ヒーロside
私達は、コータ君の『びざ』を獲得する為に、今夜は全員で『げぇむ』に参加する事にした。
だけどこの日、『げぇむ』会場で信じられないものを目の当たりにした。
「うそ……」
「もうとっくに日没を過ぎてるのに、『げぇむ』が始まらないなんて…」
今夜は、もうとっくに日没を過ぎているのに『げぇむ』が始まらなかった。
『げぇむ』会場の外に出た人がレーザーで撃たれる事もなかった。
しかも今日の『げぇむ』会場のモニターには、今まで見た事のない文字が表示されていた。
《いんたあばる》
《ほんじつをもつて「げえむ」は》
《つぎのすてえじへいこうします》
《ただいまじゆんびちゆう》
「ここも…か」
「2日前からずっと…どの『げぇむ』会場もこの調子だ…」
私達の近くにいた二人組が、そう呟く。
私達が最後に参加した『げぇむ』は、3日前の『
私とミツキさん、ジュンさんはまだ『
もし今日『げぇむ』が開催されなかったら、コータ君は……
嫌な想像が頭の片隅に浮かんだその時、別の二人組が口を開く。
「なんなんだよ…『いんたあばる』って…!?」
「オレの…『びざ』は、昨日で切れるはずだった…なのに何で…まだこうして生きてんだ…?」
『びざ』が昨日で切れるはずだった…
って事は、『いんたあばる』の期間中は『びざ』が減ってないって事?
2日前から『いんたあばる』が始まったって事は……コータ君の『びざ』は、まだあと3日分残ったまま…?
でも、なんで急に『じゅんびちゅう』になったんだろう…
私達が知らないだけで、何かきっかけがあったのかな……
そう思っていると、酒瓶を片手に持ったおじさんが口を開く。
「そういや、お前ら知ってるか?」
「何が?」
「水着着てロッカーキーつけた連中だよ。お前らも『げぇむ』会場で一回くらい見た事あるだろ?」
「あっ、そういえば……」
おじさんが話しかけると、ジュンさんがハッとした表情を浮かべる。
ロッカーキー……あっ、そういえば、アグニさんとニラギさん、それともう一人のタトゥーの人も、ロッカーキーを付けてたような気がする。
「その連中がどうかしたのか?」
「ソイツら、大勢で徒党組んでトランプ集めてたらしいぜ。ソイツらがトランプを全種類集めてたりしてな」
そう言っておじさんは、ニヤリと笑って酒瓶に口をつけて直接お酒を飲む。
トランプを全種類集めた……
もしかして、『げぇむ』が全種類『くりあ』されたから、『いんたあばる』が始まったって事…?
『つぎのすてぇじ』……
これから何が始まるの……?
◆◆◆
ツエダside
子供の頃から、周りはバカばかりだと常々思っていた。
どいつもこいつも、口を開けば中身のない会話ばかり。
何の為に生まれてきたのか、何の為に生きているのかもわからずに、なんであんなにも笑って生きていられるんだろう。
何も考えずにヘラヘラ笑ってのうのうと生きているバカを、いつもどこか冷めた目で眺めていた。
だけど本当は、羨ましかったんだと思う。
私には、私の帰りを待ってくれている家族も、同じ目線で語り合える友達もいなかった。
母親にすら愛されず、パソコンをいじって過ごしていた私には、同年代の子達が夢中になっているものに何ひとつ関心が持てなかった。
なまじ頭が良いから、何でもかんでも斜に構えて見てしまう。
人の善意を素直に受け取れずに、突き放してしまう。
そんな自分が嫌いだった。
本当は、難しい事なんて何も考えずに、普通に家族や友達と笑い合える皆が羨ましかった。
頭悪くなりたくて、頭空っぽにして絶望を忘れたくて、バカな事をやって過ごした頃もあった。
