聖火の精霊が英雄達を手助けするのは間違いだろうか 作:フェイト・
「【祝福の禍根、生誕の呪い、半身喰らいし我が身の原罪】」
「おぉーーー!! エレン・エウロギア選手。 ここで新しい『魔法』を詠唱を始めたぞ! 今度は一体どんなものを見せてくれるのかぁ!! ガネーシャ様、何か一言───ガネーシャ様ッ!?」
「ガ、ガネーシャ様ッ!? 大丈夫!? めっちゃ震えているけどッ!!??」
『
イブリが拡声器を使って解説をし、隣にいる
具体的には両手で頭を抱えた状態で、『ヘラ……ヘラの再来ぃぃぃぃぃ』とか呟いて怯えまくっている……。
これは、イブリが実況している広場にいる神々も同じような症状?が起こっている……ていうか、殆ど男神や男に集中していた。
・発狂している者。
・泡を吹いてその場に倒れる者。
・神なのに神頼みをする男神達。
広場では軽い混乱状態になっていたが、神々が集まっている『バベル』では大きな混乱になっていた……。
***
「【禊はなく。浄化はなく。救いはなく。鳴り響く天の音色こそ私の罪】」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!??」
「お許しをッ!? どうかお許しをッ!!」
「鐘が……鐘の音が聞こえるぅぅぅ、
「目がっ!? 目がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!??」
『『『ってか、なんでヘスティアの
『バベル』30階層では、広場以上の混乱に巻き起こっていた。
エレンが詠唱していた『魔法』はエレンの『魔法』ではなく、とある英雄の『魔法』。
約15年前。三大
その『魔法』は
この詠唱量は、
さらに、発動に必要な
なお、エレンはここまで一切、
「おいッ、ドチビッ!! なんでお前ん所の
「ふん! ボクのエレン君が持つに相応しかっただけさ! 残念だったね~♪ 都市最強派閥の主神が狙っていた獲物が持っていかれた気分は? ね~ね? どんな気持ち〜?」
「ムキィィィィィッッ!!! その無駄にデカい贅肉ッ!! シワシワにしてくれるわーーー!!!」
「何だとぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!! さっきまで『酒』を飲んでた酔っぱらいがぁぁぁぁぁッッ!!!」
そして、ここでも1つのロキとヘスティアの戦いが起きていた。
さっきまで、ヘルメスから
ロキが口に含んでいた『酒』を近くにいたヘルメスの顔に思いっきり吹き出し、ヘルメスは両目に高濃度のアルコールがかかり、悶え苦しんでいた。
ロキは急いで、エレンの親であるヘスティアに、何故あの大盾を持っているのか問い詰めるが、ロキ嫌いのヘスティアは一向に口を割らないことがきっかけで、喧嘩に発展。
ロキは自分が狙っていた【ゼウス・ファミリア】の遺産をなぜ
ヘスティアは何が何でもロキにゲロらせないように必死の抵抗をするため。
端から見れば可愛らしい喧嘩だが、周りの混沌とした状況と合わさり、滅茶苦茶な現場になっている。
「ねぇ、ヘファイストス。
「そうよ。あの子が装備している武器は、
ロキとヘスティアの取っ組み合いを離れた場所で見ていたアストレアがヘファイストスにあの大盾の説明を受けている。
元々は【
『黒竜』との戦いで、ザルドを除いた団員全てが戦死。
さらに、ザルド本人が『盾は俺の性には合わん』と受け取り拒否したことで、長い間【ギルド】の保管庫に眠っていたもの。
ロキが長い間、戦力強化も兼ねて【ギルド】に何度も【
他にも裏で
なお、この時にヘルメスはスンっとした反応になり、今回ロキに『ソーマの酒』を送ったのは、万が一に備えてのご機嫌取りのためだったりする。
しかし、そんな心配も杞憂に終わったと思ったのも束の間。両目を真っ赤にさせたヘルメスをフレイヤが『ヘルメス、ちょっとこっちに来なさい』と呼び出す。
