聖火の精霊が英雄達を手助けするのは間違いだろうか 作:フェイト・
これからも高評価、感想などを書いていただければ、投稿主が喜びますので、よろしくお願いします。
「う~ん。さっきの扉は何だったんだろう……?」
エレンは大勢のエルフ達の追跡から逃れるため、謎の扉の前で立ち往生を食らっていた。
いくら押しても引いてもビクともしない巨大な扉に悪戦苦闘したが、最終的には諦めて通ってきた道を遡って【地下水道】に出ていた。
「何か、
エレンが謎の扉を開けようとしたのは決して『好奇心で開けてみよう♪』とかではない……ほんとだよ?。
あんな地獄への扉を具現化したようなデザインをしてんだ。
『ようこそ、地獄の扉へ♪ 絶~対に後悔させます♪』みたいなアナウンスがエレンの頭の中を流れたが、エレンは『おっ? 何だか
しかし、実際にチャレンジしてみたが……結果は惨敗。
「……しかし、迷った」
エルフ達の追跡を撒くことはできたが、エレンは【地下水道】で迷子になっていた。
ひたすら追い回され続けていたので、道などを覚える余裕などは全くなかった。
取り敢えず『こっちかな?』と思う方向を進んではいるが、毎度行き止まりにぶつかってしまい、来た道を戻るを繰り返していた。
「……本当に迷子になった。案内人とかいたら助かるんだけど」
「なら、私がその役割を果たそう」
「ん?」
エレンは後ろの方から声がかけられると、その方を振り返った。
そこには、いつの間にか背後を取っていた黒衣の人物が薄暗い魔石灯を持って立っていた。
なお、エレンの目線ではその黒衣が【地下水道】の真っ暗闇の同化しており、仮面が宙を浮いているように見えていた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「おいっ!? 大声を出すなぁ!! 私だ。フェルズだ」
「ふぇ、ふぇるず……さん?」
「あぁ、君と神ヘスティアに『大盾』と『魔導本』を贈った者。と言えば分かるか?」
「あっ!」
フェルズの言葉でエレンは思い出した。前に神ウラノスの祭壇にいた黒衣を身に着けた人物のことを……。
ただ、その姿だけどうにかできなかったのだろうか? だって、すっごく幽霊っぽくて心臓に悪すぎるし~。
「全く、多くのエルフ達が何を血走っていると思えば……君が関わっていたとはなぁ」
「事故なんですぅ!? ワザとじゃないんですぅぅぅ!?」
「むぅ? そうなのか? 外では君は1億ヴァリス超えの賞金首になっているぞ?」
「この短時間にいったい何が!?」
フェルズの衝撃は情報にエレンは悲鳴染みた声を上げた。
大勢のエルフ達から追い回されているこの状況だけでも、お腹いっぱいなのに、賞金首とか冗談じゃない!?
「安心しろ。そのことも踏まえて、ウラノスから君のことも頼まれている」
「ありがとうございます!!」
「……まぁ、君には……ちょっと『変装』をしてもらうことになるが……」
「へっ?」
その後、フェルズの案内で【地下水道】を抜けることができたエレン。
そのままの足で、フェルズの数ある工房の1つに入ったエレンは、2つの
フェルズの説明だと、『変装』の類の
***
「……」
エレンがフェルズと別れて少し経った後。
エレンはマントに付いているフードを深くかぶった状態で、【ヘスティア・ファミリア】の
外は、日の出が出ており、すっかりと夜が明けていた。様々な人達が1日の始まりための準備に取り掛かる時間だったが、いつもと雰囲気が全く違っていた。
「おいっ! そっちにいたか?」
「駄目だ! こっちにはいなかった。やっぱり『ダンジョン』にでも逃げ込んだんじゃないのか?」
「『ダンジョン』には【
「了解した!!」
「……」
エレンの視界に映ったのは、完全武装をした大勢のエルフ達だった。
魔導士は杖を、剣士は剣を、弓兵は弓を装備し、誰かを探している様子だった。
最も、彼らが誰を探しているかはエレン本人が一番理解しているが、この状況に『マジかぁ~』と心の中で思いながら、その場を立ち去ろうとした瞬間……。
「すまない。そこのフードを被った者。少しいいか?」
「……なんでしょうか?」
「今、この『オラリオ』には『絶対悪』が潜んでいる可能性があるんだ。
「……分かりました」
その場を立ち去ろうとしたエレンを、1人のエルフの女性が声をかけてきた。
彼女の名はフィルヴィス・シャリア。
エレンとは直接関わったことはないが、『
確かに、今のエレンは顔を見られないようにフードを深く被っているので、怪しまれてもおかしくなかった。
さらに、気づいた時は、万が一の場合に備えて、ほかのエルフ達で包囲していた。
しかし、エレンの周りを囲んでいたエルフ達は、エレンの容姿を見て『あっ、この人は違うなぁ~』と
何しろ、探している『
「……これでいいですか?」
「……やはり、
「……いえ、気にしないでください」
そう。今のエレンは
しかし、その容姿は『
髪色は青からヘスティアと同じ黒髪になっており、短髪から長髪になっている。
さらにマントの上からも分かるぐらいの立派な
フェルズがエレンに渡した
1つは『薬品』である。この薬品には使用者の髪を伸ばし、髪色を変えることができる効果を持っており、これを使用してエレンの髪を長髪に変え、髪色を青から黒に変えている。
2つ目はこの『偽物の胸』である。この胸は昔、とある女神が【
何でも、その女神には『送還レベルのコンプレックス』を抱えていたが、とある豊穣の女神の『
いくらヤケ酒をしてもその傷は癒えず、着痩せするハイエルフの副団長の胸で癒してもらおうと抱き着こうとすれば、魔法で迎撃される始末である。
しかし、その刹那……その女神の頭に電流が走った……。
「そうやぁ!!
