黒見セリカ(憑依)は原作エアプ 作:ミカン
「なるほど、大体わかりました。つまりここはセリカのタブレット…アンゴスの箱の中で、私が入れたのはおそらくセリカから所有権の譲渡が行われたから。そういうことですね?」
「うん、大体そんな感じかな」
それから数分、ホシノは大体の説明をユメとメアリから受けた。どうやらここはアンゴスの箱の中の異空間であり、二人はこの中に居る何人かの人間のうちの一人らしい。何人居るのか、誰が居るのかはノイズになってしまい聞こえなかったが。その説明が終わって数秒、ユメ先輩が口を開いた。
「あ、時間だ」
その瞬間、周囲の景色が崩れ始める。壁、天井、家具などがぼやけていき、目の前のカップが机をすり抜けて割れる。それに驚きホシノが立ち上がると、それと同時に椅子もぼやけていった。
「これは…?」
「うーん、なんなんだろうね?防衛装置?それともただ単に箱の限界なのかな?外の人が入ると一定時間でこうなっちゃうみたい。私たちにも防げないから多分もう少しでホシノちゃんも追い出されちゃうと思う」
そう話している間にも、空間のぼやけは進んでいき、ついにはホシノの足元までぼやけ始めてきた。ホシノはとっさにユメ先輩に手を伸ばすが、それよりはやく床がぼやけきり、ホシノは落ちていく。
「あっ!ホシノちゃんに子供のカードの事話すの忘れた!」
「えっ!?なにやってんのよ先輩!それが一番大事じゃない!」
「いやでもセリカちゃんもわすれ───」
最後にそんな二人の声を聞き、ホシノの意識は暗転した。
意識が、現実に引き戻される。
"──シノ、ホシノ!"
「…先生?」
気付けば、セリカに箱とカードを渡されたあの場所に戻ってきていた。目の前には先生。その後ろにはセリカを除いた対策委員会のメンバーもいた。話を聞くと、どうやらセリカの携帯からここの位置情報が送信され、それを頼りにやってきたところ私が目を瞑って座っていたらしい。どうやら、あの空間に呼ばれている間は体は眠っているようだ。
「心配したんですよ!いつもと違って話しかけても起きませんでしたから!」
「あはは、ごめんねアヤネちゃん」
「…そういえば、セリカちゃんはどこに?セリカちゃんの携帯から連絡がきてたのでいると思ったんですが…」
「それについてちょっと聞いてもらいたいことがあるんだよね~」
そういうと、ホシノはここであったことを話し始めた。今回の件の黒幕はカイザーだと言うこと。その裏に黒服と言う存在がいること*1。セリカが自分をかばって契約を結んだこと。それらを説明したホシノはポケットからセリカにもらった手紙を渡す。それを読んだ皆は、だんだんと雰囲気が怖くなっていった。
"セリカ…君は…"
「ん、連れ戻してシバく」
「お仕置きですね~☆」
「セリカちゃん…無茶はしないでって散々言ったのに…」
セリカを説教する。ここに、全員の意志が団結した。
「あ、そうだ。本当は黙っててあげようと思ったんだけど、こんなことされちゃったしやっぱり教えとくね~」
そんな皆にホシノは一見お菓子の箱に見える何かを見せた。それの中身を見た皆の雰囲気は…まさしく、般若であった。
どこかの建物のビルの中。黒服に連れられた俺は、そこにある歯医者の手術台のようなリクライニング付きの椅子に座らされていた。
「それで、契約は守ってくれるんだろうな?少なくとも実験はそれからだぞ?」
最低限黒猫の情報はなんとかしてもらわないと今回の作戦が無駄になる。そう考えての発言だったが、黒服からの返答は意外なものだった。
「ええ、問題ありません。そもそも黒猫の情報は既になんとかしてあります」
「…は?まだ契約から数分も経ってないぞ?流石のお前でも無理だろう?」
「ええ、無理です…襲撃した方々が本当にブラックマーケットの住人なら、ですが」
「は?それってつまり…」
「ええ、マッチポンプというものです。とある方にお願いしましてね、彼女の生徒に貴方の住所を襲撃してもらいました。理事は情報を伝えたつもりでしょうが、それも元々止めてあります。貴方の情報は漏れてすら居ないんですよ。便乗したブラックマーケットの住人も居るでしょうが…そちらの方々は黒猫が襲われているという情報に流されたただの便乗者。黒猫が黒見セリカであることなど知りもしないでしょうね」
とある方、生徒を操れる存在。そう言われ脳内に
「…チッ!汚ねえ大人だな」
「せめて悪い大人と言ってもらいたいものですね…」
「どっちも同じようなもんだろ」
…まあなんとかなってるなら良いか。後は少し耐えるだけで皆が来るだろうし。
「まあアビドスに問題がないなら良い。とっとと実験でもなんでもやれよ」
「いえ、貴方の場合は先に治療からさせていただきます」
は?丁寧に擦り傷に治療するタイプでもねえ癖になに言ってんだこいつ?そんな思いが顔に出ていたのか、黒服は驚いたような顔で話し始めた。
「…まさか貴方、気付いて居ないのですか?貴方の神秘の流出に」
「なんのことだ?」
「貴方の体から神秘が流出しています。初対面の相手から異常に警戒されたり、神秘をこめるのが遅れたりしたことはありませんか?」
「前者は心当たりがないが、後者はあるな。何が原因だ?」
今思い返せば理事の車に発砲したとき、確かに神秘を込めるのが遅れた気がする。
「やはり自覚症状はあるようですね。おそらく神秘の引き出しすぎ…タイヤに空気を入れすぎて穴が空いたような状況なのでしょう。このままだと不味いので先に治療をさせてもらいます」
そういうと俺の腕になにかを注射する。おそらく睡眠薬か麻酔かであろうそれは一瞬で俺の意識を落としていく。俺はそれに抗わず、眠りに入っていった。
ご覧いただきありがとうございました。
はい。本当にお待たせしてました。申し訳ないです。現在スランプに加え少しリアルが多忙と言うこともありなかなか執筆が進んでいませんでした。これからも不定期投稿になってしまうかと思いますが気長にお待ちいただけると幸いです。