弊カルデアはNTR同人誌に侵食されて特異点になったんで別カルデアと共に人理修復します 作:NTRは嫌いな男
下り坂の洞窟を歩く事、10分。
謎の光源により、洞窟内は暗いが何も見えなくはないと言った感じの明るさを保っていてフラッシュライトがなくともコケる心配はなかった。
しかし、カルデア内とは違って洞窟内は通信機器の中継機がなかった様で、歩き始めてから5分後には立香側のカルデアとは通信ができなくなったし、降りた分だけ登らないといけないので帰り道が辛くなるなと思いながら歩いていると、先頭を歩いていた超人オリオンが俺に声を掛けてきた。
「あれ、どう見ても人工物だろ」
「あぁ、そうだな」
彼が指差した先には、カルデアの壁とドアが洞窟の壁面に埋まってあった為、警戒しながら近付いてからドアを開くと中はマイルームで俺が使っていた物品が綺麗に整えられた状態で残っていた。
「なぁんでまた、綺麗したのかねぇ」
「さぁな。綺麗好きなんだろ」
「一応、調べておきたいんだけど?」
「あんまり、時間掛けんなよ」
「おう」
俺が立香側のカルデアに逃げた時は、整理する余裕がなかったのでベッドなどはとっ散らかっていたのだが、それすら整理整頓されていると逆に薄気味悪いのでキャスニキに確認してもらあった後で、念の為に洞窟内にあった石を投げ込んで罠などがないかを確認してから中に入った。
(これと言って物が増えた形跡はねぇな。時間がねぇから物色はしねぇが少し薄気味悪………ん?)
部屋の内部を見渡し、異常がないかを確認しているとマイルームに設置してある机の上に封筒が一つあり、表面には『藤沢 大河さんへ』と書かれていた。
その為、キャスニキに来てもらって魔法なんかで罠などが仕掛けられてないかを確認してもらうと、特にこれと言って仕掛けなどは感知できなかったとの事だ。
「どうする? 俺が取ってこようか?」
「いや、俺宛だから俺が取るよ」
「中身を確認したければ素早くな」
「あぁ」
キャスニキの問い掛けに答えてから、封筒を取って裏返すとこう書かれていた。
『この中を見る時は全てが終わってからにしてください マシュより』
本来なら、書かれた内容を無視して中身を見た方が良いのだろうが封筒を触った感じからして、中には折り畳まれた紙が入っている様な気がするので再度、キャスニキに魔法などによる罠がないかを確認してもらってから懐に入れて部屋を出た。
恐らく、部屋を整理整頓したのは特異点修復の為に来た俺達の反応を見たかった存在だろうと判断してから、10分以上も掛けて先に進んでいくと超人オリオンが足を止めた。
「この先に広い空間があってその先に魔力量が多い存在がいる」
「その存在が分かったりする?」
「元の状態からだいぶ変わってるから断定できないけど多分、この世界のマシュだろうな」
「分かった。みんな、作戦通りに行くよ」
彼の言葉に、俺は頷いて一緒に来てくれたサーヴァントに声を掛けると静かに了承してくれたので、広い空間の入り口付近まで進んでからサーヴァントを一斉に突っ込ませた。
創作物などでは、お互いが対面して問答をしてからよーいドン!でバトルする展開が王道だったり、よくあるパターンだったりする訳だがカルデア内では散々、汚染されたサーヴァントと戦闘になったのに対して洞窟に入ってからは全くと言って良いほどに汚染されたサーヴァントと遭遇しなかった。
恐らく、汚染マシュが俺のマイルームがある空間を弄る際に汚染された他のサーヴァントを入れない様にして、俺達と戦いやすくしたと思われるので言葉は不要!と言わんばかりにこちら側のサーヴァントを突っ込ませたのだ。
これで、サーヴァントと互角に戦えるだけの能力があれば一緒に突っ込んだのだが多少、銃が扱えるだけの一般人なので不安定とは言ってもゲーティア並の魔力がある汚染マシュと戦う事ができる彼らを先に突っ込ませた。
