サヴァイヴ(オリジナル小説)   作:一塔

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第19話

 朝から遺跡の仮設拠点はいつになく活気に満ちていた。

 前日までに立ち上がったマストが朝日に照らされ、金属の骨格が黄金色に光っている。

 その下では、チャコとシンゴ、そしてポルトが機械部の調整を進めていた。

 

 「おいシンゴ、そっちのケーブルは逆じゃ。電源ラインと通信ラインを繋げたらショートするぞ!」

 「えっ、あ、ほんとだ! ごめんポルトさん!」

 「まったく、若いモンは数字より速く動こうとする……」

 ポルトはぶつぶつ言いながらも、嬉しそうにレンチを回した。

 その姿を見て、チャコが肩を揺らして笑う。

 

 「そない怒らんでもええやん。シンゴは器用やで、慣れたらウチより早いかもしれへん」

 「……おだてても手は抜かんぞ」

 「抜かんでええよ。ウチらの船やもんな」

 

 チャコが手元のパネルを軽く叩くと、コンテナから引かれた電力が回路を通り、

 船首部分の制御ユニットがうっすらと光を放った。

 「ピピッ――」 と電子音が響き、遺跡にこだまする。

 

 「動いた……!」

 シンゴの目が輝く。

 「試験電力供給、成功や!」

 チャコは尻尾を立てて嬉しそうに叫んだ。

 

⬜︎

 

 一方、外ではリュウジとカオルが引き続き船体の溶接を行っていた。

 マストに固定する横梁の角度を測りながら、リュウジが口を開く。

 「これで外殻の骨格は完成だ。明日には外板を張れる」

 「上出来だな。オリオン号の船首をここまで形に戻すなんて、正直無理だと思ってた」

 カオルが汗をぬぐいながら言うと、リュウジは少しだけ笑った。

 「無理を通すのが俺たちだろ」

 

 その頃、近くではベルとハワードが木材を加工していた。

 「ベル、この板、もう少し薄くできるか?」

 「できるけど、強度が落ちるな」

 「そっか……やっぱり力加減が難しいな」

 「道具と木は、呼吸を合わせて扱うんだ」

 「呼吸ねぇ……オレ、機械のほうが得意なんだけどな」

 そうぼやくハワードに、ベルは穏やかに笑った。

 

⬜︎

 遺跡の中では、ルナ、メノリ、シャアラ、アダムが作業していた。

 「この辺に食料の貯蔵箱を置きましょう」

 ルナが声をかけ、アダムが頷く。

 「うん、湿気の少ないところがいいよ」

 「シャアラ、あの布をお願い」

 「わかったわ」

 

 木箱の上に布をかけていると、メノリがふと立ち止まった。

 「……ねぇ、ルナ」

 「うん?」

「こうしてると、前の“みんなの家”を作ってた時のこと、思い出すな」

 ルナは優しく笑い、布の角を押さえながら頷いた。

 「そうだね。でも、今はあの時よりも“未来のため”に作ってる気がする」

 「そうだな。あの時は“生きるため”だった。今は――“帰るため”。」

 メノリの言葉に、シャアラとアダムも静かに頷いた。

 

⬜︎

 

 夕暮れ。

 リュウジが火花を散らして最後の補強溶接を終えると、ポルトがゆっくりと近づいてきた。

 「よし……形になってきたのう。あとは船体内部の調整と風力帆の固定じゃ」

 「あと少しですね」

 ルナが微笑む。

 「おう。あとはみんなの力を合わせるだけじゃ」

 

 チャコが電子パネルを確認しながら言う。

 「制御系は問題なし。動力ラインも接続完了や!」

 「やったな、チャコ」

 シンゴが嬉しそうに拳を上げた。

 

 リュウジはその様子を少し離れた場所から眺め、火の残る溶接機を静かに置いた。

 「……ここまで来たか」

 カオルが隣に立ち、肩を並べる。

 「このまま進めば、必ず船になる。

  それに――あの時と違って、今は“みんな”がいる」

 リュウジは一瞬黙り、それから穏やかに頷いた。

 

 遠くで、ルナが声を上げる。

 「さぁ、今日はここまで! ごはんにしよう!」

 皆が笑い声を上げ、焚き火の方へと集まっていく。

 

 沈みゆく夕陽の中、完成へと近づく帆船の骨格が赤く照らされていた。

 それはまるで、“希望”という名の炎が形を成していく瞬間のようだった。

 

⬜︎

 

雲一つない朝。

 太陽の光が遺跡の奥深くまで差し込み、まだ冷たい空気の中に鉄と油の匂いが漂っていた。

 昨日までの作業で、船体の骨格は完全に姿を現し、帆柱には柔軟素材で作られた大型帆が取り付けられていた。

 帆の生地は、チャコとシンゴがオリオン号から見つけたナノ繊維布を加工したもので、薄く軽いのに強度は抜群。

 

