聖火の精霊が英雄達を手助けするのは間違いだろうか 作:フェイト・
『ダンジョン』
そこは、恐ろしいモンスターを生み落とす地下迷宮。
富、力、名声などを求める『冒険者』が、日々『ダンジョン』に潜り、『魔石』を始めとした『
「【セイクリッドフレア】」
そんな『ダンジョン』で、多くの冒険者を癒しす1人の
「大丈夫ですか~?」
「あ、あぁ……助かっt───って!? 【
「ははは。ごめんなさいねー、
重症だったドワーフが、青い炎を浴びて途端に、傷が綺麗に消えていき、最終的に傷1つ無い状態へと戻っていた。
ついさっきまで走馬灯を見ていたドワーフには、目の前にいる
その男の名は、エレン・エウロギア。
Lv.2になった
そんな不名誉な呼び名で呼ばれているエレンは、少し離れた場所で回復魔法を行使している
「【ディア・フラーテル】!!」
その聖女を中心に白い光が広がり、怪我を負っていた多くの冒険者達を癒していく。
ことの発端は、今から1時間前のことだった。
この日のエレンは、【ディアンケヒト・ファミリア】の
毎日のようにやってくる負傷者の治療をエレンに【バベル】の治療施設で、
エレンの回復魔法は超短文詠唱で高い回復効果を発揮できる。
その回復魔法をフル活用し、エレンは【バベル】の治療施設に運び込まれてくる負傷者を次々と回復させていった。
まぁ、運ばれてくる冒険者達の殆どが
内容は骨折を負った者が殆どだったが、全部エレンの回復魔法でしっかりと治し、その日の内に退院していった。
そんな時……。
「……なんか、下が騒がしいような……?」
治療施設の中の怪我人が0になり、すっかりと暇になったエレンは、
何やら、慌ただしく動いている人の気配に気が付いたエレンは、『何かあったのかな?』と思っていると、治療施設の扉が勢いよく開き、1人のギルド職員が入ってきた。
「お、おいッ! 急いで【バベル】の地下1階に来てくれ! 怪我人が大勢いるんだぁ!!」
全身汗だくの状態で息を切らせながらやってきたギルド職員の話によると、理由は不明だが『ダンジョン』から怪我人が大勢運び込まれてきたらしいとのこと。
その話を聞いたエレンは、治療施設にいたほかの治療師と共に、【バベル】の地下1階へと向かったが、現場に到着した時には既に
現場には、白い光が負傷した冒険者達の傷を癒しており、その光景に周りにいた冒険者達は、視線を釘付けにされていた。
その白い光の中心には、1人の『聖女』が祈りを捧げるかのような姿勢で魔法を行使しており、白い光が消えた時には、周りには怪我人が0の状態になっていた。
「あれ? 無駄足だった?」
「フフフ、そうみたいね、エレン♪」
「ん?」
急いで向かっていたハズだったが、今回の
その人物の名は、アミッド・テアサナーレ。神々から【
そして、エレンに声を掛けてきたのは、【アストレア・ファミリア】の団長、アリーゼ・ローヴェル。
さらに、その後ろにはライラやネーゼの姿があり、如何やら巡回中に騒ぎを聞いてやってきたらしい。
アミッドに関しては、
幸いにも都市最高峰の
「「「『中層』のモンスターが上がってきた?」」」
「ホントだってッ!! いきなり『ヘルハウンド』や『アルミラージ』が12階層に押し寄せてきたんだぁ!!」
「「「マジか~」」」
彼らの主張だと、『中層』から生まれてくるモンスターが『上層』に上がってきたと言っているのだ。
もし、その話が本当だった場合は、ただ事ではない。
その話を聞いた周りの冒険者達は、大きなざわめきが起きていたが、【アストレア・ファミリア】の反応は『またかよ~』といった反応だった。
何しろ、彼女達は前に1度モンスターの地上進出を防ぐために戦ったことがあったが、あれは地獄だった。
『深層』のモンスターに加えて『階層主』も上がってくる
しかし、その地獄が再び始まろうとしている状況に、戦乙女達の表情が曇っていると、1人の聖女が立ち上がった。
「アリーゼ・ローヴェル様」
「ん? 何かしら、アミッド?」
