聖火の精霊が英雄達を手助けするのは間違いだろうか   作:フェイト・

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アンケートのご協力ありがとうございました!

アンケートの結果を受けて『整理整頓は無し』の方向で行こうと思いましたが、予め書き直していた1話を消すのは勿体ないと思って、1話のみ更新しています。

改めた、アンケートのご協力ありがとうございました。


31話 開戦準備

「……ここは……?」

 

 

 体の至る所が、猛烈な悲鳴を上げており、その痛みで、エレンの意識が覚醒した。

 

 目を開けたエレンは、何処かで見覚えのある天井が広がっており、エレンは痛む体を自身の回復魔法で癒して、起き上がった。

 

 

「確か、『戦争遊戯(ウォーゲーム)』向けて、アリーゼさん達から、特訓と称してボコボコにされて───あっ!」

 

 

 エレンは、ここに至る経緯を探るために、覚えている限りの記憶を辿っている最中に、とある人物が出てくると同時に、エレンは全てを思い出した。

 

 アルフィアの存在である。

 

 アルフィアがエレンを強引に【オラリオ】の外に連れ出し、そのままの足で【メレン】に向かい、人気のない砂浜に向かっていた。

 

 アルフィアはエレンを砂浜に放り投げると『修行を始めるぞ』と言って、エレンにさっさと立ち上げれと言うが……。

 

 

「……さて、何をするか……?」

 

「へっ?」

 

「私はこれといった修行をしたことがないから勝手が分からん」

 

「噓でしょうっ!?」

 

 

 アルフィア。全くの無計画だった。

 

 さらには、Lv.8の高みにいる彼女は、今まで『修行』というような行為を一切してこなかった。

 

 正確には、()()()()()()()()()()()

 

 彼女は、『才禍の怪物』と言われるほど、数多の才能に愛されており、何でもできてしまった。

 

 魔法の才は勿論、前衛の動きを一目見ただけで、動きのみではあるが、()()()()()()()()()()()()()()

 

 当然、そんな彼女は『修行』などといった行為をする必要はなく、殆どの時間をメーテリア()との時間に使っていた。

 

 しかし、『戦争遊戯(ウォーゲーム)』が始まるまで、残り四日。場合によっては、三日あるかないかの状態。

 

 アルフィアは今のエレンの実力の確認も兼ねて、一対一の組手(タイマン)を実行することにした。

 

 これにエレンは『自分はLv.1ですよ!?』と異議を唱えるが、アルフィアの【福音(ゴスペル)】によってかき消されてしまった。

 

 組手とは名ばかりの一方的な蹂躙劇が繰り広げられ、最終的にエレンの精神疲労(マインド・ダウン)で、その日の『修行』は終了した。

 

 エレンは、恐らく昨日の出来事であろう記憶を確認し終えると、『くぅぅ~』と腹の虫がなった。

 

 昨日は、昼飯を食べ損ねて、そのままアルフィアにフルボッコにされ、精神疲労(マインド・ダウン)で意識を失ってしまったので、食事を取る機会がなかった。

 

 部屋に取り付けられている時間を確認すると、朝の7時。

 

 エレンは取り合えず、何か食べる物がないか、探すべく、部屋を出て階段を下りて行った。

 

 エレンの今いる場所は、アルフィアが強引に奪い取った【メレン】にある別荘。

 

 ここは、エレンが冒険者依頼(クエスト)で【メレン】に滞在している間に、お世話になった場所である。

 

 ゆえに、何処に何があるのかは把握できているため、エレンは食堂を目指していたのだが……。

 

 

「……」

 

「やっと、起きたか? 飯は作ってやっているから、さっさと食って『修行』を再開するぞ」

 

 

 エレンは、とある人物が真っ黒いドレスに、真っ黒いエプロン姿で、料理をしている光景を見せつけられ、唖然とした。

 

