聖火の精霊が英雄達を手助けするのは間違いだろうか 作:フェイト・
そのおかげさまでお気に入り数が2000を突破しましたー♪ マジ?
これからも、面白いも思ってもらえるような作品を投稿していこうと思っているので、応援よろしくお願いします!
【ジェノス・アンジェラス】
エレンが最後の詠唱を完了させ、上空には小さな青い鐘が罅割れていく光景が、冒険者達の表情を絶望へと染め上げていった。
それこそ、
「なんちゃって♪───あっ」
エレンが指パッチンをしたと同時に、塔の1つが激しい大爆発が発生───それを【ジェノス・アンジェラス】の発動と勘違いをした冒険者達が、続々と口から泡を吹いて倒れていった……。
因みに、【ジェノス・アンジェラス】はエレンが
「う~ん。ハッタリ目的で発動したけど、ベルの砲撃と被っちゃうとは……」
エレンの2度目の【ジェノス・アンジェラス】を
いくら、
故に、【ジェノス・アンジェラス】を
「ベルも予定通り、ヒュアキントスの所まで行けたみたいだね───なら」
エレンが大暴れしている間に、ルアンに変装したリリが裏門からベル達を『要塞』の中に侵入させ、ベルとヒュアキントスが大将同士の一騎打ちの状態に持っていく───これが今回の作戦。
ヴェルフと命の2人は、ベルが無傷の状態でヒュアキントスの所に行けるように護衛と増援の足止め。
リリは、ベルの所に増援を向かわせないように、『要塞』の中で冒険者達を攪乱させる手筈になっている。
ベルの大砲撃で、崩壊した塔の上から剣戟がぶつかる音が聞こえてくる。
すると、ベルの大砲撃の音を聞きつけた他部隊が崩壊した塔に向かっているのを確認したエレンは、向上したLv.2の【ステイタス】で壁を駆け上がり、他部隊の前に立ち塞がった。
「なぁ!? き、貴様は……!」
部隊の先頭を走っていた大斧を背負い立派な髭を生やしたドワーフの戦士が、エレンの登場に急制動をかけ、大斧を構える。
他の団員達もエレンがやって来たことに驚きつつも各自の武器を抜き、臨戦態勢を取った。
「こんばんは♪ 今ベルの大事な戦いの真っ最中なんだ……。だから、邪魔しないでくれると助かるんだけど───どうかな?」
「ふざけるなぁ!! 貴様をさっさと倒して俺たちは団長の所に向かう! 【リトル・ルーキー】を討ち取りさえすれば、我々の勝利なんだ!」
エレンがダメ元で交渉を行うが、槍を装備した青年の
「それに、貴方はもう戦う力は残っていないんでしょう? さっさと降伏したらどう?」
「?」
「とぼけないでッ!! 超長文詠唱を連続詠唱させるなんて、貴方の
杖を装備しているヒューマンの女魔導士が、今のエレンには戦う力は残っていないと断言するが、エレンはその内容に首を傾げる。
「リッソスには劣るが、俺達は全員Lv.2だぁ!! それに、俺達は『ゴライアス』を討伐した精鋭部隊!! 貴様ができる事はもう何もない!」
「あ、貴方の戦う所をずっと見てたけど、
さらに、リッソスと同じエルフの双剣使いの男が『自分達は精鋭部隊だ!!』と豪語し、その後ろでは、弓を弾いている
超長文詠唱とは、それだけ
そして、エレンはここまでの戦いで、
この現象には、『
「ん~~~。なんか変な勘違いをしているようなので、1つだけ訂正させてもらってもいいですか?」
「……なんだ? 俺達が、何を勘違いをしていると言うのだ?」
青年の
「自分……【ジェノス・アンジェラス】を
『『『───はっ?』』』
エレンの発言を受けた【アポロン・ファミリア】の精鋭部隊が一同、耳を疑った……。
『どうせ、ハッタリだろうッ!』と青年の
「───【祝福の禍根、生誕の呪い、半身喰らいし我が身の原罪】」
『『『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!???』』』
***
「……ありえない」
「レフィーヤ、どうしたの?」
「だ、だって、……あのヒューマンは超長文詠唱を連続で詠唱しているんですよ? 『
それなのに、Lv.2になり立てほやほやの冒険者が、なぜあそこまでの連続行使を可能にしているのか、理解できず目を回らせていた。
「リヴェリア、君はエレンのあの『絡繰り』についての考えを聞かせてくれないかい?」