「私はこれから『ダンジョン』に
「はい?」
何か聞き間違いのような言葉が聞こえたが、その声の主はさらなる言葉を重ねてきた。
「先程の冒険者様の話だと、如何やら逃げ遅れた冒険者がまだ大勢いるようなのです。早く助けに行かなければ」
アミッドの話だと、『ダンジョン』には逃げ遅れた冒険者が取り残されているようで、中には怪我人も存在しているとのこと。
ゆえに助けに行かなければ! と、アミッドは護衛をアリーゼ達に依頼しているのだが、アリーゼ達は『マジかよ、この聖女』とドン引きしていた。
「おいっ、アリーゼ。どうするんだ?」
「……そうね。もし、本当にモンスターの進出が本当だった場合は、手遅れになる前に対処したいわ」
「了解だ。おい、そこのギルド職員! 街の巡回をしている他の奴らを集めさせといてくれ!」
「わ、分かりましたッ!!」
ライラから指示を受けたギルド職員は急いでその場を離れていった。
アリーゼ達は、すぐにでも『ダンジョン』に潜るべく準備を進めながら、近くにいる
「え?」
「フフーン♪ 貴方も来なさい♪」
「え? いやっ。ちょっ!?」
「後衛がいねぇんだ。お前さんの『魔剣』なら十分活躍できるぞ!」
「行くって一言も言ってませんよっ!?」
「「いいかいいから」」
アリーゼとネーゼは、エレンの両腕をそれぞれ拘束し、そのまま『ダンジョン』へと潜っていった。
その後に続くようにアミッドとライラもダンジョンへと潜っていったが、迷宮には1人の青年の悲鳴が木霊していたらしい……。
***
「ホント。その『魔剣』の『
「『詠唱』要らずであの威力なんだよな~」
「『
「だからって、全部押し付けることなかったですよね!? ここに来るまでの殆どのモンスター全部相手にされたんですけどッ!?」
「「「だって、そのほうが早くて楽できるし」」」
場所は『ダンジョン』の11階層。
ここには多くの負傷した冒険者が集まっており、12階層に繋がる通路は魔法の氷によって塞がれている状態だったのをアリーゼ達が発見し、アミッド達が治療を施していた。
因みに、ここに来るまでのモンスターは全て、エレンの【
上級魔導士の魔法以上の威力がある『
「で? 私達は、『中層』のモンスターが『上層』に上がってきたって聞いたけど、ホントなの?」
「あ、あぁ……。見ての通り、通路は塞いでいるから今のところ大丈夫だが、いつまでもつか……」
アリーゼが1人の冒険者から話を聞いていたが、やっぱり本当のことだったらしい。
冒険者が指をさす先には、氷で塞がれた12階層への通路があり、アリーゼは『ちょっと行ってみましょうか』と言いつつ、エレンの方を視線を向ける。
「じゃあ、お願いね♪」
「はぁ~」
その一言で何を求められているのか理解できてしまったエレンは、【
治療が終わった冒険者達には、地上に戻るように指示を出し、障害物が無くなったアリーゼ達は、12階層に続く通路の先へと進む。
12階層に続く通路には、モンスターが襲ってくる気配はなく、不気味な静けさが漂っていた。
「……モンスターがいない?」
「『中層』に引き返した……とか」
アミッドとエレンがモンスターの姿が確認できないことに疑問に思っていると、正義に眷属達は、警戒心を解くことなく、通路の先を凝視していた。
「いえ、いるわよ。この先に……」
「だが、この声は……モンスターの『悲鳴』?」
「モンスターが襲われているってか?」
【アストレア・ファミリア】のメンバーはこの先にモンスターの気配を感じていたが、同時に違和感も感じていた。
エレン達は気づいていなかったが、12階層からモンスターの悲鳴のような鳴き声が聞こえていた。
アリーゼ達は、何時でも戦えるように得物に手をかけた状態で12階層に入ったが、そこには目を疑う光景が広がっていた。
「───────────────ッッ!!」
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
