聖火の精霊が英雄達を手助けするのは間違いだろうか 作:フェイト・
そして、申し訳ありません……。リアルの方で残業続きのため、中々、小説を描く時間が取れなくなってきてますので、投稿頻度が遅くなる可能性があります。(今回みたいに)
「う、う~ん……」
時間は
館の中では仲間が引っ越し作業をしている中でエレンは重い瞼をゆっくりと開き、ベットの上から新しい部屋を見渡していた。
「……あと、5分、だけ……Zzz」
二度寝に入りやがったぞこいつ?一度は目を覚ましたエレンだったが襲い掛かってくる睡魔の誘惑に秒で負け、エレンの意識が深い夢の底に沈みそうになった時だった。
「───今、何時~……?」
二度目から目を覚ましたエレンは三度寝の態勢に入ろうとしたが、念のため現在の時間確認を行った。
エレンは何とか思い瞼を開き、部屋に置かれてあった時計を凝視するが視界がぼやけてしまっており、目をこするなどして何とか時計の針を視認することに成功した。
「───何だ、まだ1時か…………1時?」
2つの針が指している時計を視認した『な~んだ。まだ一時か』と安堵の息を漏らしたが、窓から差し込んでくる日の光に気が付き、急いでベッドから立ち上がった。
「───まさかッ!?」
ベッドから急いで飛び起きたエレンは日の光が差し込んでくる窓から外の景色を確認するが、そこには多くの人が行き交っており、エレンの顔は冷や汗が大量に流れ次第に青ざめていった……。
「ね、寝坊したぁーーーーーーーーーーッ!!??」
今日は引っ越し作業をすることは昨日聞いていたはずだったのに、大寝坊をかましてしまったことに気がついたエレンは大きな声を上げ、その声を聞いたほかの団員たちは『あっ、今起きたんだな~』と察するのであった。
「ごめんッ!!寝坊しましたぁーーーー!!」
直されていない寝癖や乱れた寝間着姿で引っ越し作業をしていたヴェルフやリリの目の前に現れたエレンは、腰を90°に折り謝罪したが『おう、おはよう!』や『おはようございます、エレン様』と普通に挨拶をされ、エレンはあれ?っと思った。
「……怒ってないの?」
「逆に何で怒られると思ってんだよ?昨日はヤバいモンスターと
「それにヘスティア様から大体の話は聞いていますし、えっと……『精霊
どうやら、昨日部屋で話した内容はベル達に共有済みだったようで、エレンが今まで起こされなかったのはわざとのようだった。
「で?熱はどうなんだ?」
「ん?あぁ、熱は引いたみたい。それよりあの大勢の人の集まりは何?」
「あ~。あれはですね───」
ヴェルフが熱を出していたエレンを心配して尋ねてみるが、『
「『【ヘスティア・ファミリア】、入団希望者募集! 来たれ、子供達!!』───ナニコレ?」
「見ての通り、団員募集の広告紙ってやつだ。俺達の『
「『
ヒューマン、ドワーフ、獣人にアマゾネスや
「……
「……まぁ、当然っちゃ、当然だなぁ」
「『あれ』だけのことがあったんです。それに、今のエレン様はエルフ達から『畏怖』の象徴として捉えらていますので……」
「どゆこと?」
広告紙を見て集まってきたであろう人だかりの中には
それは【アポロン・ファミリア】が開催した『宴』の時に起きた出来事だった。
リヴェリアとダンスをしていた時に発生した
何とか周りの手を借りたり、『
「『
「初耳なんだけど?」
「あと、今日の朝に【アストレア・ファミリア】の何人かが【ランクアップ】した速報が流れたなぁ。で、Lv.6になった団長さんが
「それも初耳だし何があった?」
リリから大まかな事情を聞いた直後に、ヴェルフからアリーゼを含めた数人が【ランクアップ】した事と、そこの団長であるアリーゼが仲間から追い回されていることを聞いて、エレンの頭の中に大量の?マークが浮かび上がった。
どうやら、アリーゼ、輝夜がLv.6になり、ネーゼ、アスタがLv.5に【ランクアップ】したとのことらしく、今の【
「全員じゃないんだ……」
「まぁ、流石にといいますか。【アストレア・ファミリア】の皆さんは、全員が第一級冒険者になれる逸材と評価されている人達ですが、
「それでも、昨日の戦闘は相当ヤバいものだったんだろう? 今回がダメだったとしても、そう遠くない内に【ランクアップ】するんじゃないか?」
ヴェルフの言う通り、昨日の『
今回、【ランクアップ】しなかった者達も
「まぁ、話は分かったけど、何でアリーゼさんが追い回されているの?」
「あぁ~。それは……」
「『いつもの』、です」
「いつのも?」
「お前は
「前回は確か……『リオンに春が来たわー!』と大声で叫んで、【
「正義の派閥とは……?」
「ですが、逆に考えればその分『平和』ということです。
「【オラリオ】の住民達も昨日の一件で不安がっていたが、【
「───最後はどうなったの?」
「最後の最後には捕まって、【アストレア・ファミリア】の
「あ~……」
どうやらアリーゼは逃げ切ることが出来なかったようで、捕まってしまったらしい。
エレンは空に浮かんで見えたアリーゼに敬礼を捧げると、集まった入団希望者の前に立ったヘスティアが入団面接を開始しようとした直後だった───。
「ヘ、ヘスティア様ぁーーー!?」
「ん?」
「どうしたんだい、命君?」
「に、に、荷物の中からっ……!!
