ヒロイン全員俺の嫁    作:平成オワリ

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第24話 サムライ襲撃

 基本的に、仲間たちは良いキャラクターたちだ。

 多種多様の面々だが、本質的には善人ばかりだし、なにより仲間を大切にする者たちばかり。

 

 キャラクター人気もかなり分断するが、それでもパッケージにも出てくるメインキャラのアリス、それにセリカやシンシアなんかは正統派ゆえに人気も高い。

 

 そんな中、意見がかなり分かれるヒロインがいた。

 

「来たか」

「リ、リンテンス様ぁ……」

 

 なぜか山積みにされた俺の派閥の面々。

 その上に片膝を立てて刀を持った状態の、女サムライ。

 

 オウカ・イガラシ。

 東方ジパング出身の彼女は、強さを追求する武士であり東方特有の呼び方、気の使い手だ。

 

 まあ気と言っても結局やってることは身体強化や武器強化と、魔法と変わらないんだけど、問題なのが一つ。

 この世界のサムライたちはみんな鬼武者であるということ。

 

「リンテンス様! すみません! 俺らも頑張ったんですけど……こいつら強くて!」

「いやまあ、お前らじゃ勝てないのわかってたからいいけど……」

 

 山の頂上でオウカの尻に敷かれているブロウが悔しそうに言うが、ちょっとだけ羨ましい。

 

 というか、なぜ山積み?

 おそらく周囲を囲っているイガラシ派のやつらがやったのだろうが、わざわざこのシチュエーション作るためにご苦労様です。

 

「あのセリカとロイドを同時に相手にしたらしいな」

「その前に、パンツ見えてますよ」

 

 白で普通の下着。

 この学園の制服はスカートが短いので、あんな風に片膝を立てると健康的な太股をこれでもかさらけ出されている。

 

 だがそれを指摘すると、オウカは恥ずかしがるどころか、ニヤリと俺を見下した。 

 

「見せているのだ。男はこういうのが好きなのだろう?」

「うーん……いや、ちょっと微妙かなぁ」

「なに?」

 

 俺の反応が芳しくないからか、オウカが不思議そうな顔をする。

 

 偶に見えるチラリズムとか、見せつけるにしても二人っきりの個室で色々なシチュエーションの結果見えるとか、そういうのが良いのであって……。

 

 こういう風に堂々と見せつけられると、ちょっと萎えるんだよなぁ。

 

 俺がほとんど反応しないことが予想外だったのか、オウカは不安そうに視線を派閥の者たちに向ける。

 

「おい、この男は助平だと某は聞いたが、間違っているのか?」

「オウカ殿! 男はみんな助平です!」

「この男は特に助平です!」

「安心してください!」

 

 山の周りに居るイガラシ派の面々が口々にそう言う。

 彼らは他の派閥とは異なり、ジパング出身の男女だけで構成されていた。

 

 そのため口調は少し独特なのだが、それを最初に実感するのが助平とはちょっと嫌だな。

 

「誰が助平だ。相手によるっての」

「むぅ……某、見た目は悪くないと思うのだが……」

 

 まあたしかに、原作ヒロインであるオウカの見た目は悪くない、というか超美人だ。

 

 雪を思わせる白髪をポニーテールにして、淡々とした光の薄いクーデレ気味な灼眼は人によっては性癖ドストライクになるだろう。

 

 制服の下にサラシを巻いているため大きさがわからないが、実は原作の風呂シーンなどで見る限り平均よりは大きいはず。

 

 もっとも、彼女の言動からわかるとおり結構天然というか、剣のためだけに生きてきたためそれ以外はポンコツだ。

 

「オウカ殿はまさに傾国の美女と呼ぶに相応しい!」

「これに反応しないリンテンスの脳が腐ってます!」

「勃たないか衆道なのかも!」

「アンタら本当に失礼だな!」

 

 イガラシ家はジパングの中でも有数の名家。

 

 その取り巻きたちや、ジパング出身の生徒たちは彼女をヨイショするのは他と変わらないが、いちいち俺を落としてくるなと言いたい。

 

 まあこんな感じで変な知識を植え付けられているため、ちょっと変な行動を取ることがあるのだが……。

 

「この人が美人なのは認めるけど、中身ポンコツだろうが!」

「ポンコツじゃない! ちょっと天然なだけだ!」

「それも含めて可愛いと思えんのか貴様は!」

「無垢な赤ちゃんみたいに我らの言葉を信じてちょっとお馬鹿なことするのもオウカ殿の魅力である!」

 

 おい、俺の言葉にぶち切れるのは良いけど、誰かちゃんと否定してやれよ。

 オウカが上からちょっと悲しそうな顔して見てるぞ。

 

「己ら……某のことをそんな風に思ってたのか……?」

「「「あ……」」」

 

 イガラシ派崩壊の危機。

 

 このまま終わらせてやってもいいのだが、まあ彼女のやりたいことはわかっているので小さな火の玉を出してオウカに投げつける。

 

「っ――⁉」

 

 こちらを見ていなかったはずだが、きちんと避けて山の下に着地する。

 動きも良く、これまでもしっかり鍛錬してきたのだろう。

 

「いつまでも人の部下を踏んでんじゃねぇよ」

 

 敵対してきた相手にまで敬語を使ってやる気はない。

 

「わざわざ俺に挑んできたんだ。やる気なんだろ?」

「うむ……うむ!」

 

 殺気をぶつけながら睨むと、彼女は嬉しそうな顔をした。

 

「やはり己は実にいい! 某、国を出てからこうして強き者を求めていた。しかしこの一年間で望む者はおらず諦めていたところに、己が来た!」

「……」

「先日の三学年との戦、実に見事だったぞ! 斯様な派閥争いなどどうでも良いと思っていたが……己と相まみえることが出来るのであればと思い挑発してみて良かった……うむ! うむ!」

 

 先日のローテンションとは打って変わり、ずいぶんと高いテンションだ。

 まあスイッチが入ってしまったのだろう。

 

 恍惚とした表情はどこかエロティックで変態的だ。

 まあこういうの、嫌いじゃないけど。

 

「さあ、先日の約束通り……」

 

 東方の国ジパング――別名修羅の国。

 彼の国のサムライは、強き者との戦いをなによりも望む。

 

「斬り合おう!」

 

 オウカは刀を抜くと、嬉々として襲いかかってきた。

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