 何しろ、その人物は昨日、エレンを精神疲労(マインド・ダウン)の状態に追いやるまで、ボコボコにした張本人(アルフィア)の姿だった。

 

 以前、ここにいた時には、見たことがない光景。

 

 『えっ? 料理できたんですか!?』と思わず、ツッコミ入れそうなった口を必死に抑えていると、アルフィアは身に着けていた真っ黒いエプロンを『ポイッ』と脱ぎ捨てると『先に行っているぞ』と言い残して、その場を去っていった……。

 

 

「───ゴクリ」

 

 

 アルフィアが作った料理を見たエレンは、思わず唾を飲み込む。

 

 真っ黒装備で料理した物とは思えぬほど、色鮮やかな品の数々。

 

 肉料理に、野菜料理。焼きたてのパンや、スープなど豪華な朝食。

 

 エレンは恐る恐る椅子に座り、木製のスプーンで、スープを一口飲んでみると……。

 

 

「───おいしい!」

 

 

 そのスープの味は格別だった。味付けはザルドのものとはまた違っているが、これも中々いける味だった。

 

 ほかの料理のスープと同じく、どれも絶品の品で、店で出してもいいレベルのものばかりだった。

 

 腹ペコ状態のエレンは、アルフィアが作った料理をペロリと完食♪。

 

 しかも、これから始まるであろう『修行』に備えてなのか、腹八分で収まる量で作られており、エレンは少々物足りなさを感じたが、エレンはお昼の楽しみにとっておこうと思い、アルフィアが待っているであろう、外へと向かった。

 

 

 

***

 

 

 

「イダダダダダダダダダダダダダダダっっ!!?? アルフィアさんっ!!?? 落ちる!? 落ちて死んじゃいますっ!!??」

 

「『落ちる』じゃなくて、さっさと『落ちろ』! これじゃあ『修行』の意味がないだろう?」

 

「これは『修行』じゃないと思いますっ!!!」

 

 

 朝食を取り終えたエレンは、さっそくアルフィアが考えた『修行』の()()()()()()()()

 

 昨日の1対1の組手とは違い、今度はちゃんとした修行内容を考えたとアルフィアは言っていたが……。

 

 

「エレン。お前は、(ここ)から飛び降りて、向こうの砂浜まで泳いで来い」

 

「やだッ!!!」

 

 

 アルフィアの『お前ちょっと死んで来い』発言に、エレンは、全力拒否の意を示す。

 

 アルフィアが飛び降りろと言った場所は、高さ30メートルはありそうな断崖絶壁。

 

 さらに、崖下の海には、撒き餌でも撒いたのだろうか、大量の怪魚(レイダー・フィッシュ)が水飛沫を上げていた。

 

 その光景を崖の上から確認したエレンは、顔を真っ青にして、その場から逃げ出そうとしたが、既にアルフィアに退路を塞がれていた。

 

 

「……貴様、まさか逃げるつもりか? こんな()()()()もできずして、強くなれるはずがなかろう」

 

「これのどこが準備運動ですかっ!? じゃあアルフィアさんが手本を見せてくださいよ!!」

 

「か弱い(レディ)(ここ)から飛び降りろと? これだからベル以外の男は……」

 

残忍と暴力の化身(バケモノ)が何を言って───ぶふっ!!??」

 

 

 アルフィアの『私はか弱い女だぞ?』発言に、エレンは『残忍と暴力の化身(バケモノ)の間違いでは?』と返す。

 

 その発言を聞いたアルフィアは、音速の蹴りをエレンの腹に打ち込み崖下に向けて吹っ飛ばすが、エレンは寸前で崖の淵に掴まり、落下を防いだ。

 

 しかし、これで終わる残忍と暴力の化身(アルフィア)ではなかった。

 

 アルフィアは、崖の淵に掴まっているエレンの姿を確認すると、深い溜息を吐き、『さっさと、落ちろ』と言って、エレンの手を履いているヒールで踏みつける。

 

