聖火の精霊が英雄達を手助けするのは間違いだろうか   作:フェイト・

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狐の娼婦と人造迷宮編
42話 新しい本拠(ホーム)


「え~と、これがエレン君が【ランクアップ】する前の最終能力値で~……」

 

 

 

エレン

 

レベル1

 

力  :G 230

 

耐久 :S 999

 

器用 :G 200

 

敏捷 :G 250

 

魔力 :SSS 2000

 

 

 

「これがアポロンの『戦争遊戯(ウォーゲーム)』が始まる前の【ステイタス】で~……」

 

 

 

エレン

 

レベル2

 

力  :I 50

 

耐久 :G 200

 

器用 :I 90

 

敏捷 :I 40

 

魔力 :G 200

 

 

 

「……これが『戦争遊戯(ウォーゲーム)』が終わった後の【ステイタス】で……」

 

 

 

エレン

 

レベル2

 

力  :I 50→80

 

耐久 :G 200→240

 

器用 :H 90→120

 

敏捷 :I 40→70

 

魔力 :F 200→350

 

 

 

「……そして、これが更新した【ステイタス】……」

 

 

 

レベル2

 

力  :H 80→100

 

耐久 :G 240→245

 

器用 :H 120→150

 

敏捷 :I 70→75

 

魔力 :D 350→525

 

魔導:I→H

神秘:I

 

 

■魔法

聖なる火よ(セイクリッドフレア)

・回復魔法

・速攻魔法

 

 

月女神の聖域(テメノス・ディアナ)

・精霊魔法

・詠唱連結

・第一階位【聖火神殿の守護者(クストス・アエデス・ウェスタ)

・第二階位【月女神の聖域(テメノス・ディアナ)

・第三階位【???】

 

 

【】

 

 

《スキル》

 

聖火の守護者(ウェスタ・ダイモーン)

 

・盾の装備時、発展アビリティ『盾士』の一時発現。補正効果はLv.に依存

 

・盾の装備時、発展アビリティ『堅守』の一時発現。補正効果はLv.に依存

 

・盾の装備時、発展アビリティ『魔防』の一時発現。補正効果はLv.に依存

 

・盾の装備時、全アビリティ能力超高補正

 

 

精霊の奇跡(スピリット・ミラクルム)

 

・発展アビリティ『魔導』の習得

 

・精霊の血の発現

 

・【聖なる火よ(セイクリッドフレア)】を受けた対象が『精霊』、『精霊由来の魔法』、『精霊の血を引くもの』、『精霊の力が込められているもの』だった場合、能力の大幅な上昇。

 

 

月精霊の加護(アルテミス・ファヴォール)

 

・状態異常、精神汚染、及び呪詛の無効化

 

・弓の装備時、発展アビリティ『射手』の一時発現。補正効果はLv.に依存

 

・月の光を浴びている間、精神力(マインド)の常時超回復状態を付与

 

 

精霊の才現(スピリット・アルフィア)

 

・『器用』に大きな補正をかける。

 

・他者の動きを解析し再現。再現する動きの精度は、潜在値を含めた『器用』の数値に依存する。

 

・魔法に対する耐性の向上。『音』の魔法の場合はさらに向上。

 

 

 

「…………」

 

 

 場所は『廃教会』ではなく、元【アポロン・ファミリア】の本拠(ホーム)の室内。

 

 部屋の中にいる不滅の聖火(ほのお)を司る1柱の女神が、1人の眷属の【ステイタス】が記入された羊用紙の内容にピクピクと顔を引き攣らせていた。

 

 何しろ1週間前にLv.2に【ランクアップ】したはずの眷属の1人が、もうLv.3になれる()()()()()()()()()のだ。

 

 【ランクアップ】に必要な上位の経験値───いわゆる【偉業】と呼ばれるものは()()()()()()()()()()()()

 