 「よし……帆の張り具合、もう一度チェックするぞ」

 リュウジが声を上げると、カオルとベルが同時にロープを引いた。

 帆が風を受けて、ふわりと広がる。光を反射して、まるで空そのものを切り取ったような輝きだ。

 

 「うわぁ……」

 思わずシャアラが息をのんだ。

 ルナはその光景を見つめながら、胸の奥に込み上げてくるものを感じていた。

 “本当に……ここまで来たんだ”

 

 ポルトは椅子に腰を下ろし、図面を広げたままうんうんと頷いた。

 「見事なもんじゃ……風を掴む形としては上等じゃのう。

  あとは、動力制御ユニットとのバランスがどう出るかじゃ」

 

 「シンゴ、制御盤の接続、完了したか?」

 カオルが声をかける。

 「うん! チャコと一緒にテスト終わってる! ただ、出力上げすぎると船体が傾くかも!」

 「了解」リュウジが短く言った。「本番で調整する」

 

⬜︎

 

 遺跡の外に出ると、海からの風が穏やかに吹き抜けていた。

 ルナが空を見上げる。「今日の風、ちょうどいいね」

 「風速3メートル。試運転には最適じゃな」ポルトが頷く。

 シンゴがスイッチを押すと、船底の制御ユニットが淡く青く光り始めた。

 

 「重力制御ユニット、安定作動。……よし、いける!」

 チャコが尻尾をピンと立てて報告する。

 「じゃあ、帆を開くぞ。メインマスト、解放準備!」

 リュウジの指示で、ロープを掴んだカオルとベルが力を込める。

 バサァッ――!

 帆が一気に広がり、風を受けて膨らんだ。

 

 「風、来てる!」

 ルナが叫ぶ。

 船体がわずかに軋む音を立て、重力制御ユニットの補助推力が風を後押しする。

 砂が舞い上がり、金属の床板が低く唸った。

 

 「動いた……!」

 シャアラが両手を口に当てる。

 船体がゆっくりと、確かに前へと進み出した。

 

 「安定装置作動、角度3度左。……うん、いける!」

 シンゴが報告し、チャコが制御パネルを叩く。

 「出力ちょい上げるで!」

 ウィィィン……! とモーター音が強まり、帆船がぐっと押し出される。

 

 「すげぇ……!」ハワードが目を丸くした。

 「これ、本当に動いてるんだな!」

 

 メノリは手を胸に当て、そっと呟いた。

 「風で進む……まるで、夢みたいだ」

 「夢じゃない。現実にしたんだよ」ルナが笑う。

 その笑顔を、リュウジは静かに見ていた。

 

⬜︎

 

 だが次の瞬間――

 「待て、揺れが大きい!」

 カオルが叫ぶ。

 重力制御ユニットの一部が過負荷を起こし、警告音が鳴り響いた。

 「チャコ、出力を下げろ!」

 「やっとるけど、応答が遅い!ユニットの冷却が追いつかん!」

 

 船体が左右に大きく揺れ、金属板が軋んだ。

 ルナが手すりを掴んで身体を支える。

 「リュウジ!」

 「落ち着け! カオル、帆角調整! 左30度だ!」

 「了解!」

 カオルが舵輪の横にあるレバーを引くと、マストの角度が変わり、風の圧力が弱まった。

 

 次第に揺れが収まり、制御ユニットの警告音が消えていく。

 チャコが額のパネルを拭いながら言った。

 「……ふぅ、やれやれ、心臓止まるか思たわ」

 「上出来だ」リュウジが息を吐きながら微笑む。

 「こういうのは、多少荒っぽいくらいでいい」

 

⬜︎

 

 静寂。

 やがて、帆が再び風を受け、船体が穏やかに滑るように進み始めた。

 遺跡の海岸沿いを、まるで風そのものが押し出すように。

 その光景を見て、皆の胸に熱いものが込み上げる。

 

 「……やったな」カオルが呟く。

 「まだテスト段階だけど、確かに“動いた”」

 「動くどころか、めっちゃ気持ちええやん!」チャコが笑う。

 「これが風の力……なんて綺麗なの」シャアラが目を細めた。

 「ルナ、やったな」メノリが笑顔で言う。

 「うん……!」ルナは目に涙を浮かべながら頷いた。

 「これで、私たちは……また一歩、前に進める」

 

 リュウジは空を見上げ、ゆっくりと口を開いた。

 「風は、生きてるな」

 

 その言葉に、カオルがふっと笑う。

 「お前がそんなこと言う日が来るとはな」

 「うるさい。……行くぞ、まだ調整が残ってる」

 

