では、どうぞ!
「ちくしょう、負けちまった……」
「うちのクラスでも3本の指の中に入る程の実力者の優也が……完封負けかよ…………やっぱりすげぇぜ、大輔!」
『これ程の実力の持ち主だったのか、この七穂氏大輔という人物は……』
優也がD-ゲイザーを外して悔しがっていると、大輔の方を見ていた遊馬が目を輝かせて興奮ぎみに話す。
「いやぁ、優也の展開には驚いたよ。謎の傀儡師って結構マイナーなカードなのによく知ってたね」
D-ゲイザーを外した大輔は微笑を浮かべながら優也に近付く。
「俺のデッキはさ、血の代償がメインで展開していくからどうしてもライフコストの消費が激しいからね。それで何か良い回復方法をって探してたらコイツと巡り会えた……って訳だ。2体並んでれば回復も出来るからな」
優也も笑みを返して大輔の問い掛けに答える。
「っと……そろそろ帰らねぇと…………俺の親が最近怒りっぽくてさ!」
「それもそうだな……それじゃ、また今度な」
「おう!」
大輔はまだ色々話したい事はあった様子だったが優也の一言で今日のとこは解散、となった。
俺は優也や遊馬達と分かれた後、一人で帰り道を歩きながら独り言を呟いていた。
「にしても、No.に頼らなくても勝てる様にはなった、かな?」
紋章獣ってNo.が特徴的だからそれを主軸に動かしがちなんだよな、俺……
「でも、結構使いやすくなってるし、案外このままでも良いかもな…………ん?」
自宅への道程を歩いていると……何やら喧騒が聴こえてきた。言い争いの声のような感じだが……明らかに片方は幼い感じだ。俺は変な違和感を感じて声のする方へと向かった…………
ある公園に辿り着くと、2人の高校生らしき男達と3人のまだ小学生位の男女が対立していた。小学生の女の子の方は泣きじゃくっており、女の子を庇うように男の子2人が立っていると言った様子だった。
男の子達の内の1人は薄い紫色の前髪と暗い紫色の髪に薄い灰色の瞳を持っており、もう1人は前髪が濃いめの黄緑色大半は暗い緑色という髪色で薄い黄色の瞳を持っており、男の子達は高校生らしき男達に何か反抗している様子だった。そして、その後ろでしゃがみこんで泣きじゃくっている少女は薄い黄色の瞳の男の子に似ている髪色でツインテールの様な髪型をしていた。
一方の高校生らしき青年らは金髪長身とスキンヘッドのがたいの良い奴……いかにもゴロツキって感じの奴等だった。
「こりゃ、助けないといけないなぁ……」
そう思った俺は声を掛けながら近付いていく。
「おい、デュエルしろよ」
俺が声をかけるとゴロツキ達は視線をコチラに向けた。
「あぁ?」
「誰だ、お前……」
「誰って……善良な一般市民だよ」
俺が薄ら笑いで返せば相手は鼻で笑った。
「善良な一般市民様の出る幕じゃねぇんだ。とっとと帰んな」
「それにこれはこのガキ共との約束の品だ。返すつもりはさらさらねぇな」
「ちがう! おまえらがかってにいいだしたことだろ!」
「そうだ! るりのカードをかえせ!」
ゴロツキ達はどうやらカードを返すつもりは皆無らしいな。なら勝つ前提で勝負を持ち掛けよう。
「ほう、なら俺に勝ったら……俺のデッキから好きなカード5枚程くれてやるよ。俺のデッキは……レアだぜ?」
条件を聞いたゴロツキ達の目の色が変わった。
「ほう、悪くねぇな……だが、そのデッキ丸々じゃねーと話にならねぇな」
「ふむ、良いだろう。その代わり、そのカードをコッチに渡せ。まずはそれからだ」
「構わねぇぜ、おらよ!」
金髪長身の男が俺に向けカードを投げ渡す。俺がそれを受け取り確認し……少女のもとへと歩み寄り、しゃがんでカードを手渡した。
「ほら、これ……“零鳥獣シルフィーネ”。君のカードでしょ?」
「ひっぐ……おにいぢゃ、ありがど…………」
少女は嬉し涙を流しつつ感謝の言葉を述べてくれた。すると男の子達が俺の元に近付き不安そうに訊ねてくる。
「ねぇ、おにいちゃん……あんなやくそくしても…………いいの?」
「アイツら、へんてこなカード使うんだぜ? よくわかんねぇモンスターでさ、『なんばーず』とかのカードでしかバトルではかいできないっていうこうかもってるんだ……」
「…………大丈夫。俺は負けないさ……安心して待ってて」
俺は子ども達に笑いかけてそう言えば立ち上がりゴロツキ達の方を向き、デュエルディスクを構えた。にしても、No.持ちか。なら出しても問題ないかな……!
