異世界で起こる日々の出来事   作:レベルアップ

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楽しんでいただけたら嬉しいです


思っていた世界へ行きたかった
第1話


目が覚めると激しい痛みが体を襲った。痛みに声をあげようとする。

 

「ヴッ…ヴヴヴグヴェ…………」

 

漫画とか映画でよくあるように喋ろうとすると口からとんでも無いような血が吹き出す。手足の感覚がない…というか……下半身が無い、さっきそこからゲラゲラ笑ってる牛のミノタウロスな化け物にぶん殴られてどっかに飛んでいってしまった。

今現状思う事はただ一つ…どうしてこうなった?

 

 

 

俺の名は黒井 鎧(クロイ ガイ)アニメや漫画が好きな普通の高校一年生。俺はいつもと変わらない毎日を送っていた。大切な家族と過ごし学校に行ってたくさんの友人のクラスメイトたちと遊びたまに馬鹿な事をやり、可愛い女の子の幼馴染と甘い日々を過ごしていた人生勝ち組なラノベの勝ち組な登場人物のような毎日を過ごしていた……訳でもない普通な人生を歩んでいた俺(家族とは良好な仲だったし友達は2、3人はいた。幼馴染はいたけど男だった)。

…一応言っておくけど(誰に?)別に負け惜しみを言う訳じゃ無いが充実した日々を送っていた。

だがそんな日々は俺が交差点を歩いていた時に突然すごいスピードで信号を無視して走ってきたトラックに跳ね飛ばされて終わりを迎え意識が暗転し目が覚めると真っ白な空間に立っていた。

 

「これってアレだよな?ネットのラノベとかの二次創作あるあるの…」

 

まさかネットや本のあるあるな展開が俺の身に起こる事になるとは……ただ言う事は次の展開は……。

 

「貴方は残念ながら命を落としました」

 

「うっおう!?」

 

いきなり目の前に綺麗な女神様?が突然現れ声をかけてきたので変な声を出しながら後ろに飛び跳ねる形で倒れる。いや、まあお約束の展開があるだろうなとは思っていたけど流石に不意打ち過ぎてかなりビビった。

 

「大丈夫ですか?」

 

「あっはい、大丈夫です。いきなり目の前に現れてびっくりしただけです」

 

目の前の女神様に助け起こされる。……うん、女神様の柔らかい手の感触凄くいいね。俺生まれて初めて母親以外の女の人の手を握っちゃった、役得だ。

 

「貴方には転生して貰います、好きな世界を選んでください」

 

「エッ!?ちょっと、いきなり!?そんな展開だろうと思っていたけど、必要な説明とか色々すっ飛ばし過ぎじゃない!?」

 

そんな展開だろうと思っていたけど流石に碌な説明もなくは困るので説明を求める俺。ちなみに俺はゲームのチュートリアルは必ずやる派だ2周目の飛ばせる時でも。

俺のそんな態度が通じたのか女神様が説明してくれるにはどうも全ての生き物は死んだら記憶が消されてランダムにいろんな生物といろんな世界に輪廻転生をするのが普通だそうなのだ。人間だったら人間に転生する訳ではなく別な生き物になるのも珍しく無いらしい、まあどっかのラノベでも人間が人外ものになるのは珍しくないからそりゃそうかと改めて納得した。

だが宝くじに当たる確率で好きな生き物、好きな世界に行ける転生があるらしい、俺はその宝くじに当たったらしい…冷静に考えるとラッキーなのか?俺まだ15歳だし、死んじゃってるし。素直に喜べないよ…。

 

「残念ながらもう貴方の体は既に猛スピードのトラックに轢かれ頭が割れ、手足は変な方向に曲がり見るからに吐きそうになりそうな有様です…こんな状態ですy…」

 

「ちょっと!!見せなくていいですから!!」

 

女神様何をとち狂ったのか俺の死体の映像を出して見せてきた、咄嗟に俺は自分の手で目を隠すけど……ちょっと見えちまった、夢に出そうで嫌なんですけど…。俺の反応に女神様は「申し訳ありません、デリカシーが欠けておりました」と平謝りしその時の記憶を消してくれた。

 

「大変申し訳ありませんでした。お詫びとして何か好きな特典を貴方にお付けして転生をお約束します、何でもと言うのは無理ですが」

 

「つまり、普通はその特典サービスは無しで転生するんですね」

 

