最強アルちゃん概念   作:Nikich

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UA5000突破&日間ランキング(ルーキー)4位になることができました!
見て下さる皆様には感謝してもしきれません…!
これからも頑張ります!


その六「エデン条約防衛編 1」

”エデン条約の防衛”

とんでもなく重要な依頼を受けた便利屋68の面々は、今

 

「ちょ、ちょっと!?もう少し優しくできない!?」

「おえ…ウ、ウプッ」

「ハルカ!?絶対吐いちゃダメよ!?」

 

——爆走する車の中で、見事にひっくり返っていた。

 

——数十分前    

 

電話を切ってから、ものの五分も経たないうちに風紀委員会のロゴが入った車が公園前に横付けされたのを見たアルは、顔を引き攣らせた。

 

(よくこんなゲヘナの端の公園まで突き止めたわね…)

ゲヘナの底知れぬ情報網に舌を巻かざるを得なかった。

 

「調印式会場”通功の古聖堂”までお送りいたします。お乗りください」

 

いつも自分たちを追い回している集団とは思えないほど丁寧な対応に思わず面食らう。

ヒナの権力の大きさを改めて実感した。

 

「ヒナ委員長へのご協力、感謝いたします。とりあえずこちらを着てください」

 

おずおずと乗ったアル達に運転手が制服を手渡してきた。

見覚えがある、というより嫌と言うほど見てきた服だった。

 

「風紀委員の制服…?」

「はい。他学園にも知られているあなた達がそのまま現れれば、トリニティ側を警戒させかねません。あなた達にはあくまで風紀委員会からの助っ人という体裁で動いてもらいます」

 

理屈はわかるが、追われる側の自分たちがこれを着るのは少し複雑だ。

あと何故かサイズがピッタリなのが地味に怖い。

 

全員が制服に袖を通したことを確認した運転手がエンジンを吹かした。

本当に今からとんでもない場所へ向かうのだという実感が湧く。

 

「時間がありません。詳しい事情は向こうで説明します。後——皆さん車酔いは大丈夫ですか?」

「え?あ、はい。大丈夫ですけど…」

 

そのときは、気の利く運転手だと軽く思っただけだった。

それが地獄への入口とは知らずに。

 

「では…少々急がせていただきますね」

 

その瞬間——車が音を置き去りにするんじゃないかという勢いで急発進した。

猛烈なGに押し付けられ、座席に沈み込む。

 

「え!?ちょ、ちょっと早すぎない!?」

「委員長から20分で来いと命じられているので。あと久々の運転で少々興奮していまして…」

「こんな運転してるから運転させてもらえなかったんじゃないの!?」

 

ちなみにこの運転手を選んだのはヒナ本人だ。

人を乗せていい運転ではないのは、彼女の実体験でよく知っている。

しかし、本当に時間がないことに加え、アルたちなら大丈夫だろうという負の信頼が働いていた。

 

「それでは…調印式会場”通功の古聖堂”まで、残り30km。20分で到着いたします」

「公道で出していい速度じゃないわよ!?」

「しっかり捕まっててくださいね!」

「話聞いてる!?ちょ、どうしてこうなるのよーー!」

 

カヨコは青ざめ、ムツキは逆に笑っている。

一人の運転手と4人の悲鳴を載せた車は、ゲヘナ(地獄)を爆走して行った。

 

 

宣言通り20分で着いた彼女たちだったが、調印式が始まる前から死にそうな顔になっていた。

 

「目的地に到着いたしました」

「もう、二度と車なんて乗らない…」

「き、気持ち悪いです…」

 

よろよろと車を降りた4人だったが、そこは伊達に便利屋をしてきたわけではない。

相手の依頼を聞く頃には、背筋を正せるほどに回復していた。

 

「責任者として舞台に出ている間、ヒナ委員長は自由に動けません。あなたたちには抑止力かつ、最終防衛ラインとして動いてもらいたいのです」

「…つまり何も起こらなければ会場で待機しておけばいいってこと?」

「そういうことです」

 

一瞬ポカーンとなったアルにカヨコがわかりやすくまとめる。

アルは少し拍子抜けしたような顔をした。

 

「思ったより単純な依頼ね。てっきりまたとんでもないことでも頼まれるのかと…」

「あなたたちの強さは他校にも知られています。表向きは制服で隠せても、上層部には正体が伝わるでしょう。それでも抑止力としては十分です」

「私達の扱いが戦略兵器みたいな感じになってない…?」

 

アルは思わずぼやいたが、実際効果的な作戦だということは分かっていた。

状況を例えるなら、相手にヒナが二人いるのと同じだ。しかも片方は何をしでかすかわからない。

 

まともな相手なら、その状況で動こうとは思うまい。

()()()()()()()()()()()ような圧倒的な武力があるなら別だが…。

 