 笑い声が響く。

 風に揺れる帆の音が重なり、遺跡の上空を抜けていった。

 

 それは、彼らが**“帰還への道を掴んだ日”**の始まりだった。

 

⬜︎

 

夜。遺跡の仮設拠点に明かりが灯る。

 中央には焚き火があり、青白い炎がゆらゆらと揺れていた。

 その周りに、ルナたちが円を描くように座っていた。

 昼の興奮が落ち着いた今、誰もが静かな顔をしている。

 

 チャコが持ち込んだ小さなホログラムマップが、火の明かりに照らされて浮かんでいた。

 それは、これまで探索してきた海岸線と、遠くに映る“未踏の大陸”を描いた簡易的な航路図。

 

 「――ええっと、こっちが今おる場所や。ここから向こうの大陸まで……ざっと、120キロってとこやな」

 チャコが地図の光を指でなぞる。

 「風と潮の流れを考えて、帆だけの速度なら……」

 少し唸りながら、チャコは頭の中で計算している。

 「……だいたい、一日10~12キロが限界やな」

 「ってことは……10日か」カオルが腕を組む。

 

 「そうなるな」チャコが頷く。「無風の日もあるやろし、予備も入れたら二週間分の食料と水は必須や」

 

⬜︎

 

 「二週間も海の上か……」とハワードが苦笑した。

 「やることなくて退屈しそうだな」

 「退屈よりも、食料の心配しろ」メノリが冷たい視線を向ける。

 「だよな……」とハワードが肩をすくめた。

 

 「保存食中心になるな」ベルが穏やかに言う。

 「干した果実、干物、それに干し肉ももう少し作っていよう」

 「それなら任せて!」とシャアラが顔を上げた。

 「果物を干しておくね!」

 「ありがとう、シャアラ」ルナが笑う。

 

 アダムが手を上げる。

 「水はどうするの? そんなに長く持つ?」

 ポルトがうむと頷いた。

 「今ある貯水タンクで、10日は持つじゃろう。残りは雨水に頼るんじゃな」

 

 「天候任せってことか」メノリが眉を寄せる。

 「その時は、節約や」チャコが短く言った。

 「ウチら、これまでも水なしで何回も生き延びとる。今さら怖がることやあらへん」

 

 その力強い言葉に、空気が少し和らいだ。

 

⬜︎

 

 「問題は風向きか」リュウジが静かに言った。

 全員の視線が集まる。

 「この辺りの潮流は北東方向。逆風になれば進めない。

  風力だけに頼ると、漂流する危険がある」

 「そん時はどうするつもりなんや?」とチャコ。

 「動力を使う」

 リュウジは淡々と答えた。

 「重力制御ユニットの補助推進を最低限動かす。

  ただし、燃料は限られてる。1時間以上の連続稼働はできない」

 「……つまり、無理はできないってことか」メノリが呟いた。

 「そういうことだ」リュウジが頷く。

 

 ベルが腕を組みながら言う。

 「リュウジ。風向きの読みは任せていいか?」

 「ああ。風を見るのは得意だ」

 短く返したその声に、誰もが信頼を感じた。

 

⬜︎

 

 焚き火の明かりがルナの瞳に揺れている。

 彼女は少しだけ息を吸い、皆の顔を見回した。

 「……二週間。長いようで短い時間ね」

 「不安か?」リュウジが静かに尋ねた。

 「ううん。覚悟はできてる」

 ルナは微笑んだ。

 「この旅が、私たちの“未来”につながるなら、何があっても進みたい」

 

 その言葉に、カオルが頷く。

 「そうだな。ここで立ち止まったら、今までの努力が無駄になる」

 「ウチもやるで」チャコが手を上げた。

 「オリオン号の時みたいに失敗はせぇへん」

 「大丈夫。今回は、全員で乗り越えるんだ」ルナが力強く言う。

 

 メノリは火を見つめながら呟いた。

 「この旅が終わった時、何を見ているんだろうな」

 「きっと、新しい空だよ」シャアラが微笑んだ。

 「……そうだといいな」

 

⬜︎

 

 話し合いが終わると、皆がそれぞれの寝床へと散っていった。

 焚き火の炎が静かに揺れ、潮風が遺跡の壁をなでる。

 

 最後まで残っていたのは、リュウジとルナだった。

 「本当に二週間ももつのかしら」

 「もたせるさ」リュウジが焚き火を見つめたまま言う。

 「……あの時(オリオン号)の失敗が、今の俺たちを作ってる」

 ルナは静かに頷いた。

 「だから、もう失いたくないんだね」

 「そうだ。もう誰も……」

 リュウジは言葉を止め、炎を見つめた。

 そして、ほんの少し笑みを浮かべる。

 「……まぁ、リュウジがいる限り、沈む気はしないけどね」

 ルナは頬を染め、小さく笑った。

 

