聖火の精霊が英雄達を手助けするのは間違いだろうか   作:フェイト・

51 / 52
いつも感想や高評価をいただきありがとうございます。投稿主です。

現在、リヴェリアがエレンを連れ去った後の話───所謂、R18バージョンの制作を行っています。趣味で投稿をしている身なのでクオリティーに関しては目を瞑っていただけると幸いです。(好奇心で投稿を初めて身ですが、まさかこんな内容を描いてみる機会が来るとは……!)

なお、初めての挑戦で、製作にはかなりの時間がかかると思いますので、気長にお待ちいただけると幸いです。


51話 ドス黒い『何か』の正体

「…………やってしまった」

 

 

 時刻は正午過ぎ。宿()()エレンと別れたリヴェリアは副団長の立場にありながら、無断行動をとってしまったことに罪悪感にさえなまれながら、彼女は『黄昏の館』へと向かっていた。

 

 

「───ん?フィンか?」

 

「───あぁ~。リヴェリアかい」

 

 

 本拠(ホーム)まであと少しの所で、【ロキ・ファミリア】の団長であるフィンと偶然遭遇した。フィンの表情は何処かぐったりとしており、まるで生死をかけた『追いかけっこ』の後のようなボロボロの恰好をしていたフィンだったが、その原因が何となく予想ができたリヴェリア。

 

 

「……ところで、リヴェリア。君はどうしたんだい?正直報告がいっているものだと思って、本拠(ホーム)にいるものだと思っていたけど?」

 

「ビクッ!!」

 

 

 一緒に本拠(ホーム)へとともに向かったフィンはリヴェリアにどうしてここにいるのか尋ねると、彼女は顔が真っ赤になりフィンから顔を背けると───。

 

 

「少し、『用事』があってなぁ……」

 

「───『用事』……ねぇ」

 

 

 顔を逸らしたリヴェリアを少し観察したフィン。彼女の様子からして何か口では言えない『何か』があったんだろうとフィンはすぐに察したが、()()()()()()()()()

 

 彼女はエルフ───しかも、出家したとはいえ王族の出身だ。他人には言えないようなことが1つや2つあってもおかしくなないだろうと、フィンは予想し、彼女(リヴェリア)のためを思ってこれ以上の詮索をやめた。

 

 だが、フィンは知らない。彼女がほんの少し前まで、他派閥の団員を食い荒らしていたなんてことを───しかも、()()()()()()()()()()()()……。

 

 

 

***

 

 

 

「リヴェリア様!!ご無事でしたかぁ!!」

 

「───すまない。自分勝手な行動をした……。本当にすまない」

 

「いえ、リヴェリア様がご無事なら何よりです!」

 

 

 本拠(ホーム)に戻ったリヴェリアは真っ先に一緒に捜索を行っていたメンバー全員に謝罪を行っていた。どうやら昼食をしていたようで団員全員が本拠(ホーム)にいた。内容はもちろん捜索中の無断で抜け出したこと。状況が状況だったのでメンバーは謝罪を受け入れてくれたが、()()()の団員が現実逃避を行っていた。

 

 

「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ」

 

「リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女リヴェリア様は聖女」

 

「…………」

 

 

 一人の剣の乙女(アイズ)は、リスのように頬にいっぱいのじゃが丸君を頬張り、一人の妖精(レフィーヤ)は高速詠唱の如く意味深な内容を呟いていた。どうやら本拠(ホーム)に戻ってからずっとこの状態が続いているようで、どんな言葉を投げかけても全くの無反応らしい。

 

 

「……全く、仕方のない奴らだなぁ」

 

『『『『『?』』』』』

 

 

 そう呟いたリヴェリアはアイズとレフィーヤの元へと向かった。二人はリヴェリアの存在に気が付いていないようで彼女達の背後に立ったリヴェリアは片手を上へと上げるとそのまま片手を彼女達の首元へと()()()()()()

 

 

『『『『『へっ?』』』』』

 

「すまないが少し寝かせてやってくれ。起きた時には多少はマシになっているハズだ」

 

 

 なんとリヴェリア。おかしくなったアイズとレフィーヤの意識を刈り取り、強制シャットダウンを実行しやがった。首に手刀を叩き込まれた二人は意識は一瞬で刈り取られ、テーブルに顔を埋めるように意識を消失した。

 

 知識の種族とは思えない力業に『え~~~』と口にするティオナ達だったが、『流石はリヴェリア様です!!』と王族絶対主義のアリシア達はあっという間に気絶したアイズとレフィーヤをそれぞれの自室へと運んで行った。

 

 

「ねぇリヴェリアはお昼はまだでしょう?一緒に食べようよ!」

 

「ん?」

 

 

 アイズとレフィーヤが運ばれていく姿を見送ったリヴェリアだったが、ティオナからのお昼のお誘いを受けた。確かにお昼はまだ……というか朝食すらとっていなかったリヴェリアだったが───。

 

 

「すまない。生憎と腹は()()()()()()んだ。だから、昼食はお前達で済ませてくれ」

 

