パーパルディア皇国・皇都エストシラント、皇宮
「ルディアス様!大変です!」
皇国軍最高司令官のアルデが副官と共に駆け足で部屋に入ってくる。
ルディアスは苛立ちを隠そうとしない口調で話し始めた。
「……そんなことわかっている。なぜ第3文明圏最強の我が国が攻撃を受けているのだ?」
「も、申し訳ありません!現時点で敵はわかっておりません!ですが、皇国に気づかれないで攻撃を行ってきたのでおそらく………他の列強と思われます……」
アルデの曖昧な返答にルディアスはさらに口調を強める。
「だとしたらなんだ?ミリシアルやムーが我々を滅ぼそうとしてきたのか?そんなことより貴様は先に報告すべきことがあるんじゃないか?被害はどうなっている?」
「……エストシラント内の全ての基地が攻撃を受けました……。皇都防衛軍基地は指揮系統が壊滅し、エストシラント軍港は停泊中の戦列艦は全て被害を受け、第3艦隊は3分の2を喪失、動かせるのは洋上にいた船だけです。海軍本部も被害を受け…………海将バルスとは連絡が取れません」
「………直ちにワイバーンを飛ばせ。皇都の全空域を監視しろ。他の基地からも応援をよこすんだ」
「…………皇都内の全ての基地の滑走路は破壊され、使用不能です。第3艦隊の竜母も洋上にいた2隻以外使えません。………現在動かせるワイバーンは……皇都上空で哨戒中の36騎のみです」
被害の大きさに流石のルディアスも絶句する。
すっかりと静まり返った部屋に一人の軍人が飛び込んできた。
「ほ、報告します!皇都沖に突如現れた飛行機械により第3艦隊の残存兵力は全滅しました!」
「飛行機械だと!?ムーが攻めてきたのか!?」
「すぐにムーの大使を呼び出せ!レミールも呼び、全て吐き出させろ!」
「レミール様は先程、フランスの護衛との銃撃戦に巻き込まれ治療しています」
「ならいい。私が直接大使に会う」
ルディアスは椅子から立ち上がり、皇宮の外に向かう。
扉から出ようとした瞬間、上空で爆発音が鳴った。
「何が起きた!敵の第二波か!」
「ルディアス様!危険ですのでお下がりくだs……うぎゃっ!」
「え………うわぁぁぁぁ!」
ルディアスを止めようとした衛兵が何かに押し潰され、真っ白な皇宮の壁や床に血飛沫が飛び散る。
「うわぁぁっ!何だ!何が……うわぁぁぁ!」
腰を抜かし、パニックになったルディアスの目の前にあったのは巨大な肉塊だった。
「ルディアス様!大丈夫ですか!早くこちらへ!」
アルデや周り兵士が立てなくなったルディアスを必死に支える中、空に轟音が響いた。
「何だあれはっ!」
彼らは知らないが皇都の制空権を確保しにきたラファールMがワイバーンオーバーロードとドッグファイトを行っていた。
近くに設置されていた魔道通信から竜騎士たちの悲惨な声が聞こえてくる。
『なんなんだよ!チクショォ!速すg………』
『また一騎やられた!我々の部隊は壊滅状態だっ!』
『俺たちも壊滅状態だ!応援を要請す…………プランク小隊長、後ろ!背後につかれてる!』
『何だとっ!クソッ!振り切れねぇ!誰か援護を………ぎゃぁぁぁ!』
『ダメだ、全騎撤退!撤退だ!下が…………』
「上空にいる竜騎士団は壊滅状態だ。直ちに近くの基地は応援を送れ!」
「竜騎士団との通信途絶!全滅しました!」
『こちら監視塔。洋上に敵と思われる艦隊を確認…………あれは何だ!?』
『砲撃だ!下がれ!下がれぇ!』
『こちら第16陸戦隊!敵の艦砲射撃を受けている!負傷者多数!応援を要せ……うわぁぁぁ!』
「海岸線との連絡途絶!」
「アルデ様!指示を!」
「ルディアス様!どうしましょう!」
「アルデ!貴様は最高司令官だろう!自分で考えろ!」