 これにエレンは悲鳴を上げ、『道連れにしてやるっ!』と思い、アルフィアの足を掴もうとするが、アルフィアはその手を無慈悲に蹴り飛ばす。

 

 エレンは今にも落ちそうな恐怖と、下の海にいる大量の怪魚(レイダー・フィッシュ)に襲われることを想像してしまったことによる恐怖で、大粒の涙を流した。

 

 しかし、血も涙も存在しない女(アルフィア)は、そんなエレンにお構いなしに、エレンの命綱()をぐりぐりと踏みつける。

 

 エレンはこの状況を打破するべく、()()()()の名を叫んだ……。

 

 

「ザルドざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!! 助けてくださぁぁぁぁぁぁぁぁぃッ!!!」

 

「おい、ザルドはここにはいないぞ? それともあれか? 私よりザルドの方がいいと言うつもりか、貴様……?」

 

「ザルドさんなら、こんなことはしないでしょう!! と言うか、あの人どこに行ったんですか!?」

 

「ん? 奴なら先に()ってるぞ? だからお前もさっさと()ってこい」

 

「へぇっ?」

 

 

 アルフィアが怪魚(レイダー・フィッシュ)が水しぶきを上げる方を指をさし、エレンも下の方に視線をやる。

 

 怪魚(レイダー・フィッシュ)の水しぶきの影響で、海面は大きく揺らいでいたが、()()()()()()()()()()()()()場所があった……。

 

 

「ザルドさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

 

 ザルド……。アルフィアの手によって海に沈められていた……。

 

 

「何ザルドさんを()っちゃってるんですかっ!?」

 

「あいつがこの程度で死ぬはずないだろう? この程度でくたばるぐらいなら、とっくの昔に『ベヒーモスの猛毒』で死んでいる」

 

「そういう話じゃなくてっ!?」

 

「五月蠅い! 貴様はさっさと落ちろっ!」

 

「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”アア”ア”ア”ア”ア”ッッ!!!」

 

 

 アルフィアはエレンの手を踏みつけている足に、さらに力を加える。

 

 『鬼! 悪魔! 魔女!』とエレンが叫ぶと、アルフィアはさらに力を加える。

 

 エレンは願った。この悪しき魔女に天罰が下ることを、『天界』にいるであろう父親(エレボス)に懇願した。

 

 アストレアに聞いた話だが、『絶対悪』とは、エレンの父親の立ち位置にいるエレボスが放った言葉とのこと。

 

 7年前の『大抗争』の時に自身を『絶対悪』と呼称し、【オラリオ】の敵として立ちはだかり、大きな試練()として、冒険者達を蹂躙したとのこと。

 

 最終的には、『オラリオ(正義)陣営』の勝利となり、エレボスはアストレアの手によって、『天界』に送還され、幕引きとなったとのこと。

 

 エレボス()からエレン()に引き継がれた『絶対悪』の名に、アストレアはとても困った顔をしていたのを、エレンは今も覚えている。

 

 エレンはそんな、エレボスに神頼みをしていると、ふとっ、心地よい風が吹いた……。

 

 

『(クックックッ 任せろ!)」

 

「!?」

 

 

 風に乗せられてきたかのような声が聞こえた気がした……。

 

 その声は、エレンが転生前に、初めて会った男神の声。

 

 その時は、名前などを聞いてはいなかったが、ヘスティアやアストレアの話で、その男神がエレボスであることが分かったのは、エレンがこの『下界』に転生して、しばらく経った後だった。

 

 そんな久しい声を運んできた風は、魔道具(マジック・アイテム)の影響で、伸びたエレンの長髪と、()()()()()を大きく揺らした。

 

 

「……あっ」

 

 

 その風は、決して突風と言えるものではなく、精々、髪や()などの軽いものを浮かせる程度のそよ風だった。

 

 

 

 そう。そよ風が浮かせたのは、アルフィアの()()()だった。

 