「な、何でしょうか、フレイヤ様?」
「ねぇ、ヘルメス。私のあの盾が欲しかったのだけど、何であの子が持っているのかしら?」
「サ、サァ~~~、ナンデデショウネ? アハハハ!」
フレイヤはヘルメスからの贈り物である葡萄酒を口にしながら、笑っていない笑顔でヘルメスを問い詰める。
フレイヤも【
しかし、フレイヤ自らの申請にも【ギルド】側が一切首を縦に振ることはなかった……と言うか
【ロキ・ファミリア】に渡せば、【フレイヤ・ファミリア】からクレームが来る。
【フレイヤ・ファミリア】に渡したら、今度は【ロキ・ファミリア】からクレームが来る。
いくら【ギルド】が【オラリオ】を管理する組織であったとしても、力ある【ファミリア】は手に余る存在。下手な因縁を抱えたくなかった【ギルド】側は『誰にも渡さない』スタンスを維持してきた。
以下の理由で、長年【
因みに、エレンに【
アルテミスを救うためとはいえ、
一応、眷属のザルドにも確認は取っているが、『別にいいぞ』とあっさりと承諾。
正式な形でエレンに【
「……まぁ、いいわ。所で、私の誕生日プレゼントはいつ来るのかしら、ヘルメス?」
「あーーー! フレイヤ様のグラスが空っぽだーーー!? ささっ、どうぞ、グラスをこちらに!」
これ以上問い詰めても話すつもりはないんだろうと思ったフレイヤが話題を変えて、ヘルメスにと『ある物』について尋ねる。
すると、ヘルメスはフレイヤが持っているカラのグラスに葡萄酒を注いでいく。
フレイヤの『ある物』とは、【ヘラ・ファミリア】の遺産のこと。
フレイヤから『ねぇ、ヘルメス~。私~【ヘラ・ファミリア】の遺産が欲しいな~』とおねだりされた内容を、鼻の下を伸ばしまくったヘルメスはついうっかり了承してしまったが、後から『あれ? これって不味くね?』と自身の愚かさに気が付くも全て手遅れ状態。
確かに【ヘラ・ファミリア】の遺産は確かに【ギルド】の保管庫にあるが、何しろあの【
一応、様子見程度で確認に行ったときは、何か変なオーラのようなものが、箱の隙間から漏れ出ており、箱に触れると【ヘラ】の眷属達の囁き声のようなものまで聞こえてきたので、ヘルメスは速攻でその場から逃げたしていた。
以降は、別の贈り物を送ったり、言い訳をしたり、何やかんや逃げてきたヘルメスだったが、昨日……
***
「【神々の喇叭、精霊の竪琴、光の旋律、すなわち罪禍の烙印】」
「エレンの、3つ目?……の魔法」
「ねぇ、アイズ? フィン達の様子がおかしいけど、何か知らない?」
「うんうん、分からない」
「だ、団長ッ!? しっかりしてください!! チューですか!? チュー何ですねッ!! そうなんですよね!!」
「んなわけねーだろう、バカゾネス。どんだけ頭湧いてんだ、テメーは?」
「ぶっ殺すぞッ? くそオオカミッ!!」
「リ、リヴェリア様ッ!? お、お気を確かにしっかりしてくださいッ!!」
【ロキ・ファミリア】の
ここでも、ちょっとした混乱が起こっていた。
団長のフィンは『
副団長のリヴェリアは、紅茶が入っているカップを口につけた状態で固まり、その手はとても震えていた。
ガレスに至っては、一旦部屋から出たと思えば、『ドワーフの火酒』を瓶で持ってきて、がぶ飲みし出した。
こんな姿を今まで見たことがなかったアイズ達はとても驚いていた。
なんか、約一名……どさくさに紛れて自身の欲望を満たそうとする乙女がいたが、狼の横槍を入れられ、失敗に終わった。
しかし、彼らは一から上り詰めて都市最強派閥まで上り詰めた三首領。
すぐに落ち着きを取り戻して、『
「【箱庭に愛されし我が
「……リヴェリア。念のための確認だけど……」
「あぁ、間違いない。あの魔女の『魔法』だ」
「あの大盾を見た時は驚いたが、アルフィアの魔法は予想外だぞ……。あの大盾の力か?」