まさかの俺の死体を俺が見た事で特典を貰うことになった。こんな体験したの俺だけじゃね。まあ、貰えるならもらっておこうかな。再び役得である何を特典にしようかなと考える。

ふと子供の頃に好きだった特撮番組を思い出す。主人公が変身して悪の組織と戦うあの番組だ好きで子供の頃はそのおもちゃを両親に買って貰いごっこ遊びをしていたのを思い出す。

 

「そのヒーローに変身する能力がいいのですか?それならば問題ありません」

 

女神様が心を読んだのか聞いてくる…って心読めるの!?ただ言う事はもしかして……。

 

「はい、考えている事は大体は」

 

どうやら隠し事は出来ないようだ。流石に女神様。

 

 

 

「おお……凄え。俺、あの憧れのヒーローに変身しちゃってるよ」

 

早速貰った特典を試させてもらう俺、初めておもちゃを買って貰いその箱を開けてその変身道具を初めて触ったあの時の子供時代みたいな気持ちになる、実際はおもちゃと違ってリアルで変身できる本物だからさらにテンション爆上がりな状態だ。

 

「お気に召したようでしたらどの世界に転生いたしますか?」

 

「○○○○○○○○○○の世界でお願いします!!!!」

 

テンションが現在爆上がりな状態なので勢いよく行きたい世界を答えてしまう俺。いかんいかん、少しクールダウンしなくては。

 

「承知いたしました。では返事に満足されたら一旦変身解除をしてあの門の前にお立ちください」

 

女神様が指を指すといつのまにか巨大な門が現れていた。ここをくぐれば自分の行きたい世界に向かうらしい。俺は変身を解除し門の前に立つがふと…自分の家族の事がとても気になった。

 

「……………あの……俺の家族は、大丈夫ですか?」

 

女神様に聞くと女神様が家族の映像を出してくれた。父親が俺の棺に泣きながら覆い被さる母親を慰めながら泣いていた。俺の兄姉弟達も悲痛な顔をしている……凄く、見てて辛くなる。俺の目から涙が出てくる、やっぱり逝きたくない。家族の元に帰りたくなってきた。

 

「お気持ちはひしひしと感じています…ですが死は誰にでも起こりうる事それが早いか、遅いかはないのです。貴方は15歳で亡くなった、言ってしまえば運命です。残念ながらもう貴方は彼等ともう一緒に暮らす事は出来ません」

 

そりゃそうだろうなとは何故かそう感じる。この不思議な空間にいるせいかもしれない。本来だったらもっと見苦しく泣き喚いたり、何かに当たり散らしたりするんだろう。でも俺ができる事はただ一つこの門を進むしかない、きっとそうするしか俺には出来ないのだろう。

 

「はい、俺は……この門を進みます。その……色々と気を遣っていただいて有難うございました」

 

俺は女神様に頭を下げ、そして門の中にはいっていきなかに入ると門が閉まり当たりが暗闇に包まれる。このまま前に進めばいいのだろうか?しかしそうするしかないようなので俺は歩き出し始めた。

 

 

 

そうやって歩く事、何時間?、何年間?正直時間がわからないずっと暗闇が続いているせいか感覚がわからなくて困る。普通だった発狂するものだと思うがこれも特典の効力とかか?

 

「とはいえ、いつまで歩けばいいんだよ?」

 

ふうとため息が出てしまう、すると急に奥の方に光が見えた気がした。

 

「ひょっとして…あそこが出口?」

 

光が見えたので走り始める。そうして走って光の方に近づいていくとだんだんと光が強くなってきてそしてさっきとは違う門が開いて俺の前に現れた。

 

「さっきとは違う門だ、ひょっとしてここをくぐれば俺の行きたいって言ったあの世界に行けるのか?」

 

俺が行ってみたいあの世界、原作小説も読んだしアニメも見て公式のイベントにも参加したあの世界にまさかのテンプレな展開で行けることになるとは。正直複雑だ、転生して行ってみたいとか俺Tueeeeeとかやりたいとか恥ずかしことに思ったけど実際そんなことになると素直に喜べない。

だって俺早く死んじゃったしもう父親の小言も相槌もうてないし、母親の料理を食べれないし、兄姉弟達と馬鹿な会話や遊びも出来ないのだ。

……なんだかまた泣きそうになる……俺こんなに涙もろかったかな?

