「今日からは実技に入ってくぞー。」
あれから数日間座学を叩き込まれて脳がパンクしていた中で満を持しての実技が始まった。今日をどれだけ待ち望んだ事か。
「そんなキラキラした目してんなよ。実技つっても最初からそんな派手な事はしねぇよ。」
「そ、そんなぁ。」
私は天を仰いだ。なぜに世界はこうも世知辛いのだろうか。
「あからさまに落ち込むなよ、ガキか。さっさと立て。この訓練室自体使える時間は限られてんだからな。」
「うぅ…はい。」
「あらためて、今回から実技をやるが今日からの目的を言っておく。固有武器の作成だ。」
「固有、武器…。」
固有武器。それは魔法少女の顔とも言えるモノ。その魔法少女がどう戦うかを体現する最も重要なモノ。
「そんなに目を輝かせるな。はっきり言うがそんなロマンチックなモノではないからな。」
「え、えぇ〜。」
じゃあどんな風に決めるんだろう?
「今回の訓練内容だが、アタシから一本取れるまでずっと実践だ。ありがたく思うといい。」
「あ、あの私まだ変身の仕方すら習ってないんですけど…マジですか?」
そう、昨日までずっと座学だったため未だに変身をしたことがない。
藤原さんが思い出したように頭を抱えた。
「あ〜、そういやそうだったか。まぁ、いいや面倒だし。もうとりあえず全部叩き込んでやるから安心しろ。アタシもここんとこお前の座学に付き合ってばっかりで鈍ってるから丁度いいだろ。」
「それは丁度いいとはいいませんよ〜。」
そう、現役の魔法少女と見習いにすら至ってない私では月とスッポンどころか太陽とミジンコ程の差があるだろう。
簡単に言えばムリ、マジでムリ、本気と書いてマジって読むほどムリ。特にムリなのは藤原さんの固有武器がバットなとこ。あれを振り回して迫ってくるヤンキーは流石に怖いって。私みたいな隠キャじゃなくてもビビるって。
「安心しろ、アタシは変身せずに身体強化のみでやるしバットの素材はスポンジにしてやる。だからその絶望感満載の光のない目やめろ。」
「ヒッ。でもまだ私何も出来ないんですけど…。」
「じゃあ変身の仕方教えてやるから教会の方から渡された端末出せ。」
「は、はいぃぃぃ。」
管理教会から渡された端末。教会に入る為の鍵兼教会からの連絡を受け取るためのデバイス。これがなければ入れないし、教会内ではこれを使ってお菓子買ったりジュース買ったりとかできるらしい。まだ私は魔法少女として働いた事ないから買ったことないけど。
「今からアタシが変身の手本を見せてやる。」
「
そう言うと藤原さんが光に包まれそこから現れたのは、真紅という言葉が見た瞬間に想起される程に綺麗な赤い髪。薔薇の意匠が各所に見られる赤と白のドレス。
「これが…。」
「あぁ、これが魔法少女の変身だ。」