「多分ね。最もあの大盾には大弓に変形するような機能はなかったハズだ。形状も少し変わっているし、何より【
「何かしらの制約はあるのだろうが……。他者の魔法行使など反則だろう!」
「「リヴェリア。隣をよく見てみ
「……」
「リ、リヴェリア様ッ!? 何で私から距離を取るんですかぁ!?」
過去に【ギルド】で入手した【
それでも、『他者の魔法を使えるなど反則だぞ!』とリヴェリアは言うが、フィンとガレスは『隣を見てみろ』とレフィーヤを指さし、『……ここにもいたか』と自身の弟子ながらドン引きしたリヴェリアがレフィーヤから距離を取る。
レフィーヤには【エルフ・リング】と呼ばれる『魔法』を持っており、エルフの魔法限定で、他者の魔法を行使できる。
無論、魔法内容の完全把握や、
【
主に、
これはベートが装備している『フロスヴィルト』に似ており、この武器は『魔法』を吸収し、『属性攻撃』に変換させる代物。
使い方次第では、相手の『魔法』を無効化できるが、『魔法』本来の力を発揮させることはできない。
そして、エレンが装備している【
その能力は『魔法装填』。
1つのみだが、どんな魔法でも【
この力は災厄の蠍『アンタレス』の『ドロップアイテム』を使ったことで、『
かつて
【
しかし、
・『装填』されている『魔法』は6発の『弾』となり、『弾』を消費することで、『魔法』を計6回分使うことができる。
・『装填』されている『魔法』を6回全部使うと、『装填』されている『魔法』は消滅する。
・『魔法』が『装填』されている時は、新たな『魔法』を『装填』することは出来ず、『
・発動される魔法は『所有者』ではなく『使用者』の実力に依存する。要はアルフィアの魔法でも、今詠唱しているエレンの実力でその威力は決まる。
・相手が発動した魔法を『
他者の『魔法』の行使を可能にする【
それでも、使い方次第では無限の可能性を秘めており、エレンが行っているように『英雄』の『魔法』を行使することも可能。
「【代償はここに。罪の証を持って万物を滅す】」
エレンの『詠唱』も最終段階に入った。
【アポロン・ファミリア】の『要塞』を覆っている『結界』の真上に
その鐘は『詠唱』を行っているのがエレンのせいか、青い鐘であり、
『
「【哭け、聖鐘楼】!!」
エレンが最後の詠唱文を唱える。
すると、上空に出現した小さな青い鐘が罅割れていき、その隙間から青い炎が漏れ出ていた。
まるで、『卵』を彷彿とさせる現象だが、生まれてくるのは
その名も……。
「【ジェノス・アンジェラス】」
エレンがその名を口にすると小さな青い鐘は完全に割れ、そこから破滅の咆哮が、『要塞』を護っている『結界』を包み込んでいった……。
『要塞』を護っていた『結界』が、全方位にわたって罅割れていき、『結界』内にいた冒険者達の顔を絶望へと染め上げていた。
再生など追いつかない破壊スピードで『結界』が崩れていき、甲高い音を立てて砕け散った……。
「そ、そんな……」
「我々を護っていた……『結界』が……」
砕け散った『結界』の破片を見つめていた【アポロン・ファミリア】の団員達が、掠れる声でそう呟いた……。
『奥の手』として用意していた『対巨竜防御結界』がこうもあっさりと破られた事実が、予想以上に団員達の精神に大きなダメージを与えていた。
「何をボーとしているっ!? 超長文詠唱はそう何度も使えるものじゃないっ!! 今すぐに奴を攻撃しr『【祝福の禍根、生誕の呪い、半身喰らいし我が身の原罪】』───はぁっ!!??」
リッソスが士気が下がった団員を何とか動かそうと鼓舞しようとした瞬間……。土煙の中から再び
「き、貴様ッ!? 超長文詠唱だぞッ!! それを連続詠唱させるだけの
リッソスが声を荒げてエレンに問い詰めるが、月の光の粒子を纏ったエレンは、その問いかけに答える代わりに『詠唱』を続けた。