「ぶふっ!?」
『『『はぁぁっ!!?』』』
命につけられた高級紙にヘスティアが噴き出し、リリ、ヴェルフ、エレンはそのあまりにも大きすぎ金額に大声を上げ、ベルと大勢の入団希望者は目を点にした。
ヘスティアは命が持っていた借用紙を奪い取ってり、顔から大量の汗を流しながら、『ち、違いぞー!これは悪い借金じゃなくて……』や『これは、その……愛の結晶で……』と必死に言い繕っていたが、二億という莫大な借金が判明したことで集まった入団希望者はあっという間に姿を消してしまった……。
「命様~。大丈夫ですか~?」
「……」
「お~い、ヘスティア様~?」
「……」
「ダメだ。2人とも気絶してる。でも、この二億ヴェリスって一体───ん?」
リリは倒れている命とつつき、ヴェルフは固まっているヘスティアの顔の前で手を振るが2人とも完全に気絶してしまっており、完全に沈黙してしまっており、エレンはヘスティアが持っている借用書の目を通すと、
「ねぇ、ヴェルフ~?この
「ん?ちょっと見せてくれ。……あぁ、間違いない。あの方のサインだ。よく分かったな」
「最近、
「間違いないと思うぞ。形式も正式なものだし───ほら、『ヘスティア・ナイフの代金として』と書かれているぞ」
「『ヘスティア・ナイフ』……ベルがいつも使っているあの黒いナイフのことかぁ。なぁ、ベルは知ってい───ベルッ!? しっかりしろっ!!?」
エレンとヴェルフの会話が聞こえていたようで、まさか『ヘスティア・ナイフ』の借用書だとは思わなかったベルは頭の情報量を遥かに超える衝撃によって意識を失い、その場に倒れこんでしまった。
***
「どーいうことですか、ヘスティア様!!」
「あ、あははは……」
後始末や気絶したベルの介護などですっかりと夕方になってしまっていた。
ホームの中にあるリビングでは呻き声を上げて寝込んでいるベルがいる中、
「じ、実は……ベル君のナイフをヘファイストスに作ってもらった時、色々あって……」
そして、ヘスティアが語ったのはベルが使っていた『ヘスティア・ナイフ』に関する話であり、神友であるヘファイストスに無理を言って作ってもらったナイフだったようで、その対価として途方もない
「やっぱり、二億の武器って凄いものなの……?」
「あぁ、性能にもよるが値段だけでいえば第一級相当の値段だ」
「……因みに、あの
「ヘファイストスの話だと、『大盾』と『素材』の持ち込みだったから『神件費』のみで
「ぶふぅっ!?」
「えぇぇぇっ!? また、別の借金があるんですかっ!?」
「エレン君の使っている『大盾』は別件だからその心配はいらないよ、サポーター君」
ベルが使っているナイフの値段を聞いたエレンは自分が使っている大盾の値段を恐る恐る尋ねてみると、まさかの1億ヴァリスという驚愕の値段を聞き、思わず吹き出してしまった。
エレンが使っている【
なお、この
「……先程街に行ってきたのですが、噂が広り……『【ヘスティア・ファミリア】は借金漬けの爆弾【ファミリア】』だと、そう認知されています」
「───と、いうことは……」
「もう入団希望者は現れないでしょうね」
リリが偵察の報告を伝えると、命が何とか絞り出した声で尋ねるが、リリは無慈悲な現実を突きつけることで、部屋の中が一気に冷え込んだかのように寒くなったように感じた。
さらにリリは
「だ、大丈夫! これはボクの借金でボクが自分の手で返すものだ! 借金を隠していたのは悪かったけど……約束する、
「……でも。 神様は……僕のために、借金までして、このナイフをくださったんですよね?」
「……気に病まないでくれよ、ベル君。これはボクが勝手に……」
「───手伝わせて、ください」
「……え?」
「僕は、2人で一緒にお金を返していきたいです」
ベルのまさかの言葉に驚きの表情を見せるヘスティアだったが、ベルの熱意に次第に押されていき───。
「あははっ。君に手伝ってもらったら、ボクの立つ瀬がないんだけどなぁ……」
ベルのまっすぐな意思に負けてしまったヘスティアはふっと笑ったと思うと『借金まみれの
「───決まったみたいだね。今後の方針が……」
「だなぁ」
「そうですね」
「今後、こんなことはないようにしてくださいねっ」
エレンに続くようにヴェルフ、命、リリがそれぞれ立ち上がり、今後の【ファミリア】の方針についての話し合いをすることなり、テーブルが置かれているところに移動した。