 そもそも、実質Lv.9の実力を持つアルフィア相手に掠り傷とはいえ、一撃を叩き込んだ【偉業】がLv.2の必要量を超えており、余裕でLv.3の必要量に達してたのだ。

 

 まぁ、【偉業】が必要量溜まり切っていたとしても、もう1つの条件───5つある能力値の1つを『D』以上にする必要があるので、次の【ランクアップ】は先の話だと思っていた所だったのに……。

 

 そんな嬉しいようなそうでないような複雑な思いに頭を悩ましている神ヘスティアは、ベッドの上でぐったりしている自身の眷属に視線を向けた。

 

 

「どうだい、エレン君? 少しは楽になったかい?」

 

「夢心地です~♪」

 

 

 ベッドの上で仰向けに寝っ転がり、熱を出しているかのように顔を真っ赤にさせているヒューマンが、()()()()()で全身を包み込んだ状態で気持ちよさそうな顔をしていた。

 

 彼の名はエレン・エウロギア。ヘスティアが手に持っている【ステイタス】の写しの張本人でもあり、ヘスティアを困らせている犯人である。

 

 その理由は先日の出来事───『ダンジョン』で異常事態(イレギュラー)が発生したことが全ての始まりだった。

 

 17階層で息を潜んでいた『穢れた精霊(デミ・スピリット)』が何らかの理由で行方知れずになっていた【婚姻の女神の指輪(ギメルリング)】を取り込み暴走……モンスターの地上進出レベルの大事件を引き起こした。

 

 アストレアの眷属(子ども)達と聖女(アミッド)───そして、エレンの活躍で何とか今回の騒動の主犯と言える『怪物の母(エクドナ)』の討伐を果たすことができたが……ここで1つの問題(アクシデント)が発生した。

 

 それがエレンの()()()()()()()()()()()()にあった……。

 

 エレンの左目と前髪の一部が青色から赤色に変化しており、全身から湯気と汗を出してもなお、高熱を発していたのだ。

 

 この症状を見たアミッドは『急いで冷却を!!』と言って18階層に存在する泉で服を着たままの状態で全身を浸かり上がった体温を下げようと試みたが中々体温が下がらず、寧ろエレンが入った()()()()()()()()()()()()()異常現象が発生した。

 

 これにはお人形と言われるほど無表情なことが多いアミッドも『どんだけ高熱を出しているんですかッ!?』と驚きの表情をあらわにさせ、最終手段としてエレンの持っていた魔剣【白雪(しらゆき)】で生成された氷でぬるま湯となった泉を、極寒の氷泉へと変身させエレンの冷却を試みた。

 

 流石にやり過ぎなんじゃないかと、大量の氷で満たされた泉に浸かっているエレンを見たアリーゼ達は『えっ?大丈夫なのっ!?』と心配の声が上がっていたが───。

 

 

「あ~♪ 気持ちいぃ~~~♪」

 

 

 当の本人がめっちゃ気持ちよさそうに浸かっていた。なお、この氷泉の水温は0度を切っており、アリーゼが試しに手を突っ込んでみると、その余りにも冷たさのあまり付与魔法(アガリス・アルヴェシンス)で冷たくなった手を温める程であった。

 

 そして、エレンがこの氷泉で体を冷やしていると気が付いた時には変色していた左目と前髪の一部の色が元に青色に戻っており、体温もまだ高い状態だったが最初に比べれば大分下がったのでこれを機に地上へと戻ったエレン達だったが、エレンはそのまま【ディアンケヒト・ファミリア】へと運び込まれ様々な検査を受けることになった。

 

 しかし、検査の結果は体温が高い以外は全て正常───毒や呪詛(カース)の痕跡などはなく、アミッドが手をこまねいているとアリーゼ達から話を聞いたエレンの主神のヘスティアが【ディアンケヒト・ファミリア】の治療施設に到着。

 

 そこからエレンの話を聞いたり、『恩恵』を通じてエレンに何が起こったのか色々と精査し、『えっ!?いや、まさかな~』とか『う~ん。まさかここまでの段階(ステージ)に来ていたとは……』と、独り言をぶつぶつと呟き───。