 

 

 しかし、アルフィアの来ているのは『ロングドレス』と呼ばれるもので、スカート丈が地面に付きそうなぐらい長い。

 

 普通なら『クソっ!! もう少しだったのにっ!!』と男共が血の涙を流して悔しがるぐらいの浮かび具合だったが、エレンには十分すぎるぐらいだった。

 

 何しろ、アルフィアとエレンの立ち位置は、『崖上』と『崖下』の上下関係にあった。

 

 その立場の影響で、少しめくり上がった『ロングドレス』の()()を、エレンは()()()()()視認することができた。

 

 言葉を選べば『大人な下着』 言葉を選ばなければ『めっちゃエロい下着』である。

 

 因みに、色は『黒』だった……。

 

 

「……言い残すことはあるか?」

 

「アルフィアさんって結構凄い下着を───ゴホッッ!!??」

 

 

 エレンは何を言っても変わらないこの後の展開を嫌でも分かっていたので、素直に感想を述べた。

 

 しかし、エレンが感想を言い終わる前に、アルフィアは【福音地獄落とし(ゴスペルキック)】をエレンに叩きつける。

 

 【福音地獄落とし(ゴスペルキック)】を食らったエレンは、そのまま怪魚(レイダー・フィッシュ)の大群のいる海へもの凄いスピードで叩き落された。

 

 エレンが海に叩き落された影響で、大きな水しぶきが上がり、その海水は雨のように降り注ぎ、綺麗な虹を作り出していた……。

 

 

 

***

 

 

 

「アルフィア、貴様ッ! 本当に殺すつもりかっ!!」

 

「遅かったな、ザルド。 そんなに水遊びが楽しかったのか?」

 

「お前が、俺を海に叩き落したんだろうがぁ!!!」

 

 

 エレンが叩き落された崖から離れた場所にある砂浜で、優雅に読書をしていた魔女に、顔に大きな傷のある大男が怒号を飛ばす。

 

 しかし、『なんだ? もう一度逝ってくるか?』とその魔女は涼しい顔でいい、大男は『そう言う所だぞ! 【ヘラ・ファミリア】!』と言い放ち、後ろにいる()()()()()()()()に声をかける。

 

 

「無事か? エレン」

 

「ゴホッゴホッ! き、気持ち悪い……」

 

「……海水を大量に飲んだんだろう」

 

 

 アルフィアに海底まで叩きつけられたエレンは、先に海底まで沈められていたザルドの助けもあって、何とか浜辺までやってくることができた。

 

 因みに、ザルドが海底に沈められていた理由は、エレンがアルフィアの元に来る前に、アルフィアが行おうとした訓練内容を聞き、異議を唱えたから。

 

 何をどう考えたら、Lv.1の冒険者をモンスターのいる海に落とすといった内容を思いつくのだろうか、ザルドにはちっとも理解できなかった。

 

 ゆえに、自分が考えた修行内容にクレームをつけられたことにイラッとしたアルフィアはザルドを海に落とし、その時に出血した血を『撒き餌』代わりにしていた。

 

 

「何をぼさっとしている? 次の修行に行くぞ」

 

 

 大量の海水を飲み込んでしまった影響で、グロッキー状態になっているエレンの首根っこを掴んだアルフィアは、砂浜から引きずって、次の修行場所に向かっていった。

 

 グロッキー状態のエレンは、大した抵抗もする気力も残っておらず、ザルドに助けを求めようと手を伸ばしたが……。

 

 

「ザルド。邪魔をすれば、今度は遥か沖まで吹っ飛ばすぞ?」

 

「……すまん、エレン。俺は無力だった」

 

「!?」

 

 

 アルフィアに先手を打たれてしまい、救済の道を塞がれてしまったエレン。

 

 次の場所は、人気のない平原地帯だったが、そこで行われたのは、昨日と同じく1対1の組手(タイマン)だった。

 