 海の向こう、大陸はまだ見えない。

 だが、この夜、彼らは確かに“未来への航路”を描き始めた。

 

⬜︎

 

朝日が海面を照らし、遺跡の仮設拠点に柔らかな光が差し込む。

 潮の香りが漂い、作業前の静かなひととき。

 その中を、杖を手にポルトが歩いていた。

 皺だらけの手で帽子を押さえ、ゆっくりと仲間たちのもとを回っていく。

 

 

 

 果物を切り分けながら、そっと鼻歌を口ずさんでいたシャアラ。

 その後ろにポルトが静かに近づいた。

 

 「おはよう、シャアラ」

 「ポルトさん、おはようございます」

 「よう働いとるのう。朝の光がよう似合う」

 シャアラは照れくさそうに笑った。

 

 ポルトは優しく目を細めた。

 「お前さんは、自分で思っとるよりもずっと強い子じゃよ。

  恐れと優しさは紙一重じゃ。

  それを知ってるあんたは――ほんまの意味で“勇気”を知っとる」

 

 シャアラは目を伏せた。

 「……私、ずっと弱いって思ってました。でも……そう言われると、少し自信が出ます」

 ポルトは微笑み、帽子を軽く押さえた。

 「自信は風と同じじゃ。見えんけど、帆を動かす力になる」

 

⬜︎

 

 次に向かったのは、船体の下に潜り込み、強度を計測しているチャコのもとだった。

 「おーい、チャコ」

 「お、ポルトはん。朝から何の用や?」

 チャコは頭のランプを点けたまま、振り向く。

 

 ポルトは笑って言った。

 「お前さんは、見かけと違って優秀なやつじゃ。

  ワシよりずっと計算も早い。……まさかネコ型ロボがここまで働くとは思わなんだ」

 「そら誉めとるんか? けなしてんのか?どっちや?」チャコがふてくされたように返す。

 

 ポルトはにやりと笑った。

 「誉め言葉に決まっとるわい。ワシはよう知っとる。機械でも魂を持っとるやつはいる。

  お前さんは、まさにそういう存在じゃ」

 

 チャコはしばらく無言になり、

 「……なんや、嬉しいこと言いよるなぁ」と照れた声を出した。

 

⬜︎

 

 ベルは腕に丸太を抱え、汗を光らせながら船へと運んでいた。

 「おお、ベルや。よう働くのう」

 ポルトが声をかけると、ベルは軽く笑って答えた。

 「当たり前ですよ。力仕事くらいしか取り柄がないですから」

 

 ポルトはゆっくりと首を振った。

 「違うぞ、ベル。お前さんの強さと優しさが、どれだけ皆を救っとるか……

  本人だけが気づいておらん」

 

 ベルは驚いたように目を瞬かせた。

 「俺が……救ってる?」

 「そうじゃ。力だけじゃない。

  人の痛みに寄り添う心があるからこそ、仲間はお前を信じるんじゃ」

 

 ベルは少し俯き、

 「……ありがとうございます」と小さく呟いた。

 

⬜︎

 

 釣竿を抱え、静かに船に積み込むカオル。

 ポルトは後ろから近づき、ふっと笑った。

 「お前さん、ほんまにクールでかっこいい二枚目じゃな」

 「……いきなり何の話ですか」カオルが眉をひそめる。

 

 「わしの若い頃を見とるみたいや」

 「……」

 「お前さん、今にもっと男前になる。わしが保証してやるわい」

 カオルは少し呆れたようにため息をつくが、その口元はどこか柔らかい。

 「保証はいらないです。……けど、ありがとうございます」

 

⬜︎

 

 荷物の陰でこっそりサボっているハワード。

 ポルトは見逃さなかった。

 「おーい、ハワード。サボっとるのは見えとるぞ」

 「う、うわっ、ポルトさん!? ちょっと休憩ですって!」

 

 ポルトは笑って杖をつきながら言った。

 「最初は、しょうもない甘ったれのボンボンやと思っとったが……

  どうにも憎めんやつじゃのう。

  お前さんがおると笑いが絶えん。笑うと人は元気になる。……まあ、やりすぎは禁物じゃがな」

 

 ハワードは頭をかきながら照れくさそうに笑う。

 「へへ……気をつけますよ」

 「それでええ。お前の明るさは、ここでは貴重な“燃料”じゃ」

 

⬜︎

 

 果物を仕分けしているメノリとアダムのところに歩み寄る。

 ポルトは小さく微笑み、アダムの頭を撫でた。

 「お前さんのことが、いつかきっと分かる日が来る。

  それまで焦らんでええ。……生きとるだけで十分、立派なんじゃ」

 

 アダムは首を傾げながらも、素直に頷いた。

 「うん。ありがとう、ポルトさん」

 