この作戦に関して、サーヴァント達も了承済みで俺の合図と共に迷いなく、入って暫くしてから汚染マシュと遭遇した事で発生したと思われる激しい揺れと音、そして光が発生しているので生身の人間が入っていい空間ではないのはすぐに分かる。
とは言え、どんな結末になろうとも汚染マシュの終わりは当事者として間近で見届けないといけないし、彼女に引導を渡すのも俺の役目だと思っているので、彼らが戦闘を始めた直後から俺も広い空間に入るとビームやらなんやらが所狭しと飛び回って怪獣大戦争な状態になっても、大丈夫なレベルの空間が広がっていた。
「てか、広すぎだろ………ディ○ニーランドいくつ分だよ」
その為、地面の揺れに気を配りなら彼らが汚染マシュと戦っている場所に向けて全速力で走っているのだが、人間の脚力で走っても一行に近付いた気がしない程に広かった。
まぁ、確実に近付いてはいるのだがその距離が長過ぎて愚痴の一つも言いたくなると思いながら、高い所から見下ろせる場所を探しているとコロッセオ風の広い空間に出たので中を見渡すと、入り口から見下ろせる場所にサーヴァント達が戦っていた。
位置関係としては、長い下り坂の先に横と奥行きが広い箱型の空間があり、その先に縦に長い円筒状の空間があって今の俺は箱型と円筒状の空間との境目にいると言った感じだな。
そして、彼らの戦闘を眺めていると本当に俺の出番ねぇなと思っていると戦闘の中心にいるサーヴァント、燻んだピンク色の髪をした存在がこちらを見た様な気がした。
サーヴァント side
「あら、気付いたかしら?」
「流石じゃのぅ」
「探知能力が高ければ誰でも気付けます」
「まぁよい。こうして役者は揃ったんじゃ。全力で戦おうぞ?」
「えぇ、なので 」
汚染マシュとの戦闘中、唐突に顔を上げてあらぬ方向に目を向けたので伊吹童子と魔王信長が自分達のマスターが来た事を案に伝えると改めて戦う事になった。
今回の特異点が、ここまで凄惨な状態になったのは藤沢 大河が汚染マシュに寄り添わなかった事に付け加えて、別の世界に行った事によって汚染されたとしても彼の存在の重要性を汚染マシュが再確認した事で始まった。
彼の存在を直に認識できなくなった事で彼女の感情は抑えが効かなくなり、不安定になったとは言っともゲーティアの存在を飲み込める程に強くなったにも関わらず、彼が自分の側に居ない事に対して嫉妬や怒りの感情を抱き、どうしてこうなったのかと言う疑問に対して行き着いた答えがカルデアが存在するからいけないのでは?と言う物だった。
その答えに行き着いた背景には、彼女が生まれた背景やゲーティアの人類愛の他に、彼女に能力を託したサーヴァントの出身地や光源氏を中心とした源氏物語のエピソードなどが複雑に絡み合った結果であり、全ては人理修復の旅が始まったあの日、彼女自身に寄り添わなかった藤沢が出した答えだった。
「 私の邪魔を 」
「来るぞ! 構えろ!」
「 するなぁ!」
その為、自分だけを見てほしいと言う思いが拗れに拗れて彼女の中に入り込んだサーヴァントを変質させ、ゲーティアを飲み込んでカルデアに残った汚染されたサーヴァントを支配下に置き、カルデア職員を惨殺した挙句に汚染されていないサーヴァントまでもを支配下に置こうとしている。
その影響は彼女の宝具にまで及び、碌な戦闘経験がないのでギャラハッドの宝具である『
本来なら、使えるのは数年後になる
効果は、本来の宝具と正反対の人理を焼却する宝具なので例え、万全のヘラクレスであっても当たれば無事ではすまない威力を持つ対界宝具である為、伊吹童子達はそれに当たらない様に回避しながら攻撃を当てる必要がある。
これが一対一で戦うのであれば、大抵のサーヴァントは碌に回避できずに消滅するだけだが、幸いな事に今は40騎以上の仲間がいる。
その為、マスターである藤沢 大河からの命令はシンプルで“
