ意味がなくあっさりと回避される。

 妨害に時間を割いた轟は1位を維持したまま第3関門の中間地点に到達するが第三の関門はこの障害物競走の4kmの内……半分以上の2.5kmを占める距離の大量に埋設された地雷原……殺傷力及び威力はそうでもないが爆音と衝撃は一級品の……地面に大量に埋設された地雷は先頭にこそ威圧をかけてくる。

 後続に道を作ることになるが自身の安全も考慮するとこれはしょうがない。

 そう考えて凍氷で道を作ろうとした凍火。

 しかし……突如として頭上から降ってきた袿姫を持ち前の反射神経で咄嗟に避ける。

 

「危な⁉︎ 蹴落としたのにどうやって……なるほどね」

 

 間一髪で袿姫を回避すると疑問を投げかけるがその姿を見て理解する。

 4対8枚の美しい羽根。

 其処は同じだがそれぞれが意思を持っているかのように蠢いている。

 アレならば如何に絡め取られようとも残りの羽根が飛行能力を失くすことなく飛行できる。

 そうしている内に爆豪勝己、八百万百、緑谷が追いつき始めて混戦となる。

 八百万百が創造による妨害を、轟凍火が焔と氷を織り交ぜた妨害を、爆豪勝己が爆破による爆煙を、緑谷が先の個性把握テストで見せた超パワーにて妨害を図る。

 しかし、嗚呼されどもさ……袿姫がその手を触れて全てが袿姫の思いの儘になる。

 即ち……爆煙も、氷も焔も、創造物も……全てが袿姫の思いの儘に造形される。

 凡ゆる妨害を潜り抜け袿姫は再度一位を捥ぎ取ると4対8枚の羽根をはためかせて高速で飛翔する。

 何者も寄せ付けない速度を持ってして……。

 そしてプレゼントマイクの実況が響き渡る。

 

『乱戦混戦大乱闘の末に‼︎ 見事一位を獲得したのはこの生徒‼︎ 埴安神袿姫だぁぁぁ‼︎』

 

 それを聞き終えた瞬間、湧き上がる歓声に……袿姫は実感が湧かないとでも言う表情で返したのだった。




面白いと思いましたらぜひ下記から☆9や☆10をポチッと押していただければと思います。

評価付与 お気に入り登録 感想
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。