黒見セリカ(憑依)は原作エアプ 作:ミカン
どこかのビルの一室。電話を切ったカイザーPMC理事は、アビドスの強さに対して違和感を感じていた。
「やつらのデータ自体は正確な物だった。あの忌まわしき黒見セリカが負傷中の今なら確実に攻め落とせたはずだ。なのに奴は援護とはいえ復帰してきた。しかも他の連中もデータよりも遥かに強かった。計算ミスか?いや、しかしあの力は明らかに…」
「…お困りのようですね」
そこに一人の異形とも呼べる人物…黒服と呼ばれる人物が入ってきた。
「いや、困ってはいない。ただ計算に少しエラーが発生しただけだ。アビドスの連中がデータよりも遥かに強く、黒見セリカが予想より早く復帰してきただけのこと」
「…データに不備はありません。これは単に、アビドスの生徒達が更に強くなったと解釈すべきかと…黒見セリカの治癒についてはまだ未知数ですが」
「それは一体…」
「アビドスにどのような変化要因があったのか確認します。黒見セリカの方も余り期待はできないでしょうが、調べてみます。それでは」
そう言い黒服が立ち去る。それを見送り、理事はまたどこかへ電話をかけた。
「…私だ。黒見セリカの身辺調査をしろ。絶対にバレないように行え。わかったな?」
「見つかりませんね…」
「もう数時間は歩きましたよね…」
先程の戦闘から離脱して数時間、ヒフミさんに案内をお願いした俺たちは目的の物を探して歩き回っていた。
「これはさすがに私も参ったなー。ちょっとしんどくなってきたよー」
だが一向に兵器の情報は出てこず、長いこと歩き続けて皆疲弊し始めていた。そんな時、ノノミ先輩が何かを見つけたらしく声を上げた。
「あら、あそこにたい焼き屋さんが!」
どうやらノノミ先輩が見つけたのはたい焼き屋のようだ。チラッと値段や屋台の様子を見るが、ブラックマーケットとは思えないほど綺麗で値段も安い。何か変なものが混ぜられてる臭いもしないし、怪しい店ではないだろう。
「あれ、ほんとだー。こんなところに屋台があるなんてね」
「あそこでちょっと一休みしましょうか?たい焼き、私がご馳走します!」
「ノノミ先輩この前カード使ったばかりじゃないですか!ダメですよ!ここは私が払います!」
「先生の大人のカードもあるよ~」
「いや、でもノノミ先輩には普段から奢ってもらってばかりですし先生もこの前ラーメン奢ってもらったばかりじゃないですか!」
「ううん、私が食べたいから私が払いますよ☆みんなでたべましょう、ね?」
「…わかりました。でも、次は私が出しますからね!」
「まいどー!」
ノノミ先輩が店主からたい焼きの袋を受け取り、皆に配る。
…あっ、シロコ先輩が二つ取って片方先生に渡しに行った。これがメインヒロインパワーか。
「…うん、美味しいですねこれ」
俺もたい焼きを受け取り、一口齧る。すると中からあんこが溢れ出して…こう…甘くて…美味い。
「アヤネちゃんには、戻ったらちゃんとご馳走しますね。私達だけでごめんなさい…」
『あはは。大丈夫ですよ、ノノミ先輩。私はここでお菓子とかつまんでますし…』
「なら帰りに材料買って帰りましょうか。確か私の家にたい焼きメーカーありますよ」
「じゃあそうしよっか~。とりあえず今はしばしブレイクタイムだね~」
そんな話をしながらたい焼きを食べていると、電柱に貼ってあるチラシが目に入った。どうやら黒猫の手配書みたいだ。…さっきはチラッと見ただけだし詳しく見てみるか。俺はチラシを剥がし、電柱に寄りかかってチラシを読み始めた。
黒猫。本名住所不明…情報提供者に100万円。武器、SR-25、AR70、デザートイーグル。特徴、黒髪猫耳のサイドテール。服装は黒コートに長ズボン。水色か黒の水筒を携帯。メイン武器はSRで、投擲物を多用。移動手段としてバイクを使用。現在賞金8542万5628円。賞金の募金募集中。
…意外と情報バレてるな。猫面とマスク着けてるけど顔まで載ってるし。てか懸賞金高っ。ここまで情報がバレてるとやはり誤魔化すために色々と用意したのは間違いじゃなかったようだし、そろそろ変装の追加も検討しよう。ウィッグを用意して髪を染めたと思わせるのも良いかもしれない。
「セリカちゃん何見てるの~?」
横から突然声が聞こえ、チラシが手から抜き取られた。そちらを見るとチラシを抜き取った犯人…ホシノ先輩がそのチラシを見つめていた。
「うへ~、これって手配書?結構な賞金がかかってるねぇ」
「ブラックマーケットで暴れてる賞金稼ぎの手配書らしいです。機会があれば狙ってみようかなと」
俺は冷静を装いながら返事をする。これもしかして勘づかれてる?いや大丈夫。黒猫としてはホシノ先輩と会ったことないしバレない…バレないよな?
「ふーん…それにしてもこの子、セリカちゃんにそっくりだねぇ、黒髪だし猫耳生えてるし」
「そうですね、武器も使ってる武器種も同じですし」
「もしかしてこれセリカちゃんだったりする~?」
「やだなぁ、そんなわけないじゃないですか」
「ま、そうだよね~」
ホシノ先輩は納得してくれたのだろうか、これ以上は追求してこないみたいで、チラシを俺に返してくれた。俺は受け取ったチラシを畳み、ポケットにしまった。
「…」
その様子をホシノ先輩が見つめているのに気付かないまま。
セリカ(憑依)
食レポが下手。普段はポニテらしい。
ご覧いただきありがとうございました。次回、ついに「アレ」やります。