自分結構RPGはゲームの中でも得意な方だと思ってたんすけど、それでも結構死にました。
強い。
因みに、まだあまり多くは決めてないんですけど、この小説のラヴェンツァには原作にはないある役割を持たせる予定です。
まだまだ先の話ですが……
「…………ここは」
水の滴る音、寒さも暑さも感じない感覚、手足を動かす度に聞こえる鉄の音、足に繋がれた鉄球。
そして、一面に広がる青。
間違いない、ここは……
瞬間、足音が聞こえた。
予想だとあの看守達だと思うのだが、その予想は当たっていた。
まるで左右対称、それぞれの金色に輝く目は自分をしばらく見たあと、案内をするように奥にいる存在へと視線を向ける。
「ようこそ…私のベルベットルームへ……」
青き部屋の主人。に、化けたあのクソ神が薄ら笑いと共に挨拶してきた……
「気づいたようだな、囚人」
「現実の貴方は、今は睡眠中。これは夢としての体験に過ぎません」
分かったなら姿勢を正せと。双子は交互に言葉を発する。
「クク、ようこそ。お初にお目にかかる。」
その言葉を皮切りに、男は前回と同じ言葉を発する。
夢と現実、精神と物質の狭間。
契約、場所。
「私は、主を務めているイゴール。覚えてくれたまえ」
様々な怒りが込み上げてくる。ゲーム、精神の分割、その全てが自分には理解出来ぬものだった。
(行動には……いや、ここか?)
今はこいつが記憶を持っているかわかっていない状況だ、今は情報集めが先決だろう……けど
「お前を呼び出したのは他でもない…お前の命に関わる────」
………どの面で……!
「御託はいい……さっさと話を済ませろ」
「なっ……囚人!貴様っ…」
「……」
双子が驚いている。流石に刺激しすぎただろうか。
少し賭けには出たが……この後の反応次第だ。
「……良かろう、説明を続ける」
「この部屋のありようは、お前自身の心のありよう。運命の「囚われ」、それを体現するような人間だと思ったのだが……まるでお前は「自由」の旅人の顔だ」
(……まさか、こいつ)
てっきり、過去に戻った原因は目の前の神がなにかしたからだと予想していた。しかしコイツには記憶は無いように見える……
「……話を続けよう、お前には近い将来、破滅が待ち受けている。……フフ、焦るな。抗う術はある」
自由への更生、それが破滅を回避する唯一の道だと、目の前の男は言った。
「更生……」
これも……過去に戻ること含めて更生なのか?
違う……「更生」はこいつが用意したゲーム…こいつだとすればこいつにも記憶はあるはず……
(クソっ……)
「今、お前には反逆の意思がある。答えはそれで十分だ……」
「…紹介しよう。右がカロリーヌ、左がジュスティーヌ。看守と囚人、共に良き協力者であることを願っている……」
「聞きましたね?あなたが従順であれば、私たちもまた良き協力者になるでしょう……
それと、先程の態度は控えるように」
「……足掻けよ。囚人。絶対的な「破滅」から」
……?