当然、サーヴァント達からは無茶振りかよと不平不満が噴出したものの今回の対象は汚染されたマシュ単体なので、元ネタの世界における広大な領土を占領しながら侵攻するよりも遥かに簡単な上、彼女を排除できれば何かしらの変化を望めると言うちゃんとした理由はある。
それでも、不安定ながらビースト並の火力を有している以上はサーヴァント達にとっても命懸けだが、火力に関しては他のビーストが引き受けるので残りのサーヴァントはヒット&アウェイで攻撃をし続ける事が、汚染マシュがいる場所に向かう道すがらで決まった。
その方針に沿って、サーヴァント達が各々のやり方でマシュが放った宝具を回避した後はただ只管、攻撃を加えていった。
ビーストを呑み込んだサーヴァントとして、不安定な状態である以上はどこかで必ず無理をしているので攻撃をし続けて消耗させ、魔力を暴発させて大ダメージを与えるのが目的だった。
その為の行動に、まんまと釣られた汚染マシュは一気に複数のサーヴァントを倒す為にバカスカと宝具を乱射した結果、彼らの攻撃によって確実にダメージが蓄積する一方で不安定な状態を魔力で補って維持していたのが裏目に出て、その魔力が減ればその不安定さが表に出るのは確実である。
後先考えずに魔力を使った結果、汚染マシュは何かを吐き出すかの様に身を屈めた瞬間、体内に押し留められていたゲーティアの魔力が体外へ一気に放出され、汚染マシュに攻撃を仕掛けようとしていたサーヴァントが壁の方に押しやられた。
その放出により、汚染マシュはかなりのダメージを受けたので早くサーヴァント達を排除して回復しないとと考えていた瞬間、魔力の放出で巻き上がった砂埃の中から彼女が探し求めていた人物が突如として現れて銃器の引き金を引いた。
藤沢 大河 side
「近くまで連れて行くよ?」
「おう、よろしく」
「僕としては近づいてほしくはない事は伝えておくよ」
「すまんな」
宝具の乱発により、かなりの地揺れが断続的に発生していて立っているのが厳しくなったので、腹這いになりながら彼らの戦闘を眺めていたのだがそこにメリュジーヌが来たので彼女に抱き付かれて震源地へと赴いた。
俺としても、メリュジーヌの意見に同意したいのだが自分の手でケジメを付ける都合でどうしても近くまで行く必要があった。サブマシンガンの射程は短いし、中距離以上の距離では命中精度も維持できないしね。
その為、震源地に向かう途中で物凄い風圧が来たのでメリュジーヌの飛行が不安定になったものの、一瞬の事だったのですぐに立て直して汚染マシュの近くに降ろしてもらった。
幸い、汚染マシュは物凄い風圧を発生させる為に大量の魔力を消費していたのに加えて、砂煙がそこら中に舞っていたので彼女に気付かれる事なく、降りれたのでサブマシンガンの安全装置を外してフルオートで撃てる様にしてから汚染マシュに対して引き金を引いた。
「あっ、くぅ! まっ!」
突如として撃たれた事によって、汚染マシュは碌な反応ができずに体を縮こませる事しかできない様なので、距離を取りながら指切りと呼ばれる引き金を引く力を抜いてフルオート射撃を止める方法を不定期にやる事で装填するタイミングを分かりづらくした。
そして、1本の弾倉が空になったので新しい弾倉と交換して薬室に装填すると汚染マシュも立ち直った様で、彼女がこちらに向けて宝具を放とうとしてきた為、銃を構えて引き金を引こうとしたのだが彼女の宝具が一向に変化しない。
さっきまでバカスカ撃っていたのに、だ。
その為、俺と汚染マシュで首を傾げていると声が聞こえた。
「漸く、外に出れた」
「………お前さんは、ゲーティアか」
「如何にも」
その声がした方に首を向けると、1人の男が立っていたので銃口を彼に向けながら尋ねると素直な答えが返ってきたので更に質問を重ねた。
「今更、何しに出てきたよ。今から戦うっつーなら戦っても良いが?」
「今の私にその意思はない」
「どーゆー事だ?」
「先ほどの貴様の攻撃で私は死んだからだ」
「………いくら、魔術王の手下でサーヴァントの枠組みから外れていようが、マシュの中にいれば関係ないってか」