「今後の方針についてですが、十分な生活費の確保と【ギルド】に収める税に備えた貯蓄を含めた資金集めが必須です」
「リリ殿。今の【ヘスティア・ファミリア】の残り残高ってどのぐらいなのですか?」
「エレン様が
「何だよ、エレン。【フレイヤ・ファミリア】からのクエスト報酬は全部、【ファミリア】に入れたのか?」
「まぁね。今回の改修費で
「そういえば、エレンさんって何をお願いしたんですか?」
【アポロン・ファミリア】からの賠償金は、ベルは『廃教会』の購入、ヴェルフは『工房』、リリは『脱退資金』、命は『檜風呂』と様々な形で使われることになったが、金額でいえばエレンの『注文』が一番高かったのだ。
「まぁ……見れば分かるかな?」
「「「「?」」」」
「そうだね。みんな~。ちょっ~とエレン君の部屋に移動するよ!」
エレンは『見れば分かるよ』と言い、ヘスティアは全員でエレンの部屋に向かうように号令を出すが、ベル達は互いの顔を見合わせながらエレンとヘスティアの後をついていった。
「ほいっと、到着」
「ヘスティア様の言われたとおりに着いてきましたが、このエレン様の部屋に何かあるんですか? 特には───」
エレンが開けた扉を潜ったベル達だったが、エレンの部屋は他の部屋とあまり大差ないように感じると、エレンが部屋の置かれている本棚に向かうと、その中にある1つの本を
すると、本棚が大きく動き出したと思うと本棚の1つ扉が出現し、ヘスティアの手招きによって隠し扉を潜り、ベル達はとある部屋に入っていった。
「みんなも知っていると思うけど、エレン君は『神秘』を獲得している。そして、【スキル】の効果で『魔導』のアビリティも発現している」
「───まさかっ!!?」
「クククッ! 勘の子は嫌いじゃないぜ~、サポーター君。これはエレン君と話し合って決めたことなんだけど……」
ヘスティアが隠し部屋中には、机に上に大量に置かれている書類や、中身が真っ白になった2冊の本、製作途中の青い布が垂れ下がっている機織り機を指さしながら自信満々の笑みを浮かべながら力説を開始した。
この隠し部屋は、エレン専用の作業場として使われる予定の物で、ここでやろうとしていることは『神秘』を活用した
「えぇぇっっ!!? エレンさんは『
「正確には『作製するための条件が整った』と言った方が正しいかな。『
「今エレン君が装備している『指輪』の効果でエレン君の発展アビリティは二段階上昇させることができる。つまり、『指輪』を装備している状態だと、魔導が『F』。神秘が『G』の状態になっているからね~」
「でも、『
「あ~。だからあの時、ヘファイストス様のサインが読めたのか」
現在、エレンは『
主神であるヘスティアに教えてもらいながら何とか勉強は進んでいるが、習得にはまだそれなりの時間がかかりそうだったので、エレンは
「まぁ、今は『精霊の護布』の製作に専念しているから、『
「『精霊の護布』……この青い布のことですか……?」
「そう。まだ途中だけど、結構いい物が出来そう感じなんだよね~」
「大精霊が作る『精霊の護布』かぁ……。防具を造る
「あははは……」
『精霊の護布』は高い魔力耐性を持っている防具だが、エレンは大精霊という事もあって【
これは、エレンから採取できた『精霊の涙』と呼ばれる特殊な
「上手くいけば、この『精霊の護布』を売ってお金にできないかな?」
「いけますね! エレン様が作る『精霊の護布』なら既存の『精霊の護布』の性能より高い性能があるはずなのでかなりの値段で売れるはずですぅ!!」
「「「おぉ~!!」」」
『精霊の護布』は貴重な代物で場合によっては手に入らないことも珍しくない。それを高品質で生産できるというのは、ダンジョン探索を主な収入にしている探索系ファミリアにとってはとても大きな利益になる。
二億ヴァリスという莫大な借金を聞き、少々のこの先に不安を感じていたベル達だったが、エレンの話を聞いたことである程度解消できたようだ。
そして、この日は新しい
ここまで読んでいただきありがとうございます。
『
エレンが作っている『精霊の護布』は凄まじい魔法耐性があり、第一級相当並みの性能があります。(そのせいで、将来地獄の労働が待っています)
エレンが一番のお金がかかった理由は、隠し部屋の他にも『
エレン
『神秘』を発現したことで体質が変化しており、『精霊の涙』や癒しの効果がある『出汁』が出るようになっています。(起きた時には枕元に『精霊の涙』が転がっていたり、エレンが入った後のお風呂が回復効果があったりしています)