高校の頃に好きでもない相手で処女を捨てて、大学の頃には酒やタバコやギャンブルに手を出した。
バカのフリをしていれば、皆私の知らない事を色々教えてくれたし、好奇心が満たされるのは悪い気分じゃなかった。
何より、一人でいるよりはずっとマシだった。
だけどバカをやればやるほど、私の心は冷えていった。
酒やタバコ、ギャンブルやセックスに溺れても、悪い仲間とバカをやって過ごしても、その一瞬、ほんの少し絶望が紛れるだけ…そこに希望なんて無い。
「なぁセンジュ。お前最近付き合い悪くねぇか?何がそんなに不満なんだよ?前はオレとゲームやるのが楽しいっつってたじゃねぇかよ」
「んー……なぁんつーか……アンタといるの、飽きたんだよね」
「は?」
「アンタ話つまんないし、ゲームだってもうアタシの方が上手いし。これ以上アンタといても得られるものが無いっていうか…ぶっちゃけインセンティブの低い株に投資するのも時間の無駄っていうか?」
これまで何人も彼氏を作ってきたけど、どれも長続きしなかった。
彼氏と過ごしている時間は、最初だけは好奇心が刺激されて満たされた気分になったけど、私を孤独から救ってはくれなかった。
彼氏に教わったツーリングも、ゲームも、ギャンブルも、コツを掴んだらすぐ私の方が上手くなって、彼氏は新しい事を教えてくれる刺激的な存在ではなくなった。
一度飽きてしまったら、恋人と過ごす時間を楽しいと思えなくなった。
「なっ…ふざけんじゃねえぞ、このクソアマ!!」
私が別れ話を切り出すと、バカがカッとなって私の顔面を殴ってきた。
どいつもこいつも、バカばっか。
外ヅラでしか人を見れないし、ちょっと煽てたら鼻の下伸ばして近づいてくるし、ちょっと煽ったくらいですぐに本性を剥き出して暴力振るうし。
「はぁ〜…男ってクズとバカしかいないわけ?マジムカつく。死ねよクソが」
「大丈夫か?」
路地裏で鼻血を垂らしながらタバコを吸ってウジウジしていると、誰かに話しかけられた。
顔を上げるとそこには、同じ大学の男子が立っていた。
「腹減ってんのか?これでも食って元気出せよ」
そう言ってソイツは、ハンバーガーを差し出してきた。
半分に切ったドーナツにベーコンとパティが挟まった変なハンバーガーに、9割の好奇心と1割の疑念を抱きつつ齧り付く。
口に含んだ瞬間、形容し難い不味さに、思わず顔を顰めた。
「うん、クソマズいってのは噂通りだべ!学食のドーナツバーガー!」
「テメェ…ウジウジしてるアタシで試したのかよ。死ね」
「気付け薬としてはピッタリだろ?そのクソマズいバーガー、オマエをぶん殴ったクソ野郎の顔だと思って食ってみろ。そしたら少しはスカッとしねえか?」
ソイツがそう促すので、私はドーナツバーガーにクソ野郎の顔を重ねて睨みつけた。
思いっきり齧ったら、やっぱり不味かったけど、少し気が晴れて、クソ野郎に殴られた事なんてどうでも良くなった。
だけどまともに愛情を受けた事がない私は、ソイツの好意を素直に受け取れなかった。
それでもソイツだけは、私の前からいなくならなかった。
どんなに冷たく突き放しても、ソイツはバカ犬みたいに私の側をくっついてきた。
それが彼…サムとの出会いだった。
サムは今までの奴等と違って、どんなに彼の事を知っても、興味が失せる事がなかった。
むしろ彼を知れば知るほど、それ以上にもっと知りたいと思うようになった。
彼に私の事を認めて欲しいと思った。
多分、彼に恋をしていたんだと思う。
だからかもしれないけど、彼と一緒に開発していたAIプログラムが完成した時は、人生で一番嬉しかった。
私が作ったプログラムを見たサムが、笑顔を浮かべてこう言ったのを、よく覚えている。