 

 

「うん!異常なし!!」

 

 

 と言って、エレンの背中をバシバシと叩きながら空元気に似た声を上げるヘスティアに『痛いです~』といきなり背中を叩かれたことに驚きながら叩かれた背中を摩るエレン。

 

 そして、検査しても分からなかった原因について治療師(ヒーラー)として気になったアミッドは思い切ってヘスティアに尋ねることにした。

 

 

「神ヘスティア。エウロギア様のこの症状の原因が分かったのですか?」

 

「うん。まぁ~症状というか、副作用というか……」

 

「「?」」

 

「まぁ、エレン君の命に関わるような問題じゃないし、この熱もある程度時間が経ったらちゃんと下がってくるはずだから大丈夫だよ。聖女君」

 

「そうですか、彼の主神であるヘスティア様がそうおっしゃられるのなら、私の出番はありませんね。今回の報酬を用意してきますので、少々お待ちください」

 

 

 詳しい原因は分からなかったが、命に別状は無いことが分かったアミッドは冒険者依頼(クエスト)報酬などの準備のため、一旦退席し、ヘスティアは自分を心配させた眷属(エレン)の頬っぺたをムニムニと引っ張っていた。

 

 

「全く。アストレアの眷属(子ども)達から話を聞いた時はとてもビックリしたんだぞっ!この主神(おや)を心配させる悪い子め!」

 

「ご、ごめんなさい。ヘスティア様」

 

「お母様」

 

「えっ」

 

「お母様呼びじゃないと、ボクは許さないぞ!」

 

「……ごめんなさい。ヘスティアお母様」

 

「よろしい♪」

 

 

 まさか治療院(ここ)で『お母様呼び』を強要されるとは……そうも思ったエレンだったが、両頬を大きく膨らませ『(おこ)だぞ!!』と怒りの表情を見せるヘスティアに屈服したエレンはヘスティアの要望に応えることで、何とか機嫌を直すことには成功した。

 

 

「ところで、ヘスティア様。自分のこの現象は一体……」

 

「あぁ~、何と言っていいかな……。君の起きている現象は中位精霊以上の子が持っている1つの能力なんだけど……。それは()()()()()()についてから話そうか」

 

「新しいホーム?」

 

 

 ヘスティアの口から『新しいホーム』と聞きなれない単語が飛び出し、エレンがそれについて尋ねようとした瞬間に室内の扉が開き、アミッドが1枚の()()()()()を持って入ってきた。

 

 

「こちらが、今回の冒険者依頼(クエスト)()()()()です」

 

「追加報酬?そう言えば、今回の冒険者依頼(クエスト)の報酬って何だったんだい?」

 

「今回の報酬は『神秘についての情報提供』です。希少な発展アビリティを獲得できても、具体的な内容な全くと言っていいほど知りませんし、調べても『神秘』に関する情報が皆無の状態でしたし……」

 

「そこで今回の冒険者依頼(クエスト)の報酬として、我々が知っている限りの『神秘』に関する情報を提供する───そして、これは今回の事態の終息に助力してくださったことにたいする()()()()()()()になります」

 

「「ささやかなお礼……」」

 

 

 そう言ってアミッドが渡してきたのは青い精霊の護布。その名も『水精霊の護布(ウンディーネ・クロス)』。

 

 これはエレン達が、初めての『中層』に挑戦する際に装備していた『火精霊の護布(サラマンダー・ウール)』と同じようなもので、装備すると高い水への耐性を得る事ができ、砂漠などのような灼熱地帯でも冷却装備として高い性能を持っている。

 

 

「エウロギア様の高熱には、どうやら物理的な冷却が一番効果があったので『ウンディーネ・クロス(こちら)』を。この『水精霊の護布(ウンディーネ・クロス)』を装備していれば幾分楽にはなるかと」

 

「い、いいのかい?聖女君。『精霊の護布』って結構高い物なのだろう」

 