⬜︎

 

 果物を並べながらポルトが言った。

 「メノリ、お前さんは賢くて勇気もある。皆、お前を頼りにしとる。

  でもな、たまには気を抜いてもバチは当たらんぞ」

 メノリは少し微笑んだ。

 「……そんなこと言われたの、初めてです」

 「真面目なやつほど、自分を責める。

  けどな、人間は、休むことでまた前に進めるんじゃ」

 メノリは頷き、焚き火に照らされた顔に柔らかな笑みを浮かべた。

 

⬜︎

 

 操縦席で航路図を見つめていたルナの肩を、ポルトはそっと叩いた。

 「お前さん、一人で背負い込むんじゃない。

  仲間がいる。本当の友達は、一生に一人できるかどうかじゃ。

  お前さんたちは、その若さでそれを見つけた。誇りに思いなさい」

 

 ルナは微笑み、静かに言った。

 「ポルトさんも、その“仲間”の一人です」

 ポルトは驚いたように目を丸くし、

 次の瞬間、ふっと笑って帽子を深くかぶった。

 「……まったく、泣かせよるわい」

 

⬜︎

 

 最後に、ポルトは一人、壊れた遺跡を見上げているリュウジのもとに向かった。

 リュウジは黙ったまま、オリオン号の残骸を見つめていた。

 波が寄せては返し、鉄骨がかすかに軋む。

 

 ポルトは隣に立ち、しばらく黙って同じ景色を見た。

 やがて、静かに口を開いた。

 

 「お前さん……ワシに似とるな」

 「俺が、ポルトさんに?」リュウジが目を向ける。

 「昔、ワシも仲間を守れんかった。

  無茶をして、全部失ってのう……」

 ポルトは遠い目をした。

 「じゃが、お前は違う。守ったんじゃ。

  死地に戻って、皆を生かした。その選択ができる人間は……そうおらん」

 

 リュウジは静かに息を吐いた。

 「……俺は、あの時から何も変わっていないかもしれません」

 「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれん。

  ただな、ワシは思う。――お前さんはもう“孤独”じゃない」

 

 リュウジはふっと目を細め、

 「……ポルトさんも、そう思いますか」

 「思うとも。

  これだけの仲間を動かせる男、ワシの長い人生でも、そうはおらん」

 

 しばらく二人は無言で海を見つめた。

 波の向こうに、大陸の影がうっすらと見える。

 ポルトはそれを見ながら呟いた。

 「――あの大陸に、きっとお前たちの未来がある」

 

 リュウジは小さく頷いた。

 「……なら、行って確かめます。俺たちの手で」

 

 ポルトは深く笑い、

 「それでこそ、S級パイロットじゃ」と呟いた。

 

⬜︎

 

翌朝、出発を明日に控え、ルナの提案で「今日は一日休みにしよう」と決まった。

 長い日々の作業と緊張が続いていた仲間たちにとって、それは久々の安らぎだった。

 みんなは遺跡の仮設拠点から最後の日はという事で、みんなの家に移動していた。

 

 シャアラとメノリは洗濯をしながらおしゃべりをし、ベルとハワードとカオルは木陰で釣り糸を垂らしていた。

 アダムはポルトの膝の上で地図を覗き込み、チャコとシンゴは風速計をいじりながら笑っている。

 

 “みんなの家”には穏やかな空気が流れていた。

 明日、未知の大陸へ旅立つ――その緊張を少しでも和らげるように、皆はいつも通りを装っていた。

 

 だが、一人だけその場にいない者がいた。

 

 ⬜︎

 

 リュウジは、ひとり遺跡へ戻っていた。

 理由は単純だった。

 ――出発前に、最後の確認をしておきたかった。

 

 森の匂いが漂う廃墟の中、彼は無言で歩く。

 足元には、かつて激戦を繰り広げた痕跡がまだ残っていた。

 壁に焼け焦げた跡、割れた機器、ひび割れた床。

 

 それでも、中央に鎮座する船――修復されたオリオン号の船首部分は、

 まるで新たな命を宿したように静かに光を反射していた。

 

 「……ここまで、よく来たな」

 リュウジは独り言のように呟く。

 そして、黙々と点検を始めた。

 

 ソーラーパネルの角度を微調整し、

 電力供給ラインを通電チェック。

 動力制御ユニットのゲージを確認し、

 微かなノイズを聴き分けるように耳を澄ませる。

 

 最後に彼は、操縦室のドアを開けた。

 

⬜︎

 

 薄暗い船内に差し込む朝の光の中。

 操縦席に、ルナの姿があった。

 

 「……ルナ?」

 

 驚くリュウジに、ルナは静かに振り返り、

 少し照れくさそうに笑った。

 「やっぱり来たのね。リュウジなら、絶対ここに来ると思ってた」

 