——だが抑止力があるからこそ、火種はより大きな炎となる。

 

 

トリニティが調印式で賑わっていた頃、その影で4人の少女が動いていた。

 

「サオリ、こっちの準備は終わった。後はマダム側の準備が終われば完了」

「なら問題なさそうだな。…”Vanitas Vanitatum et omnia (ヴァニタス ヴァニタートゥム エト オムニア) vanitas"(ヴァニタス)。今こそ、アリウスの積年の恨みを晴らすときだ」

 

彼女たち——アリウススクワッドはただ準備を進める。

過去の迫害を。屈辱を。

積年にわたり積み上げられたゲヘナ、そしてトリニティへの怨嗟を晴らすために。

 

「痛いですよね、苦しいですよね…でも仕方ないです」

「…それがこの世の真理だ」

 

少女…サオリは顔を上げる。

その目には、何の感情もこもっていないように見えた。

 

「…全ての準備が整った。巡航ミサイルは、もう発射体制に入っている」

「ゲヘナも、トリニティも…今日で終わりだ」

 

——アリウススクワッド 作戦開始

 

 

「アルちゃ〜ん!この庭すっごく大きい!」

「ここで名前を叫ばないでくれない!?」

 

一方その頃。便利屋の面々は、会場を散策していた。

有事の際に対応できるようにするためというと聞こえはいいが、実態はただの暇つぶしだ。

 

最初の方こそ制服を着るだけでごまかせるのかと不安だったが、皆忙しく動き回っていることもあり全く気づかれない。なんなら途中風紀委員会の生徒に手伝いを頼まれたぐらいだ。

 

ただの暇つぶしとはいえ、きちんと監視は続けている。だが特に怪しい動きは見当たらない。いつも通りトリニティ生とゲヘナ生が睨み合っていることを除けば至って平和に見えた。

 

——空から轟音が鳴るまでは

 

「アルちゃん…何あれ?」

「危ない!」

 

咄嗟にアルが皆を庇って伏せる。

その瞬間──凄まじい爆風と閃光が会場を引き裂いた。瓦礫がガラガラと崩れ落ちて彼女たちを埋め尽くす。

 

永遠とも思えた轟音と煙が晴れた時、そこは地獄絵図となっていた。

 

「うう…」

「た、たすけて…」

「けほっけほっ!だ、誰か…!」

 

周囲の建物は崩れ、火と灰が辺りを覆い、瓦礫の間に生徒たちが転がっている。

 

アルたちのいた場所も例外ではない。瓦礫に埋もれ、姿が見えなくなっていた。

だがそんなことで倒れるアルではない。

瓦礫を押しのけるように、アルの銃が三度火を噴いた

 

「ッ…!何が…!?」

 

弾丸の衝撃で吹き飛んだ瓦礫から、なんとか這い出る。

しかし、服はボロボロ、頭や脚から血を流していた。

(片腕がうまく動かない……! いや、それより皆は――!?)

 

「ムツキ!カヨコ!ハルカ!生きてたら返事して!」

「グッ…アルちゃん…?」

「私は無事…」

「ア、アル様…」

 

四人分の返事が返ってきた。慌てて駆け寄ると、命に別状のある重傷者はいない。

ひとまず安堵が広がる。

 

「一体何が起こったっていうのよ…」

「さっきの音とこの被害状況…多分巡航ミサイルの類だよ…でも一体どうやって…?」

 

アルの呆然とした呟きにカヨコが答えを探るように口を開いた。

 

「じゅ、巡航ミサイル…?なんで…?」

「分からない…とりあえず状況を——ッ、アル!」

 

困惑するアルの頬に銃弾が撃ち込まれる。犯人探しをする間もなく、ガスマスクで顔を覆った敵達が一斉に飛び出してきた。

 

「何…あれ…?」

「分からない…でも、禄なものじゃないのは確かだよ」

 

眼の前に立ちはだかるものは、人間どころか生物と呼んでいいのかすら怪しかった。

青白い肌に礼装のような服がはためいている。ヘイローは見えないはずなのに、粉々に割れているのが何故か()()()()

 

状況は依然として混沌としている。しかしやるべきことは一目瞭然だった。

 

お互いに銃を構え合う。だが、数は圧倒的に向こうが多い

こちらが四人に対して、相手は数えきれないほど。しかもまだ増えている。

 

しかし

 

「アル様を傷つけたやつは…許せない許せない許せない許せない!」

「みんなをこんな目に合わせた罪は重いよ?これは…ぶっ殺すしか無いよねっ!」

 

——便利屋68の逆鱗に触れた時点で、勝負は決まっていた。

 

 




冒頭のイカれた運転手はオリキャラのモブちゃんです。

アル様無双書けませんでした…次こそは…
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