「……ですね。簡単にゼロが5つ並びましたもんね。しかも割引してもらって……アハハ」

 

「そうですね。確かに『精霊の護布』は貴重なものです───なので」

 

「「なので?」」

 

「今後とも、【ヘスティア・ファミリア】とは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()(ニッコリ)」

 

「「ア、アハハハ……」」

 

 

 満面の笑みで微笑む聖女(アミッド)の顔を見たエレンとヘスティアは互いに苦笑いを浮かべていた。

 

 まぁ、要約すると『良いもの差しあがるから仲良くなってください。そして、この先も【ディアンケヒト・ファミリア】(わが派閥)の依頼を受けてください』といった感じである。

 

 その後は、『神秘』に関する資料と追加の報酬でもらった『水精霊の護布(ウンディーネ・クロス)』を手にしたエレンとヘスティアは『廃教会』───ではなく、元【アポロン・ファミリア】の本拠(ホーム)へと向かった。

 

 何でも、エレンが【ディアンケヒト・ファミリア】の依頼を受けている際に改装工事が終了したと改装工事を請け負っていた【ゴブニュ・ファミリア】から知らせが届き、午後から引っ越し作業をしていたらしい。

 

 まだ引っ越し作業の3分の1も終わっていない状況だったが、如何せん新しい本拠(ホーム)が大きすぎて屋敷の状況把握だけでも結構な時間を取られてしまったらしい。

 

 エレン達が【ヘスティア・ファミリア】の新しい本拠(ホーム)。『竈火の館』に辿り着いた頃にはすっかりと辺りは暗くなっていたが、新しい本拠(ホーム)には明かりがついており、暗い夜を明るく照らしていた。

 

 

「フフン♪ どうだい、エレン君。ボク達の新しい本拠(ホーム)を見た感想は?」

 

「……凄いですよね。まさかこんなに立派な本拠(ホーム)に住む日が来るとは思いもしませんでしたよ」

 

 

 エレンは自分の身長を優に超える正門を見上げながら、ヘスティアの問いに素直な感想をもらしたが、無理もなかった。

 

 『廃教会』の地下室を拠点としてのスタートが、気が付いたらこんなにも立派な本拠(ホーム)暮らしができるようになるなんて誰が予想できただろうか。

 

 そんな長いようで短いような地下室での暮らしを振り返りながら、新しい本拠(ホーム)への第一歩を踏み出そうとした瞬間───。

 

 

「あっ! ちょっとストップッ!!」

 

「!?」

 

 

 エレンが第一歩を踏み出そうとした瞬間に隣にいたヘスティアから静止の声が聞こえ、敷地に触れそうな足を急いで引っ込めたエレンは『えっ!?何々っ!?』と困惑していると、隣にいたヘスティアが急いで正門の内側へと移動し、エレンの正面に回ると……。

 

 

「お帰り、ボクの子供(エレン君)♪」

 

「!!」

 

 

 どうやら、『お帰り』のやり取りがしたかったようで慈愛に満ちた笑みを浮かべたヘスティアが正門の内側で我が子供(エレン)を出迎える準備を整えていた。

 

 

「───ッ!? オッホン!」

 

 

 ヘスティアの意図が理解できたエレンはわざとらしい咳ばらいをすると、今度こそ正門への第一歩をしっかりと踏み、ヘスティアの真正面へと立つと……。

 

 

「ただいま、お母(ヘスティア)様」

 

 

 少々照れ臭そうな表情を浮かべながらも『ただいま』と言い、新しい本拠(ホーム)へと帰ってきたエレンをヘスティアは優しく迎え入れてくれた。

 

 その後は、『竈火の館』に入ったエレンをベル達が出迎えてくれたが……まぁ、色々と酷かったと言うか、混沌とした出迎えとなった。

 

 

「エレンさん、喰われそうなったと聞いたんですけど大丈夫だったんですかっ!?」

 

