書けば書くほど展開の雑さ故に書き足すことが増えていき、そして話が進まない。うーん辛い。
世の中の小説家さんたちは凄いなぁ。
そんなこんなで雑さがあったりするかもしれませんが生暖かな目で見ていただけると幸いです。
「あ、あの、助けてくれて、その……ありがとうございます……私、ラディアっていいます……」
「よろしくなラディア!怪我する前に間に合ってよかったぞ!」
人見知りで初対面の相手とはうまく話せない少女……ラディアのたどたどしい礼を、ショウは嫌な顔1つせず笑顔で答えながら彼女の前を歩いている。
現在、ラディアはショウに案内され、あの壁の上へと回り道して向かっている最中だ。彼の縄張り……すなわちショウが住んでいる今の拠点がそこにあるとのことだった。
「にしても、ラディアはなんでこんなとこにいたんだぞ?人間って人間界ってとこにいるんじゃないのか?」
「あ……それは、私が冒険者だから……あ、いや正確には私はまだ学生で、冒険者を目指すものなんですけど……」
「ぼーけんしゃ?」
どうやら聞きなれない単語だったようで、ショウは首をかしげてラディアを見つめる。
人間たちが住む人間界やダンジョンについては知っているのに、冒険者については知らないのかとラディアは疑問に思う。しかし、目の前の彼にそんな質問したところで満足のいく答えは返ってこないだろう。特に気にせず説明することにした。
「えっと、ぼ、冒険者っていうのは……困った人の依頼を解決する仕事っていうか……その1つに、ダンジョンを攻略することも含まれるんです……。私達は学校の卒業試験でここの攻略を……」
「へー!ダンジョン攻略かぁ!冒険者って凄いぞ!ラディアみたいな魔法使いがたくさんいんのか!?」
「あ、い、いえ……他にも戦士とか僧侶とか武闘家とか……たくさんの方がいらっしゃいます」
「すげー!!!人間界にはそんなにたくさんの闘う奴等がいるのかぁ!興味出てきたぞ!」
冒険者について聞いたショウは、飛び跳ねたり、腕を大きく動かしたりしてワクワクを表現している。
……戦士や僧侶について質問しないってことは、おそらくその戦闘スタイルや役割なんかも理解しているのだろう。だとすると、やはり冒険者についてだけ知らないことに疑問を覚える。
(この人……やっぱり少し歪というか……)
ラディアは胸の中に違和感を覚えながらも、コミュ障もあってそれを口に出すことはなく、ただショウの後ろを歩いていた。
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「着いたぞ。ここがオレの縄張り!」
「ここが……あなたの……」
「オレは竜の肉取ってくるぞ。オレの縄張り探索してていいからな!」
ショウはそういうと、壁の下にあるドラゴンの肉を取りに、彼女の返事も聞かずに駆け出し、飛び降りる。
一方のラディアは目の前に広がる光景に驚いていた。そこには、洞窟の中とは思えないほどの立派な1本の木がそびえ立ち、付近には湧水が、天井からは青い光が差し込んでいる。
ここだけ先程までの暗い洞窟とは違い、異質な空気を醸し出していた。
ラディアは警戒しながら湧き水に近付く。底まで見えるほど澄んだ水は、触れると少し冷たい。飲料水としても身体を洗う水としても使えそうだ。
次は、洞窟の天井から指す光に着目する。青く優しい光を放つ一部分に目を凝らすと、光を放っているのが苔だということが確認できた。そういった植物があるのは本で見たことがある。だが、ここまで密集して生えているのは見たことがない。
「まるでこの場所だけ光に護られてるみたい……」
辺りを見渡すと、毛皮と葉っぱが敷かれた簡易的な寝床がある。おそらく彼はここで寝泊まりをしながら、このダンジョンで生活してきたのだろう。よく見ると、至るところに魔物の骨らしきものが散らばっていた。
(このダンジョンへの裂け目はこの前出来たばかりのはずなのに……それにしては生活感がありすぎる……。まさかあの人って、本当にダンジョン育ち……?)