「……」
そんな言葉を残した女神は【
これには、【
神は『不変』の存在の為、
例え、偽物だったとしても、救われる者が存在するのだ。
その後、色々あって『
そして、フェルズが作ったのは【
失われた手足を代わりになる人工肉体をスライム系モンスターのドロップアイテムで作った試作品らしい。
強度や耐久性には問題もあるが、見た目や感触は本物に限りなく近いらしい……。
この2つの
最も、エレンは『これ、変装しなくてもよかったんじゃ……?』と凄く後悔していた。
「あと、この手配書のヒューマンを知らないか?」
「……その手配書。至る所に張り出されていますけど、そんなに悪いヒューマンなんですか……?」
「当然だぁ!! この極悪人……いや、『絶対悪』は王族のリヴェリア様に無礼極まりない行いをしたのだっ!! その罪、万死に値する!!!」
『そうだそうだ!!』
「……」
フィルヴィスの言葉につられる形で、ほかのエルフ達も声を上げた。
確かに、事故とはいえ、女性の唇を奪ってしまったことは事実なので、いずれは謝罪などを行わないといけないが、『流石にやり過ぎなのではないか?』とエレンは思った。
なお、エレンはフィルヴィスから手配書を受け取るが、そこに描かれている絵を見てとてもリアクションに困っていた。
その理由は、手配書に描かれている人物は、実際のエレンとは
描かれている人物像は目つきが完全に極悪人それであり、血のようなものがついた
実際にエレンを知っている人達がこの手配書を見た感想は『ダレコレ?』であり、全く酷い仕上がりだった……。
『オラリオ』では、手配書を見た幼い子供や赤子がギャン泣きするちょっとした地獄絵図になっており、これを見たエルフ達は『幼い子供まで傷つけるとは、おのれぇぇぇぇぇっ!!!』と勝手に『絶対悪』の捜索に燃えていた。
***
「うわ~ん!!
「……ご心配をおかけました。ヘスティア様」
あの後、何とかその場をやり過ごした
『廃教会』の扉を開けた瞬間に飛び足してきた
ヘスティアは
エレンは、ヘスティアに結構な心配をかけたと思っていたので、ヘスティアを抱きかかえて
因みに、ここにはベルのほかにもエレンの事が心配になって訪れていたヴェルフとリリもいたが、女装姿の
ベルは、最早別人レベルに変わってしまった
ヴェルフは以前の18階層で水浴びをした中でもある男仲間の
リリはここに来るまでにエルフの1人からもらった手配書と今の
まだ、朝にしては早い時間だったのにも関わらず、【ヘスティア・ファミリア】の
***
「……マジですか?」
「本気と書いてマジだよ。エレン君。今の君は【オラリオ】で1位を誇るお尋ね者なんだ。しばらくは、その格好で過ごすように」
「本音は?」
「せっかく可愛くなったんだ! 髪とか切っちゃうなんて、もったいないもったいないもったいな~~~い!!」
「何この機会に欲望丸出しで楽しんでるんですか!?」
「「「……」」」
ヘスティアが
内容は当然、
解決方法を探すのは勿論、エルフ達からバレないようにしなければならない。
それまでの間は、エレンはしばらくは『エレイン』でいなくてはならない。当然、この女装姿にも……。
「……ん?」
「うん?どうしたんだい?エレン君?」
「……これは魔力? 誰かが魔法を行使している?」
「へっ?」
エレンがかすかに感じる魔力の波長に気づき、急いで近くの窓から外を確認して絶句した。
窓から確認できるだけども無数の人影が確認できた。
魔法を唱えている者、弓を引いている者など様々だが、獣人、ヒューマン、エルフ、ドワーフ、パルゥムなど様々だが、防具に付いている
「【アポロン・ファミリア】!!!」
「はぁっ!!??」
エレンの声に反応してヘスティア達も急いで窓の集まり、外の状況を確認した。
ヴェルフやリリは別の場所からも外の状況を確認したが結果は同じ。
この『廃教会』を取り囲むように完全に包囲されていた。
「聞こえるかぁ、ベル・クラネルッ!!」
「こ、この声は!?」
「私は【アポロン・ファミリア】の団長。ヒュアキントスだ。我々は主アポロン様のお言葉を預かっている。心して聞け!」