「【禊はなく。浄化はなく。救いはなく。鳴り響く天の音色こそ私の罪】」
「───っ!? や、奴を攻撃しろぉ!! 奴は『詠唱』で碌に動くことはできない!! 何がなんでも『詠唱』を完成させるなぁ!!!」
リッソスの命令に、エレンの近くにいた部隊が武器を手にし、エレンの『詠唱』の完成を阻止しるべく、向かってくる。
『魔法』とは威力を増すにつれ制御が困難になり、最悪の場合は『
故に、『魔法』を『詠唱』する者の多くは、『
エレンが『詠唱』している超長文詠唱ともなれば、猶更『
「(今向かわせた者達は、全員Lv.1だが、前衛のいない奴を仕留めるには十分───だが、止めは……)」
リッソスの考えは間違ってはない。
『魔法』とは、状況を一変させるほどの『必殺』を秘めているものだが、どうしても発動には時間がかかってしまう。
基本は、前衛が『魔法』が完成するまで術者を守るのが
誰がどう見て絶対絶命のピンチだったが、『詠唱』を行っていたエレンには、焦りの表情が全くなかった。
「はあぁッ!───はっ?」
【
次にやってきたのは長剣と片手剣を装備した2人組だったが、長剣を持った冒険者の攻撃を体を捻りながら受け流すと同時に、右足を軸に左足を大きく振り、回し蹴りを叩き込む。
エレンの回し蹴りをもらった冒険者は、手に持っていた片手剣が空中に浮かび、エレンはその片手剣を手にすると同時に、片手剣を大剣を装備している冒険者目がけて投擲。
片手剣が足に突き刺さった冒険者は『ぎゃぁぁぁっ!?』と悲鳴を上げ、長剣を装備した冒険者は何が起こっているのか理解できず、目の前にいるエレンに力任せに斬りかかるが、エレンはそれを難なく躱し、相手の下顎を打ち抜き、ノックアウトさせた……。
「【神々の喇叭、精霊の竪琴、光の旋律、すなわち罪禍の烙印】」
しかも、
これは『平行詠唱』と呼ばれる無防備状態になりやすい術者が『攻撃』『防御』『回避』『移動』のいずれかを用いることで、
そして、エレンが行った『平行詠唱』は4つの動きを組み合わせた『平行詠唱』の
親友の
あっという間に3人の
「【箱庭に愛されし我が
【ジェノス・アンジェラス】も完成間近。凄まじい魔力を発しながら『要塞』の中に進むエレン。
そんなエレンの侵攻を防ぐべく、冒険者達が行く手を阻もうと前に立ち塞がる。
風が吹き、最初の【ジェノス・アンジェラス】の影響で、舞い上がっていた砂埃がさらに空中へと舞い上がる。
視界が砂埃の影響で全く敵を視認できない状況に、『この時を待っていた!』と言わんばかりにエレンの死角から短剣を振り下ろす存在がいた。
「
リッソスはエレンが
舞い上がった砂埃を利用に、エレンに向かって急接近。確実に仕留めるため、死角から攻撃を仕掛ける徹底ぶり。
さらに、今のエレンは【
この姿を見たリッソスは完全に油断しきっていると判断し、短剣をエレンの首に向けて振り下ろす。
この状況を『
「なっ!?」
リッソスの短剣がエレンの首に触れようとした瞬間、だらりと下ろされていた両腕がいきなり動き出し、リッソスの短剣を叩き落した。
さらに、エレンは振り向きざまに、リッソスに怒涛の
まるで
エレンの【
一撃一撃がリッソスの体力を大きく削っていき、このままでは再起不能状態に陥ってしまう状況。
「───っ!? 舐めるなぁッ!!!」
しかし、リッソスはLv.2の上級冒険者。戦闘力だけで言えば【アポロン・ファミリア】内では、ナンバー2の実力を持っている。
リッソスは予備で装備していたナイフを手にし、反撃に出ようとした瞬間……。
「がぁッ!?」
ナイフを手にしたリッソスの首にエレンの強烈な蹴りの一撃が叩き込まれ、エレンは蹴りが入ったリッソスを地面に思いっきり叩きつける。
地面に叩きつけられたリッソスは完全に意識を消失……。
この状況は、他部隊の冒険者達や『