「戻ったぞー!ん?どうしたんだラディア?難しい顔してるぞ?」
「ひゃあっ!?あ、その、ご、ごめんなさい!ちょっと……考え事をしてて……」
先程倒したドラゴンの尻尾だけを持ってショウが帰ってくる。考え事をしていたラディアは急な彼の声に驚き、ビクッ!と身体を跳ねさせる。
彼女の様子にショウは首をかしげたが、特に気にすることなく「そっか!」とだけ答えた。
「ラディア、今からドラゴンの尻尾焼くけど、お前も食うか?」
木の下にある枯れ枝を集めながら、ショウが問いかける。
……正直、お腹は空いている。ドラゴンから逃げるために洞窟を走り回り、魔法力フルパワーでベギラマを放ったり、体力は消耗していた。
だが、目の前の自分の体より大きく長いドラゴンの尻尾を見ると……。血を滴らせ、少し痙攣しており、食欲がわくとはいいがたかった。
「お、お構い無く……あ、でも、火を起こすのは手伝います……」
ラディアはショウの提案を断りながらも、枯れ枝集めを手伝い始める。
枯れ枝を集め終えると、ラディアはまどうしの杖に魔法力を注ぎ、小さな火の玉を飛ばして枯れ枝に火をつけた。
ふと、視線を感じて隣に目を向けると、その様子を見ていたショウは眼を見開いて驚いていた。杖とラディアの顔を何度も見返し、目をキラキラさせる。
「すっげーなラディア!お前、呪文を唱えることなく魔法が使えるのか!?」
「あ、え、えっと……これは魔道具って言って、魔力を注ぎ込むことで……その、特殊な効果を発揮するんです……。よ、よければ……見てみます?」
「いいのか!?ありがとうだぞ!ラディア!」
ショウはドラゴンの尻尾を焼きながら、彼女の杖に興味を示していた。そんな彼に杖を渡すと、まるで少年のように目を輝かせ、じっくりと観察し始める。
杖をジロジロと色々な角度で観察し目を輝かせているその様子は、まるで新しいオモチャを買ってもらった子供のよう。
(私も、お父様に本を貰った時は目を輝かせてたっけ……)
目の前の少年をかつての自分と重ね合わせ、ラディアは優しく微笑んでいた。
さて、そんな彼女だが、ただ助けて貰った礼を言うためだけにショウに着いてきた訳ではない。
彼女が目指す冒険者という職はダンジョンに纏わる仕事も多い。その中の1つにダンジョンに迷い混んでしまった一般人の保護もある。
……ラディアの場合、正確にはまだ冒険者学校に通っている生徒であり、冒険者ではないのだが、それでも冒険者としての役割をしっかりと果たすべきだろう。
多少、距離が縮んだような気がしたラディアは、そろそろ本題に入るべきと考えて口を開く。
「あの、ショウさん。その、聞きたいことが……あるんですけど……」
「ん?なんだ?なんでも答えるぞ!」
ショウは杖の観察をやめ、ラディアの方に目を向けた。協力的な姿勢にラディアはホッと胸を撫で下ろしつつ、会話を続ける。
「ショウさんの過去について……です。ダンジョン育ちというのがその……私からすると信じがたいことで……説明していただきたい……といいますか」
「そうなのか?……うまくできるか分からないけど、やってみるぞ!」
多少不安そうに首をかしげていたものの、すぐにショウは笑顔を見せる。
そして、彼の過去について話し始めた。
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説明……といっても、語ることはあんまり多くないぞ。
オレ、物心ついた時にはダンジョンにいたんだ。それより前のことは覚えてない。どこで産まれたのか、オレの親が誰なのかも知らない。
でも、人間の言葉や、ダンジョンとかの知識、そしてオレの使う武術なんかはいつの間にか頭の中にあったんだ。だからずーっと小さい頃から、自分の力で生きていけるように武術を鍛えてきたんだぞ!
