『ねくすとすてぇじ』開催4日目、午前0時過ぎ。
私達は、皆で協力して『
『
「よっしゃあああ!」
「オレ達、生き残ったんだぁ!!」
『げぇむ』に参加した皆は、お互いの身体を抱きしめ合って喜んでいた。
私達は、『ぷれいやぁ』を誰一人死なせずに『げぇむくりあ』できた。
「誰も死なずに『くりあ』できて良かったですね」
「これでコータ君の『びざ』も手に入ったし…」
タクマさんとミツキさんは、安堵の表情を浮かべていた。
これであと11日は、コータ君は『びざ』切れせずに生き延びる事ができる。
『
アスレチック公園の端に置かれていたレジに行くと、24人分の『びざ』と、『
私がトランプと『びざ』を受け取ると、一緒に『げぇむ』に参加した人達が話しかけてくる。
「ありがとう、アンタらのおかげで生き残れた」
「アンタら、オレ達の命の恩人だよ」
皆は、最後にくらぶのじゃっくチームに一泡吹かせて『ぷれいやぁ』を全員解放したミツキさん達にお礼を言った。
するとミツキさんは、優しく笑顔を浮かべながら口を開く。
「それはお互い様ですよ。私達も、皆さんのおかげで勝てたんです」
そんな中、クリモトさんがヒラヒラと手を振る。
「じゃ、オレはもう行くぜ。いつまでもこんな所に用はねぇからな。じゃあな。お互い、最後まで生き残ろうぜ」
「ええ。お元気で」
私達は、『げぇむ』会場を去っていく『ぷれいやぁ』達を見送った。
「あの…ミツキさん。実は、『げぇむ』会場の外に私の仲間がいて…怪我してるので一緒に連れて行きたいんですけど、大丈夫ですか?」
「ええ、もちろんよ。皆で一緒に生き残りましょう」
「私達にも、何かできる事があったら言って」
「……ありがとうございます」
私がキズナちゃんを連れてミツキさん達と一緒に行動してもいいか訊くと、ミツキさん、サカナさん、カワズさん、タクマさんは、キズナちゃんを快く仲間に引き入れてくれた。
『げぇむ』会場の外に出ると、キズナちゃんが外で待っていてくれた。
「ヒーロさん!良かった、無事『くりあ』できたんですね!」
「キズナちゃん…」
私が『げぇむ』会場の外に出ると、キズナちゃんが私に抱きついてくる。
私はキズナちゃんの背中を撫でつつ、ミツキさん達にキズナちゃんの事を紹介した。
「あっ、ミツキさん。こちら、キズナちゃんです」
「はじめまして。富庭絆です」
「キズナちゃんね、私は兎野三月。で、この人達が、カワズさん、サカナさん、タクマさん、コータ君よ。よろしくね」
キズナちゃんとミツキさん達は、お互いに自己紹介をした。
私とキズナちゃんは、ミツキさん達に連れられて押上駅に向かった。
ミツキさん達は、私とジュンさんと逸れた後、『
その時に、同じように地下鉄に逃げ込んだ人達と3日間一緒に暮らしていて、『
全員で生きて『げぇむくりあ』できた事の報告と、助けてもらったお礼がしたいって事で、私達はその人達がいる地下鉄の駅に向かった。
すると、ちょうど押上駅から人が出てきた。
「皆さん…」
「アンタら、『げぇむくりあ』したんだな」
ミツキさんが僅かに目を見開くと、駅から出てきた人達がフッと微笑む。
もしかして、この人達が、ミツキさんの言ってた、一緒に地下で暮らしてた人達なのかな?
「私達が『くりあ』できたのは、皆さんのサポートのおかげです。ありがとうございました」
そう言ってミツキさんが、駅から出てきた男の人に頭を下げた。
そういえば、食糧を分けてもらったり、『げぇむ』に使えそうなものを色々用意してもらったって言ってたな…
なんて考えていると、男の人は、頬を掻いて俯きながら少し恥ずかしそうに口を開く。
「オレはあんなバケモンみてぇな奴等に立ち向かう勇気が無いから、『びざ』が切れるまで隠れて過ごすつもりだった。あんな奴等に勝っちまうなんて…何つうか…アンタら、すげぇよ」
男の人は、不器用な言葉でミツキさん達を称賛した。
すると別の男の人が、東京23区の地図を私達の方へ放り投げながら口を開く。
「アンタらに朗報だ。アンタらが『げぇむ』会場に向かってる途中、『
「え…!?」
「これで、残ってる『げぇむ』はあと7種だ」
嘘……!?