「毎日少しずつ成長するAIか。まるでオレとオマエの子供みたいだべ?」
「子供……」
子供なんか、嫌いだった。
うるさいし、汚いし、すぐ泣くし、可愛くもない。
子供を産んで家庭を持つ未来が、全く想像できなかった。
母親になるつもりなんてこれっぽっちも無かったから、酒やタバコに手を出すのも躊躇わなかった。
だけど彼との子供なら、一緒に育てていく道もあるのかもしれないと思えた。
「……それも悪くないわね」
サムは、私を孤独から救ってくれた。
彼に出会って、私はようやくずっと探し求めていたものが手に入れられた気がした。
ずっと無駄な時間を過ごしてきたけど、私はずっと、誰かに認めてほしかった。
だけどたまには、ソイツと同じ目線でバカな事もやってみたかった。
彼と一緒なら、それが両方できた。
彼と一緒なら、何だってできるって本気で思ってた。
私は、たった一人でも、仲間が欲しかったんだ。
◇◇◇
「ん……」
すっかり暗くなった部屋の中でぱちっと目を開けると、プラチナブロンドの髪が視界に映り込む。
私の隣では、チシヤが全裸でベッドに横になっていた。
彼の顔を見て、少しずつ頭の中がクリアになってくる。
私とチシヤは、『げぇむ』の前に発散しとこうって事で、ついさっき久々に身体を重ねた。
私達は、『ビーチ』にいた頃からお互いに欲をぶつける都合のいい相手と割り切って、身体を重ね合わせていた。
最後の『げぇむ』で溜まったストレスもあったのか、今回は珍しくあっさり乗ってくれた。
こうやって気軽に性欲を発散させてくれる相手がいると助かるわぁ。
私がチシヤの胸板に頭を寄せると、髪がくすぐったかったのか、チシヤは少しゴツゴツした手で私の髪を梳かして頭の後ろへ移動させた。
密着してるも同然なので、お腹の辺りには
女みたいな見た目をしてるし、男にしては声が高いし、筋力も私の方があるのに、こういう時だけは、コイツも男なんだと意識させられる。
密着していたらまたしたくなって、クスッと笑って声をかける。
「もう一回する?」
そう言って私は、チシヤを上目遣いで見る。
するとチシヤは、私の肩を掴んで突き放しながら口を開く。
「次の『げぇむ』で、お互い生きてたらね♪」
「おい、フラグ立てんな」
チシヤが私達のどっちかが死にそうなフラグを立てるので、私はムッとして眉を顰める。
まあ私は、死ぬなんて思ってないんだけどさ。
っていうか、次の『げぇむ』はいつになったら始まるのよ。
そろそろ平穏な毎日にも退屈してきたんだけど。
なんて思いながら、チシヤに体重を預けてそっと抱きついた、その時。
――ドォン!!
「何……?」
突然窓の外で、大きな音が響いた。
ぼんやりとする頭を持ち上げて窓を見ると、空には花火が打ち上がっていた。
脱ぎ散らかしたパンツを拾って穿いていると、チシヤがパンツを穿いて窓の前に立った。
私もベッドから立ち上がって胸をブラのカップの中に入れつつ窓の外を見ると、無数の花火が打ち上がっていた。
「花火…?」
なんで急に花火が……
もしかして、運営がこれから何かを始めるつもりなの…?
いや、そうとしか考えられないんだけどさ。
そう考えていると、リビングのテレビの電源が勝手についた。
チシヤがパーカーを身につけてテレビの前のソファーに座るので、私も下着の上からパーカーを羽織ってチシヤの後ろに立ってテレビを眺めた。
しばらく画面を眺めていると、薄暗いスタジオに4人の人物が映り込む。
画面の下の方には、『緊急会見!!』の文字が見える。
『はい…はいっ、あ…えっ!?』
4人の前に、アナウンサー風のお姉さんが走ってやってきた。
なんだ……?