 

「でも前に進むしかないんだよな」

 

だがしかし俺に今できる事は前に進むしかないのだ。

前の人生は早くに終わってしまったが今回の第二の人生は長生きしたい。どうせなら好きな世界で楽しく生きていくべきだとテンションを上げるよう鼓舞する。もしかしたら好きなあのキャラと恋人なったり、もしかしたら男(多分一部の女子も含む)の夢ハーレムとか作れるかもしれないしね!!

そんな下心丸出しで光に飛び込もうと思ったら、不意に何か気配を背後から感じた……えっ、何?俺は後ろを振り返ろうとしたのだが……。

 

「なんでええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

いきなりグイッと何かに引っ張られ光から遠ざかっていく。

そうしていつのまにか気づいたら。

 

「ここ何処だよ?」

 

いつのまにか明らかに俺が望んでいた世界とは別の世界であろう世界に飛ばされていた。

何故わかるのかというと理由としてはなんというか…俺が行きたかった世界と違って街の雰囲気SFすぎるというかなんか俺が転生する前の日本の街並みになんかそっくりというか……なんかチグハグな感じだ。

だがしかし絶対に行きたかった世界と違うとわかる1番の理由としてはここに住んでいるであろう街の人々の姿だ。

俺と変わらない姿の人間が大勢いるが明らかに直立した動物やら蟲やらなんだかどうひょうげんしたらいいのかわからない人外な見た目の方々も大勢いる事だ。

 

「ちょっと女神様ー!!ここ何処ですかー!!!!」

 

俺を転生させた女神様に届くかわからないが取り敢えず叫ぶ。どういう事なのか説明してください!!明らかに俺が望んだ世界とはちがうんですけどー!!

周りの人々がなんだなんだとこっちを見てくる。

 

「何アイツ?」

 

「なんか叫んでる」

 

「アタマイッテルンジャネ」

 

何故か周りの人々達の喋っている言葉が分かる、ひょっとしてオマケで言語理解能力とかそういうの貰ってたのかな?って今はそういうのはどうでいいし!!取り敢えず誰かー!!女神様ー!!

 

「誰かこの状況を説明してー!!」

 

「おい、そこのオマエ。なんか困り事か?」

 

俺の現状の確認の叫びを聞いたのか誰かが声をかけてきた。ひょっとして誰かこの状況説明できるのかと声の方向に振り向く。

いや、普通に考えれば今の状況説明出来る人は間違いなく目の前に現れる訳ないだろう。この時の俺は楽観的というか結構パニックを起こしていたに違いない。

振り返ると明らかにガタイのいい体つきの顔が牛の化け物が立っていた。

 

「…………」

 

言葉を失う俺、そんな俺を見て何が面白いのかニヤニヤした顔で俺に声をミノタウロス(多分)がかけてきた。

 

「おいおい、ビビんなって。なんか困ってんだろ?俺様が力になるぜ。なあお前ら」

 

ミノタウロス(多分)が後ろにいた連れであろうサイの化け物と虎の化け物に声をかける。

 

「おうともよ、兄貴」

 

「俺たち優しいからナ、人助け大好きなんダゼ俺たちはー。ゲハハハハハハハ!!」

 

誰がどう見ても助けてくれそうな雰囲気じゃない。もしかしたらいい人?って可能性は……ないなコレ。

以前一回だけ不良にカツアゲされた事があるけどコイツらの目はその時の不良と同じゲスな事を考えている目だ。

いや、あの時の不良よりも明らかにヤバいそうだ。だって見た目がマジもんの化け物だもん、明らかに見た目のせいもあるがそれよりも雰囲気もヤバそうそれだからこそ不良の何百倍もヤバそうなのは確かだ。

 

「あ、いや。別に大丈夫で—」

 

「遠慮してんじゃねえよ、さっさとこいよコラァ!!!」

 

「ウゲェ!?」

 

やんわりと断ろうとするがそれを無視してミノタウロス(多分)がデカい声で叫ぶと俺の胸ぐらを掴んで持ち上げる。ほらね!!やっぱりヤバい人たちだったよ!!