『
しかも『
渡された地図を見ると、『げぇむ』会場に対応する絵札が描かれていて、『
「『
「誰が『くりあ』したんだろう…」
「わかんないけど…すごい奴だって事は確かだよ」
私達は、地図を見ながらそんな事を呟く。
誰が『くりあ』したのかはわからないけど、きっと、すごく強くて勇敢な人なんだろうな…
◆◆◆
ツエダside
「ぶえっきし!!」
マンションの屋上で飛行船を見張っていた私は、大きなくしゃみをした。
リュックのポケットの中に入れてあるポケットティッシュを一枚取って、思いっきり鼻をかむ。
「あぁ、誰かがアタシの噂してる。やっぱり美女だからかしら?あ〜あ、美しさって罪だわぁ」
私がそんな事を言っていると、チシヤが冷ややかな視線を向けてくる。
「序盤から1人で『げぇむ』を2つ『くりあ』するとか…ちょっと調子に乗りすぎなんじゃない?」
「だってじっとしてるのは性に合わないんだも〜ん」
チシヤに冷ややかな目で見られながら言われた私は、ウイスキーをガブ飲みしながら言い訳する。
私がなんでコイツと一緒にいるかというと…
◇◇◇
12時間前。
『
これ以上血を流したら、流石に死ぬかも。
早く血を止めないと……
幸い臓器は貫通してないけど、早く塞がないとやばい。
くそ、自分で縫うしかないか……
私は、『げぇむ』会場に持ち込んだリュックから救急セットを取り出して、その中から縫合針と糸を取り出した。
そして縫合針に糸を括り付け、お腹の傷口を縫った。
「あ゛ー、くそ…痛ってぇ……」
くっそ、痛え…
我慢できない程じゃないけど、麻酔なしで自分で自分の傷口を縫うとか、二度とやりたくない…
あーあ、こんな時チシヤがいてくれればなぁ…
……いや、アイツの事だから、私を助けてくれるわけがないし、結局自分でやるハメになってたかも。
なんて心の中で愚痴りつつ、縫った傷口にガーゼを当てて、テープで固定する。
「よし…血は止まった…」
あとは、病院行ってちゃんと手当てしないと…
確か、破傷風の薬とか打たないといけないんだっけ…
私は、コンサートホールの出入り口に置かれていたレジでトランプと『びざ』を受け取ると、そのまま『げぇむ』会場を後にした。
ふと上を見てみると、『
『
そんな事よりも、今は病院を探さないと…
「病院…病院…」
スクランブル交差点を抜けた私は、渋谷区と世田谷区の区境をウロウロして、病院を探した。
血を流しすぎたせいで、頭の中がクラクラする。
自分の身体が、自分のものじゃないみたいに重い。
「はぁ……はぁ……ゲホッ、ゲホッ……」
咄嗟に口を押さえて咳き込むと、掌が血で汚れる。
「ゼェ…ゼェ…くそ……こりゃあ、アタシも永くないかもな…」
急に視界がぐにゃりと歪んで、まともに立っていられなくなる。
バランスを崩した私は、壁にもたれかかってその場に倒れ込む。
夏場なのに、凍えるように寒い。
頭がボーッとして、身体がいう事をきかない。
ま、好き勝手やってきたから自業自得か…
でも、最後の1秒まで生き切るって、アイツと約束したから。
こんなところで死ぬのを待つくらいだったら、燃え尽きるまで生きたい。
私は、血を流しすぎてうまく動かない身体を引きずって、病院を目指した。
路地裏を抜けると、大きな病院に辿り着いた。
「あった…病院……」
病院に辿り着いた私は、使えそうな薬を片っ端から探す。
軟膏を塗って、ガーゼを取り替えて…破傷風のワクチンを打って…薬も飲まななきゃ…
造血剤やら、抗生物質やら、必要な薬をかき集めて、ペットボトルの水で口に、胃に流し込む。
あと、血になるものを摂らないと…
食糧がないか探したけど、既に誰かが食糧を回収していたのか、缶詰なんかの非常食すら残っていなかった。
くそ、こんな事なら『げぇむ』会場で食糧を確保しとくんだった…
何か、血になるもの……
食糧を探していると、病院の外の花壇が目に留まる。
外に出て花壇を漁ると、ミミズやらイモムシやらがウジャウジャ出てきた。
ラッキー、食糧ゲット。
血になるものなら、何でもいい。
私は、花壇に手を突っ込むと、イモムシを手で掴んで生きたまま口に放り込んだ。