フランスの攻撃により、皇国軍の指揮系統は一瞬で麻痺した。
「フォレスター少将、E-3Fより報告、『敵首都上空に敵影なし、制空権を確保した』とのことです」
「ご苦労さん。じゃあ輸送部隊に上陸作戦開始の合図を送って」
「司令官!第33情報航空団より報告!敵艦隊を確認、数210、距離370!」
敵艦隊発見の報告にフォレスターは深い笑みを浮かべる。
「370で見つけられたのはいいね。『スタレット』に連絡、ミサイルで空母を沈めて。『シャルル・ド・ゴール』にはラファールで主力艦を潰すように連絡」
「艦長、『カール・ヴィンソン』より『敵艦隊の空母を全て沈めろ』とのことです」
「わかった。情報航空団のMQ-9の映像を映せ」
艦長の指示によりMQ-9が撮っている敵艦隊の映像がモニターに映し出される。
そこには海が埋め尽くされるような数の帆船が浮いていた。
地球では二度と見れない中世の船団にCICは静まり返る。
「………すごい数だ………」
「……艦長、飛行甲板を持つこれが空母でしょうか……?」
レーダー員の一人が中央に固まる木造船を指差す。
「そうだな。……総員、対水上戦闘用意!戦闘配置につけ!」
艦内を乗組員が駆け回る。
1、2分で全員が配置についた。
「
「ストライク了解。ターゲット・アルファ、およびブラボー。飛行経路、ウェイポイント正常。GPS同期、完了」
艦長の許可を得たTAOの鋭い声が飛ぶ。
「
竜母に振り分けられた位置を火器管制員がTTWCSに入力していく。
「
「発射用意よし!」
「撃てっ!」
『スタレット』の前甲板VLSから20発のトマホークBlock Vaが飛び立つ。
発射されたトマホークは、一旦高度を上げた後、海面スレスレを飛ぶシー・スキミング高度まで一気に降下した。
パーパルディア皇国海軍・竜母艦隊
「バーン司令官!偵察ワイバーンから報告です!『我が艦隊へ高速で進む物体あり、海面を這うように進んでいた。視認は難しい』とのことです」
「迎撃の竜騎士団は何をしている!?直ちに撃ち落とせ!」
「バーン司令官、視認できる範囲でそのような物体は確認できません」
単眼鏡を覗く見張り員が振り返って報告する。
その瞬間、左舷を進む竜母が爆発する。
「うわぁぁ!『ガルガオン』が!!」
「『ガルガオン』、体勢保てません!沈みます!」
「な、何が起きた!?」
一隻が爆散するのを輪切りに周りの竜母が次々と沈んでいく。
「『セイレーン』被弾!『マサーラ』沈みます!」
「何をしているんだ!すぐに海面を這う物体を落とせ!」
「無理です!見えませn…………うわぁぁぁ!」
「被弾しました!これ以上保てません!」
「おのれ蛮族めぇぇぇ!」
バーンの意識は彼が乗る竜母と共に沈んだ。
dd・dddd帝国、帝都ddd
ある建物の部屋の机の上にこんな紙が置いてあった。
[帝国海軍第ckspa所属cksp級潜水艦『Backsp』捜索ニツイテ]
本作戦ハ、二月二四日カラ消息不明ニナッタckspa所属cksp級潜水艦『Backsp』ヲ捜索、救出スル作戦デアル。
捜索海域:パーパルディア皇国・皇都エストシラント沖
参加艦艇:本国艦隊第37地方隊
旗艦:重巡洋艦ヒアダム
本作戦海域付近デ、フランス共和国ノ艦隊ガ確認サレタ。
機密保持ノ為、万ガ一接触シタ場合ハ攻撃ヲ許可スル。
海軍第一打撃群司令官カオニア
読んでくださりありがとうございます。
いよいよ始まりました。
今回の戦闘はあるビックイベントを計画していますのでお楽しみに。
今話、特に頑張って書きました……。
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