 何度も何度も吹っ飛ばさ、少しでも動きが悪ければ、再び怪魚(レイダー・フィッシュ)のいる海に叩き落されるをひたすらに繰り返した。

 

 この修業は『アルフィアに一撃を入れる』ことのみの簡単なものだと彼女は言っていたが、Lv.8……いや、Lv.9に近い冒険者に一撃を入れるのは【オラリオ】に存在するどの冒険者でも()()()に近い内容だった。

 

 アルフィアは『どんな手を使ってもいいぞ?』と言い、エレンは修行の開始の宣言前に先手必勝の全力火力の魔剣【白雪】をアルフィアにぶっ放すが、【シレンティウム・エデン】によって無効化され、ぶっ飛ばされた……。

 

 他にも大盾を装備し【ステイタス】を強化させて突っ込んだり、弓を装備して遠距離から攻撃したり、最終的にはザルドを巻き込んで戦いを挑んだが、二人同時に沖の方までぶっ飛ばされた……。

 

 

 

「クソォーーーーーッ!! どうやったらあの怪物を倒せるんだぁーーーーー!!」

 

「……お前、あんなにボコボコにされたのによくそんなことを言えるな……?」

 

「だって、悔しいじゃないですか? 負けっぱなしってのは!?」

 

「はっはっはっ! あのアルフィアを倒したいって言ったのは【猛者(おうじゃ)】や【勇者(ブレイバー)】以来じゃないかな?」

 

「【静寂】相手にそんなことを言えるのは、貴方ぐらいですよ───本当に」

 

「う~ん。エレン君って、負けず嫌いな性格なのかな~~~?」

 

 

 日がすっかり沈みのを確認したアルフィアは『今日の修行は一旦ここまでだ。明日の同じことをするぞ』と言って、別荘の方に帰っていった。

 

 エレンとザルドは【メレン】にある屋台でヤケ酒し、エレンを尋ねに来た、ヘスティアと、ヘファイストスから()()を運んできたヘルメスとアスフィと再会。

 

 2人して『ドワーフの火酒』をがぶ飲みし、ヘスティアやヘルメス、アスフィをドン引きさせていた……。

 

 

「で、ザルドさん! ぶっちゃけアルフィアさんを倒すにはどうすればいいと思いますか?」

 

「……お前、正気か? 才禍の怪物(アルフィア)だぞ? あいつにかすり傷でも負わせるだけでも()()ものだぞ?」

 

 

 ザルドは『ドワーフの火酒』を樽で飲みながら、エレンが開いた『アルフィア攻略会議』の内容について、苦言を呈する。

 

 当初は、【アポロン・ファミリア】に勝つための特訓のハズが、気づいた時には『アルフィア打倒!』に変わっていたエレン。

 

 これには、ザルド達は『マジかこいつ!?』と驚きの目でエレンに視線を向けた。

 

 相手は【最凶】の派閥。【ヘラ・ファミリア】の中でも屈指の怪物。

 

 そんな相手にボコボコにされても『勝ちたい!』と言えるエレンにザルド達はドン引きしていた……。

 

 ヘスティアは『とりあえず、【ステイタス】の更新をしてから考えようか?』と言って、エレンの【ステイタス】を更新する。

 

 エレン達の今いる場所は酒場の二階にある貸し切り部屋である。

 

 部屋に置いてあるベットにエレンを寝かせたヘスティアはそのままの状態で、エレンの背中をめくり、自身の神血(イコル)をエレンの背中に落とす。

 

 

 

エレン

 

レベル1

 

力  :G 140→200

 

耐久 :A 400→800

 

器用 :H 85→125

 

敏捷 :G 125→225

 

魔力 :SSS 1050→1750

 

 

 

「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!??」

 

 

 エレンの背中に乗っていたヘスティアはエレンの【ステイタス】の内容を見て、驚きのあまりベットから転げ落ちる。

 