口の中で蠢くそれを噛み砕くと、ネチョネチョしたものが口の中に広がる。
一度食糧だと思えば、抵抗感は嘘のように消えた。
私が花壇に棲みついていたイモムシを獲って食べていると、誰かが近づいてくる。
「大した執念だね。そこまでして生き残りたい?」
後ろから、聴き覚えのある声が聴こえた。
「アンタは…」
振り向くと、そこにはチシヤが立っていた。
「アンタこんなところで何してんのよ」
「使えるものがないか探してたのさ。まさかこんなところでアンタに会うとは思わなかったけど」
そう言ってチシヤは、手の中で薬剤の入った瓶を転がす。
よく見ると、チシヤの背負っていたリュックはパンパンになっていた。
「病院の食糧全部持ち出したの、アンタか」
「言っとくけど、オレが来た時にはほとんど残ってなかったよ」
私がリュックを指差しながら言うと、チシヤがリュックを開いて見せる。
リュックの中には、薬と食糧が入っていた。
食糧は、缶詰とカップ麺が少し入っているだけだった。
私が腹を鳴らして食糧をじっと眺めていると、チシヤが話しかけてくる。
「絵札の『げぇむ』、『くりあ』してきたんだろ?話、聞かせてくれよ」
「……肉食わせろ。話はそれからだ」
チシヤが絵札の『げぇむ』の事を聞いてくるので、缶詰をじっと見つめて涎を啜りながら交渉を持ちかける。
その後、チシヤの住んでいるマンションの一室に移動した私は、チシヤと一緒に夕飯を食べた。
ツナ缶を片っ端から食い漁り、ガスコンロで温めたお粥を頬張りながら『げぇむ』の話をした。
開催1日目に『
「やっぱり、アンタだったんだね。『
「まーね。催眠にかかって自殺しかけてこのザマってわけ」
私は、自分で縫った傷口を見せながら言った。
ちゃんと処置をしたし、痛み止めも塗ったから今は痛みは落ち着いている。
私はその後、『今際の国』の国民は元『ぷれいやぁ』で、前回の『ねくすとすてぇじ』を勝ち上がってきた奴等だという話をした。
「ふぅん。やっぱりね」
「やっぱりって…アンタわかってたの?」
「可能性の1つには入れてたよ。『げぇむ』を生き残った優秀な『ぷれいやぁ』には、より難易度の高い『げぇむ』の運営を任されるんじゃないかって。普通それくらい思いつくでしょ」
「……ま、そうだわな」
チシヤの人を馬鹿にするような発言に対して、私は缶詰のツナをフォークで食べながら頷く。
レイカと対戦する前から、私も『今際の国』の国民が全ての『げぇむ』を勝ち残った元『ぷれいやぁ』だという可能性は、頭の片隅に入れていた。
「ところでさ。アンタこれからどうすんの?」
「そうだなぁ。『
『
ちょっと遠いわね。
私はこの怪我だし…
どのみち、『げぇむ』は明日以降に参加する事になりそうね。
◇◇◇
開催4日目。
私は、マンションの屋上から、絵札の飛行船を見張った。
江東区の上空に浮かんでいた『
私が『
血の気の多い『ぷれいやぁ』もいたもんだねぇ。
なんて考えつつ、そのまましばらく見張っていると、墨田区の上空に浮かんでいた『
「はい『
「これで残ってる『げぇむ』は、あと7種か…」
開催初日に『
チシヤが狙っている『
とすると…私は、『
「てか、アンタは『げぇむ』に参加しないの?」
「『びざ』が1週間以上残ってるからまだいいかな。待ってる間に、アンタみたいな物好きな奴が他の『げぇむ』を『くりあ』してくれるだろうし」
「呑気だね〜。そんなんじゃ、誰かに先越されちゃうよ。なんか最近『ぷれいやぁ』が調子づいてきてるし。つーか、なんならアタシの気が変わって『
「その点は心配してないよ。どーせオレ以外には『くりあ』出来ないから」
私がわざとらしく言うと、チシヤはしれっと私を見下すような発言をしてくる。
コイツ…私には『くりあ』できないと思ってるわけね。
いちいち腹立つわ。
「ところで、『
「やー、どうだろ。アンタ1人で参加してたら、難しかったかも。1人勝ちしても意味ない『げぇむ』だったから」
「ふぅん。チーム戦だったの?」
「んー、正確にはちょっと違うかな。5人で参加する『げぇむ』なんだけど、1人1回ずつ『