もちろん、1人で生きてきたわけじゃないぞ。オレにも母ちゃんがいたんだ。産んでくれた母ちゃんじゃなくて、育ての親って感じだけど。
母ちゃん、キラーパンサーっていう魔物でさ。まるでオレのことを我が子のように育ててくれたんだ。狩りのこととか教えてくれて!……まぁ、オレが7歳くらいの時に、寿命で死んじまったけど。
え?この洞窟にキラーパンサーはいない?そりゃそうだぞ。だって、母ちゃんといたのは別のダンジョンだもん。
ダンジョンで生活してると稀に年に1回くらい、赤黒い渦みたいなヘンテコなものが空中に出来るんだぞ。その渦に飛び込むと、別のダンジョンにいけるんだぞ!そうやって色んなとこ転々としてきたんだ!
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「と、こんな感じだぞ!ちゃんと説明できてたか?」
「え、えぇ。説明はできてましたけど……ごめんなさい、あまりにも情報量が多くて……」
説明を終えたショウは、ラディアの返事を聞いて「説明できてたならよかったぞ!」と笑い、焼きあがったドラゴンの尻尾にかぶりつく。
一方、ショウの過去を聞いたラディアはその異質さに困惑していた。情報を整理するためにも頭を抱えて考える。
そもそもダンジョンは人が生活できるような環境ではない。魔物が数多く存在し、ダンジョンによっては雪山や海中の場合もある。そんな危険だらけのダンジョンで生まれてからずっと生活した人間の事例なんて聞いたことがなかった。
また、ダンジョン内に別のダンジョンに繋がる裂け目ができるということも初耳だ。ラディアは冒険者学校にて(コミュ障で友達がいなかったこともあり)図書室などでダンジョンについて調べることも多かったが、そういった事例が書かれた文献を見たことがなかった。
(もしかしたら……今人間界で起きているあの異変を解き明かす手がかりになるかも……)
「ショ、ショウさん!」
ある程度考えを纏めたラディアはショウの方へと目を向け、勇気を振り絞って声をかける。
ショウは尻尾をバリボリと音を立てながら食べていたが、呼び掛けられると口を離し、彼女の方へと視線を向けた。
「ろーひは?」
「わ、わた……私と一緒に!人間界に来ていただけませんか!」
人見知りでコミュ障なラディアにとって、なにかを提案すること、伝えることはその辺の魔物と戦うより勇気が必要なことだった。
さらに、今までダンジョンで生活してきたショウにとって、人間界は全くの未知なる世界。そう簡単に答えられるものではないだろう。今から沈黙の時間を想像して胃がキリキリし始める。
緊張と不安からラディアは目をギュッと瞑り、勢いよく頭を下げて、お願いする。すると……
「いーほ」
「そうですよね、考える時間はいりますよね、でも返事はすぐじゃなくても…………ん?え?」
ラディアの予想と裏腹に、ショウは即座に人間界に行くことを同意した。面食らったラディアはポカーンと口を開けている。
「え?いいんですか?」
「おう、だって人間界楽しそうだぞ!それに、人間界には冒険者っていう強い奴らがたくさんいるんだろ!?俺も武闘家として強くなりたいし、そういう奴らとの関わりが俺をより強くする気がする!」
ショウは拳をギュッと握り、まだ見ぬ人間界に思いを馳せ、ワクワクしている。
ラディアはそんなショウの様子を見て唖然としていた。あの瞳には不安も後悔もない。あるのは純粋な好奇心と強くなりたいという欲求だけだ。
いつも気弱で引っ込み思案なラディアにとって、彼の思いきりのよさと行動力の高さは尊敬できるものであった。
すると、ショウは勢いよくドラゴンの尻尾にかぶりつき始める。あの大きさのドラゴンの尻尾がみるみるうちに彼の口の中に消えていき、やがて骨だけになる。
「ごちそうさまでした!それじゃ早速いくぞ!人間界!」
「え、ちょ、お、置いてかないでくださーい!」
竜の尻尾を食べ終えたショウは急に立ち上がると、全速力でどこかに走っていく。あまりの展開の早さに一瞬放心していたラディアも慌てて立ち上がるとその後を追って走り始めた。
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現在上記の活動報告にてキャラ募集を行っております。
興味を持たれた方は是非参加してくださいませ。
恐らくプロローグはあと1話程続くと思います。次回は参加キャラを1人出す……予定。早く本編に入らなきゃマズイ。
ショウ「ところでどうやって人間界行くんだぞ?」
ラディア「ズコーッ!」