 ザルドは『何があった?』と転げ落ちたヘスティアを回収し、ヘルメスやアスフィは、【神聖文字(ヒエログリフ)】の【ステイタス】の()()を見て『うわぁ~』とドン引きしていた……。

 

 

「……なぁ、ヘスティア。見てしまったのは謝るんだが……。エレン君の最後の【ステイタス】を更新したのはいつなんだい?」

 

「え、え~と……『ベヒーモス』の『亜種』の討伐任務に出る前だったから、半月ぐらい?」

 

「……【リトル・ルーキー】も同じようなものでしょうか……?」

 

 

 エレンの【ステイタス】更新は『ベヒーモス亜種』討伐作戦の時に【オラリオ】を出発する前の時以来だった。

 

 『ベヒーモス亜種』との戦い、【メレン】でも出来事、妖精達に追い回された夜。そして、今回のアルフィアとの修行の成果……。

 

 これらの出来事が、エレンの【ステイタス】を大幅に伸ばす結果になったが、エレンにはベルのような成長促進(リアリス・フレーゼ)の【スキル】などを()()()()()()()()

 

 半分が精霊であるせいか、『魔力』の伸びは魔法種族(マジック・ユーザー)越えの成長速度だが、ほかはそうではない。

 

 ゆえに、この数値は、エレンのこれまでの出来事を数値化した結果であり、『耐久』に関しては、倍の数値になるほど、ボコボコにされていることを表していた。

 

 しかし、この【ステイタス】の向上は、【アポロン・ファミリア】との『戦争遊戯(ウォー・ゲーム)』の勝算を大きく引き上げてくれる。

 

 ヘスティア達からして見れば、このエレンの『成長』は嬉しい誤算だった。

 

 さらに、ヘファイストスに前からお願いしていた【ゼウス・ファミリア】の大盾も完成し、ヘルメス達が【メレン(ここ)】まで届けてくれた。

 

 最初に見たものとは比べ物にならない程美しい仕上がりであり、白くなった『アンタレス』の『ドロップアイテム』を使った影響か、真っ白な大盾だった。

 

 さらに、『力ある古代のモンスター』の『ドロップアイテム』を使った影響で、()()()()も追加されており、この大盾の修復に関わった椿の興奮はとても凄まじかったとのこと。

 

 

「ぶっちゃけ、もうアポロンの所に勝てそうな気がしてるんだけど……どうかな?」

 

「そうですね。エレン・エウロギアの成長は予想外でしたが、同時に【アポロン・ファミリア】側にも()()()()()()が……」

 

「予想外の動き?」

 

「あぁ~、今【アポロン・ファミリア】は、『戦争遊戯』に向けて、『シュリーム古城跡地』で準備を進めているんだけど、その規模が()()()でね……」

 

「規格外?」

 

「はい。数日前から、【アポロン・ファミリア】に膨大な支援金が流れ込んでおり、神アポロンはその支援金を使って、『シュリーム古城跡地』を()()()()()に改造しているそうで……」

 

「マジか、規模は?」

 

「大国を守る要塞の規模です。しかも、どこから聞きつけたのか、魔法大国(アルテナ)の技術も取り入れられているとか……」

 

「「「マジか~~~」」」

 

 

 ヘルメスやアスフィからの【アポロン・ファミリア】の状況報告を聞いたエレン達は、絶句する。

 

 最弱【ファミリア】の【ヘスティア・ファミリア】に対して、大げさでは表現できないレベルの力の入れようである。

 

 しかも、大国を守る要塞レベルの改造資金を、一体どこの誰が流しているのか、エレンが尋ねると、アスフィはとても気まずそうにその正体を明かした……。

 

 

「実は、ラーファル王の命を受けて『絶対悪(エレン)狩り』を中止していたエルフ達が、『ダンジョン』に籠り、魔石や『ドロップアイテム』を集めまくって、それを資金に【アポロン・ファミリア】に支援を繰り返していたようで……」

 