遠くの建物の屋上で先ほどの言葉を放ったのは【アポロン・ファミリア】の団長ヒュアキントスだった。
ベルより一つ上のLv.3の第二級冒険者。その彼の率いる団員達はいつでも攻撃を仕掛けれるように準備を完了させ、ヒュアキントスは主神の預かっている言葉を放った。
「『私の子に重症を負わされた代償を要求する。要求は眷属のベル・クラネル───それと」
『
「がはッ!?」
「「「
「『私も鬼ではない。最後の一人。エレン・エウロギアまではヘスティアから取り上げたりはしないさ。私は優しいからなぁ!』……これがアポロン様からのお言葉だ。なお、この要求を飲まなければ、我々は【ヘスティア・ファミリア】に『
「ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!アポロンの馬鹿野郎ッ!!!」
アポロンの代弁者。ヒュアキントスの言葉を聞いた
それとは別にエレンの名を出したことから『エレン』と『エレイン』が同一人物であることは【アポロン・ファミリア】側は知らないようだ。
さらに向こう側は『この要求を飲まなければ、我々は実力行使に移る。手始めにその貴様達の
「どどど、どうしましょう神様!?」
「おのれぇ……ボクとベル君……そして可愛い
「えっ!?」
「何言ってるんですか!? それよりどうするんですか!? 完全に包囲されていて逃げ場なんてありませんよ!!」
「俺達だけじゃ……あいつらを全員相手にするのは無理だ!! くそッ!!」
「……ヘスティア様達は逃げてください。ここは自分が何とかします」
「何を言ってるんだ、エレン君。向こうは君も狙ってるんだぞ!!」
「……今の自分の恰好なら、向こうは気づかないと思います。時間稼ぎにしかならないと思いますが、何とかやってみます」
「で、でも……君にはベル君みたいな攻撃魔法はないだろう?ヴェルフ君が用意してくれた大盾だけじゃあ、アポロンの
「……はい。確かに自分はベルのような魔法は持っていません───なので、
「あれ?」
***
「出てこないね……抵抗しても無駄なのに」
ヒュアキントスとは少し離れた場所にいたダフネはベル達が逃げ出さないように建物から視線を逸らさないようにしながら呟いた。
本来なら、昨日の『宴』の時に【ヘスティア・ファミリア】に先程の要求を通す予定だったが、予想外の
「ダ、ダフネちゃん、やっぱり止めようよ……とても嫌な予感がする」
「何?カサンドラ。やっぱつ
「お願いダフネちゃん! 信じてよぉ!!」
「……また夢でも見たの? それも
ダフネ『うんうん』と頷いて、袖を引っ張って今回の襲撃をやめさせようとするカサンドラを『またか~』といった顔をしたダフネ。
【ヘスティア・ファミリア】に向かうため早朝から準備をしていたが、カサンドラは悪夢にうなされたように顔色が悪い状態だったのをカサンドラは今も覚えている。
さらには、主神のアポロンや団長のヒュアキントスにも今回の襲撃をやめるように進言していたが、それを聞き入れられることはなかった。
「何? どんな悪夢を見たの?」
「……傷ついた兎さんが、月を飛び越えて、太陽を飲み込んじゃう夢───そして」
「そして?」
「
「……何を言っているの?」
「お願い信じてよ~~っ。
「はぁ~」
カサンドラは、時々おかしなことを言うことがある。
本人は『予知夢』を見ることができると言っているが、誰も相手にはされていない。
ダフネはカサンドラの夢の話を何度か聞かされたことがあったが、どれも曖昧な表現のような数々であり、信憑性に欠けるものばかりだった。
今回だって『灰色の魔女』とか『精霊』とか訳のわからないものばかりである。
そんなカサンドラが必死に今回の襲撃を必死に止めようとするが、既に手遅れの状態だった。
「もう遅いみたいよ、カサンドラ。ほら、ヒュアキントスは仕掛けるみたいよ」
「えっ?」
ダフネが指をさす方向を見たカサンドラは見た。我慢の限界だったのか魔法を待機状態にさせている魔導士達に合図を出そうとしていた。
