今週中には短編の方を完結させたいと思ってます。
「今回はこないだやり忘れてた魔法少女についての基礎やってくぞー。」
「なんでそんな投げやりな感じなんですか。」
本当に面倒そうな声をしている。
「えーと、基礎って言っても何やるんですか?」
「お前も魔法少女の中にも魔女って呼ばれる奴が居るのは知ってるよな?」
「は、はい。知識としては。」
「じゃあ、なんで魔女って呼ばれるかは知ってるか?」
よく考えてみれば魔女と呼ばれている理由は知らなかった。
「えっと、月並みですけど魔法少女の中でも特に強いからとかですか?」
「いや、全然違う。」
「えっと、じゃあ悪い魔法少女とかですか?」
「それも違う。」
本当になんなんだろう?
「答えは他の魔法少女に再現不可能な固有魔法を持ってるかどうかだ。」
「再現不可能な魔法、ですか?
でもそれおかしくないですか?初めの講義で言っていた事と違いませんか?魔法は大まかに3つの種類に分類されるって言ってましたよね。なら適性次第で再現出来るんじゃないんですか?」
「まぁ、理論的には再現可能だろうよ。だが再現不可能ってのは他の魔法少女が試してみて出来なかった結果そう言われてるだけだ。
例を挙げるとしたら、お前も火消しの魔女の名前くらいは知ってるだろ。」
火消しの魔女。魔法少女のなかでも最も有名な人物のうちの1人だ。
「あいつの魔法は火を消すことに特化してるというよりも、多分あれは火が燃えていたという事実を消している。」
「事実を消してる、ですか。」
「おそらく、だけどな。推測の域を出ないがあの魔法は燃えている物に燃えてない状態のテクスチャを上書きしてるんじゃないかとみている。理論的には現象創造の応用だがそれだけの事をするなら1人じゃ賄いきれない量の魔力を必要とする。だが、彼奴は1人でそれをやって見せてる。だから再現不可能なんだ。」
「へー、他にはどんな魔女がいるんですか?」
「変なので言えば犬寄せの魔女とかマタタビの魔女とかになるな。」
「なんですかそれ!?」
本当によく分からない名前出てきた!?
「あいつらなぜか分からんが犬が寄ってきたり猫が寄ってきたりするからそんな呼ばれ方してんだよ。」
「な、なんか可哀想ですね。」
「そう言えば藤原さんはその再現不可能な魔法は持ってないんですか?」
「持ってるっちゃ持ってるが持ってないっちゃ持ってねぇな。」
「それどっちなんですか?」
「再現だけで言えば理論上誰でも出来るがアタシ以外が出来てるのを見たこと無い魔法って意味だ。」
「??それ何が違うんですか?」
再現出来なければそれは固有魔法なのでは?
「簡単に言えばアタシのソレは結界を張る防御魔法なんだが、それをアタシは武器に付けてぶん殴ってる。」
「野蛮人じゃないですか!?」
「まぁ、それで済ませられたら結構簡単だったんだが、ここで少しだけ問題が出てくる。結界魔法ってのはな座標に対してここにこの厚さの壁を何枚作るって感じで作るんだが、基本作った結界はその座標から動かすことが出来ないんだ。」
「あれ?それじゃあおかしくないですか?先輩の結界は言い方的にめちゃくちゃ動かしてますよね?」
「それが結構な工夫をしてだな、アタシの結構には一部の座標に対する変更余地を残して作ってるんだ。ざっくり言うと常に結界を作り直してる的な感じだ。」
「それくそ面倒じゃないですか?」
「そうだ、くそ面倒だ。でもそれは戦闘範囲を限定すれば予め一定範囲での常時かつ高速の再構築を魔法に組み込めば出来るんだよ。」
「えっと、初心者の私でも分かります。それ、多分スペックのゴリ押しって言うんじゃないですか?」
「近いが違うんだなぁこれが。アタシは二つの結界を同時に使うことで解決したんだ。一つはさっき言った戦闘領域を絞るための結界。もう一つはマーカー追尾して常に防壁を張る結界。これによりアタシはマーカーを中心として作れば可動余地のある結界の作成に成功自体はしたんだ。」
「成功自体はってなんですか?聞いてる限り大丈夫そうな感じがありますけど。」
言いたくなさそうに頭を掻く藤原さんは目新しさがある。
「簡単に言うと適性の問題がデカ過ぎた。」
「デカ過ぎた、ですか?」
「結界魔法自体は誰でも使えるんだがそれを保つの動かすのも適性がバカ高くないと無理なんだ。そもそも結界魔法自体誰でも使えはするんだが基本的に攻撃一発で壊されるくらいの強度しか出せなくて殴るなんてもってのほかなんだよ。だからアタシにしか出来なくて実質的に固有魔法の扱いになってんだ。」
「ほへ〜、そんなんですね。」