 

「兄貴ーここじゃ不味いぜ、人が多すぎるよ」

 

「ソウダヨ、それにこの場所オアシスの縄張りだから騒ぎを起こしちゃダメな場所ダゼ」

 

ミノタウロス(多分)の子分達が兄貴に声をかけるとミノタウロス(多分)は「おお、そうだったな」と笑った。

 

「じゃあちょっとそこの裏路地入ろうぜ兄ちゃん。別にナンニモシネェヨ……まあ、嘘だけどな!!ガハハハハハハハハ!!!!!!」

 

「エッ!!ちょっと!!誰か、助けてください!!」

 

俺の胸ぐらを掴みながら建物裏路地に向かうミノタウロス(多分)とその子分2人組、明らかに不味い状況だ。

情けなく周りに助けを求める俺だが周りの反応は明らかに同情はするけどまあ仕方ないといった雰囲気だ。

生まれて初めて一気顔が青ざめる感覚がした。

 

 

 

裏路地に連れ込まれた俺は乱暴に投げ捨てられる。思いだか背中をぶつけて咳が出た。

怖いという感情がさっきまで俺を支配していたが痛みを受けて怒りの感情が湧き出てきた。

俺はよせばいいのに怒りの声を上げた。

 

「何すんだよ、このチンピラ!!俺お金なんて持ってねえよ!!」

 

だが俺の怒りの声なんて全く効果ねえと言わんばかりに笑う化け物達。それを見て何がおかしいんだよと再び恐怖が俺に湧き出てきた。

 

「別に金なんかいらねえよ。お前の身体が欲しいんだよ」

 

その言葉を聞いてコイツホモなの?と馬鹿な事を考える俺、だが続きの言葉聞いて驚愕した。

 

「お前異世界人だろ、匂いでわかったぜ」

 

「は?……なんでわかんだよ?」

 

思わず間抜けな返答をしてしまう、だがミノタウロス(多分)は俺の間抜けな返答に再び笑って答えた。

 

「匂いでわかるつってんだろ!!異世界人は人間族と見た目がそっくりだがやはり匂いが違うからよう、俺たちみたいな獣魔族みたいな鼻が効くやつには一発で分かるんだぜ、何せ信じられないくらい強いエネルギーを持っているからな。兄ちゃんの身体からプンプン臭ってるぜ、ウハハハハハハハハハハ!!」

 

エネルギー?そう言われてハッと俺の腰にあるヒーローの変身道具を見るひょっとして匂うエネルギーってこういう神様転生者のラノベとかにありがちな転生特典のやつなのか?

 

「なあ、兄貴早くコイツ食っちまおうぜ!!腹がぺこぺこだよ」

 

「アニキィィ!!俺様、コイツの頭噛み砕きテェヨ!!」

 

今なんつったコイツら?まさか、俺を食べようとしてんの!?

ギョッとして後ずさる。

 

「馬鹿野郎、食わねえよ!!勘違いすんじゃねえ!!」

 

ミノタウロス(多分)が子分共に怒鳴りつける。あ、変わらないのねと少し安心する—。

 

「俺たちが食うんじゃ無くて大兄貴に持ってくんだよ!!そうすりゃ俺たち大出世よ!コイツみたいないい匂いの強いエネルギーを持つ異世界人はどんな能力かわからねえが食えやすんごくて協力な力が手に入るからな!!最近仕事でヘマしちまったからなコイツを大兄貴の所に持っていけば仕事のヘマの清算がこれでパァになるどころか大出世間違いなしだろうが。少しは考えろ、馬鹿共!!」

 

食われることには変わらないらしい。コイツらじゃ無くてコイツらの大兄貴にだ。

いや!!食われたくねえよ!!

 

「取り敢えず逃げられないように手足をへし折るか、別に悪いと思いましねえが……なんか悪いな兄ちゃん俺の出世の為に犠牲になってくれてよう。ギャハハハハハハハハハ!!!!!!!」

 

「ふざけんな!!!!誰がはい、食べられますっていうかこの野郎!!!!!!」

 

いちいち馬鹿みたいな笑い声と自分勝手な意見ばかり喚きまくるこのクソ牛野郎にブチギレて咄嗟に変身道具の剣をソードフォームからガンモードに変形させこのクズ共に向ける。

 

「来るなら撃ち殺すぞ!!この野郎!!」

 

警告をする俺、だが現実は残念ながらそう上手くいかなかった。

 

「やれるならやってみろや!!」

 

クソ牛が腕を振り変身道具をたたき落とす。その衝撃は凄まじく俺の腕がたたき落とされた衝撃でありえない方向にグニャリと曲がった。

一瞬訳が分からなかったが事情を身体が理解すると痛みでみっともない叫び声を上げる俺。

生まれて初めての痛みに痛くてうずくまり情けないことにこの年で失禁してしまった。

 

「まず一本だな」

 

