聖火の精霊が英雄達を手助けするのは間違いだろうか 作:フェイト・
「第一回。『取り合えずヘルメス殺さないか?』裁判を開始する」
「「イェーイ♪」」
「ぎゃぁああああっ!!? 誰かぁああああああ、助けてれぇぇぇぇぇぇぇっっ!!?」
真っ暗な空間を蠟燭の明かりで照らされている不気味な雰囲気を漂わせる室内で、アルテミスの開始の合図を大きな声を上げるヘスティアとエレン───そして、天井から吊るされているヘルメスの姿があった。
「頼むぅ、許してくれぇ!!何でもするからっ!!!」
「と言っているが。生かして帰す?殺す?」
「「殺す♪」」
「よしわかった。お前達、準備をしろ」
『『『は~~~い』』』
ヘルメスの必死の命乞いを蹴り飛ばすエレンとヘスティア。そして、そんな二人の返事を聞き入らたアルテミスは自身の眷属に号令をかけると、アルテミスの眷属達は謎の液体で満たされた大釜を吊るされているヘルメスの真下に設置した。
なお、ヘルメスがこのような状態になっている理由は、エレンが【歓楽街】での出来事をヘスティアとアルテミスに話したからである。エレンから話を聞いたヘスティアとアルテミスは『ちょっと出かけてくる』と言い残して
「──────ナニコレ?」
「ヘルメス様の為に作った特製の薬品です♪恨みたっぷりで作りましたので、存分に堪能してください♪」
「助けてくださいお願いしますぅ!!!俺はまだ可愛い女の子とイチャイチャ───『ドボンッ』」
喋っている途中だったが、どうせ碌な内容ではないと早々に判断したエレンはヘルメスを謎の液体で満たされた大釜の中へと叩き落した。
「エレン君。さっきから気になっていたんだけど……この大釜の中身は一体何なんだい?」
「ん?この液体ですか?……偶々、廃教会でレシピを見つけたんです。何でも『ダメ男を去勢できる魔法のレシピ!(婚姻の女神公認)』って内容で作れそうなものをピックアップしました」
エレンがヘスティアの質問に答えると、懐から一冊の本を取り出した。何やら禍々しいオーラを放つ魔導書に似たような気配を放つ漆黒の本。しかも、なんか知り合いの女神の名が刻まれていたが見えたが、二柱の女神は見なかったことにした。
「ふむ。大体わかったが、『去勢』とはどういう意味なんだ?」
「それが、だいぶ年季のある本のようで所々読めないところがあるので何とも……」
「うわぁ、結構ボロボロだねぇ~。しかも、虫に食べられているところもあるし、全部は読めないなぁ」
エレンは持っていた本をヘスティアに渡して見せてみたが、中身は結構ボロボロの状態であり、読める所も多少は残ってはいるが、半分以上は酷い有様だった……。
「つまり、ヘルメスがこの液体を浴びてどんな結果になるのか分からない、と?」
「結果的にはそうなりますね。まぁ、『お仕置き』も兼ねた検証実験の面もありますけど……」
「じゃあそろそろ引き上げて様子を見てみようか、エレン君。悪いけどロープを引っ張ってくれ」
ヘスティアの指示を受けたエレンはヘルメスを縛っているロープを引き上げ始めた。ロープは徐々に短くなっていき、やがて大釜の中からロープで縛られた者が姿を現した。
「「「…………」」」
「ごほぉ、ごほぉ。死ぬかと思った……」
「「「…………」」」
「───ん?どうしたんだい、君達?」
「「「…………」」」
大釜から引き上げられた
***
「何ふざけた恰好でやってきてるんやおんどらぁぁぁぁぁっ!!!」
「ごほぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」
「なんで男のお前がドチビ並みのおっぱいを持っとるんやぁ?嫌味かぁ?ウチに喧嘩売っとるんかぁ?」
「イダダダダダダダッ!!?捥げるぅ!!捥げちゃうからやめてくれ、ロキィィィィィッ!!」
「捥げろぉ。捥げちまえぇ!!そして、このおっぱいをウチによこせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「───アストレア。これはどういう状態なんだい?私はロキから招集を受けてやってきたつもりなのだが……」
「それで間違いないわよ、ディオニュソス。それと、私もさっき来たばかりだから何も知らないわ。来た時からこの状態だったもの」
ここは歓楽街にある高級酒場の一室。ロキから『ダイダロス通りの地下で怪しい扉を見つけた』との報告を受け、この場所にやってきたディオニュソスとアストレアだったが、ロキが用意した部屋では馬
***
「いやぁ~、まさか、あの薬が
ヘルメス───いや、この際、『ヘル
そんなことは全く知らなかったエレン。ヘルメスに対する『お仕置き』が完了したエレンはベル達と合流するべく屋敷の中をウロウロしていると外で清掃を行っているベル達を発見したエレンは
「おーい」
「……エレンさん」
「……?何かあったのか?」
ベル達と合流を果たしたエレンだったが、ベル達の雰囲気がおかしいことに首を傾げた。話を聞くと、命の故郷で出会った友人が『娼婦』として、あの【歓楽街】にいたという。どうやら家を勘当されあの場所に流れ着いたらしい……。
「そこでその子を助けたいという話が出て……」