「そうなの?分かったー!」

 

 

 ティオナにそう伝えたリヴェリアは『自室で少し休む』と言い残し、その場を立ち去っていき、いつものリヴェリアとは少し様子がおかしいと思ったティオナだったが余り深く考えず、ご飯のお替りを求めて調理室へと向かっていった。

 

 

「─────────えっ?」

 

 

 なお、偶々リヴェリアとすれ違ったアキは驚愕し、思わずすれ違ったリヴェリアの方を振り向いてしまった。すれ違いざまのほんの一瞬だったが、彼女の体からほんの僅かに漂う男性(オス)の匂い。しかも、その()()()()()まで分かってしまったアキは顔を真っ赤にさせ、何かの勘違いだと自分自身に言い聞かせるアキだった……。

 

 

 

***

 

 

 

「………………」

 

 

 自室に戻ったリヴェリアは真っ先の自分のベッドへと向かい、全身を布団で覆わせると両目を瞑り、昨夜の出来事を思い返していた。

 

 具体的にはエレンを連れ去った後の出来事だ。意識を飛ばしたエレンを抱き上げ、そのままの足で歓楽街にある()()()宿()へと向かった。その宿は一般的は宿に比べると()()()の値段なのだが、一室一室が完全防音になっており、客と店員とのやり取りが壁越しで行われるなど秘匿性の高いセキュリティとなっていることでそれなりに需要が高い宿で有名な宿である。

 

 

「………………」

 

 

 そして、ここからが本題である。その宿で一室を借りたリヴェリアは部屋に用意されているベッドにエレンを運ぶと、ここに来るまでに必死に堪えていたリヴェリアだったが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 これ以上の内容は彼女の為にあえて伏せておく……が、簡潔に言えば″発情したティオネに捕まったフィンの末路″と言えば分かるだろうか?或いは"【天界】から覗き見をしていたエレボス様が鼻血を全開で出しながらエレンに同情してしまう光景″と言った感じである。

 

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

 昨夜の出来事を思い返したリヴェリアは真っ赤になった顔を両手で覆いながら布団の中で両足をじたばたさせていた。もうすぐ年齢が三桁に達する彼女だが、いくら超強力な精力剤を浴びたとはいえ、情欲に溺れるがままに他派閥の団員(エレン)を食い荒らしたのだ。このような状態になっても致し方ないだろう───だが。

 

 

「精力剤の影響を受けていた時は一万歩譲ってまだいい!だが……だがぁ!!その効力を失ったときはどう説明するぅ!!隣で寝ていた(エレン)の姿を見て、私は……私は───あああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

 そう。彼女(リヴェリア)はヤってしまったのだ。()()()()()()()()()()()()

 

 大体朝の6時ぐらいだっただろうか。カーテンの隙間から差し込んできた朝日で目が覚めたリヴェリアだったが、起き上がると共に昨夜の記憶が濁流の如く押し寄せ、ハッとなった彼女はすぐさま自身の姿を確認した。

 

 寝間着をつけない状態で布団に包まっていたリヴェリア。さらに、その隣には自身が食い荒らし、滅茶苦茶にしてしまったエレンを抱き枕のように抱きかかえている自身の姿。

 

 

「………………」

 

 

 (エレン)もまた寝間着をつけていない状態……というか、彼をこのような姿にしたのはリヴェリア自身であり、ベッドのすぐ近くの床にエレンとリヴェリアの服が無造作に放り投げだされている状態になっていた。

 

 

「………………ゴクリ」 

 

 

 自分の胸の中で眠っているエレンの寝顔を見たりましたリヴェリアは思わず唾を飲み込んだ。安らかな表情で寝ているエレン。エレンの体温はやや高めなのか、服を着ていなかった状態のリヴェリアにとっては丁度いい温もりがあり、硬すぎず柔らかすぎないエレンの体はとても抱き心地がよかった。

 

 

「………………少し、少しぐらいなら」

 

 

 などと、謎の言い訳をしつつ『つまみ食い』に走ったリヴェリア。最初は一口だけと決心していたはずだったが、一口、また一口と手が止まらなくなってしまい、最終的には綺麗に『完食』を果たしてしまったリヴェリア。

 

 リヴェリアが『完食』した時には時刻は11時を過ぎており、エレンが目を覚ましそうな気配を察したリヴェリアはとっさにエレンから離れ、毛布で自身の体を包み隠した。

 

 

「……んん?ここは……?」

 

「…………起きたか」

 

「───へ?リヴェリアさんっ!?」

 

 

 エレンは起きたばかりで霞む目を擦りながら起き上がると、とある女性の声が聞こえその声が聞こえる方向へと視線を向けると、思わず大きな声をあげてしまった。

 

 エレンの視線には毛布で体を包み隠している翡翠の髪を持つ妖精(エルフ)の女性の姿。しかし、その女性の姿は全身を固く着込んだような恰好ではなく、()()()()()()()()()()()()()であり、毛布でどうにか隠されてはいるが腕や足などまでは隠しきれておらず、彼女の白い肌が露になってしまっており、その姿を見たエレンは思わず息を吞んでしまった。