クソ牛野郎がニヤリと下衆な笑みを浮かべた。ああ、俺転生したばかりなのに死んだわとこの状況で思った。

ろくでなしな怪物共が残りの片腕と両足をへし折ろうと近づいてくる。

どうやら俺の2度目の人生早くも終了らしい……悔しいやら情けないやらで涙が出てきてしまう。

土下座でもすれば案外助けてくれるか……いや無理だろうな命乞いが通用しそうな相手じゃないさそうだし。

そうしてコイツらが俺を掴もうとした瞬間。

 

「アンタ達、そこで何をやってんのよ」

 

突然の第三者の声に俺と化け物共がその方向を向くと茶髪の俺とあまり年代が変わらなそうなエプロンをつけた茶髪の三つ編みのおさげをした女の子がコチラを見ていた。

 

「何だテメェは?店もんじゃねえぞとっと帰れガキぃ」

 

俺の手足をへし折ろうとしていたのに女の子の登場で邪魔された為不機嫌そうに追い返そうと唸り声を上げるクソ牛。

だが女の子はだから何だと言わんばかりにこっちに向かって歩いてきた。

何でもいいから助けて欲しかった俺は折れてない方の腕を女の子に向かって伸ばし助けを求める。

 

「た、助けて……ください」

 

情けない声が出てしまう。何故か恥ずかしさを感じる「こんな状況なら当たり前だろう」ともし俺がそんな状況似合ってる人を見たらその人に慰める時にそんな言葉を言うだろうにだ。

そんな俺を見た女の子はため息を吐いて声を掛けてきた。

 

「……ハア〜、助けてあげてもいいけど取り敢えずそこでじっとしててよ邪魔だから」

 

「………はい、ありがとうございます」

 

どうやら多少口は悪いけど助けてくれるらしい。俺は情けなくお礼を伝えた。

 

「何言ってんだテメェら!!オイ、メスガキこの異世界人は俺んだ、横取りすんならお前をぶっ殺すぞメスガキが!!」

 

「いや待て兄貴、あのメスガキの服装見ろよ。あのエプロン……間違いねえよ、オアシスのエプロンだ!!」

 

「マジカヨ!?ヤバいよ、ここはニゲヨウゼ兄貴ィ!!」

 

牛が怒りの方向を上げ今にも女の子に突進しそうだ、しかし牛の子分のサイが牛をあわてて止めに入り、虎が焦り始めた。

そういえばコイツらここはオアシスの縄張りとか何とかいっていたけどあの女の子がそのオアシスとか言う組織?のメンバーというか構成員なのだろうか?

だが子分達が必死で止めるが牛は非常に興奮状態なのか効く耳を持たなそうでサイを邪魔だと言わんばかりに押しのけた。

 

「バレなきゃ問題ねえよ!!このメスガキぶっ殺して死体を食って隠滅しちまえば問題ねえ!!どうせここ外街は誰がいなくなろうが別に警察が来る訳じゃねえ、頭使え馬鹿共!!」

 

牛はそう叫ぶと女の子に向かって凄まじい速さで突進するが、俺が危ないと叫ぶ前に牛が凄い勢いで左に「ブモウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥ!?!?」と情けない声をあげて吹っ飛ばされ、そのまま壁にめり込んだ。ピクリとも動かない、死んだのだろうか?

 

「兄貴ー!?」

 

「ヨクモ兄貴ィをー!!ぶっ殺してやるー!!」

 

さっきまでよせと言っていたらビビっていたサイと虎が怒りの声をあげ女の子に突撃する。

ロクデナシ共だが敵討をすぐに行おうとするからな間違いなくいい主従だったのだろう。

 

「うるさい、とっとと兄貴の後を追えば」

 

だか無情にもあっさりと女の子に吹っ飛ばされるサイと虎。ちなみに虎の吹っ飛ばされた悲鳴は猫の鳴き声と同じだった。

そうして化け物共を手際良く片付けた女の子が手をぱんぱんと叩いて俺の方によってきた手を差し出してきた。

 

「アンタ立てる?」

 

立ちあがろうとするが漏らしてしまっ事を思い出し恥ずかしくて立てそうにない。俺のそんな様子を怪訝な表情で見ていたが何かを察したのかふんっとした。

 

「別に漏らしても気にしないわよ、命が助かっただけマシじゃない」

 