***
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!? 何なんですか、あのヒューマンは!? 超長文詠唱を『平行詠唱』を行いながら、Lv.2の同胞を倒すって何なんですかぁぁぁぁぁ!!」
「何よ、あの雄? あの
「ねぇ、アイズ? エレンのあの蹴りって……」
「うん。ベートさんの
「んなわけねぇだろ。 どうなってやがる?」
『
エレンが『平行詠唱』を扱えることや、Lv.2の格上を倒したこともそうだが、エレンの動きが、アイズ達の身内や知っている人物の動きに
「……リヴァリア。あの彼の動きについて、どう捉える?」
「『平行詠唱』に加えてベートの足技に似た動き……エレンをあの『魔女』と重ねてしまった自分がいる……とても複雑だがな」
「『他者の動きの再現』───まさかな」
フィン、リヴェリア、ガレスがエレンの動きを、とある人物と重なって見いていた。
数多の才能に愛された怪物。
『魔法』のみならず、その『才能』すら手にしてしまったのかと、嫌な想像をしてしまった彼らの表情はとても複雑なものだった……。
***
「【
「あぁ、エレン君が『アルフィアさんを倒すには、
「どんな状況になったら、そんな考えに辿り着くのよ……」
《スキル》
【
・『器用』に大きな補正をかける。
・他者の動きを解析し再現。再現する動きの精度は、潜在値を含めた『器用』の数値に依存する。
・魔法に対する耐性の向上。『音』の魔法の場合はさらに向上。
ロキとの喧嘩に見事勝利を収めたヘスティアは、エレンの【ステイタス】が書かれた紙を元にアストレアやヘファイストスに説明する。
彼女が言うには、エレンの新しいこの【スキル】は、『
他者の動きの再現もアルフィアのように今のエレンでは完全には再現できず、『似ている』が現状である……。
それでも、この【
現にエレンが行っていた『平行詠唱』は、アルフィアの動きを
さらに、エレンが使った
エレンの模倣条件は【
解析には様々な方法があるが、
さらに格上の相手の動きを
アルフィアなら相手の動きを一目見ただけで
「じゃあ、その気になればあの子は私の動きも
「出来なくはないと思うけど、君みたいな『武神』の動きの
「でも、ヘスティア。仮にあの子が第一級冒険者の動きを
アストレアがダメもとで『
『武神』の技術は、『技』のみで言えば、第一級冒険者相手でも勝つことは可能。
しかし、エレンが『武神』の動きを
ヘファイストスがヘスティアの説明を聞いた上で、納得できない部分があった。
それは、エレンがリッソスを
いくらエレンが
それこそ、膨大な
ヘファイストスの問いかけに『あ~、それについてはね~』と答えようとすると、物凄い剣幕で1柱の男神がヘスティアに詰め寄ってきた。
「ヘ、ヘスティアッ!? お、お前のあの
「何って……ボクの可愛い
「そんなことを聞いているんじゃない!? リッソスは私のヒュアキントスに次ぐ実力者! 我が【ファミリア】のナンバー2! あと少しでLv.3になれる子なんだぞ!? そんな私の可愛い
「そんな訳無いだろう……それに、エレン君がLv.2に勝つことは、
「はっ?」
「だって、あの子───」
***
「き、緊急速報っ!! 緊急速報です!! たった今、【バベル】30階層から信じられない情報が届きましたーーー!!!」
解説席で実況を行っていたイブリの手元に一通の紙が送られてきた。
イブリが『何々? らぶれたー?』と冗談を口にしながら、紙に書かれている内容に目を通すと『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!??』と大声を上げ、急いで拡声器に声を通し始めた。
「さ、先程ッ! リッソス選手を瞬殺したエレン・エウロギア選手についての情報が届きました!!」
『『『ゴクリ』』』
「な、何と!! エレン・エウロギア選手!