「どうした、急に? フィンの事だから、大方見当はついているだろう……?」
「まぁね。でも、魔導士の君の意見を聞きたくなってね? 今の君はどのように考えているんだい?」
『
話の内容は、『超長文詠唱を連続行使させるエレンの絡繰りについて』であり、リヴェリアが『お前はもう見当がついているだろう』と呟くが、フィンは『是非とも、
「まぁ、いい。あの『絡繰り』は、恐らくは【スキル】による『
「やはりか……しかし、超長文詠唱を連続行使を可能にするほどの回復力───可能なのか?」
「恐らく、厳しい条件があるハズだ……多分、ベートの【スキル】に似ているんじゃないかい?」
「あ”? 俺様が何だって?」
「【
フィン、リヴェリア、ガレスの3人がそれぞれの考えを照らし合わせ、エレンの『絡繰り』について考察をし、幹部のベートと似たような【スキル】なんじゃないかとたどり着いていた。
ベートの【
その内容は、月の光を浴びることで体に宿る獣性と力の解放であり、身体能力の向上、【全
この【スキル】に似た内容なら、エレンの『絡繰り』にも納得できるが……『流石にやり過ぎなんじゃないか?』と思った3人だった。
***
「これが、【
「あぁ、エレン君の【ランクアップ】と同時に判明したんだ。まぁ、『ダンジョン』じゃ使えない効果だから、活躍の機会はあまり無いと思うけどね……」
「それでも、とんでもない効果よ……発動条件は厳しいけど、発動さえしちゃえば
【バベル】30階層にいるヘスティア達が、エレンの【
【
【
それは、『月の光を浴びている間、
「「『
【
一部例外に発展アビリティ『精癒』と呼ばれる精神力を自動回復させるものや、【スキル】の効果で回復できるケースもあるが、どれもレアケースであり、回復量も微々たるものだったりする。
しかし、エレンの【
【ジェノス・アンジェラス】のような超長文詠唱に必要な
これにより、エレンは
そんな変な進化を遂げたエレンは、【アポロン・ファミリア】の精鋭部隊と交戦を始めたようだった……。
***
「ふんッ!!」
先陣を切ったドワーフの冒険者が、持っている大斧を思いっきりエレンに振り下ろした。
エレンは、その攻撃を【
「うわぁッ!?」
槍を持った
これも、エレンは何とか体を強引に捻じることで、回避できたが僅かに脇腹を掠り負傷……さらに、強引に体を捻った影響で左足を痛めてしまった……。
「はぁぁぁッ!!」
「あ~、もうっ!! ちょっとは待ってくださいよ!!」
エレンの訴えもガン無視し、エルフの双剣使いが両手にそれぞれ長さが異なる剣を装備して向かってきた。
エレンは【ジェノス・アンジェラス】の詠唱を一時中断し、【
「───げぇっ!?」
エルフの双剣使いの顔の真横から、1本の矢が飛来。
あと少しで眉間に突き刺さろうとした所を、首を横にズラすことで回避。
しかし、矢を回避した影響で双剣使いの攻撃を迎撃できず、体に無数の斬り傷を付けられてしまった。
「───にゃろッ!!」
双剣による負傷を負っても、【
エレンは大勢を立て直そうと距離を取ろうとした瞬間───魔力の気配を感じたエレンは感知した。
「これは───あの魔導士の!?」
エレンから離れた場所で『詠唱』を行っている女魔導士が
エレンは急いで『詠唱』の完成を阻止するべく、魔導士の所に向かおうとするが『詠唱』を行っている魔導士の後ろで、弓を弾いている
狙いはどれも正確であり、しかも速射で次々と飛来してくる矢にエレンは、回避と防御で精一杯だった。
「これは───火薬ッ!?」
エレンが飛来する1本の矢を叩き落すと、真っ黒い粉が空中に舞い上がった。
エレンは臭いで、この真っ黒い粉の正体が火薬であると分かると、その場から離れようとした途端、2本の矢がエレンの両足に突き刺さりエレンの動きを止めた。
そこに、魔導士の『詠唱』が完了。
エレンにいた場所に炎の大火球が投下……さらに追い打ちとばかりに、空中に舞い上がった火薬に引火したことで大爆発が発生した。
「やったか?」
「───いえ、まだです……!」
女魔導士の問いかけに、
黒煙が次第に晴れると、ボロボロの状態のエレンの姿があらわになった……。
「チッ、『誘爆』して欲しかったけど、これでだいぶ削れたハズ───今度こそ!」
