貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら   作:主義

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小久間岬②

私の人生はユウさんと出会ってから変わった。

 

今は子供のことを育てるためにパートで働くだけでそれ以上の目的なんてなかった。

 

 

 

 

でも、今お金を稼ぐのは子供のためでもあり、自分のためでもある。自分がユウさんとお話をするために。

 

 

 

料理にも力を入れるようになった。

 

 

 

 

生きる意味が見つかるだけでここまで見える景色が変わるのかと思うほどに、今の私はユウさんと出会う前の私と違う。

 

今までの人生は決して悪いものではなかったと思う。普通に友人には恵まれていたし、男の人と話すことはなかったものの、それはほとんどの女性がそうなので気にすることもなかった。

 

 

一度ユウさんみたいな素敵な男性に出会ってしまうと、もう虜だ。今まで一度たりとも話したことがなくて、一生関わることがないと思っていた。それなのにユウさんは私に対して優しい言葉を投げかけてくれた。

 

 

 

何より『岬さんとお話したいんです。それに僕は子供とか育てたことがないので分からないですが、子供を育てるのはとても大変だと思います。それをしている岬さんはとても素晴らしい方ですよ』なんて。

誰からも言われたことがないようなことで、言われたかった言葉。

 

 

 

子どもを産んで育てるのは女の義務。この世界に生きる全ての女がやっていることだと分かっている。それでも子供を育てながらパートをして、生活していくのは予想以上にきついこと。

 

 

 

 

 

そんな時にユウさんみたいな優しい声を掛けられたら……大好きになってしまうのは仕方のないこと。

 

 

 

出会い系アプリでやり取りをしているのが私だけのはずがない。あれだけ優しくて、素晴らしい男性を他の女がほっておくなんて考えられない。この世界に生きる全ての女が喉から手が出るほどに欲しい存在のはず。

 

 

どんな人が相手でも私はユウさんを手に入れたい。この世界は一夫多妻を認めてはいる。でも、結婚という制度自体がほとんど利用されることはない。男性は女性のことを好意的な目で見ることはない。

 

 

 

となると結婚ということもなく、私はただ精子の提供をされ、その方の子供を産むというだけ。相手の顔も分からぬまま、その人の精子で孕んで子を産むなんて別にあるし、それに対する抵抗感もない。

 

 

 

ユウさんを知ってしまった。そんな私は他の男の人の子供じゃなくて、ユウさんの子供を産みたい。ユウさんの精子を体の中に取り込んで、私とユウさんの子供を産みたいという気持ちがどんどん高まっている。

 

 

 

それに何より、ユウさんとやり取りをする感じだと結婚してくれる可能性がゼロではないように思う。そんな男性は絶対にユウさんしかいない。

 

 

 

 

でも、私は子供だっているし、金銭的にすごく余裕があるわけじゃない。お世辞にも男性と結ばれるようなタイプの人間ではない。

 

 

 

 

 

 

それでもユウさんのことが欲しい。何も知らなかった女に希望を見出させてしまったの。私でも手に入れられるぐらいの距離に男性がいて、その男性が自分とメッセージのやり取りまでしてくれて、会ってくれるかもしれない。その状況が今の私にとっては地獄に垂れている蜘蛛の糸のようなもの。

 

 

これは頼りに登っていくしかない。

 

 

 

 

ユウさんを手に入れたい。

 

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