『マイク…入ってるんですか!?』
アナウンサーのお姉さんは、慌てた様子で言った。
グダグダじゃねーか。
「……アタシら何を見せられてるわけ?」
「さぁ?」
私がタバコに火をつけながら言うと、チシヤが肩を竦めた。
ようやく準備が整ったらしく、お姉さんが話し始める。
『え、えー、これより、生中継での緊急会見を放送させていただきます。本日は『今際の国』の国民を代表して、こちらの4名にスタジオにお越しいただきました』
そう言ってアナウンサーが指した先には、4人の男女がいた。
逆光になっていて、顔は見えないけど…
そのうち二人は、見覚えのあるシルエットをしている。
「『今際の国』の…」
「国民?」
突如アナウンサーが放った言葉に、私とチシヤは疑問を抱く。
『それではまずはじめに、『
そう言ってアナウンサーが指した一番左端の男の背後には、『ガァン…』という音と共に♢のKのトランプが浮かび上がる。
背後のトランプによって、『
あのシルエット、もしかして……
『おめでとう。『ぷれいやぁ』諸君。今回君達は異例の早さで、絵札を除く全ての『げぇむ』を『くりあ』した。よってその功績に賛美と敬意を表し、先程の花火と、こうして我々の存在を明かす機会を設けさせていただいた』
……やっぱり。
ボーシヤと一緒に『ビーチ』から消えた時点で、おかしいと思ってたのよね。
アンタだったのね、クズリュー。
『だがしかし、これまで同様、この『今際の国』における『げぇむ』の目的や趣旨については、私の口から語る事は一切しない。私に然るべき義務もなければ、君達にそれを知る権利も無い。故に、理解も求めない。私からの発言は、以上だ』
『
「『ぷれいやぁ』……ねぇ」
「あぁ、なるほどねぇ。そういう事」
クズリューの話を聞いた私達は、この『今際の国』のシステムをなんとなく理解した。
要は今までの『げぇむ』は、私達『ぷれいやぁ』と、アサヒやモモカ達のような運営側との、生き残りをかけた対決。
差し詰め、『ぷれいやぁ』の『くりあ』条件は『げぇむ』を生き残る事、運営側の『くりあ』条件は『ぷれいやぁ』を『げぇむおおばぁ』にする事ってところかしら?
『えー続きまして、『
アナウンサーのお姉さんが言うと、『
『えっ…とォ、ど…どもっ!『
「はは……」
『
私には、テレビに映っているコイツが、神とか悪魔とか宇宙人とか、そんな特別な存在には見えない。
少なくとも私には、コイツらは私達と同じ、天才や秀才の域を超えない、ただの人間に見える。
だったら、私達『ぷれいやぁ』と、コイツらの違いは何?
『あははっ!えーっと…あ、そうだ!とにかくっ…あれだあれ!!『ぷれいやぁ』と『でぃいらぁ』の対決はこれで終わりだから、勝った君らはいよいよオレ達との決勝戦っ!!お互い悔いのないように頑張ろーぜっ!!こんなんで…いいのかな?ど…どもっ!『
『
なるほどね、大体わかってきた。
やっぱり今までの絵札以外の『げぇむ』は、私達『ぷれいやぁ』と『でぃいらぁ』の対決だったわけ。
そして決勝戦…次の『すてえじ』とやらは、絵札をかけた戦い…コイツらとの直接対決ってわけね。
◆◆◆
ヒーローside
私達は、家電量販店のテレビの画面で、『今際の国』の国民とやらの緊急会見を見ていた。
ちょうど今、『
「何なんだよ、コイツら…!」
「これから何が始まるの…?」
私達は、突然の緊急会見に混乱していた。
『ぷれいやぁ』とか『でぃいらぁ』とか、何の話…?
ダメだ、全然頭が追いつかないんだけど……
コメントの内容をほとんど理解できないまま、会見は続く。
『続きまして、『
そう言ってアナウンサーの女性が指した先、『
男性の背後に、『ガァン…』という音と共に♠︎のKのトランプが浮かび上がる。
『これは…未練を絶つ為に必要な、救済だ。我利を求め奔走し、煩悶と後悔を生み出し続ける生への未練を…』
救済…?未練……?