アリーゼ達が足を踏み入れた12階層では、数えきれない数の食人花と、同じ色をした巨大な芋虫が『中層』のモンスターや、12階層にいたであろうモンスターを
「モンスター、モンスターを襲っている……!?」
「黄緑の……芋虫?」
アミッドはモンスターがモンスターを食い漁っている光景に驚きを隠せず目を大きく見開き、エレンは初めて見るモンスターに視線が釘付けにされていた。
「もしかして、『中層』のモンスターが『
「あの極彩色のモンスターから逃げてきたんだろう……。だが、不味いな」
「あぁ、あの食人花は問題ねぇ。問題なのは
アリーゼ達は、予想外もモンスターの出現に驚きはしたものの、すぐに冷静さを取り戻し、状況の把握に努めていた。
幸いにも、極彩色のモンスターは『食事』に夢中になっているお陰で、こちらに気づいていなかったが、
それは、芋虫型のモンスター。名は『
その
しかも、近接攻撃でダメージを与えるとその傷口からも溶解液を出したり、倒しても自身を爆発させ、周囲に溶解液をばら撒くなど、とても厄介なモンスターだった。
この『
ゆえに、
「「「あのモンスター達は頼んだ!」」」
「えっ?」
またしても、エレンに押し付けることにした。
「……」
「おい、そんな嫌そうな顔をすんなよ。あの芋虫はとても厄介なんだって……」
「あの芋虫が出す溶解液は何でも溶かしちまうんだ。前衛の私達にとっちゃ天敵なんだ」
「だからね☆ エレンが持っているその『魔剣』で全部吹っ飛ばしてほしいなーって♪」
「本音は?」
「「「ローンが払い終わっていないから溶かされたくない」」」
「こいつらぁ……!」
ライラ、ネーゼ、アリーゼがあの芋虫の厄介性について力説するが、エレンが『本音は?』と尋ねると『ローンが残っているから』と素直にゲロった。
だが、この数のモンスターを殲滅するには『魔法』で吹き飛ばすのが手っ取り早いのは明らかだったので、エレンは深いため息を吐きながら、2振りの『魔剣』を取り出した。
「じゃあ、ちょっと行ってきます」
「ちょっ!? 待って───」
エレンは【
アリーゼはこの場所から『魔剣』を撃ちまくってもらおうと思っていたのに、まさか飛び降りていくとは思ってもおらず、急いで止めようとしたが一手遅かった。
「【セイクリッドフレア】」
『『!!』』
地面に着地したエレンは、回復魔法の炎で包まれた状態の『魔剣』2振りを
しかし、その魔力に反応した極彩色のモンスターが一斉にエレンのいる方向に視線を向ける。
「───────────────ッッ!!」
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
まるで、新たな御馳走が目の前に現れたかのように、極彩色のモンスターの大群がエレンに向けて一斉に押し寄せていく。
誰がどう見ても絶体絶命の状況だったが、エレンは慌てた様子を見せず、光り輝く『精剣』を握りしめ、横に大きく『精剣』を薙ぎ払った。
「───────────────」
『精剣』から放たれた光の光線は極彩色のモンスターを飲み込み、
12階層を埋め尽くすほどいた極彩色のモンスターは一匹も残っておらず───なんなら、アリーゼが厄介と言っていた溶解液の1滴すら残っていなかった。
「「「……マジ?」」」
先ほどの一部始終を見ていたアリーゼ達は『何それ知らん、怖い』と言ってドン引きし、アミッドは『あの方は本当に
一方のエレンは……。
「(やっぱり、この『精剣』は
エレンは
エレンは、今まで【
それには、回復魔法の炎で包んでいるのが条件になるが、エレンの回復魔法は超短文詠唱なので、
しかし、この『精剣』を使う場合は、
ヘスティアの話では、本来、力ある大精霊が自身を剣に変化させることで精製される『精霊武装』。
エレンは半分がヒューマンであるため、生来の大精霊より消費が激しいんじゃないか?とのことだった。
エレンが補給を済ませるとそのままアリーゼ達と合流し、この次の行動を尋ねた。
「ここにいたモンスターは全滅させましたが……これで一件落着?」