これは
すると……。
「おい!【ヘスティア・ファミリア】に動きがあったぞ!」
「むぅ」
ヒュアキントスが攻撃を合図を出そうとした瞬間。『廃教会』の扉がゆっくりと開き始めた。
観念して出てきたのか、それとも打って出てきたのか。それを判断するためにヒュアキントスは一斉攻撃の手を止めた瞬間……。
「なっ!?」
開けられた扉の隙間から強烈な冷気を纏った魔力がヒュアキントスを襲った。
ヒュアキントスは間一髪で直撃は回避したが、余りのも広範囲の攻撃だった為、左半身が完全に凍ってしまっていた。
まさか、
「ッッッッ!!! 兎風情がっ!! 我らと抗争がお望みか!!」
先制攻撃を受けたヒュアキントスは待機させていた魔導士達に一斉攻撃の合図を出した。
その合図を受けた魔導士達は各々の魔法を『廃教会』に向けて発射。
これらの魔法が『廃教会』に直撃すれば、瓦礫の山が出来上がってしまい、『最凶の魔女』が降臨してしまうことになってしまう……。
最も、そんな事は【アポロン・ファミリア】が知る筈もなく、無理やり約束をさせられたエレンを含めた少数が知っている事実だった。
さらに言えば、ベルと『廃教会』の両方。或いはその何方かを失った場合は、責任者のエレンが真っ先にボコボコにされ、犯人は消滅される流れになっている。
エレンが【アポロン・ファミリア】の足止めを役を買って出たのは、ベル達を逃がし、『廃教会』を
「なっ!?」
「俺達の魔法が防がれたぁ!?」
「青い炎の……障壁?」
【アポロン・ファミリア】の魔導士達が放った魔法は、突如現れた
さらに、【アポロン・ファミリア】側が同様している隙にベルを始めとしたヴェルフ、リリ、ヘスティアが『廃教会』から脱出。包囲網から抜け出すことができた。
「何をぼさっとしている!! 早く追いかけろ!!」
未だに、体の自由を奪っている氷の除去に手間取っているヒュアキントスの言葉にハッとした団員達が逃げたベル達の後を追おうとしたら……。
「【白雪】!!」
「うおッ!?」
「氷の壁!?」
「クソッ! これじゃあ後を追えねぇ!!」
ベル達を後を追おうとした【アポロン・ファミリア】の道を塞ぐように巨大な氷の壁が行く手を塞いだ。
「何者だ、貴様!? 我々【アポロン・ファミリア】に楯突く気か!?」
「うるせぇ、この大馬鹿野郎!! ここにラスボスを召喚する気か!? この能無し【ファミリア】!! アホ【ファミリア】!! 大馬鹿【ファミリア】!!」
『あ”あ”あ”ッ!!!』
『廃教会』の屋根に立っていた女装姿のエレン対してヒュアキントスが脅し文句を対して、エレンは怒り剝き出しの状態で罵詈雑言を言っていた。
何しろ【アポロン・ファミリア】の愚か者どもが
この『廃教会』が破壊されたらどんな理由があろうと『そうか、あの場所は守れなかったか……なら死ね!』と真っ先にゴスペルされてしまうのだ。
無論、これでくたばるエレンではないが、理不尽の暴力を避けられるのなら、全力で避けたいものである。
こうして、ベルを守るため、この『廃教会』を守るため、アルフィアからの理不尽な暴力を回避するためのエレンの戦いが始まった。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
『クノッソスの扉』についてはオリジナル設定でエレンは自由に開閉できるようになります!
『廃教会』を守った青い炎の障壁は、エレンが
エレン
再び『エレインちゃん♪』になった半精霊。手配書はアニメ『銀魂』の坂田銀時の指名手配書を参考にしました。
この後、『逮捕』されたり、『死刑』判決を受けたり、ボコボコにされたり、誘拐されたり、ボコボコにされる予定です。
ヘスティア
今回のエレインちゃんはヘスティアをベースにして成長させた感じです。胸のサイズはアルテミス宇あヘファイストスぐらいです。
再びエレインちゃんを堪能できた大満足している
ロキ
エレンが付けている『偽物の胸』の発端になった女神。
『
なお、『ダンジョン』から帰ってきたティオナ達にこの胸を自慢した結果、ティオナに笑顔で『