魔導士の女が再び『詠唱』に入ると、同時にエレンを逃がさないように前衛職の冒険者達が、前と後ろを挟むように取り囲んでいた。
「(
エレンは、周りを警戒しながら腰に身に着けているポーチに手を伸ばしたが、中に入っている回復アイテムがダメになっていることに気が付いた。
いつのもエレンなら、自身の回復魔法で傷やダメージをすぐに癒すが、今のエレンは【ジェノス・アンジェラス】の詠唱を中断させ、待機状態を維持していた。
この状態のエレンが回復魔法を使いたい場合は、
何より、エレンを囲んでいる冒険者達が、
***
「あ、あの~。アイズさん。少々いいでしょうか?」
「ん? 何、レフィーヤ?」
「え~と、どうしてあのヒューマンを取り囲んでいる冒険者達は、攻撃を仕掛けないんでしょうか? 今が絶好の
「ん~~~と、多分……」
『
魔導士であるレフィーヤの見立てでは、今のエレンは【ジェノス・アンジェラス】の『詠唱』を中断させている状態……つまり、ほかの魔法を使えない状態。
怪我も『
明らかに弱っている『今』がチャンスなのに、周りを囲んでいる冒険者達は攻撃を仕掛けてこない理由が魔導士のレフィーヤには分からず、近接戦闘が得意なアイズに尋ねることにした。
なお、レフィーヤに聞かれたアイズは『先輩としてしっかりと答えてあげないと!』と、あれこれ考えるがどう伝えたらいいか内容が纏めることができず目を回していると、まさかの人物が答えてくれた。
「んなもん、あの腰抜け共が盾野郎に
「えっ? ビ、ビビってるって……何に、ですか……?」
「あ”ぁ そんなの
「???」
まさかの人物。ベートがレフィーヤの疑問に答えてくれたが、言葉足らずと言ってもいい内容に、レフィーヤの疑問はますます大きくなってしまった。
「(ビビってる?、怖い?、何が……?)」
疑問がさらに大きくなってしまった影響で、アイズと同様に目が回ってしまったレフィーヤに気が付いた師のリヴェリアは『言葉足らずにも、程があるだろう』と愚痴を零しながら、ベートの発言に対して補足を始めた。
「レフィーヤ。
「はいっ!? え~と、求められているものの多くは『火力』です。どんな不利な状況でも、それを覆す程の『火力』があれば、
「そうだ。故に我々魔導士は、何が何でも『魔法』を完成させなければならない。それは分かるな?」
「は、はい!! もちろんです!!」
リヴェリアの解説を聞きながら、レフィーヤは過去の出来事を思い出しながら、魔導士としての再認識を始めた。
魔導士とは、発展アビリティ『魔道』を発現させた者を指すことが多く、『階層主』戦には、欠かせない存在でもある。
故に魔導士に求められるものの多くは圧倒的な『火力』であり、いかに『火力』をさせられるかが魔導士には求められる。
「だが、我々魔導士は
「ば、『爆弾』ですか……? 確かに私達の扱う『魔力』は魔力操作を怠ると『
リヴェリアのさらなる問いに、レフィーヤは自身の知識の中から回答を導き出していると、疑問が解消された。
今のエレンは、【ジェノス・アンジェラス】という名の『
『
さらに、その爆発力は近くにいる敵味方関わらず、被害をもたらすので『
「つ、つまり……あのヒューマンは……!?」
「うん、彼は『生きた爆弾』のようなものだね。 最初に放った【ジェノス・アンジェラス】の威力は、【アポロン・ファミリア】は嫌というほど知っているからね~。 向こうも下手な攻撃が出来ないのさ」
「あの若造も『
レフィーヤが、ベートの言った内容が理解できると同時に、表情が真っ青になった。
さらに、フィンとガレスが近接戦闘を行う冒険者として『エレンのような存在が最も厄介』と評価し、さらにレフィーヤの表情が青くなる。
確かに『
外からの攻撃で受けるダメージとは異なり、『
下手をすれば術者本人が命を落とす危険性すらある『
***
「(───さて、どうしようか……)」
囲まれている状態のエレンは、周りを警戒しながらこの危機をどうやって脱するか考えていた。
向こうも『
『魔剣』を使えば何とかなりそうだが、威力が高すぎて下手をすれば死人が出る危険性があり、いくら『自爆戦法』」を使うエレンでも、人殺しは不本意だった。
「(───
ザルドやヘルメスが『極力……いや、絶対使うなぁ!!』と言っていたが、状況が状況。
エレンは、【
「(黒い指輪……?