「「「……」」」

 

「オマケに、武器や防具などの支援付きさ♪ どのぐらいかって言えば、アポロンの眷属()1人に()()()()()()()()()()()()()()()さ♪」

 

 

 アスフィから【アポロン・ファミリア】を支援する団体の正体を聞かされ、さらにヘルメスからの追加情報を聞かされたエレン達は、頭を抱えた。

 

 あまりにも、過剰戦力(オーバーキル)な戦力。

 

 ヘルメスの見立てでは、元々派閥ランク『D』の戦闘力だが、今の戦闘力は派閥ランク『C』並とのこと。

 

 これは、仮に17階層の階層主。『ゴライアス』が攻め込んでも、簡単に返り討ちにできる戦力とのこと……。

 

 

「だから、エレン君には残り少ない時間だけど、少しでも強くなってほしい」

 

「それに、悪い話ばかりではありません。【ヘスティア・ファミリア】には『リリルカ・アーデ』『ヴェルフ・クロッゾ』『ヤマト・命』の3名が加わっています」

 

「サポーター君達も『戦争遊戯(ウォー・ゲーム)』に向けて準備を進めているから、エレン君も頑張ってくれ!」

 

 

 ヘルメス達からの激励の言葉をもらい、エレンとザルドは明日の修行に備えるため、アルフィアのいる別荘に向かっていた。

 

 【アポロン・ファミリア】に勝つためには、もっと力をつける必要がある。

 

 その為にも、どうやったらアルフィアに一撃入れられるのかと帰り道の道中にザルドに聞きまくり、それにドン引きするザルドであった……。

 

 

 

***

 

 

 

しかし、事態はザルドの予想の遥か斜めを行く結果となった……。

 

 

「───マジかッ!!??」

 

 

 ザルドは次の日、信じられない光景を目にした。

 

 昨日の修行の時とは比べ物にならないぐらいレベルで、エレンの動きが()()()()()()()()()()

 

 手加減しているとは言え、アルフィアの動きに付いていけるようになっており、吹っ飛ばされる回数が激減。ザルドの目にはエレンの動きが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 さらに、アルフィアに掠り傷ではあるが、アルフィアの頬に傷をつけることに成功していた。

 

 これを見たエレンは『よっしゃー!!』と大いに喜んだが、アルフィアに『よくもやってくれたな?』と言われ、海に沈められた。

 

 このエレンに劇的な変化は、昨日ヘスティアに【ステイタス】を更新してもらった際に、発現した【()()()】が原因だった。

 

 ヘスティア達は、エレンの伸びまくった【ステイタス】の数値に気を取られてしまい、発現した【スキル】に気づいていなかった……。

 

 その【スキル】の名は……。

 

 

 

精霊の才現(スピリット・アルフィア)




ここまで、読んでいただきありがとうございました。

エレンの発現した【精霊の才現(スピリット・アルフィア)】の『才現』は、『再現』の『再』を『才禍の怪物』の『才』からとっています。

名前から察する通り、アルフィアの影響を大きく受けたことがきっかけの【スキル】になります。

【アポロン・ファミリア】が待ち構えている『シュリーム古城跡地』は原作以上に強化されています。


エレン
 新しい【スキル】を発現させた影響で、アルフィアに掠り傷とはいえ、一撃入れることができ、それが『偉業』判定となって【ランクアップ】を果たした。この時は新しい【スキル】の存在を全く知らなかった。

アルフィア
 エレンがまさか、一撃入れてくるとは思ってもいなかった『才禍の怪物』。エレンが一撃入れた際は、少し笑ったが、すぐに海に沈めた。
後日、エレンに【ヘラ・ファミリア】の遺産を渡して、さらに強化させた。

ザルド
 エレンがアルフィアに掠り傷を負わせたことに驚きを隠せなかった男。
さらに、アルフィアがエレンに【ヘラ】の遺産を渡しているのを見て絶句していた。
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