「確かに、その『るうる』じゃオレには向いてなかったかもね」
私が説明すると、チシヤが納得する。
『
しかも対戦形式は個人戦だから、タイマンで彼女に勝てる『ぷれいやぁ』がチーム内に3人以上いなきゃ詰むクソゲー。
そういう意味じゃ、コイツにとっては生存枠を奪い合う『るうる』の方がマシだったかもね。
「まあアタシも、アンが一緒じゃなきゃ危なかったんだけどね〜」
「へぇ…まだ生き残ってたんだ」
私がアンの話をすると、チシヤが反応する。
そういや、『ビーチ』の皆は今どうしてんのかね。
『
アグニとかニラギとか、生きてんのかな今。
なんて考えていると、急に眠気が襲ってきて、思わず大きなあくびが漏れる。
「ふわぁぁ…眠っ」
そういえば、昨日は一睡もしてないんだった。
何があるかわかんないし、今のうちに寝とかないとな…
つーかもう酒無いし…大人しく寝とこ。
「んじゃ、アタシ寝てくるわ。『
そう言って私は、チシヤに向かってヒラヒラと手を振ると、住処にしているマンションの一室に戻る。
服を全部脱いで、二つ並んだベッドのうち、使われた痕跡が無い方のベッドにダイブする。
そのまま毛布を被ると、『げぇむ』に参加してよっぽど疲れていたのか、次第に瞼が重くなってくる。
私はそのまま、瞼を閉じて眠りについた。
◆◆◆
ヒーロside
「ん……」
目を開けると、鳥の囀りが聴こえる。
あの後私達は、ミツキさん達と3日間一緒に暮らしていた人達と分かれて、結局一緒に『げぇむ』に参加した7人で行動する事にした。
『げぇむ』で疲れていたから、ちゃんとした寝床を用意する余裕もなくて、隅田川の近くに停めてあった軽トラックの荷台に乗って眠りについた。
『
私が眠い目を擦りながら起き上がると、ちょうどキズナちゃんが来て、私に話しかけてくる。
「おはようございます、ヒーロさん」
「あぁ、キズナちゃん…おはよ」
優しく笑顔を浮かべながら話しかけてくるキズナちゃんに、私はあくびをしながら返事をした。
トラックの荷台から降りると、鶏ガラスープのいい匂いがする事に気がつく。
「あれ?なんかいい匂いするね」
「今、ちょうど朝ごはん作ってたんです。良かったらどうぞ」
「ありがとう。いただきます」
キズナちゃんは、大きな鍋で作った朝ごはんをお椀によそって、私に渡してくれた。
鶏ガラの中華スープの中に、ワカメとフワフワの卵、そして柔らかいお米が入っている。
これってまるで…
「……雑炊?」
「はい、中華風雑炊です。コンビニに置いてあった卵スープとお粥を混ぜて、鶏ガラスープの素とごま油で味付けしてみたんです」
私が尋ねると、キズナちゃんがちょっぴり得意げに答える。
私は、キズナちゃんが作ってくれた雑炊を吹き冷ましてから口に運んだ。
「おいしい!…あっふ!」
あまりにも美味しいから口の中にかき込んだせいで、口の中を火傷した。
その様子をキズナちゃんが笑いながら見てくるものだから、自分でも顔が赤くなるのを感じた。
「よし、こんなもんかな」
朝ごはんを食べ終わった後は、皆で川のほとりにテントを立てた。
私も、ミツキさんやタクマさん、カワズさん、サカナさんと一緒に、テントの設営を手伝った。
『げぇむ』での怪我と疲労のせいで、昨日まではグロッキーだったけど、一晩寝て朝ごはんを食べた今はすっかり快調だ。
「外で過ごすのなんて、久しぶりですね」
「3日間地下に篭りっぱなしでしたからね…」
ミツキさんとタクマさんが、顔を見合わせてそんな会話をする。
『
私だったら、すぐに気が滅入りそうだなぁ…
「えーっと…あと必要なものは〜…っと」
テントを立てた後は、皆で浅草まで出て必要なものを揃えた。
使えそうな日用品を探していると、護身用の武器を探していたキズナちゃんが戻ってきた。
「あっ、キズナちゃん!これなんだけどさ…うわ、刀…!?どうしたのそれ?」
私は、戻ってきたキズナちゃんを見て、思わず驚嘆の声を上げた。
キズナちゃんは、金箔で装飾された日本刀を腰に差していた。
私が刀を指差すと、キズナちゃんは刀の柄に手を置きながら答える。
「ああ、これ?模擬刀ですよ。すぐ近くの刀屋に置いてあったんです」