ドワーフの冒険者が気が付いた時には、黒い指輪はエレンの左手の薬指にはめられていた。
「解析、開始……!」
エレンが黒い指輪をはめると同時に、エレンが何かを呟くと、エレンの頭の真上に
***
「エレン・エウロギア選手! 突然、輪のようなものが現れたと思った途端、攻撃を仕掛けたぞー!! 今度は一体何を─────こ、今度は何だーーーっ!?」
『
『『『あqwせdrftgyふじこlp』』』
「だ、誰かぁーーー!!
実況席が置かれている広場は発狂した男や男神達が、訳のわからない言葉を発しながら次々と倒れていった。
アーディはすぐに、【ディアンケヒト・ファミリア】に救助要請をするように、近くにいた団員に声をかけたが、【バベル】ではもっと騒ぎになっていた。
***
『『『あqwせdrftgyふじこlp』』』
『『『何で、ヘスティアの
『
この女神達の中には、フレイヤも含まれており、口につけていた葡萄酒を近くにいたヘルメスに吹き出して、せき込んでいた。
ヘルメスは大声で『ありがとうございます!』と感謝の言葉を口にし、近くにいた
そんなヘルメスに構う暇もなく、フレイヤは『黒い指輪』について、
「ヘスティアッ!? 何で貴方の
「な、なんだよ、フレイヤ!? そんなに慌ててどうしたんだい……?」
「どうしたのも何もっ!? あの『黒い指輪』は【
「へぇっ?」
フレイヤのまさかの内容に、近くにいる
だが、ヘスティアは【ヘラ】の遺産について、
今この場で【ヘラ】の遺産に関わっていたのはヘルメスであり、アルフィアから『持ってこい』と脅され、泣く泣く【ギルド】の保管庫から持ち出された代物である。
【ヘラ】の遺産───その名も【
【ヘラ・ファミリア】が『最凶』と呼ばれる前の大昔、【ヘラ】の眷属の1人が真っ白い『魔法石』と呼ばれる石を加工して、主神への贈り物として献上したものだったらしい。
眷属からの贈り物だった白い指輪を【ヘラ】はとても大切に扱いっていたが、長い年月、自身の『神威』や浮気男の『血』を浴び続けた結果───真っ黒い指輪へと変貌しており、『
その特殊効果は───。
***
「
「あぁ。それに、【
「しかも、あの若造は【スキル】の力で複数の発展アビリティを発現できる。本来、発展アビリティの『昇華』には、膨大な『経験値』が必要だが、【
「……」
「それじゃあ団長。あの雄の頭の真上にある青い輪のようなものは……?」
「うん。少なくとも【
エレンが【
『
***
「【禊はなく。浄化はなく。救いはなく。鳴り響く天の音色こそ私の罪】」
「『平行詠唱』……!?」
「こ、こいつッ!? あれだけのダメージだぞ!! なぜ動ける!?」
「しかも、最初のより『魔力』の量が尋常じゃねーぞッ!? と、止めろぉぉぉぉぉ!?」
エレンが槍を装備した
今のエレンは、【
これは、発動する『魔法』の威力が底上げされることを意味し、エレンの足元に展開されている
さらに、エレンは
エレンが発現させた【スキル】───【
エレンが『解析』を発動すると、自身の頭の真上に青い法陣が出現すると同時に『解析』が始まり、時間経過で『解析』が完了すると同時に、青い法陣が回転することでエレンは『
最初は、亀のような解析スピードだが、その間に『解析』したい『対象』の
『解析』の時間は『対象』によって大きく異なるが、エレンよりレベルが上の存在を『解析』しようとすると、膨大な『解析時間』が掛かるのはアルフィアとの修行で確認できている。
エレンは、『平行詠唱』を行いながら、槍使いの『解析』を始めていた。
「【神々の喇叭、精霊の竪琴、光の旋律、すなわち罪禍の烙印】」
「クソッ!? 詠唱を止めることができねぇ……!?」
「こっちは3人だぞ!! なぜ、攻撃が当たらない!?」
「それにその怪我でなぜ動けるッ!? 明らかに重傷だろうッ……!?」
エレンは『平行詠唱』の『攻撃』を捨て、残りの『防御』『移動』『回避』の3つに集中し、『詠唱』を続けていた。
今の負傷した状態では、碌なダメージを与えることができないと判断したエレンは『詠唱』の完成を目標に設定した。
さらに、【ジェノス・アンジェラス】をいつ爆発するか分からない『爆弾』として利用し、相手をけん制───向こうは気が付いていないが、攻撃を当てられないのは『
さらに、常に一対一の状況になるように立ち回りながら、女弓使いや女魔導士が誤射を恐れて攻撃できないように、エレンは動き回っていた。
「【箱庭に愛されし我が
【ジェノス・アンジェラス】の『詠唱』が確実に進み、冒険者達の表情がどんどん青ざめていき、攻撃も比例して疎かになりつつあった……。
さらに……。
ガコンッ!