何言ってんのよ、コイツら……
◆◆◆
ツエダside
『
『
「末法思想か…コイツはさっきの奴よりタチが悪いかもね。バカが小難しい事を考え出すと、極端だ」
「ふぅん、救ってやってるつもりか。何様のつもりなんだか」
私とチシヤは、『
要はコイツの言ってる事って、アレでしょ?
生き延びて苦しむくらいなら、さっさと死ねって事でしょ?
『救済』だとか、『未練を絶つ』とか、自分を神か悪魔だとでも思ってんのかね。
上から目線で腹立つわぁ。
『それでは、最後に、『
そう言ってアナウンサーのお姉さんは、一番右端に座っている女を指す。
女の背後に、『ガァン…』という音と共に♡のQのトランプが浮かび上がる。
私は、『
『…期待した人も多いのではないかしら?もっと肝心な何かを私達から聞けるはずではないのかと…何故、こんな『げぇむ』をする必要があるのか?何故、自分達がこんな目に遭わなくてはいけないのか?理由を求める生き方をやめ、災難だったと諦めれば楽になれるというのに…それでも、強いて理由を挙げろと言うならば…私達が、病気だからよ♡そろそろ『答え』を探すのはやめなさい。文字通りこれはただの、『げぇむ』。『げぇむ』は、楽しむもの。でしょ?どう?今……楽しい?』
私は、『
やっぱりアンタだったのね……ミラ。
楽しい……か。
……まあ、強いて言うなら楽しいかな。
ちょうど、変わり映えのない毎日に飽きてきたところだ。
今度は、どうやって私を楽しませてくれるのかしら?
◆◆◆
ヒーロside
『最後に…今後の日程につきまして、『げぇむ』の『ねくすとすてぇじ』は、明日、正午をもって開催されます。以上、緊急会見を生中継でお送りしました───』
アナウンサーの言葉を最後に、生中継が終わる。
私達はしばらく、電源の切れたテレビを眺めていた。
「クソッ…何なんだよ、意味わかんねーよ!」
中継が終わると、ジュンさんは苛立ちを露わにしてテレビの画面をガンッと殴る。
私は、『今際の国』の国民とやらが会見で言っていた事がほとんど理解できなかった。
だけど私がこれからどうすればいいのか、これだけは直感でわかる。
「それでも……私達がやる事は変わらない」
これからどんな困難が待ち受けていようと、関係ない。
私は、最後まで生き残る。
生きて、生きて、生き抜けば、絶対どこかに『答え』があるはず。
生きて皆で元の世界に帰るんだ。
◆◆◆
ツエダside
会見が終わると、テレビの電源が勝手に落ちる。
中継が終わって、ふとチシヤの顔を見てみると、チシヤはニヤリと笑っていた。
やっぱり…コイツ今、私と同じ事考えてるわね。
「嫌いじゃない展開だ♪明日の正午が…」
「待ち遠しくて仕方ないわね♪」
チシヤが不敵な笑みを浮かべながら言うので、私もタバコの煙を吐いてクスッと笑った。
さて、と…
これからどうするかねぇ。
「次は『今際の国』の国民との直接対決だって。多分、絵札の12枚を巡って戦う事になるんだろうけど…どうしようか?」
「どうもこうもないだろ。オレは好きに動くから、アンタも好きにしたら?」
「そうね。だったら、アタシは二手に分かれようと思ってんだけど。アタシとアンタって、どっちも得意ジャンル『
「『
私が言うと、チシヤも私の意見に賛成した。
ここからは、二手に分かれた方が良さそうね…
今までは、『げぇむ』会場に入るまで『げぇむ』の難易度とジャンルがわからなかったけど、次の決勝戦は『今際の国』の国民との直接対決だから、参加する『げぇむ』を自分で選べる可能性が高い。
だったら尚の事、二手に分かれて別の『げぇむ』に参加した方が効率がいい。
ワンチャン残ってる『
「もし参加する『げぇむ』を自分で選べるんだったら、アタシは『
