黒見セリカ(憑依)は原作エアプ   作:ミカン

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物語の裏側。セリカ(憑依)は知らない領域の話です。


第29.5話 先生と黒服

「…ようこそお越しくださいました。シャーレの先生」

 

とあるビルの一室。そこに突然呼び出された先生は、一人の異形とも呼ぶべき大人と対峙していた。

 

"…貴方は?"

 

「私達はゲマトリアという者です。そして私の事は黒服とお呼び下さい。少なくとも今はこう名乗らせて頂いておりますので」

 

"…それで、そのゲマトリアの黒服さんは私に何の用?"

 

「そう警戒しないで下さい。私達は貴方と敵対するつもりはありません。むしろ協力関係を築きたいとすら思ってるくらいです…申し訳ありません、少し話が逸れましたね。単刀直入にお聞きます。混沌のセクメト…黒見セリカを私に譲っていただけませんか?もちろんタダでとは言いません。現在貴方が対応しているアビドスの問題を全て解決しましょう。借金もこちらで負担します。カイザーも撤退させますし、破壊されたラーメン屋の再建も援助しましょう。いかがですか?」

 

それを聞いた瞬間、先生の中での黒服の評価が地に落ちたのは言うまでもないだろう。

 

"断る。そもそもあの子は私の物でも、誰の物でもない"

 

「…何も退学に追い込めだとか、彼女を誘拐して連れてこいと言うわけではありません。ただアビドスから手を引いていただければ良いのです。そうすれば彼女は自ずと私と契約を交わさざるを得なくなる。それだけで良いのです。彼女一人の犠牲でアビドスは救われる。十分破格だと思いますが…それでもお受けいただけませんか?」

 

"断る。そもそもお前の目的はなんだ、何故セリカを狙う?"

 

「それをお話する前に…先生は黒見セリカの過去についてご存知ですか?…ご存知無さそうですね。では少し語らせていただきましょう。最初に彼女を観測した時、彼女は少々特異な状態でした。意思を持たないかの様に無感情で無関心。神秘は薄く、自分の銃を所持することにすら興味を示さない。まさしく魂が抜けているかのような…そんな状態でした」

 

そこまで話すと黒服は席から立ち上がった。もしここに他のゲマトリアが居れば、黒服が興奮していると即座に見抜いただろう。

 

「…ですが、中学に入学ししばらく、彼女は前触れもなく変化しました。感情を有し、自分の銃を持ち、神秘も暁のホルスに匹敵するほど増加、そしてその中身と言えば本人の神秘であるセクメトだけでなくオシリスにホルス、ネフティスとトート。更に微量ですがアヌビスまで内包し、更に本来なら同一視され、両立の叶わない筈のセクメトとバステトまで混在している。本来ならあり得ない状況を維持し、正気を保つ彼女ならば恐怖の適用どころか神秘と恐怖を両立させ、私達の目標である崇高に到達する事ができると私は考えています!」

 

そこまで話すと黒服は軽く息を整え、改めて椅子に座り直した。

 

「…つまり、彼女は私の目的に最も近い存在という訳なのです先生。改めてお伺いしますが、黒見セリカを…」

 

"断る"

 

「…そうですか。残念ですが、今日のところは手を引きましょう」

 

"話は終わり?なら帰るけど"

 

「ええ。こんな場所まで足を運んでいただきありがとうございました。最後にひとつ。ゲマトリアは、いつでも貴方の事を歓迎しますよ」




混沌のセクメト
複数の神秘を持ち、両立の叶わない筈のセクメトとバステトを持つセリカ(憑依)に黒服が付けた名前。多分セクメトだけだったら憤怒のセクメトとかになってた。

子どものカードとアンゴスの箱
契約に基づき、所有者以外への情報の伝達は原則禁じられる。ただし、所有者が許可した場合は例外となる。

子供のカードとアンゴスの箱

  • 先生に見せた方がいい気がする。
  • まだ先生には見せるべきじゃない気がする。
  • 先生には見せるべきじゃない気がする。
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