「どうだか。あの極彩色のモンスターがここまで上ってきた理由を調べたいが、
エレンの質問に、ライラが頭を掻きながら答える。
彼女達も、今回の
「すまん。遅くなった」
「あっ! 来た来た♪」
アリーゼ達に声をかけたのは、輝夜を始めとした【アストレア・ファミリア】のメンバーだった。
彼女達は、様変わりした12階層の光景に一体何があったのか尋ねると『極彩色のモンスターがたくさんいたけど、全部エレンがやっつけちゃったわ。一発で♪』とアリーゼが答え、彼女達をドン引きさせた。
「一発で極彩色のモンスターの大軍を全滅させるって、どんな威力だよ……」
「『
「ん~。そこまでは……。どうなんだろう?」
「「「よし! 今度試し打ちに行こう!」」」
「え~……」
こうして、エレンの精剣『エクスカリバー』の試し打ちの的が確定になった『
「ん? 輝夜、これは?」
「
「「ほね?」」
エレンとアミッドが『骨』という単語に首を傾げていると、アリーゼは『え~』と嫌そうな顔をして輝夜から羊皮紙を受け取って、その中身を確認した。
17階層に向かえ。そこに今回の『元凶』がいる
「うわぁ~」
「で? どうする、団長?」
「行くしかないでしょう。でも、【
「自分は?」
「いえ。私も同行させてください。必ず役に立って見せます」
「あの~」
「う~ん。確かに都市最高峰の貴方がいれば確かに心強いけど……」
「おーい」
「いいんじゃねーか?
「そうね。なら、アミッド。このままお願いできるかしら?」
「お任せを。皆様の傷は全て私が癒して見せます!」
「……」
こうして、このまま【
【アストレア・ファミリア】の戦乙女達は、都市最高峰の
エレンはこっそりと帰ろうとしたが、輝夜に『行くぞ』と首根っこを掴まれ、引き摺られながら『中層』へと続く洞窟へと入っていった……。
***
「ん~。
「大方、あの極彩色のモンスターに食われたんだろう。見ろよ。ドロップアイテムが至る所に落ちてるぜ」
「拾って持ち帰れば、そこそこの金になるだろうがほっとけ。だが、妙だな……。極彩色のモンスターすら出てこない」
アリーゼが先頭を歩き、ライラが周りに落ちている
今、アリーゼがいる場所は15階層で、あともう少しで目的地の17階層に辿り着く所にいた。
ここに来るまでの道のりでは『ヘルハウンド』や『アルミラージ』を始めとした『中層』のモンスターが1匹もおらず、代わりの食人花が数匹出てきた程度であり、その数匹も正義の派閥の妖精2人によって瞬殺された……。
「あの~。マリュー様。少しよろしいでしょうか?」
「ん? 何かしら、アミッドちゃん?」
「あのお二人は、なぜ、あそこまでピリピリしていらしているのでしょうか。それに、エウロギア様をまるで【
「あ、あ~。そ、それは……。そう! 前にあの子を大勢のエルフ達が追い回していた時があったでしょう!? その罪滅ぼし的なぁ~」
「……そういえば、そのようなことがありましたね。確か、『
「うん。まぁ、その……色々とあって、あんな感じになっちゃった感じ……」
アミッドが『中層』に入ってから気になっていたことを、同じ
アミッドが言った『あの二人』とはリューとセルティの事を指しており、その2人はアミッドが言った通り、エレンを『王族』扱いしていた。
アミッドが知らないが、エレンは半分が『大精霊』……つまり、『
そんな高貴なお方を
これには、エレンが『そこまでしなくていい!』と言ったり、ノインを含めた数名の団員が説得しても効果が無く、ここに来るまで道中の極彩色のモンスターは、リューとセルティが率先して倒していた。
その後は、特に問題なく16階層に到着したエレン達一行だったが、ここでとある以上に全員が気が付いた。
『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!』
「おい、この声とこの地震……!?」
「『ゴライアス』……でも、
「【リヴィラ】の連中が報告を怠った?……或いは……」