『『『えっ?』』』
「し、しかも!? あの【
「噓ぉーーーーー!? ベル君の記録抜かれちゃったのッ!?」
『『『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!???』』』
イブリからの情報を聞いた冒険者達や神々は驚きを隠せなかった……。
【剣姫】の記録を塗り替えたベルの記録を、さらに塗り替えす『偉業』。
多くの冒険者達が『何かの間違いでは!?』とか、神々の間では『ヘスティアの改造疑惑』が浮上しており、【ロキ・ファミリア】内でも同様だった……。
***
「ベルの記録……抜いた?」
「ウソーーーー!?」
「次から次に……一体どうなってるのよ、あの雄は?」
「ありえねぇ……」
「ハ、アハハハ……ベル・クラネルの記録を塗り替える……へ、変態!? やっぱりあの人は変態なんですぅ!!」
アイズとティオナがベルの記録が超えられたことに驚き、ティオネは何が起こっているのか理解できず、ベートはエレンの【ランクアップ】を信用できず、レフィーヤはエレンを『変態』呼びしていた。
「んーーー。
「笑い事ではないぞ、フィン。 しかし、この短期間での【ランクアップ】……私も気になるな」
「何を言っておる? アルフィアの『魔法』に、アルフィアと同じ模倣の動き。 ここまで来たら、あの若造の【ランクアップ】にアルフィアが関わっているのは明白じゃろう」
「「……」」
フィンとリヴェリアがエレンの【ランクアップ】の秘訣が何なのかと考えていると、ガレスが核心を突く内容を口にする。
無論、フィンとリヴェリアも気が付いてはいたが、既にお腹いっぱいの状態だったので、あえて触れていなかっただけ───ある意味現実逃避をしていた。
そして、アルフィアがエレンの【ランクアップ】に関わっているのは、間違いではなかった……。
何故ならエレンの【ランクアップ】の決め手になったのは、
訓練中、アルフィアにボコボコにされたエレンはどうしてもアルフィアに一撃を入れたい一心で【
『魔法』をわざと暴走させ、『
しかし、『
しかし、『
流石のアルフィアも、『
ナイフがアルフィアの頬を掠り、土煙が晴れた時には、アルフィアの顔には一線の切り傷ができていた。
掠り傷ではあるが、Lv.1がLv.8に傷をつける行為は普通はできず、それが『偉業』判定となり、エレンはLv.2になることができた。
因みに、アルフィアに傷をつけたエレンは、アルフィアに死なない程度にフルボッコにされ、海に沈められた……。
「【代償はここに。罪の証を持って万物を滅す】」
二度目の【ジェノス・アンジェラス】が完成間近の状態になり、【アポロン・ファミリア】の冒険者達の顔色は、真っ青になっていた。
もう、自分達を守ってくれる『結界』はない。最初の【ジェノス・アンジェラス】の攻撃で、『対巨竜防御結界』は、完全に破壊され、使い物にならなくなっていた……。
次に放たれる【ジェノス・アンジェラス】は直撃……それが嫌でも分かってしまった冒険者達は既に戦意を喪失しているが、エレンはお構いなしに、詠唱を完了させた。
「【哭け、聖鐘楼】!!」
再び上空に青い小さな鐘が出現する……。
その小さな青い鐘は次第にひび割れていき、それを確認した冒険者達は恐怖のどん底に叩き落されていく……。
【ジェノス・アンジェラス】
【アポロン・ファミリア】の冒険者達は、最後の詠唱を聞いたが最後───大爆音が鳴り響くと共に意識を失っていた……。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
【
エレンの【ジェノス・アンジェラス】は、エレン本人の実力で発動する『魔法』の威力が変わるので、アルフィア程の威力はありません。(それでも馬鹿にできない威力ですが……)
【
【ヘラ】の遺産は、この作品のオリジナルです。次で登場予定なので、お楽しみに♪
エレン
今回の『