黒見セリカ(憑依)は原作エアプ   作:ミカン

47 / 49
ご覧いただきありがとうございます

お待たせしました。




第40話 小鳥遊ホシノとユメセリカ

───ホシノは、生徒会室の前に立っていた。見間違える筈もない、対策委員会を設立するまでの間、毎日ここに通っていた。今だって定期的に清掃に訪れている。忘れる筈もない、思い出の場所。

 

(…なんか、違う)

 

…だからこそ、その場所の違和感を如実に感じ取っていた。見た目や雰囲気の話ではない。まるで模写のイラストを見ているかのような、同じ筈なのに同じじゃない違和感。いつも見ているのに、見たことがない。そんな場所にホシノは立っていた。

 

えっ!?ホシノちゃん来てるの!?なんで!?ここにはこれないはずじゃ…とりあえずごまかさないと!セリカちゃんは隠れてて!

 

そんなホシノの耳に、聞き覚えのある声が入ってくる。本来居るはずのないその声を聞いた途端、ホシノはほぼ反射的にドアを開け、中に入った。

 

「ユメ先輩?何でここに?大学はどうし…いや、あなたは…誰、ですか?」

 

後ろ手に扉を閉めながら目の前のユメ先輩に話しかける。このユメ先輩もまた、同じ筈なのに違和感がある。だが偽物や誰かの変装といった違和感ではない。目の前の焦り散らかして言い訳を考えてる様は確かにユメ先輩本人だし、何より纏う雰囲気がユメ先輩特有のほんわかしたものだった。もしかしてここはパラレルワールドというものなのかという突飛な考えすら浮かび始めた時、漸く思考がまとまったのか、ユメ先輩が話しかけてきた。

 

「えーっと、どうしてそう思ったのホシノちゃん?私は正真正銘ユメだよ?あなたの先輩の梔子ユメ!」

 

「…いえ、貴方は少なくとも私の知ってるユメ先輩ではない…と思います。特に理由もないのでほぼ直感ですけど…」

 

「えっ、なんでもうそこまで…その…えーっと…助けてセリカちゃーん!」

 

うまい誤魔化しが浮かばなかったのか、ユメ先輩は助けを求めることにしたようだ。その声が響いた数秒後、廊下に誰かの気配が現れ、近寄ってくるのを感じた。恐らく男勝りで喧嘩っ早い、だけどどこか違和感のある自分の後輩が出てくるのだろう。そう想像し扉が開くのを待ったが…

 

「こんなにすぐ呼ぶなら最初からこっちにいてもよかったじゃない…なんでわざわざ別室で待機させたのよ…」

 

「ごめんねセリカちゃん…こんなに早くバレると思わなかったの…」

 

扉の向こうには、まるで別人とでも言うべき『セリカ』がいた。セリカと比べていくらかほっそりとしており、身長も低い。髪型もポニーテールではなくツインテールで、長さもセリカより長い。そして何よりも…腕の傷も、それを隠すためにつけていたアームガードもなにもない。そんな『セリカ』に対して、ホシノははっきりと違和感と…どことなく既視感を覚えた。

 

「はじめまして、ホシノ先輩。私は…なんて名乗るべきなのかしら…」

 

「入れ換えで名乗っちゃえば良いんじゃないかな?メ…セリカちゃんとごっちゃになると不味いし」

 

「…それが良さそうね。私の事はメリアでいいわ。よろしく、ホシノ先輩」

 

「オッケー、よろしくね~メリアちゃん」

 

軽く挨拶をすると、メリアはユメ先輩の横に座った。そしてこちらに聞こえない程度の音量で短いやり取りを交わし、こちらに話しかけてきた。

 

「さて、それじゃあ私から現状とここについて説明を…と思ったんだけど、なにか聞きたいことがあるみたいね?」

 

「ん、わかる?じゃあ先にちょっといいかな?メリアちゃんってもしかしてセリカちゃんと面識あったりするのかな?たしかセリカちゃんが入学したときにそんな話し方に変えようとしてたなーって思ってさ、もしかしてメリアちゃんの影響だったり?」

 

そう、メリアの口調はセリカがアビドスに入学したときに矯正しようとしていたものにそっくりだったのだ。もしそれが目の前の『セリカ』を参考に話し方を変えようとしていたのなら辻褄が合う。

 

「あー…そう…ね、あの子が参考にしたのは多分私であってるわ」

 

「二人ともそっくりだし、もしかして血縁関係だったりするのかな~?」

 

「そうね、血縁関係ではあるわ…今のあの子とじゃないけど…」

 

どうやらメリアとセリカに面識があるのは確定のようだ。だがなんとなく歯切れが悪い。そんなメリアの様子を見て、横で話を聞いていたユメ先輩が補足を入れてくれた。

 

「メリアちゃんとセリカちゃんは蜑阪?荳也阜縺ァ縺ッ蟋牙ヲケだったんだよ~」

 

「えっ?今なんて言いました?」

 

が、何故かその言葉は聞き取ることができなかった。

 

「え?えっとねぇ、蜑阪?荳也阜縺ァ縺ッ蟋牙ヲケだったって言ったよ」

 

再度聞き返すが結果は同じ。まるでその単語に対してだけ聴覚が働いていないかのような、奇妙な感覚だった。

 

「やっぱり聞こえませんね…」

 

「あれ!?おかしいなぁ…メリアちゃん、なんでかわかる?」

 

「いや私がわかるわけないじゃない…」

 

どうやらこれは想定外らしく、ユメ先輩とメリアは頭を抱え悩み始めてしまった。

 

「う、うーん…誰もわからないなら考えてもしょうがなさそうですし、ユメ先輩の方の話に戻りますか?」

 

「…そうだね、そうしよっか。ごめんねホシノちゃん。質問答えられなくて。メリアちゃん、お願いして良い?」

 

「わかったわ…じゃあ、少し長くなるわよ」

 

そう前置きをし、メリアはゆっくりと語り始めた。

 




ユメ先輩(大学生)
こっちの世界のユメ先輩。今は大学生。

ユメ先輩(別人)
詳細不明。ユメ先輩(大学生)とは別人。雰囲気的に高校は卒業してないだろうとホシノは考えているようだ。

メリア
詳細不明。セリカ(憑依)とは別人。

ご覧いただきありがとうございました。

…懺悔します。私はセリカ(原作)の誕生日に小説を間に合わせるのに失敗した挙げ句、スランプを放置して生誕祭タグと推し作家のセリカ誕生日イラストをひたすら巡回してました。
セリカ、誕生日おめでとう!(遅刻)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。