ブサイク、艦娘を救う   作:駆け出しの一般人

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お久しぶりです。
約6年ぶりの執筆です。


素人作品なので温かい目でお楽しみください。


1.転生と異変

「これからどうしたものか・・・」

 

俺の名は、相馬 識(そうま しき)。車に撥ねられ死んだ、、、筈だった。

いや、間違いなく一度死んでいる。

 

 

俺の記憶中で遡ること、数時間前。

残業後の深夜、仕事帰りの途中飲酒運転による暴走車両に撥ねられた。結果は即死。

しかし、人生で初めて不思議な経験をした。

 

「ここは一体・・・」

 

きれいな星空が広がり途方もなく広い場所。空は暗いのに日中のように明るく感じる。異空間と判断するのにそう時間が掛からなかった。

 

「目が覚めるのが早いですね」

 

声の主の方へ咄嗟に振り向く。そこには、ギリシャ神話の女神のような服装、エメラルドブルーの髪色、同色の瞳をした女性が立っていた。

 

「あなたは・・・」

 

女神らしき女性に掛ける声を戸惑っていたら向こうから話を切り出してくれた。

 

「俗に言う女神です」

 

女神らしい。異空間に美しい女性が一人。何の疑いもせず信じる。

 

「あなたは前世で死亡しました。即死でしたよ」

 

俺が内心落ち着いてきたタイミングで口調が柔らかくなる。

 

「あなた、何故ここに居るのかと疑問に思ってますよね?」

「正直、、、そう、ですね、、、」

「単刀直入に、ごめんなさい。ミスりました」

 

女神の突然の謝罪と聞き捨てならない言葉に俺の頭はフリーズした。

この女神ミスったと言ったか?

 

「ほんとは飲酒運転の人を事故らす予定だったんだけどあなたがその場所に居るはずではなかったの・・・」

「な、なるほど?」

「まぁ、これも神の導きってやつかしら??でも、本当にごめんなさい。あなたを死なせるつもりはなかったの。せめてもの償いでもう一度別の世界だけど転生してもらいます」

 

この女神、やかましい。でも誠心誠意の謝罪が感じ取れたので許すことにした。なってしまったものは仕方がない。

 

「それで、次の世界はどういう場所でしょうか?」

「文明レベルは前世と特に変わらないわ」

「そうですか。それなら良かったです」

 

前世では、独り身だったので特に未練は無い。両親も俺が社会人になって事故で亡くなっている。兄弟もいない。ブサイクな容姿のせいで灰色の人生だった。

それどころか、次の世界がどういう場所なのか内心楽しみにしている自分がいた。

 

「さて、そろそろ行きましょうか」

「よろしくお願いいたします」

 

女神が両手を広げると俺の足元に金色の魔法陣らしきものが浮かび上がってきた。

 

「また気軽に遊びに来てね~」

「は、はい。その時は俗世の手土産を持っていきますね」

 

どんどん俺の体が光に包まれて心地いい感覚になっていく。いよいよ転生か。女神に生かして貰った第2の人生存分に楽しむぞ。

 

「・・・・あ、やべ」

 

またまた女神から聞き捨てならない言葉が聞こえた。最後の最後にまたミスりやがったな。

こちらから聞き返しても聞こえている素振りはない。その瞬間目の前が真っ白になった。

 

(調整ミスって価値観とか色々前世と違うわ・・・まぁ、許してくれ(^▽^)/)

 

 

 

という経緯が数時間前にあった。

女神の奴、遊びに来てねとか言っていたがどうやって行くものなのか知らない。最後に何かミスりやがったし・・・

 

「これからどうしたものか・・・」

 

女神の言う通り文明レベルは見た感じ違いは感じられない。

大きな高層ビルに自動車、スマホなど前の世界と一緒だ。

安堵したのも束の間、すぐに異変に気付く。

 

「容姿が・・・おかしい」

 