「エレン様!? 結婚していたなんて、リリは聞いていませんよ!! 一体どこの派閥の女性と結婚したんですかっ!?」

 

「何だよ、奥さんがいるならいるって言えよ。で? 相手はどんな奴なんだ?」

 

「エ、エレン殿……そ、その、お相手と子供は沢山いると伺ったのですか……」

 

「…………」

 

 

 一体何を聞いたのだろうか……。アリーゼ達が今回起きた出来事をヘスティア達に報告に行ってくれたとエレンは聞いていたのだが、ベル達はどのような説明を聞かされたのだろうか。

 

 エレンは何が遭ったのか回収した『指輪』を見せながら事細かに説明し、ベル達が思っているような内容とは───とは……若干異なることを力説したが、説明を聞いたベル達は『その指輪呪われていません?』と感想を漏らした。

 

 

「えっ?その、大丈夫なんですか、エレンさんが持っていて?」

 

「うん。まぁ、特に変化はないかな?」

 

「そもそも、どうしてエレン様はその『指輪』を嵌めていて何ともないんですか?───もしかして、『精霊』だからとか?」

 

「正確にはエレンの持っている【月精霊の加護(アルテミス・ファヴォール)】の効果で精神に対する耐性を持っていることが大きいね」

 

 

 ベルが『指輪』を嵌めているエレンを心配し声を掛けるがエレン自身にはこれといった変化は起きておらず、リリがエレンが無事な絡繰りを尋ねるとヘスティアがその詳しい詳細を明かした。

 

 エレンが持っている【婚姻の女神の指輪(ギメルリング)】には装備者に発展アビリティを1つ向上させ、さらに2つの『指輪』の効果は()()()()といったぶっ飛んだ性能を秘めているが()()()()()()()()()

 

 その代償とは【婚姻の女神の指輪(ギメルリング)】に込められた余りにも濃密かつ重すぎる『想い』によって精神汚染の被害に遭ってしまういう点である。

 

 エレンのように精神に対する耐性を持っていないと『指輪』に意識を持っていかれたり、男性だった場合は、それこそ『呪い』といえるような被害に遭うケースも発生する。

 

 これを聞いたベル達は、『何があっても絶対に無くさないでくださいね!』とエレンに念押しし、エレンは『お、おぉ……わかった』と余りの気迫に思わず承諾の頷きをしてしまう程であった。

 

 その後のエレンは軽い夕食を取り、命の要望で作られた(ひのき)風呂で今日流した汗などを洗い流していた。

 

 主神(ヘスティア)の話だと今日起こった現象は湯船につかった程度の温度上昇程度は問題ないとのことだったので、こっちの世界での初お風呂をじっくりと堪能したエレンはお風呂上りにヘスティアと話をする約束をしていたので、ある程度の所で切り上げ部屋に戻っていった。

 

 

「お待たせしました、ヘスティア様」

 

「どうだったかい?新しく出来たお風呂の感想は?」

 

「いい湯加減でした。ヘスティア様は入らないんですか?」

 

「ボクはこれが終わったら入るよ。その前にあの聖女君からもらったマントを使ってみたらどうだい?君の中に溜まった『熱』を上手く排出してくれるはずだよ」

 

「? 分かりました。ちょっと試してみます」

 

 

 ヘスティアの言われたとおりに貰った『水精霊の護布(ウンディーネ・クロス)』を纏っていると中に溜まっていた『熱』がどんどん『外』へと流れていく感覚を感じ、その状態でベットの仰向けの状態になるようにダイブして冒頭のような状態になった。

 

 

「思った通り。『水精霊の護布(ウンディーネ・クロス)』がエレン君の中に溜まった『魔力(ねつ)』の排出を促してくれたようだね」

 

「あ、あの~、ヘスティア様。今日起こったこの変化は一体……」

 

「あぁ、ごめんごめん。そうだったね。エレン君にはまだ伝えていなかったね。今日起こったエレン君の体の変化は、言ってしまえば中位精霊以上の精霊()が持っている『戦闘モード』が原因だよ」

