聖火の精霊が英雄達を手助けするのは間違いだろうか 作:フェイト・
「あ、あ、あの人達って……」
「ここの匂いは、どうも慣れないな……」
「ベル様には来てほしくなかったのに……」
「──────」
「ヘスティア様っ!?しっかりしてください!!」
命と千草の後を追って
その理由は、エレン達の視線の先にいる多種族の女性達が原因で、
アマゾネスを中心に、ヒューマン、獣人、
その後は、豊満な胸、薄い肩、柔らかそうな腿をこれでもかと見せびらかせることで相手を誘惑し、それぞれの店の中へと姿を消していった。
「ヴェ、ヴェルフ……あ、あ、あの人達って……」
「あ~。見ての通りの『娼婦』だ」
「ヘスティア様が気絶しちゃったんだけど……」
「だからベル様とヘスティア様には来てほしくなかったんです……!!」
ヴェルフは顔を赤らめながらベルは隣を歩いているヴェルフに尋ね、ヴェルフは甘い笑みを浮かべながら集まってくる女性達を押し返しながら、彼女達が『娼婦』であることを答えた。
一方のヘスティアは、処女神ゆえのせいか……大勢の娼婦が男を誘惑していく光景を目にし、『な、なんだ!?あのハレンチな格好は……』と言葉を最後に、頭の情報量がオーバーヒートを起こしてしまい気絶───エレンに抱きかかえられている状態になっている。
「ううっ……命さん達は、こんなところにで何を……」
「こんな場所にうら若き乙女が足を運ぶ理由……まさか、お金のために『体』を?」
「!?」
「いや、そんな玉じゃないだろう、あいつら」
「うん。いくらお金の為とはいえ、あの2人は『体』を売るような人じゃないし……」
推測をするリリの内容を聞き、ベルが驚倒するが、ヴェルフとエレンの二人が前を進んでいる命と千草の二人の方を指をさす。
その二人も、ベルと同じように顔を真っ赤にさせながら何とか前へと進んでいるが下卑た男性や娼婦にからかられる度、肩を大きく跳ね上げながら、互いで体同士を支えあっていた。
さらには、一人の巨漢が二人の目の前に現れ、ニヤけ顔を浮かべながら手を伸ばそうとしていたが、命が反射的に綺麗な背負い投げを叩き込み、相手を昏倒させていた。
「……ぶっちゃけ、あの二人は娼婦は最も遠い存在じゃない?」
「ですね……。しかし、それならどうして【歓楽街】に?」
「ん~。分からん───っと!?不味い、行くぞ」
エレン、リリ、ヴェルフの三人で『あっ、あの二人。娼婦は向いてないなぁ』と、同じ考えが頭の中に浮かび上がると同時に、二人が別の区画へと姿を消し、見失うまいとエレン達は急いで後を追いかけていった……。
「ヴェ、ヴェルフー!み、みんなー!待ってくださいーい!!」
なお。見失った二人の後を追うのに必死になっていたエレン達は、最後尾にいたベルが大勢の娼婦と男性の波に飲まれ、どんどん離れ離れになっていることには気づいていなかった……。
***
「───見つけた!」
命と千草が入った区画に何とか潜り込むことが出来たエレン達は、そのまま街路をまっすぐ進んでいると、多くの男神達に囲まれている二人を発見することが出来た。
流石の命も神相手では強く出られないようで、男神達の言葉にあわあわとする二人の姿を楽しむように男神達はふざけ半分でちょっかいを出していた。
「男神様、悪ふざけは勘弁してやってください」
そこに男神達に近づいて行ったヴェルフが声をかけたことで男神達は視線を命達からこちらへと振り向き、命太刀はヴェルフ達の姿を確認すると驚きの表情を見せた。
そして、ヴェルフの後ろからひょこっと顔を出したリリが『こんな所で油を売っていていいんですか?』と声をかけたことで本来の目的を思い出した男神達は急いで目的のお店に向かおうとし他瞬間───、一柱の男神がヴェルフの後ろで女神を抱えている青髪の人物を発見した。
「おい、見ろよッ!!