「そうなんだ…」
模擬刀なんて置いてあったんだ…
流石浅草…
「アタシが今日まで生き残れたのは、ヒーロさんに助けられたからです。もし『
「あ、ありがとう!でも、まだ怪我が治ってないんだから安静にね」
キズナちゃんがお腹を怪我した状態で素振りをしようとするものだから、私は慌ててキズナちゃんを止めた。
昨日、輸血が必要なくらい大怪我したばっかりなのに…
やっぱり若い子の回復力ってすごいな…
なんて考えていると、一緒に日用品を探していたサカナさんとカワズさんが口を開く。
「そういえば、『
「他の『ぷれいやぁ』は、どこに行っちゃったのかしらね…」
サカナさんとカワズさんの言葉に、私はハッとする。
言われてみれば、地下で暮らしている人達と別れてから、私達はまだ一度も他の『ぷれいやぁ』に遭遇していない。
近くに『げぇむ』会場が3つもあるんだし、1人くらい他の『ぷれいやぁ』と遭遇してもいいはずなのに…
『
昨日までのミツキさん達みたいにまだ地下に籠っているのか、それとも…
◆◆◆
ツエダside
「やっぱりね、思った通りだ」
寝て起きて昼食を兼ねた朝食を食べた後、私はマンションの屋上で望遠鏡を覗き込みながら呟く。
見ると、『
今までの『げぇむ』は、必ず23区内で開催されていた。
だから絵札の『げぇむ』に挑むのを諦めた『ぷれいやぁ』が、23区外なら『
どいつもこいつも、バカだねぇ。
『
23区外に逃げたところで、そのうち『
『
ま、他の『ぷれいやぁ』が23区外に逃げてくれたおかげで、私達はゆっくり他の『げぇむ』に参加できるから願ったり叶ったりなんだけどさ。
私らが他の『げぇむ』を全部『くりあ』するまで、せいぜい長生きしろよ〜。
「さーてと、そろそろ夕飯の支度するかね」
そう言って私は、すっくと立ち上がって1階に降りる。
『
あー、肉が食いたい。
───今際の国滞在64日目
残り滞在可能日数
潰田千寿 66日
◆◆◆
ヒーロside
「皆さん、ごはん出来ましたよ〜!」
「わぁ、美味しそう!」
皆で浅草に行って物資調達をした後は、テントに戻って夕ご飯を食べた。
タクマさんが隅田川で1m超えのシーバスを釣ってくれて、キズナちゃんがシーバスを捌いて料理を作ってくれた。
キズナちゃんは、公園で摘んだ野草と、コンビニで手に入れたトマト缶とオリーブオイルで、アクアパッツァを作ってくれた。
「う〜ん、美味しい!」
「気に入ってもらえて嬉しいです」
「本当に美味しいねこれ、おかわり!」
キズナちゃんが作ってくれた夕ご飯は絶品で、皆あっという間に平らげてしまった。
ご飯を食べ終わった後は、皆で片付けをして、それぞれ自分のテントで就寝の支度をした。
私とキズナちゃんは、蒸しタオルでお互いの身体を拭き合った。
「キズナちゃんは本当にスタイルがいいねぇ。羨ましいわ」
「ヒーロさんこそ、大変ご立派なものをお持ちで…」
「いやいや、大きくても邪魔なだけだから。走る時揺れて痛いんだよ」
「追い討ちかけるのやめてください」
私がキズナちゃんの身体を拭いてあげると、キズナちゃんが私の身体のある部分を凝視してくる。
嫌味とかじゃなくて、普通に邪魔で悩んでるんだけどなぁ…
なんて自虐気味に心の中で呟いていると、キズナちゃんが口を開く。
「……ヒーロさん」
「何?」
「アタシ達、元の世界に戻れるよね」
キズナちゃんは、震える声で私に話しかけてきた。
私は、キズナちゃんの震える背中を見て、ツキリと心が痛んだ。
怖くないわけがない。
こんなわけのわからない世界に放り込まれて、傷だらけになって、大事な妹を失って…
それでもこの子は、必死に戦ってるんだ。
私は、キズナちゃんの身体を後ろから抱きしめて、そっと頭を撫でた。
「大丈夫よ。絶対、皆で元の世界に戻ろう」
私がそう言うと、キズナちゃんは力強く頷く。
これから先、何があっても私は…私達は、絶対負けない。
元の世界に帰って、皆で笑って生きるんだ。
───今際の国滞在15日目
残り滞在可能日数
大木場柊色 35日
『ねくすとすてぇじ』開催4日目
『げぇむ』 残り7種
『ぷれいやぁ』 残り149人