 

「戦闘モード?」

 

「そう。基本的に中位精霊以上の力を持っている精霊()は『人』の形をとっているんだけど、本気で戦闘をする際には『戦闘モード』と言って『人』とは違う存在───『獣』や『武器』……後は、エレン君のように体が変化するケースが殆どなんだ」

 

「……つまり」

 

「まぁ、エレン君の場合は『精霊状態(モード)』と言ったほうが正しいかな? 一時的なものだけど『半精霊(ハーフ・スピリット)』から本物の『精霊』へと変化……いや、『変身』しているみたいだね」

 

「おぉ~!!」

 

 

 ヘスティアの説明では、今回エレンの体に起きた現象は『戦闘モード』と呼ばれる現象らしく、エレンの場合は一時的ではあるが『大精霊』になることが可能らしい。

 

 しかも、『変身』能力というものはアニメ好きには堪らない力にエレンは大いに興奮したが、ヘスティアが『無論デメリットもあるよ』との発言しすると、興奮していた感情が一気に冷めてしまったエレンがガクッと倒れてしまった。

 

 

「『精霊』であるエレン君は『魔力』を使えば使うほど体温が上昇するみたいでね。体温が40度を超えると今日みたいな『精霊状態(モード)』に入るみたいなんだ」

 

「ふむふむ」

 

「でも、『ヒューマン』でもあるエレン君はどうやら『魔力(ねつ)』を上手く体外に排出できないみたいでね。『精霊状態(モード)』の時に発生した『魔力(ねつ)』が体の中に留まり続けてしまうみたいでね。今回のような高熱が出てしまう状況になっているんだ」

 

「なるほど……。なら、この『水精霊の護布(ウンディーネ・クロス)』は……」

 

「そのエレン君の『体』の中に溜まった『魔力(ねつ)』を取り除くには『水』や『氷』が一番効果があるみたいだね。そして、その『水精霊の護布(ウンディーネ・クロス)』が排熱と冷却を同時に行ってくれているみたいだし、今日はそのマントを身に着けた状態で寝たほうがいいよ。明日には中に溜まった『魔力(ねつ)』が無くなっているはずだから」

 

「分かりました」

 

 

 そういい残すとヘスティアは部屋から退出し、エレンは『水精霊の護布(ウンディーネ・クロス)』のマントに体を包ませながら、今日回収した『指輪』を眺めていた」

 

 

「全く、本当に人騒がせな『指輪』だな」

 

 

 エレンが回収した『指輪』は、元々持っていたもう片方の『指輪』と1つになるような形になっており、今では『1つの指輪』として、エレンの左薬指に収まっていた。

 

 これによって、エレンは1つとなった『指輪』の力で発展アビリティのランクが()()()()()()()ようになっているが、今日色々とあり過ぎてしまったことで疲れがピークに達していたエレンはあっという間に意識が薄れていき、深い眠りへと落ちてしまった……。




ここまで読んでいただきありがとうございました。

エレンの【ステイタス】ですが、いつでもLv.3になれる条件を満たしていますが、まだ伸びる余地があったり、ヘスティアの胃が持たなかったりとした影響でLv.3になるのはもうちょい先の話です。

Lv.1の最終ステイタスの時に『耐久』の数値が上限に達しているのは全部アルフィアにボコボコにされた影響です……。

中位精霊以上が持っている『戦闘モード』は【ファミリア・クロニクル】のリュー2で登場した風の中位精霊(ユーフィ)が『精霊馬』になった場面を独自解釈させたものになります。


エレン
 『精霊状態(モード)』と言った『変身』を身に着けた精霊。なお、エレンの『精霊状態(モード)』は不完全の状態です。『穢れた精霊(デミ・スピリット)』との戦いで完全体へと成長していく予定。
ヒント「悪いけど、オーバーラッピングの為の『糧』になってもらうわ、よ♪」
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