 リュウジは苦笑した。

 「お前、みんなの家にいたんじゃなかったのか」

 「みんなには先に休んでもらったの。

  ……私も、最後にこの船を見ておきたかったの」

 

 彼女は操縦席の前で両手を重ね、パネルを見つめていた。

 「この船で、大陸へ行くんだね」

 「そうだ」

 「ここに座ってると、実感が湧く」

 

 その言葉に、リュウジは少しだけ目を細めた。

 「……怖くないのか?」

 「ううん。怖くない。

  今は、みんなと一緒だから。

  たとえ嵐に遭っても、リュウジがいるから」

 

 不意に向けられた言葉に、リュウジは視線を逸らした。

 「……過信しすぎだ」

 「ふふっ、そうかもね」

 

 ルナの微笑みには、ほんの少しの不安と、それを上回る信頼があった。

 そして、静かに続けた。

 

 「ねえ、リュウジ。私いつも思うの」

 リュウジはわずかに息を止める。

 「リュウジには無茶しないで言ってるのに、最後はいつもあなたに頼ってしまう。リュウジは誰よりも傷ついて、ボロボロになって、それでもあなたは、皆んなを守ってくれる」

 

 ルナはゆっくりと操縦席を立ち、リュウジの前に立った。

 「だから今度は――私が、あなたを守る番」

 

 リュウジは、ほんの一瞬だけ目を見開いた。

 だが、すぐに柔らかく笑う。

 「……俺はそんなに頼りなく見えるか?」

 「そういう意味じゃないの。

  ただ……誰かのために動けるあなただから、無茶をしそうで」

 

 ルナの声は穏やかだったが、どこか切実だった。

 それを聞いたリュウジはしばし黙り、

 静かに頷いた。

 

 「わかってる。……もう、ひとりでは戦わない」

 

 その言葉に、ルナの瞳がわずかに潤む。

 彼女はその場で微笑みながら言った。

 「約束よ」

 

 「……ああ」

 

 遺跡の奥から、風が吹き抜けた。

 天井の隙間から差し込む光が、二人の間を照らしている。

 

 ルナがゆっくりと出口へ歩き出す。

 振り返り、リュウジに笑顔を向けた。

 

⬜︎

 

 二人はしばらく、何も言わずに計器を見つめていた。

 ルナの髪が風に揺れ、頬をかすめる。

 その一筋を、リュウジの手が思わず掴みそうになる。

 だが、すぐに拳を握り、そっと下ろした。

 

 ルナは立ち上がり、ゆっくりと出口へ向かった。

 「……行こう。みんな、待ってる」

 「お前は先に行け。あとで追いつく」

 「うん」

 

 扉の前で、ルナが一度だけ振り返った。

 その笑顔は、どこまでも優しかった。

 「明日は……一緒に、海を渡ろうね」

 

 リュウジは小さく笑い、操縦席の計器を見つめながら答えた。

 「……ああ。今度こそ、誰も失わない」

 

 ルナが去ったあとも、遺跡にはしばらく静寂が残った。

 リュウジは操縦席に手を置き、ひとり呟く。

 「生きて、帰ろう。みんなで」

 

 天井の裂け目から朝の光が差し込み、

 彼の横顔を、柔らかく照らしていた。

 

⬜︎

 

船のハッチを降りると、遺跡の外は夕焼けに包まれていた。

 赤橙の光が石壁を染め、山からの風が土をさらっていく。

 そして――その中に、人影があった。

 

 遺跡の入口のそば。

 ルナが、静かに佇んでいた。

 

 「……おい、なんでまだいる」

 

 驚きと呆れが入り混じった声で言うと、

 ルナはゆっくりと振り向いた。

 その頬に、沈みかけた陽の光が差し込み、

 柔らかな微笑を照らした。

 

 「なんとなく……待ってたの」

 「先に行けって言っただろ」

 「うん。でも、行けなかったの」

 

 風が二人の間を通り抜ける。

 その一瞬の沈黙に、言葉にできない想いが満ちていた。

 

 ルナは、船首を見上げた。

 遺跡に刺さったままのオリオン号が、

 夕日に照らされてゆっくりと影を伸ばしていた。

 

 「……あの船、リュウジに似てる」

 「は?」

 「傷だらけで、ボロボロになっても、まだ立ってる」

 

 リュウジは少しだけ目を細めた。

 「うまいこと言うな」

 「本気よ」

 ルナは笑みを浮かべながら、真っ直ぐ彼を見つめた。

 

 「ねえ、あの戦いの時……あなたがいなくなったと思った瞬間、

  世界が真っ白になったの。音も何もなくなって、ただ怖かった」

 

 その言葉に、リュウジは何も言えなかった。

 ルナの声には強がりではない“本音”が滲んでいた。

 