「その通りだ。人間」
彼の答えに俺は納得した。
通常、サーヴァントを相対した際に人間が持ち得る兵器で対抗できるのかと問われれば、サーヴァントの存在を知っている人からすればNOと答えるであろう。
神秘がどうだとかの話になる為、いくらNTRに汚染されてナーフを喰らってもサーヴァントである以上、俺が持っている様な“普通の”サブマシンガンでは逆立ちしたって倒せない。
では何故、本来なら効かない筈のサブマシンガンを持ってきた上にバカスカ撃って倒したのかと言うと、単純に言ってしまえば光コヤンが銃本体に対してサーヴァントに攻撃が通る様な神秘を他のサーヴァントと一緒になって持たせてくれたからだ。
でなければ、この世界に来て身を隠す事しかできなかった藤丸 立香の様に俺も隠れていたし、そもそもとして立香側のカルデアへ逃げる前に殺されていてもおかしくはなかった。
その結果、偶然とは言っても神秘持ちのサブマシンガンでバーサーカーな汚染マシュを攻撃した事で、ゲーティアにもダメージが通ってそのまま絶命したとの事だった。
いや、それだとなんでこうやって会話できてるの?とかの疑問が出てくる訳だが、単純に言ってしまえは魔力を操作すれば浮遊霊ぐらいの残滓は残せるとの事だった。
「今回は私の負けだ。だが、諦めた訳ではないからな!」
「勿論です、ゲーティア。次、会った時はまた戦いましょう」
「ではな」
「まっ!」
その為、残った残滓と軽口を叩き合って別れる際に汚染マシュがゲーティアに手を伸ばしたものの、彼女の思いはゲーティアには届かずに彼は消えてしまった。
まぁ、彼からすれば人理の焼却ができれば良いのであって誰かと仲良しこよしをするつもりはなかったことを考えれば、汚染マシュの引き留めなんて意にも介さないのは当たり前だろう。
その上、彼女自身は俺に執着する為に大量の聖杯を使って魔力を大幅に向上した上でゲーティアを呑み込んだのだから、彼からすれば敵対する理由はあっても味方になる理由がないので立ち去って当然と言える。
しかも、サーヴァントである汚染マシュとゲーティアの相性が悪くて本来なら同一存在になれないのを聖杯で無理に抑え込んでいたからか、吐き出した反動で彼女が操作していた道具は一切、動かなくなった為に本来のデミ・サーヴァントですら無くなっている可能性がある。
それらの事実が、汚染マシュの精神に重く伸し掛かった為に茫然自失となり、腕を伸ばして何度か動かした後で仰向けに倒れた彼女は何もしなってしまった。
「終わったかの?」
「その様だな。何とも呆気ない終わり方だがこれで良かったと思う」
「オイオイ、マジかよー」
「呆気ねぇ終わり方だよ」
「今までどれだけ、苦労させられた事や」
「笑えねぇ」
その光景に、やや不完全燃焼気味だったもののいつの間にか俺の傍らに立った魔王ノッブが問い掛けてきたので答えると、距離を取っていた他のサーヴァント達もワラワラと物陰やらから出てきて雑多なやり取りが行われた。
そのやり取りから感じ取れるのは、あまりにも呆気ない終わり方による不完全燃焼な感覚を各々が抱いているからであり、俺も本当にこれで終わりか?と思っているので汚染マシュの警戒を怠らなかった。
(何かを忘れている。忘れちゃいけない事 )
「 」
(ゲーティアの撃破自体は喜ばしい事だ。それは良い )
「 な」
(だけど何故、ここまで苦労した? 何故、ここまで対策に対策を重ねた?)
「 けるな」
(そうだ。因果関係で言えばゲーティアの撃破は結果、ゲームで言う所のミッションクリア っ!)
そもそもなんでマシュの中にゲーティアが居るんだっけ?
「ふざけるなぁぁああ!!」
ゲーティアと会話できた事が予想外過ぎて頭から抜け落ちていた点、対界宝具をバカスカ撃てるだけの状態を維持していたリソースが何からできているのか、と言う答えに至った瞬間に汚染マシュから膨大な魔力が放出された。