「な、なんだッ!? なんの音だ!?」
「どこから鳴りおった!?」
「あ、アイツだッ!! アイツの輪が
【
しかし、これといって変わった様子はなかったが、エレンは薄っすらと笑みを浮かべており、槍使いの
「ッ!? こ、このぉーーーーッ!!」
エレンの接近に驚きつつも槍の一撃を突き出すが、エレンは突き刺さる寸での所で回避し、
「お、おいっ!? はなs───がぁッ!!」
エレンは『
顎を打ち抜けれた
ドワーフとエルフの2人から距離が離れたことにより、誤射の心配がなくなったと判断した小人の女弓使いがエレンに向けて10本の
弓を射るが……。
「嘘ッ!? 全部撃ち落としたぁぁぁ!?」
「アイツっ!! 槍を扱えるのぉ!?」
エレンは奪い取った槍を高速で回転させることで、飛来してきた矢を全て叩き落すと同時に、今度はエルフの双剣使いに向けて
エレンは槍のリーチを生かして、相手の双剣の攻撃範囲の外から攻撃を仕掛けた。
エルフの双剣使いは、何とか双剣を駆使し攻撃を捌くことができたが、エレンは槍の猛烈な突きの連続攻撃を仕掛けた。
「(こ、これは、
エレンはさっきの
エレンは、『
吹き飛ばされたエルフが壁に激突して意識を失うと同時に、ドワーフの冒険者との一騎打ちになったエレン。
相手は全身を
「……」
「ガハハッ! 槍がダメになったか?一応言っておくが、儂はさっきの奴らより頑丈じゃぞ?」
ドワーフの冒険者が身に着けている
ドワーフはほかの種族に比べると、『力』と『耐久』に優れた種族。
そこに、性能が高い
「……随分と耐久力に自信があるようですねぇ───なら!」
「むぅ!?」
エレンはダメになった槍をドワーフに向けて投擲し、ドワーフは『フンッ!』と、
「あやつ、一体どこに───ぬぅッ!?」
エレンを見つけ出そうと、被っている甲冑のバイザーから辺りを見渡していると、背後から誰かに羽交い絞めにされた。
「【代償はここに。罪の証を持って万物を滅す】」
「ま、まさかお主……!?
背後から聞こえる『詠唱』と尋常じゃない魔力が暴走する気配を感じたドワーフの表情が一気の青ざめた。
「我慢比べをしましょう?」
「やめろぉおおおおおおおおおッッ!!!」
ドワーフは装備していた雷の魔剣をゼロ距離でエレンに向けて放つが、魔力の暴走は止まるどころかさらに加速していった……。
「【哭け、聖鐘楼】───ッッ!!」
エレンが最後の詠唱文を読み上げると同時に、エレンの体から暴走した魔力が輝きを放ち、大爆発を巻き起こした。
さらに、エレンの大爆発と連動するように、ベルが戦っていたヒュアキントスが放った『アロ・ゼヒュロス』が
2つの大爆炎が『
「嘘……? ほ、本当に自爆した……?」
「で、でもッ!? 今度こそ倒れたハズですッ!!」
遠くからエレンの『
Lv.2の冒険者1人相手に精鋭部隊の前衛3人がやられる異常事態だが、まだ『戦争遊戯』は終わっていない。
魔導士の女は念のために詠唱を終えて待機状態にしている魔法を維持した状態で、ヒュアキントスの所に向かおうとすると、仲間の様子がおかしいことに気が付いた。
「ねぇ、どうしたの?」
「あ、あぁぁ!? あれはッ!?」
震える声で指を差す方向を見ると、『
土煙が風によって次第に薄れていくと同時に人影の状態が判明する。
最初は、『
「そんな化け物を見るような顔はやめてくれます? 結構傷つくんですけど……」
土煙の中から現れたのは、回復魔法の青い炎を纏ったエレンだった。
度重なる攻撃や魔剣による魔法攻撃……さらには、『
このエレンの姿を見てすっかり恐怖した2人は、すかさずエレンに攻撃を加えた。
魔導士の女は待機状態にしていた魔法を発動させようと杖を握り、弓使いの小人は速射でエレンを狙い撃つが、既に慣れてしまったエレンに躱されてしまった。
エレンは『お返しだ!』と言わんばかりに飛来してきた矢を一本を掴み取ると、納刀していた【
「えっ?───きゃぁ!?」
エレンが飛ばした矢は魔法を発動させようとした魔導士の杖に命中し、まさか撃ち返してくると予想していなかった魔導士は、腰を抜かしその場に倒れこんでしまった。