「はい。先ほどリリが提言しましたが、その人を助け出すのは反対だと思います」
「理由は?」
「その人がいる派閥は【イシュタル・ファミリア】です。【アポロン・ファミリア】とは比べ物にならないほどの相手───しかも、
「ふ~む」
リリの説明を聞いたエレンは両腕を組んで深く思考を始めた。リリの言う通りこっちの戦術や能力などは前の
「う~ん。娼婦の女性……娼婦……しょうふ?」
「ん?何か閃いたのか、エレン?」
「……なぁ、ベル。その女性って娼婦なんだよなぁ?」
「?……そうですが……何か……?」
「───出来るかどうか分からないけど……その娼婦って……」
***
「女の子をお金で買いたいだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「オリオン。どこでそんなことを覚えてしまったんだ?ヘルメスか?ヘルメスだなぁ?ヘルメスなんだなぁ?」
「ヘスティア様、アルテミス様ぁ!?落ち着いてくださいぃ!!あとヘルメス様は何も関係していません」
エレンから『とある方法』を聞いたベル達は『その方法ならいけるのでは?』という反応を示し、エレンの提案をそのままヘスティア達の所まで持っていったが、その話を聞いたヘスティアとアルテミスは、ベルが『良くない知識を植え付けられているのでは!?』と少し前までここにいたヘル
それでも命の必死の想いがどうやらヘスティアとアルテミスにどうやら届いたようで、渋々許可してくれた。
「しかし、イシュタルかぁ……。いつもなら殴り込んで速攻で片を付ける所なのだが……」
「さらっととんでもない内容が聞こえた気がするけど……やっぱりイシュタルの派閥はそんなに強いのかい?」
「あぁ~。【イシュタル・ファミリア】の強さは、悔しいが
現在の【アルテミス・ファミリア】の戦力は、団長のレトゥーサがLv.4。ランテや他の団員達がLv.3であり、【
【
「それでは、その娼婦のお方を『身請け』するのは確定という訳なのですが……」
「なんだ、リリ助?何か問題でもあるのか?」
「ヴェルフ様。娼婦の身請け金って幾らなのかご存じなのですか?」
「……言われてみれば、『身請け金』って幾らするんだ?」
「その娼婦のお方が背負っている借金の額……とかですかね?あとはその娼婦の位とかですかね。話を聞く限り戦闘員ではないようですが、
「……500万ヴァリアスでいけると思う?」
「すまん。詳しくは何も……」
「リリもそこまでは……どっかに【歓楽街】に
「……いるわ、【歓楽街】に詳しいのが」
「「?」」
そう呟いたエレンは何も言わずに
「ただいま~♪」
「いや、『ただいま~♪』じゃなくて説明をしてくれ、エレン君!!こっちはようやくロキから解放された所だったんだよ!?」
「やぁ~、ヘル
「また会ったな、ヘル
「いやいや!俺をこんな姿にしたのは君たちだよね?おかげでこっちはアスフィから『どちら様ですか?』って他人みたいに扱われたんだけどッ!?」
ヘル
ヘルメスの
「───なるほど。事情は大体把握できたよ。少なくともその子を強引に娼館から連れ出す……イシュタル達に刃向かう真似は、間違ってもお勧めできない───アルテミスは特に、だ」
「なんだ、ヘルメス。お前には私が何も考えず突っ込むような奴に見えるのか?」
「現に君はそんな所があるだろう?半月前ぐらいにラシャプが新しく作った派閥に攻め込んだって話を聞いたんだが……」
「?それがどうした?
「そういうところだぞ!!!」
アルテミスはきょとんとした表情で答えるが、その内容を聞いたヘルメスは大きな声でツッコミを入れた。風の噂で【アルテミス・ファミリア】が新生【ラシャプ・ファミリア】に攻め込んだという話を耳にしていたヘルメスだったが、どうやら本当だったらしい。
「ま、まぁ~。その話は一旦置いておくとして……娼婦の『身請け金』の相場だけど2,300万が相場だと聞いているよ」
「……『中層』に行けるようになった自分達なら稼げなくもない金額ですね」
「それでも娼婦の位で値段も大きく変動するって話もあるから、相場の倍の金額の準備は必要だと思っておいたほうがいい」
「……そうなると、エレン様が最初におっしゃった500万ヴァリスが目標金額にはなりそうですねぇ」
「少し前にフレイヤ様の
「そういえば……エレン君。
「あ~、
『『『『『?』』』』』
『例のもの』とか『アレ』とか意味深な単語を用いて会話をするヘスティアとエレンの姿に首を傾げる一行。その様子に気が付いたエレンは『ちょっと待っていてください』と言い部屋を退出───数分後には
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ヘル
ですが、完成あと一歩の所で作戦が【ヘラ・ファミリア】にバレてしまい没収。改良されたものを実験として浴びせられました。その結果『体』のみが女体化してしまう代物になってしまい、その団員は一か月はその状態が続いたようです……。
他にも服が“透けて見える魔道具”や、“服のみ溶かす溶液”などの開発などもしていたようですがそのレシピは全て没収されましたが、そのレシピが書かれている本はエレンが拾った本に書かれています。