「オレの事、よく分かってんじゃん♪」
私が言うと、チシヤがニヤリと笑う。
どーせアンタの事だから、『
本当は私も『
「アンタが『げぇむおおばぁ』になっても、仇はアタシが討るから、安心して負けていいわよ」
「その言葉、そっくりそのまま返すよ」
私がタバコの煙を吐きながらニヤリと笑うと、チシヤが相変わらずの憎まれ口を叩いた。
『
◆◆◆
No side
薄暗いスタジオに、4人の男女がいた。
眼鏡とスーツを身につけた男、『
長いカーリーパーマの髪をした男、『
深くフードを被った初老の男、『
黒髪ロングの髪をしておりパキッとした赤いルージュを塗った女、『
クズリューとミラは、かつてはアリス達がいた『ビーチ』幹部のNo.3とNo.6だった。
「たった今、『でぃいらぁ』による…絵札の『げぇむ』12会場の設置が完了したそうよ」
ミラは、たった今入った情報を、他の3人に伝える。
するとキューマが、緊急会見の司会を担当した女性アナウンサーの方を向いて、名残惜しそうに言った。
「これで君ら『でぃいらぁ』とも本当にお別れかァ…短い間だったけど、一緒に仕事できてマジで楽しかったぜ!!」
キューマは、『でぃいらぁ』の女性アナウンサーに向かって礼を言った。
すると女性アナウンサーは、涙を流して震えながら懇願する。
「あ…あのっ!言われた通りに全部やりました!!ですから………お願いですから…!!どうか私の命だけは…!!」
「いやぁー例外作っちゃまずいっしょ。だってさ、『ぷれいやぁ』を全員『げぇむおおばぁ』にできれば『でぃいらぁ』の勝ち。『ぷれいやぁ』に全種類の『げぇむ』を『くりあ』されれば『でぃいらぁ』の負け。そういう『るうる』だったんだから、しょうがないよね」
キューマは、女性アナウンサーの懇願を却下した。
その直後、女性アナウンサーの身体をレーザーが貫通した。
さらに、『今際の国』にいる全『でぃいらぁ』の身体にレーザーが貫通し、『でぃいらぁ』全員が次々と『今際の国』から排除されていった。
「『でぃいらぁ』全員の殺処分が確認出来次第、各自所定の『げぇむ』会場で明日まで待機」
「久々の『げぇむ』だなっ!身体ナマってねーか心配」
クズリューは、他の絵札の国民達に指示を出した。
するとシーラビは無言で頷き、キューマが楽しそうに口を開き、ミラは不敵に微笑む。
◆◆◆
ツエダside
『今際の国』滞在61日目、正午。
いよいよ、絵札をかけた戦いが始まる。
東京の空には、全部で12機の飛行船が浮かんでいる。
飛行船には、トランプの絵札が描かれたタペストリーが吊り下げられていた。
「……やりますか」
私は、空に浮かんだ飛行船を眺めながら、スゥッと息を吸った。
強く吹いた風が、眉の辺りで切り揃えた前髪を揺らした。
───今際の国滞在61日目
残り滞在可能日数
潰田千寿 44日
◆◆◆
ヒーロside
『今際の国』滞在12日目、正午。
「よしっ」
スニーカーの靴紐を固く結んだ私は、立ち上がって深呼吸をする。
いよいよ、最後の戦いが始まる。
全ての『げぇむ』を『くりあ』した先に、きっと『答え』はある。
「必ず、『答え』はある」
そう言って両手で自分の頬を打ち、気合を入れた。
この先どんな困難が待ち受けていようと、私は生きる。
───今際の国滞在12日目
残り滞在可能日数
大木場柊色 14日
『ねくすとすてぇじ』の『げぇむ』は、前作とは内容を変えます。
もちろんですが、国民も前作とは違います。
あと、本作でも『♠︎Q』はオリジナルゲームとオリジナル国民を登場させます。
ドラマ版の『♠︎Q』の『げぇむ』は、正直言って嫌いなので。
あと今回は、オリ主が参加しない『げぇむ』はカットします。