 「だから、今日はちゃんと見ておきたかったの。

  ……あなたが、無事にここにいるってこと」

 

 リュウジはしばらくルナを見つめ、

 小さく息を吐いた。

 「……バカだな」

 「またそれ」

 「風が強い。体冷やすぞ」

 

 そう言って、彼は自分の上着を脱ぎ、ルナの肩にかけた。

 ルナは驚いたように目を瞬かせ、

 「……ありがと」と呟いた。

 

⬜︎

 

メノリが焚き火の横に腰を下ろし、

 膝の上で静かにバイオリンを構える。

 細く、柔らかな弦の音が夜気を震わせた。

 焚き火の揺らめきとともに、音が風に溶けていく。

 

 誰もが自然と、その音に耳を傾けた。

 

 リュウジは腕を組んで、少し離れた岩に座っていた。

 火の明かりが彼の頬を照らし、影を作る。

 表情はいつも通り無骨だったが、

 その瞳の奥にはどこか温かいものが宿っていた。

 

 ルナはそんな彼をちらりと見て、

 穏やかな笑みを浮かべた。

 「ねぇ、綺麗だね……」と呟く声は、

 まるで風の音に溶け込むように静かだった。

 

⬜︎

 

 チャコが尻尾をゆらしながら、ぽつりと呟く。

 「ウチ、こうしてみんなで音楽聴くん、久しぶりやなぁ……」

 「お前は音痴そうだよな」とハワードが茶化す。

 「なんやと!?ウチ、猫やで!?音感バッチリや!」

 「いや、猫と音楽は関係ないと思うけど」

 「うっさいわボンボン!」

 

 軽口に、みんながふっと笑った。

 ベルはそのやりとりを見て、柔らかく目を細める。

 「……こうして笑ってられるのが一番だな」

 

 「そうだな」とメノリが言葉をつなぐ。

 「音楽は不思議だ

  悲しい時にも、誰かの心を少しあたためてくれる」

 

 アダムは小さな声で頷いた。

 「うん。メノリの音楽、好き。あったかい」

 その無垢な言葉に、場の空気がまたやわらかくなった。

 

⬜︎

 

 バイオリンの調べが静かに変わり、

 少し切なげな旋律が焚き火の上を流れていく。

 

 リュウジは小さく息をついた。

 その横で、カオルが火を見つめたまま口を開く。

 

 「なぁ、リュウジ」

 「なんだ」

 「俺たち、本当にここを離れるんだな」

 「そうだ。……でも帰るためだ」

 「そうか」

 

 カオルは火の揺らめきを見つめながら続けた。

 「お前……前は一人で何でも背負い込んでたけど、

  今は違うな」

 

 リュウジは少しだけ笑った。

 「お前らがいるからな。

  背負うより、一緒に持った方が軽いって気づいた」

 

 その言葉に、カオルは静かに頷いた。

 「……ああ、分かる」

 

⬜︎

 

 メノリのバイオリンが一度、音を細くしていく。

 その旋律の切れ間に、ルナが小さく呟いた。

 

 「ねぇ、みんな」

 焚き火の光の中、ルナはゆっくりと立ち上がる。

 「この場所……私、好きだな。

  怖いことも、悲しいことも、いっぱいあったけど……

  それ以上に、みんなと笑った時間が多かったから」

 

 誰も言葉を挟まなかった。

 ただ、ルナの声だけが夜に響いた。

 

 「明日はきっと、どんな日になるか、分からない。でもね――どんなに遠くへ行っても、この光景を忘れないようにしよう」

 

 彼女は手を胸にあてて、

 炎の奥にある“みんなの家”を見つめた。

 「……この場所が、私たちの原点だもの」

 

 メノリが再び弓を動かした。

 ルナの言葉を受けるように、

 優しい旋律が夜空へと溶けていった。

 

⬜︎

 

 火の粉が夜空へと舞い上がる。

 誰もが黙り、音に耳を傾けた。

 それぞれの胸に、言葉にできない想いがあった。

 

 リュウジは焚き火越しにルナを見つめ、

 ルナもまた、ほんの一瞬だけ彼の視線を返した。

 その短い視線の交わりの中に、

 “言葉にしない約束”が確かにあった。

 

 風がやさしく吹き抜け、

 星空がゆっくりと流れていく。

 

 明日は出発の日。

 この静かな夜が、永遠に続くことはない。

 それでも――この音、この光、この笑顔を、

 誰も忘れはしないだろう。

 

 焚き火の炎が最後の音を包み込み、

 メノリのバイオリンが静かに弦の上で止まった。

 

⬜︎

 

朝の光が、ゆっくりと森を照らし始めていた。

 木々の隙間から差し込む光は、まるで天から降る祈りのように柔らかく、

 その中心――“大いなる木”の根元には、ひときわ静かな空気が漂っていた。

 