違和感を感じる、この違和感がなにかは分からないが……何か……分からない……
「うん……よろしく」
「ふん」
「ええ、よろしくお願いしますね」
「……この者らの役割、それはいずれの機会にて説明しよう。夜も更けてきた…じき時刻になる」
ここのことは、少しずつ理解してくれれぱいい。
いずれまた会う。と、その男が言ったあとに部屋全体に警報が鳴り響く……
「さぁ、時間だ。大人しく眠りにつくがいい」
「「つかの間の休息を……」」
(……意識、が…)
鳴り響く警報を聞きながら、意識が遮断していく感覚に身を委ねた……
◆
4月10日
(…妙な夢を見た)
内容自体に変わりはない。
更生、それの説明。
ただ……あの双子……
(……そういえば、今日は学校へと挨拶に行く日だ)
「ちゃんと起きてるみたいだな」
「おはようございます」
「おう……転校の挨拶、しに行くぞ」
「オマエが行くのは蒼山っつー所なんだが…まぁ乗り換えもめんどくさいから今日は特別に俺の車で連れってやるよ。行くぞ」
「ったく、俺の車に男を乗せる座席はねーんだがなぁ」
そう愚痴を言いながら惣治郎は屋根裏から降りていった……
◆
私立秀尽高等学校、その校門前へと来た。
まさかもう一度ここへ来るとは…
大人しくしておけよ?という声と共に惣治郎が校舎へと入っていく。
◆
校長室へと入ると、まるで卵のような頭の机に座っている男と、傍らにボサボサ髪の気だるげな女性が立っていた。
校長と担任だ。
惣治郎は何度か校長と話をした後、数枚の書類に何かを記入している…
「改めて伝えておくが」
卵が喋った。
「問題を起こせば、即、退学だ」
前回のようにこちらを懐疑的な目で見ながら校長は話す。
「地元じゃ隠れて色々やれたかもしれないが、ここでは大人しくしてもらう」
……まぁ、自分には前歴があることは理解している。
こういう態度を取られてもおかしくはないと、今となっては思っているのだが……勝手な想像で他人の人生を決めるのは、些かどうかとは思う。
「これ、学生証」
考えてる内に話が進んでいたようだ。
……学生証、ということは。
(……あった)
何かのチラシが挟んである、多分ヴィクトリアのチラシだろうか。
……この世界は前と同じ世界。当然と言えば当然なのだが、この世界も前回と同じ事象を辿って来ている……この世界でも川上先生はあの親子に悩まされているようだ。
……今の度胸ならば。
「……これは、先生のですか?」
川上が気づく前に学生証と共にチラシを手に取り、川上に渡した。
「え?あ!そ、そう…私のよ。ごめんなさいね…」
「こ、校則、よく読んでおいてね。少しでも違反したら指導室だから…」
……確か、メイド・ルッキン・パーティーを開始するのはマダラメパレス攻略後の6月辺り……だったはず。
実行するには今は時間が無いが、前のように部屋を借りれる目処が経ったら電話してみよう…
「明日登校したら指導室に来なさい。教室まで案内するから」
「はい。よろしくお願いします」
「……よろしくね」
じゃあなべっきぃ。
◆
「うへぇーっ、全然進まねぇ…」
惣治郎は大きくため息を吐いて言った。
確かに休日とはいえ昼間にこの渋滞はありえないと言っていいだろう。
精神暴走による地下鉄事故、その影響とラジオでは言っている。
「どうだったよ、学校は。やってけそうか?」
「……大変そうだ」
「ふーん…ま、カレーとコーヒーぐらいなら出してやるからよ。キチンと学校、行けよ?」
この後の展開を考えると、思わず苦笑が出てしまいそうになるのも必死で堪えた。
明日、キチンと謝らなければ…
「そういやよ、先月に大きな交通事故があったじゃねぇか」
「いや、なんだ、最近多いなと思ってよ……亡くなった子、15歳だっけか。親御さん、さぞかし…」
子を持つ者としてはやるせない気持ちにもなるのだろうか。
双葉があの状況だ、余計に思う所があるのだろう。
…………双葉、か。
◆
その後、ルブランへと帰り、惣治郎と少し雑談をしたあと日記帳を貰った。
ピリリ、ピリリ
日記帳について説明してる最中、携帯の音が部屋に響いた。
「よう、どうした」
そう電話に返す惣治郎の顔はよく見ると少し柔らかいように見える……双葉からの電話なのだろう。
「…じゃ帰るわ。閉めとくから、後はすきにしろ。店ん中、荒らすなよ」
何か無くなってたら突き出す、さっさと寝ろ。
そう言った直後、惣治郎は佐倉家へと帰っていった……
惣治郎からの信頼はまだほとんど無いみたいだ…
その後、ルブランの公衆電話へとかかってきた惣治郎からの依頼を終えた。
……そろそろ寝よう。
…いや、少し調べものをしようか。
(……イセカイナビは…あった。)
イセカイナビにある文字を入力していく。
『反応あり』
(………やっぱり、か)
『これ』はまた後日調べよう。
(……眠くなってきた)
◆
4月11日
(今日からまた学校だ…)
今日は竜司と知り合う日、つまりカモシダパレス初潜入日だ。
……………決めなければ、ここで。
この世界の「更生」に、前回の仲間を巻き込むのかどうかを。
次回、ようやく覚醒です。
オリジナル展開もここから増えていくと思います。