「「あっ」」
なお、そのせいで完成直後の魔法は行き場を失ってしまい自爆……『
「ふぅー。取り合えずここは終わったかな? ベルの所に応援は───いらないみたいだね」
【アポロン・ファミリア】の精鋭部隊との決着をつけたエレンは、ベルの増援に向かおうと思った瞬間───『戦争遊戯』の終了の鐘が鳴り響いた。
勝敗は大将のヒュアキントスを討ち取り、【ヘスティア・ファミリア】の勝利。
圧倒的戦力差を覆す
***
「ホームを含めた全財産は没収、【ファミリア】も解散───そして主神である君は永久追放、二度と【オラリオ】の地を踏むなァ──────ッッ!!」
「ひぎゃああああああああああああああああああっっ!?」
【バベル】30階層では、【ヘスティア・ファミリア】が勝利を収めたことで、ヘスティアがアポロンに容赦のない罰則を叩きつけていた。
自分が負けると思ってもいなかったアポロンが調子に乗って言ったことであり、ヘスティアは容赦なく自分の眷属の
「ふぅ~、ボクはまだまだ物足りない感じだけど、ここから先は君に任せるよ───
「へっ?」
腰を抜かしたアポロンを見下ろしていたヘスティアだったが、突然、アポロンの後ろの方に視線を向けて、とある女神の名を口にした。
アポロンが恐る恐る後ろを振り向くと、エレンと同じ青い長髪を持った女神がアポロンを見下ろしていた。
さらに、その表情は笑っているように見えるが、その女神からはとても禍々しいオーラが溢れんばかりに漏れ出しており、アポロンの顔が絶望に染まっていった……。
「ア、アルテミスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッ!!??」
「私の『オリオン』と『息子』が随分世話になったそうじゃないか───
「アホロン!?」
アルテミスが怒りに満ちた笑みを浮かべながらアポロンに詰め寄り、アポロンは腰を抜かした状態で何とか後退するが、ジワジワと距離を詰められていった。
なお、周囲のいた神々の反応は『アルテミスゥ!?』とか『オリオンって誰?』とか『息子って誰だ!?』とか『【天界】に送還されたんじゃないのぉ!?』など様々な反応があり、ロキやフレイヤもアルテミスを亡霊を見ているかのよう驚いていた。
しかし、そんな周りの反応なんてお構いなしに、アルテミスはアポロンの顔を鷲掴みにし、あらん限りの力を込めた。
「アダダダダダダダダダダッッ!!!!」
「『オリオン』と『息子』は私にとって大切な存在だ。そんな子たちの手を出したんだ。覚悟はできてるんだろうなぁ……?」
武神としての側面を持っているアルテミスの拘束から逃れられるハズもなく、アポロンはアルテミスの手によってどこかに連れていかれアポロンはほかの神々に助けを求めたが……。
「アホロン……お前はいい奴だったよ、多分」
「元気に逝ってこい、アホロン!」
「お前のことは忘れないぜ、アホロン!」
発狂から回復した男神達から、両手で合掌され、見送られる始末……。
アルテミスによって引きずられるアポロンは、暗闇の通路へと消えていき、男神達はアホロンの最後に敬礼をした。
そして、この日の夜は【オラリオ】の光が消えることのない熱い夜となり、その熱量は数日間は続いたらしい……。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
エレンの【
法陣が回転すると、それが『解析』が一段落終了した合図であり、その時点で『
なお、この『解析』には
なお、アルフィアの『解析』には、法陣1回の回転に2時間かかっています。(そのせいで、開始時刻が夜まで伸びています)
【
【
主に、『永遠の愛』と言う意味合いで使われていますが、エレンが身に着けている【
エレン
色々と派手に暴れたり、ヤバイ物を身に着けたり、自爆したりと大暴れした影響で2つ名ではないが【
アルテミス
『
アルフィア
ヘルメスに【
なお、アルテミスから送られた
敬礼!!