 そこには、ひとりの男が横たわっていた。

 

 「ポルトさん……!」

 最初に声を上げたのはシンゴだった。

 震える手で肩を揺さぶるが、返事はない。

 「……いやだ、やだよ、ポルトさんっ!」

 

 慌てて駆け寄ったルナたちは息をのんだ。

 リュウジがそっと脈を取り、静かに首を横に振る。

 「……もう、息をしてない」

 

 その声があまりにも静かで、

 それが現実だと理解した瞬間、誰もが言葉を失った。

 

⬜︎

 

 顔は穏やかだった。

 まるで朝の光に包まれながら、心地よく眠っているようにさえ見えた。

 

 リュウジは長く息を吐き、低く呟いた。

 「……宇宙病だな。宇宙線を長く浴びた影響が、身体を蝕んでたんだ」

 

 チャコは両手を胸に当て、かすれた声を出した。

 「そないな……昨日まで、ウチに冗談言うとったのに……」

 ベルは拳を握り締め、言葉を絞り出す。

 「……まさか、出発の朝にこんなことになるなんて」

 

 ルナは震える声で呟いた。

 「……最後まで、私たちを見届けようとしてくれたんだね」

 

 アダムが静かにポルトの頬に触れる。

 「ポルトさん……もう、痛くない?」

 その幼い問いに、誰も答えられなかった。

 

⬜︎

 

 仲間たちは、大いなる木の根元に小さな墓を作った。

 その場所は、木漏れ日が最も優しく降り注ぐ場所だった。

 

 ルナは拳を握りしめる。

 「……私たち、絶対に忘れないから」

 

 カオルは無言で土を掘り続けた。

 ハワードは唇を噛み、泣くまいとしていたが、

 ベルが肩を叩くと、ぽろりと涙がこぼれた。

 

 「……ポルトさん。

  あんたの教えてくれたこと、全部覚えとる。

  それを胸に、ウチたちはまた進むさかい」

 

 チャコは棺の上に自分の小さな工具をそっと置いた。

 「ウチの相棒やったんやもんな。……ほんま、ありがとう」

 

 メノリは両手を合わせ、

 「……ポルトさんの知恵がなければ、ここまで来られなかった。

  私たち、必ず前に進むから」と祈るように言った。

 

 シャアラは花を抱え、震える手で棺の上に置く。

 「……また、お話したかったです……」

 その声は風に溶け、葉音にかき消された。

 

 ルナは膝をつき、静かに土をかけた。

 リュウジも無言で手を伸ばし、その隣で同じように土をかける。

 風が優しく吹き抜け、木の枝がざわめいた。

 まるで「行け」と背中を押してくれているように。

 

⬜︎

 

 埋葬が終わると、全員で遺跡に戻った。

 朝の光が船体に反射し、金属の表面が淡く輝いている。

 

 ルナが皆を見渡し、静かに言った。

 「……出発の前に、船の名前を決めよう」

 

 誰もがポルトの顔を思い浮かべた。

 けれど言葉にできずにいると、

 その沈黙を破ったのはシャアラだった。

 

 「“オリオン号”にしよう?」

 

 その声は震えていたが、確かな想いに満ちていた。

 「ポルトさんが、ずっと誇りにしてた船の名前。

  ポルトさんの夢を……ここでつないでいきたい」

 

 ルナは目を潤ませながら頷いた。

 「……そうだね。私たちの船は、ポルトさんの“オリオン号”だ」

 

 カオルが無言で金属板に刻印を打つ。

 金属を打つ乾いた音が、朝の静けさに響き渡った。

 

 ――“ORION”

 

 その刻まれた名に、みんなの想いがひとつになった。

 

⬜︎

 

 シンゴは一歩、船首に歩み寄ると拳を握った。

 目の縁を真っ赤にしながら、それでも笑おうとしていた。

 

 「……ポルトさん。

  僕、絶対に宇宙一のメカニックになる。

  どんなに遠くても、あの星に届くぐらい、立派になってみせる!」

 

 ルナが微笑み、チャコが「言うたなぁ」と涙を拭った。

 ベルは小さく頷き、

 カオルは空を見上げながら静かに言った。

 「見てるさ。きっと、全部」

 

 その言葉に、誰もがうなずいた。

 

⬜︎

 

 太陽が昇る。

 光が大いなる木を照らし、葉の間から金色の粒がこぼれ落ちる。

 

 その光の中で、“オリオン号”が静かに輝いていた。

 ――ポルトの眠る木の下で誓われた、仲間たちの旅立ち。

 

 風が吹き抜け、遠くへ運ぶように木の葉が舞った。

 まるで「いってこい」と言うかのように

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