「……みんな、急いで『階層主』のいるエリアに向かいましょ。何が起きているのか確かめないとっ!」
ドワーフのノインが嫌でも聞こえる大きな咆哮と大きく揺れる地響きに動く足を止め、ヒューマンのアスタがその咆哮の主の名を口にするが同時に『ありえないっ!?』と告げ、同じくヒューマンのリャーナが今起こっている
アリーゼの言葉に全員が頷き、移動スピードを上げ、『
『
アリーゼ達は、急いで『嘆きの大壁』へと向かったが、耳を覆いたくなるような咆哮は段々と弱まっていき、彼女達は『まさか!?』と各々の言葉が重なると同時に『嘆きの大壁』へと到着。
そこで、彼女達が目にした光景が……。
「あ、ははは。嘘だろう……!?」
ライラが乾いた声で呟くが、無理もなかった。
17階層の『階層主』である『ゴライアス』が
さらに……。
「おいっ! あれを見ろッ……!!」
輝夜が大きな声を上げ、大量の極彩色のモンスターで埋め尽くされている『嘆きの大壁』の中から、
その個体は、ほかの極彩色モンスターに比べるとひと際大きいが、何より気になったのはその『姿』だった。
歪ではあるがその2体の個体の上半身は人型……いや、
「……あれは、『
「恐らく、【ロキ・ファミリア】からの情報にあった成長途中の個体だろう。だが、それも『魔石』を大量に取り込めば、あの厄介な化け物が誕生するだろうな」
【アストレア・ファミリア】は前回の【ロキ・ファミリア】の『遠征』に参加しており、59階層で『
さらに、50階層で戦った個体と、18階層で戦った個体についても情報は共有されていたが、実物を見たことがなかった彼女達は、その正体に気づくのに少々時間が掛かってしまった。
しかし、1人。その正体にいち早く気づいていた者が存在した。
「(あの2体は、『アンタレス』に寄生していた奴。確か……『
ある意味、同族でもあったエレンがいち早くその正体に気が付いていたが、彼が警戒していたのは、その2体の女体型ではなく、死体となっている『ゴライアス』の近くの壁に空いている超巨大な『大穴』だった。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
『『『!!!』』』
すると、エレンが警戒していた『大穴』から巨大な食人花が現れ、『ゴライアス』の死体にかぶりつき、そのまま『ゴライアス』を壁に空いた『大穴』へと引きずり込んでいった。
「信じられないっ!? あれは一体なんだぁ!?」
「あの巨体を引きずり込むって───って、なになに、地震!?」
リューが今まで見たことがない光景を見せられたことで、その美しい妖精の顔が歪んでしまい、同じ同胞のセルティも同じようなことを呟こうとすると、彼女達を大きな揺れが襲った。
その揺れは『嘆きの大壁』全体を大きく揺らしており、『階層主』を産み落とす大壁には大きな亀裂が入り、『ゴライアス』を引きずりこんだ『大穴』全体が大きく罅割れ、そこから1体の『大蛇』のような形をしたものが這い出てきた……。
「おいおいっ!? いくら何でもデカすぎるだろうっ!? 『ゴライアス』なんて比じゃねーぞ!!」
「超大型……いえ、これはもう……それ以上の……!」
ネーゼは、そのあまりにも大きすぎる姿に全身の毛が逆立ち、アミッドは過去に何度か見てきたどの『階層主』以上の大きさに驚きを隠せずにいた。
『大穴』から這い出てきた『大蛇』───いや、正確には
下半身は蛇のような顔があり、上半身は女体型だったが、腹部がまるで
さらに、体からは触手のように大きな食人花が伸びており、その口には真っ赤な血がべっとりとこびりついていた……。
「アハッ♪」
その『
『女王型』と呼ばれるこの個体は、1人の
ここまで読んでいただきありがとうございました。
今回出てきた『
『
【アストレア・ファミリア】は、
エレン
ただの
なお、今回の
アミッド
今回エレンに
【アストレア・ファミリア】のメンバー。
誰が予想できたでしょうか。これから複数体の『