ストレートに言うと全員が酷くブサイクである。容姿については俺も大概だが、分厚い唇に太い眉、これでもかという厚化粧。

ニュウドウカジカ、ブルドッグ・・・いや、動物たちに失礼となるからやめておこう。むしろ前世で見た醜い動物たちの方が何倍も可愛く見えてくる。

現実から遠ざかろうとなぜか知っている自分の家に帰ろうとすると後ろから酒焼けしたような声で呼び止められた。

 

「お兄さん、イケメンじゃーん。一緒に遊ぼーよ」

「どちらさ・・・」

 

恐怖。背筋が凍るとはこのことかと人生で初めて経験した。逆ナンは嬉しいが生憎求めているのは君たちのエイリアンのような人ではない。

生命の危機を感じてすぐに逃げようとするが執拗に付きまとってくる。

 

「ねぇ、ねぇ、楽しーことしよーよ~、じっくりねっとりいっぱい手取り足取り教えてあげるからさ~」

「ちょっと君たち、何をしているのかね?」

 

突然現れた、ガタイのいい男性に助けられた。白い軍服と軍帽。一目である意味やばい人と認識した。

 

「やば!海軍だ!ごめんなさーい~」

 

男性に声を掛けられた瞬間、厚化粧女たちが逃げるように去っていく。ひとまず救われたが、

海軍?大東亜戦争後解体されたあの組織のことか?

俺の頭が短時間に起きた濃い出来事に付いていけないでいる。

 

「大丈夫かい?君」

「ありがとうございます。お陰で助かりました」

「君もわかっていると思うが、先の大戦で男性が極端に少ない。出歩くのは気を付けなさい」

「そ、そうですね。肝に銘じておきます」

 

先の大戦で男性が少ない?すみません。何もわかりません。私、この世界に来て1時間程度しかおりませんので。

 

「家はどこだい?危ないから護衛しようか?」

「それでは、、、近くまでお願いします、、、」

 

また、あの山婆に襲われたらたまったものじゃない。ここは素直に提案を受け入れよう。

しかし、屈強な男性に守られながら帰路につくのは俺のプライドが傷つきそう。これからは筋トレもしよう。

それにしても、この人の肩に乗っている小さい生き物はなんだ?人形を乗せるとはどういうファッションなのか・・・

 

「それで、君どうして一人で外へ?軍関係者以外の男性は久しぶりに見たな」

「買い物ですね」

「そうか。大変だな。もしあれだったら軍に来ないか?」

「軍ですか。何かメリットでもあるのでしょうか?」

「そうだな。軍関係者ということだけで、変な奴からは絡まれないで済むぞ」

「魅力的ですね。是非検討に検討を重ねたいと思います」

 

軍だって?絶対大変だろう。俺は田舎で自給自足の生活でもしてますよ。もともと女性に縁がないのに余計に無くなってしまうではないか。

せめて人生で1人は伴侶を見つけたい。

俺は、この世界でスローライフを送ることを誓った。

この人形動くだと!?めっちゃこっち見てるし。

 

「そういえば、名前を聞いてなかったな。私は、速鳥 朝彦(はやとり あさひこ)」

「俺は、相馬 識です」

「何かあればここへ連絡してくれ」

 

そう言うと、名刺を差し出してきた。

防衛省海軍大本営兼横須賀鎮守府 元帥 速鳥 朝彦

 

元帥だと!?軍組織で最高位の階級ではないか?その人が今、目の前に・・・

 

「今までの会話のご無礼お許しください」

「なに、気にするな。普段通りで良い。気が向いたら連絡をくれ」

「わかりました。あ、家もうすぐなので護衛はここまでで大丈夫です。何から何までありがとうございました」

 

何故か知っていた自分の家に着くと途端に疲れがドッと出た。

 

「あの女神、特に変わらないと言っていたが、全然違うじゃないか!」

 

容姿といい軍といい、動く小さな人形。何が同じだ。180度違うじゃないか。

 

「はぁ、今日はもう寝よう」

 

ベットに横たわった瞬間、睡魔が襲い眠りに入るのにそう時間は掛からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの少年、見えていたな・・・」

 

そう呟く男は口元がにやけていた。

 

 

 

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