 

 

「──────あっ」

 

 

 そして、エレンも気が付いてしまった。()()()()()()姿()()()()()……。

 

 リヴェリアと同様にエレンも下着の一切も着ていない状態なのに気が付いたエレンは急いで近くにあった毛布で体を隠した。そして、昨日の出来事から昨夜の出来事までの全てを思い出したエレンの顔は一瞬で真っ赤になっていた。

 

 

「…………とりあえず、着替えるか」

 

「…………はい」

 

 

 そうして、それぞれ別室に分かれた二人はそれぞれの服に着替え、泊まっていた宿を後にした。昨日と昨夜の出来事は全て『不慮の事故』ということになり、近くにいたアイズ達の口止めに関してはリヴェリアがやってくれることだった。

 

 

「くっ!まさかっ!まさか私がこんなに肉食だとは思いも知らなかったぞ……」

 

 

 ベッドの上で顔を突っ込んでいたリヴェリアは顔を真っ赤にしながら今まで自分自身の意外な一面があったことに驚いていた。

 

 エルフは本来、長命種が故に基本的に恋愛感情というものが他種族と比べると、()()()()()。寿命が長いということは(しゅ)を残そうとする本能が薄れてしまうのは仕方のないことではある。

 

 しかし、長い時を生きることができる妖精(エルフ)だが、これにはちょっとした『弱点』というか……『デメリット』のようなものが存在する。

 

 

「確かに……!私は今まで異性を好きになったことはない。だが、だが……いくら『耐性』がないからといって昨夜の『アレ』はないだろう!!!」

 

 

 リヴェリアが言っている『耐性』とは所謂『恋愛耐性』というものである。これは女性の妖精(エルフ)によく発生する現象なのだが、『恋』を知った女性の妖精(エルフ)はよく『暴走』を起こすことがある。

 

 ある者は新しい名前が必要になった際に、異性の名を自身に付け加えようとしたり……

 

 ある者は職権乱用を用いて異性の様々なランキングを作っては掲載したり……

 

 ある者はライバルなのか厄介ファンなのか分からず、白兎を追い回している山吹色の妖精とか……

 

 

 最後の妖精に関しては例外だと思われるが、『恋』を知ってしまった妖精(エルフ)は暴走を起こす事態(ケース)が存在し、勿論、王族妖精(ハイエルフ)も例外ではない───いや、王族妖精(ハイエルフ)の方が()()()()()()()()と言っていいだろう。

 

 

「……それに昨晩や今朝の行動でようやくわかったが……私がこんなにも『独占欲』や『嫉妬心』が大きいとは思いもしなかったぞ!」

 

 

 リヴェリアは昨夜と今朝の出来事を振り返ってようやく自分自身の中から溢れ出てくるドス黒い『何か』の正体を掴むことができた。

 

 それは、『独占欲』と『嫉妬心』である。

 

 まず、基本的に妖精(エルフ)には再婚といった概念が存在せず、伴侶が亡くなっても伴侶を愛し続ける種族だ。しかし、その深い愛情が何かの拍子に拗れてしまい、『独占欲』や『嫉妬心』として表れてしまうケースもあり、今のリヴェリアがいい例である。

 

 『初めて好きになってしまった相手を他の誰かにとられたくない』、『ほかの女性を見てほしくない』、『自分だけのものにしたい』───これがリヴェリアの中にある本心。そして、これらの本心が精力剤によって全て解放されてしまった結果が昨夜と今朝の出来事である。

 

 

「───駄目だ!リヴェリア・リヨス・アールヴ!彼は他派閥の団員。それに付き合ってもいない相手にこのような感情を持っては……」

 

 

 しかし、彼女にも立場というものがある。【ロキ・ファミリア】の副団長として彼女がこの『独占欲』と『嫉妬心』の前に立ち塞がり、二度と出てこないように己の心に大きな蓋をした。

 

 『これでひとまずは大丈夫だろう……』そう独り言を呟いていたいたリヴェリア。少し安心したと思うと少し眠くなった彼女は、睡眠を取ろうと毛布に体を包まると()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を優しく撫でながら、とても幸せそうな顔をして眠りについた。

 

 

 

 そして、彼女は気づいていなかった。彼女が閉めた大きな蓋は、既に所々で罅割れ、『中身』が漏れ出ていることに……。




ここまで読んでいただきありがとうございました。


妖精(エルフ)の色々な内容に関しては原作を読んで作者の独自解釈を盛り込んだ内容となっております。皆さんは肉食の妖精(エルフ)はお好きですか?投稿主は大好きです!!


エレン
 寝たはずなのに″疲労感″が半端ないことになっている。なお、今朝もリヴェリアに"食い荒らされた″ことにが気が付いていません。

 あと、エレンの回復魔法をリヴェリアにかければ正気に戻すことはできましたが、()()()()()()()()()()()()()()()
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。