そう言って無理矢理俺を立たせた。

ラノベじゃ主人公が絡まれてるヒロインを助ける場面によく遭遇するがこれじゃ逆の立場だ。情けない気持ちにどうしてもなってしまう。

だがお礼を言わない奴はもっと情けないに違いないと思いお礼を言おうと顔を上げると。

 

「よくもやりやがったな!!メスガキィィィィ!!」

 

体がボロボロな牛が女の子に向かって腕を振り下ろそうとしているのが見えた。

それを見た俺は咄嗟に女の子を押して俺が彼女を庇う形になる。

アニメや漫画やラノベならおそらく100で満点の行動だろう、だが押して明らかに失敗したと思った。

別に女の子は牛に殴られないだろう、だって飛ばした方向は問題ないから。

なら何が問題あるだったのか、それは別に助ける必要がなかったことだった。だって女の子は牛に反応して迎撃しようと構えていたからだ。

そうして俺はあっさりと牛に思いっきりぶん殴られ上半身だけが吹っ飛んでいき目の前が真っ暗になった。

 

 

 

本当どうしてこうなった?首だけは動くのでチラリと女の子を見ると凄く呆れた表情で俺を見ていた。あんまりだと思う助けようとしたのに……いや俺が馬鹿なだけだったせいだからそりゃしかたないよね?そんな表情にもなるよね。

何だか目の前が真っ暗になってきた……色々と言いたいことはあるけど考えがまとまらない、只々後悔しかわかない。

こうして俺の第二の人生はあっさりと終わるの……だっ………た?

 

 

 

「グハハハハハハハコイツ馬鹿だな!!メスガキを庇って馬鹿みたいに死におったぞ!!」

 

目の前のミノタウロスがゲラゲラと下品なデカい声で大笑いする。

ミノタウロスが笑う方向に上半身だけの男の子が血溜まりの中で死んでいる。

この男の子は私を庇おうとして死んだ……助けようとしたのだろうがハッキリ言って無駄死にだこの牛の言う通り馬鹿だろう。私はちゃんとこの牛が私の頭を砕こうと突進してきたのはわかっていたから返り討ちにしようとしていたのだから。

だがしかし、この男の子は馬鹿だと思うがこの牛も人のことを言えないだろう。

 

「アンタ、その男の子大兄貴とかに届けるんじゃなかったの?そんなにグチャグチャにしちゃっていいの?」

 

「……あっ」

 

この牛ワザワザ騒ぎにならないように裏路地に入ったはずなのに声がデカいせいで何が目的なのか表路地まで目的が丸聞こえだった。

 

「しっ、しまったー!!」

 

牛が慌てる。この手の獣魔族は力が強いが頭が足りてないのが大半だ。

 

「オイ、メスガキテメェのせいだぞ!!」

 

「自業自得って言葉知らない?」

 

ため息が出る、別に私は悪くなくない。まあ、こんな馬鹿に何言っても自分の都合の良い展開にしか解釈しないだろう。

 

「死ねぇ!!メスガキィィィィィ!!」

 

牛が再び私に向かってこようとするがその前に牛に銃弾が撃ち込まれる。

 

「あっ?次は誰d……!?」

 

何か言い終わる前に牛に撃ち込まれた銃弾が爆発を起こしそこの男の子と同じように真っ二つになる。なんというか皮肉っぽい終わり方だ。

 

「アカネ大丈夫か?」

 

「大丈夫です、ありがございますコルトさん」

 

同じ職場に勤務する馬鹿でかい銃を持った褐色肌の男性コルトさんにお礼を言う。まあ私でも対処できただろうけど素直にお礼は言っておこう。

 

「マスターが騒ぎがあったみたいだから見てこいって言われて来てみれば……絡まれたのか?」

 

獣魔族を見ながら事情を聞いてくる…って、いやいや私が騒ぎをおこしたとおもってるの?勘違いだから。

私は上と下が千切れた男の子を指差すとコルトさんは「ああ」と納得してくれた。

 

「どうします、その男の子?もう死んじゃってますけど」

 

「ふむっ」とコルトさんが考えるそぶり見せた後私の方にふり向いた。

 

「取り敢えずアカネ、お前店に戻って薬とルーシェを連れてこい。ここをかたずけなきゃならないからな」

 

「はい、ですっと」

 

コルトさん指示を受け取った私は店に向かうことにした。




○○○○○○○○○○の部分は読んでくれた方の好きな作品を想像してください。魔法少女モノでもロボットモノでもハーレムモノでも百合モノでも洋画でも邦画でもなんでもありです。
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