「何なら2人同時に来なよ「おにいちゃん!」…………どうした?」
「僕もいっしょにたたかう!」
変則型バトルロイヤルを仕掛けようとしたら、紫系の髪の少年が俺の隣にやって来て、デュエルディスクを構えた。おいおい、いくら何でも小さい子まで巻き添えにしたくないんだが……特にNo.使いとのデュエルでは…………
「俺達は構わないぜ、一度ソイツにゃ勝ってるからな!」
「あぁ、俺達が負ける筈がねぇ!」
…………決めた。この子と一緒にデュエルして奴らぶっ飛ばす!
「……良いだろう。君は、準備はいいかい? えっと……」
そういや、名前を聞き忘れたな……
「ユート……僕のなまえは『榊原遊斗』(さかきはら ゆうと)!」
優也と名前が似てるなぁ……
「ユートか、宜しくね…………行くぞ!」
「「「「デュエル!!」」」」
吾郎(GORO)LP4000&月人(TUKITO)LP4000vs大輔(DAISUKE)LP4000&遊斗(YU-TO)LP4000
ごろう、つきと……二人合わせてゴロツキの出来上がり、ってか?
デュエルのターンは吾郎→俺→月人→ユートの順だ。そしてユートのターンから攻撃可能になっている。
「まずは俺からだ。ドロー!」
吾郎 手札5→6
スキンヘッドの男……吾郎がカードを引く。どんなデッキなんだ……
「俺はデーモンの騎兵を召喚! そしてカードを2枚伏せてターンエンド!」
吾郎LP4000
手札
吾郎6→3
場
デーモンの騎兵ATK1900
伏せカード×2
次のユートのターンからバトルできるし……ここは守りに徹しておくか。あのNo.を使って、な。
「俺のターン、ドロー!」
手札5→6
うん、引きも中々良好だな…………ってか、こんだけ初手にカード引いてればある程度は引けるもんだがな。まぁ、初志貫徹……とりあえずアイツで場を固めるか。
「俺は手札から“おろかな埋葬”を発動! この効果により、デッキから“紋章獣レオ”を墓地へ……この瞬間、レオの効果発動! レオが墓地へ送られた時、デッキからレオ以外の紋章獣を手札に加える。俺は“紋章獣アバコーンウェイ”を手札に加えてそのまま召喚!」
紋章獣アバコーンウェイATK1800
「はん……勢いよく手札に加えて出したかと思えばたかが1800……俺のデーモンの騎兵に到達してねぇぞ?」
「いやいや、ここで終わる筈がないっての。魔法カード“蘇生紋章”を発動。墓地に眠りし紋章獣を1体場に呼び戻す。舞い戻れ、紋章獣レオ!」
紋章獣レオATK2000
「い、いきなり攻撃力2000……!?だ、だが攻撃力が然程高くないアバコーンウェイを攻撃表示で出したのはダメなんじゃないか?」
なんで素材のモンスターで強弱を決めつけるかね。あ…………そうだ、良いこと思い付いた。確信を持っておきたいし……訊いてみるかな。
「……あぁ、そうだ。君達、«No.»ってカード知らない? 俺も持ってるんだけど……ちょっと探しててね」
「«No.»……あぁ、コイツの事か?」
月人が何か思い出し様子で見せてくれる……ヒットか。奴のは……“No.50ブラック・コーン号”か。相手にすると少し厄介だな。どんなデッキで出してくるんだ……?
「ほう、そういうってことは貴様も持ってるのか……このNo.シリーズを!」
そして吾郎が見せてきたのは…………”No.85クレイジー・ボックス”、か……これはこれで面倒だな。ダイス運が上がってる可能性もある、かな。
「あぁ、今見せてあげるよ。俺の持つNo.を……とは言っても、あまり攻撃向きじゃないがな…………俺は、レオとアバコーンウェイでオーバーレイ!
2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!
その紅き目は孤高の証、祖の力を此処に示せ! No.18紋章祖プレイン・コート!!」
No.18紋章祖プレイン・コートDEF2200
「っ……これが…………貴様のNo.か……!」
「あぁ、俺はカードを1枚伏せてターンエンド!」
大輔LP4000
手札
大輔6→3
場
No.18紋章祖プレイン・コートDEF2200
伏せカード1枚
「次は俺のターンだ、ドロー!」
月人 手札5→6
吾郎って奴は見たところ【デーモン】なのか、ただの【悪魔族】か、はたまた【闇属性】なのか…………見極めはまだ難しいな。
そして、続いて金髪の男……月人がカードを引く……コイツのデッキは…………
「俺は“二重召喚”を発動! “返り咲く薔薇の大輪”を召喚してリリース、“ギガプラント”をアドバンス召喚! カードを2枚伏せてターンエンド!」
月人LP4000
手札
月人6→1
ギガプラントATK2400
伏せカード×2
コイツは【植物】で確定しても良いか…………だが、そうなるとかなり厄介だな。植物族はマイナー故に様々な動きが読みづらい……そこら辺が大変厄介な所だ。一応あのブラックコーン号も植物族なんだっけ……
まぁ、俺の手札ならその辺も何とかなりそうだな。ただ、面倒なのは二人ともバックが2枚。対して俺のデッキの伏せ除去は数が限られているってところだな…………さて、ユートのデッキはどんなデッキかな?