のんびりと浜辺を歩いていると獣の槍を握り締めて宙を駆ける水を追い掛け、何処かに走っていく蒼月君を見つけ、蛮竜を引き寄せて追い掛ける。
「蒼月君、私もお手伝いしてあげる」
「お妙さん!麻子と子供が妖怪に呑まれたんだ!」
「OK。状況はそれで分かった」
「その気配、戦骨殿か!?」
両目を閉じて琵琶を背負った妖怪の言葉に首を傾げながら小船に乗り、エンジンを掛けるためにワイヤーを一回、二回、と引っ張ってエンジンを起こし、最大速度と妖怪の先導を受け、沖の方へと向かう。
沖に近づくほどに嫌な気配が広がる。
「見えたぞ!」
「デケぇ!?」
「ハハハ、こりゃあ凄い大物だね」
蛮竜の鞘袋を抜いて小船を飛び下り、海面に熱風を放って吹き上がり、ナマズにも目の無い蛇にも見える
「斬れないなら刺す!」
超重量級の蛮竜の穂先を突き立て、この世のあらゆるものを粉砕する破壊の極意───二重の極みを蛮竜に撃ち込み、妖怪の内部に直接衝撃を撃ち込んだ瞬間、髪の伸びた蒼月君が丸呑みにされた。
「外より内。でも無茶するなあ」
───けれど。一か八かの賭けより勝つために選んだ道筋だ。絶対に蒼月君ならやり遂げてくれるっていう確信を私は持っている。
「蛮竜、派手に行くわよ…!」
青白い雷撃を迸らせ、荒々しく猛る蛮竜を横薙ぎに振り抜き、刀身の腹を使って海中に戻ろうとする妖怪を空中に叩き上げ、雷撃を纏った蛮竜を力任せにぶん投げた、その時だった。
「雄雄ぉ雄ぉおォオ雄おオォッ!!!」
「いっけえぇえッ!!!」
とらの背中に乗った蒼月君が雷轟と共に妖怪の身体を切り裂き、あれだけ巨大だった妖怪の身体を真っ二つに両断し、とらの雷撃が妖怪の身体を粉々に破壊しながら突き進み、倒してしまった。
「よっ、と」
私は蛮竜を担いで壊れかけの小船に着地し、夕焼けを背負って獣の槍を構える蒼月君ととらの事を見上げる。鏢のオジサンと話していたときより強くなっている。
獣の槍の強さが、かなり増している?
そこまで読んでいないから獣の槍の異変を上手く感じることは出来ないわね。でも、中村のお嬢さんと子供を無事に助けることが出来て良かった。
「お妙さん、勝ったぞ!」
「見てたよ、流石だね。お姉さんは蒼月君に良いところを見せられなくて残念だけど、君のガールフレンドが無事で良かったね」
「そ、そんなじゃねえってば!?」
「フフ、どうだろうね?」
ゆっくりと船体の半分が壊れた小船の船頭に飛び移り、蛮竜の熱風を放って砂浜に向かって移動する。あとでとらに何かご馳走をプレゼントしてあげよう。