『『『何っ!!?』』』
「へっ?」
一柱の男神の言葉をきっかけに、その場を離れようとした男神達が一斉のエレンの方を振り返り、気づいた時には命と千草と同じようにエレンの周りを男神達が取り囲んでいた。
「うひょぉぉぉぉぉぉぉっ!本物のエレインちゃんだぁ!!」
「メイド姿も中々だが……男装姿も全然あり!」
「頼む。この俺を罵ってくれっ!ゴミを見るような目で頼むっ!」
「お願いだ。『おにーちゃん大好き』って言ってくれぇ!」
「儂は踏んずけてくれっ!なるべくキツめで頼むっ!」
「…………」
ヘスティアを抱きかかえている
「(───なら)」
このままいっても埒が明かないと判断したエレンは、右腕でヘスティアが落ちないように持ち方を変えながら、左薬指に嵌めている『指輪』を男神達によく見えるように前に突き出した。
すると……。
『『『ぎゃぁあああああああああ!!!ヘラだぁあああああ!!!』』』
『指輪』が視界に入った途端、男神達は大きな悲鳴を上げながら、或いは腰を抜かしながら
「何だったんだ……?」
「さぁ?こっちからしてみれば、忘れたい黒歴史を掘り返されたようなものなんだけど……」
「でも、まぁ……。今のエレン様は、どちからと言えば
「……今度からはちゃんと髪を切るようにしよう」
まるで嵐のようにやってきては消えていった男神達。エレンは黒歴史と言ってもいい『エレインちゃん』の存在をぶり返されたことで顔を真っ赤にさせていたが、全速力で逃げていく男神達の後ろ姿を遠目で見ながら、エレンは
エレンは他の人に比べ、髪の伸びるスピードが尋常じゃないほど早く、週一で髪を切ってあげないと肩に掛かるぐらいまで伸びてしまい、その影響で女性だとよく周りから勘違いをされている。
この現象はヘスティア曰く、
エレンは『ヒューマン』の側面を持っている影響で、元に戻るスピードは従来の『精霊』に比べると遅くなっているが、手入れを怠るとヘスティアと同じような長さに髪型になってしまう。
最初こそは定期的に切ったりするなどして手入れなどはしていたのだが、途中でめんどくさくなってしまい、一週間ちょっとサボった結果───首が隠れてしまう程まで伸びてしまい、今回のように『エレインちゃん』と言われてしまう結果になってしまったのだ。
「み、みなさん。どうしてここに……」
「命様のご様子がおかしかったので、失礼ですが付けてきました」
「一蓮托生の【ファミリア】になったんだ、隠し事はするな」
「うんうん」
男神達から解放された命と千草はうろたえながらもどうにか声を振り絞って尋ねると、リリ、ヴェルフ、エレンの三人の言葉を告げられ、命は『うっ……』と肩をすぼめていると、隣にいた千草が『私のせいなんです……』と命の前に歩みだした。
その後は命と千草の二人から話を聞いたのだが……何ともコメントに困る内容だった。
何でもここ【歓楽街】で彼女達の知り合いに似た人物がいると話を聞いた彼女達は居ても立っても居られないいられず、その情報の真偽を確かめるために二人で【歓楽街】に来たというのだ。
「でも、この【歓楽街】で人探しは流石に二人だけでは無理でしょう……」
「私達も最初はそう思ったのですが……探している人物はとても珍しい種族のため、もしやと……」
「珍しい……ですか?」
「はい。その人は───
「ルナール……?」
如何やら、命と千草の二人が探していたのは『
確かに、世界の中心と呼ばれる【
「事情は分かりましたが。ですが、不用意です。この区画は【歓楽街】であると同時に
「とある派閥?この場所はどっかの【ファミリア】の勢力圏なの?」
「はい、エレン様。この場所を勢力圏としている派閥は【イシュタル・ファミリア】。派閥の
「……マジ?」
「ん?どうした、エレン。顔色が悪いぞ?」
「……いや、少し前に、アルフィアさんが【イシュタル・ファミリア】の
「「何やってんだあの人はぁ!?」」
エレンからのまさかの情報にヴェルフとリリは大きな声を上げてしまい、周囲にいる娼婦や客で来ている男性達の視線を集めてしまっていたが、それどころではなかった。
何しろ知らない間に
「……ねぇ、ベルはどこにいった……?」
『『『『えっ?』』』』
エレンがふとっ、ここまで会話に参加してこなかった
「ベル殿も、いらっしゃったんですか?先程から姿はありませんでしたが……」
「う、うん」
命と千草の二人の言葉を聞いたエレン達の表情は一気に暗くなり、来た道の方に視線を向けるが、白兎を彷彿とさせる白髪の少年を見つけ出すことはできなかった……。
「は、はぐれたぁぁぁぁっ!?」
「おいっ!いつだぁ!?いつの間にはぐれたんだぁ!?」
「ベル様がぁぁぁっ!ベル様が
ベルと逸れてしまったことに気が付いたエレン達は急いで近くを探した。人ごみの中、路地裏、近くの建物、ごみ箱の中など、可能な限りの捜索をするもベルを見つけ出すことができず、それぞれの顔からは滝のような冷や汗が流れ落ちていた。
何しろ、今のベルは
「ヘスティア様をお願いっ!!今からベルを探しに行ってくる!!!」
「お、おいっ!?」
「お気持ちはわかりますが、この状況でベル様を見つけ出すのは困難です!!」
「ベルに万が一のことがあったら───『お前は竜の餌にする』ってアルフィアさんから脅されてるんだよ!!」
『おい、エレン。もしもベルに身に万が一のことがあってみろ。次は『ヴェノムスカイ・センチピード・ドラゴン』の餌にするぞ』
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』
『【
『ピギャッ!?』
これは、『
『ヴェノムスカイ・センチピード・ドラゴン』とは67階層で出現するといわれる大型の竜種で、推定
『えっ?流石に冗談でしょう……』って? 皆さんに良いことをお教えしましょう───アルフィアはやると言ったら本気で実行する女である。
そんなやべぇ女に脅されたエレンは
ここまで読んでいただきありがとうございました。
今のエレンは『両儀式』のような髪型になっています。その影響で『
エレン
彼はまだ知らない。彼の行く先につい最近できた『