「平常時キルリアン反応9万7千!?」
「馬鹿なッ!?我々の確保した
「やはり、彼女は興味深いわね。確かMiss.糸色には
私の身体に変なコードを取り付けて実験を始める白衣の集団の言葉を聴きつつ、どうやって抜け出そうかと悩みながら蒼月君の事や彼らの事を考える。
この研究所に着いたときに見えた「HAMMR」のシンボルマーク。どこかで見覚えがあるかと思ったけど、あのシンボルマークはハマー機関のモノだ。
分家の幾つかが投資していると話していたし、白面の者と奈落を倒すために彼らの力は必要だと語る連中も居たような気もする。
まあ、それは後で良いけど。
「次のステップだ。Miss.糸色に我々の作った人工霊槍の試作品を使わせ、キルリアン反応の変化を計測し、TATARIとABYSS
の二体を追い詰めた破壊力も知りたい」
たたり?あびす?
また知らない単語が聴こえてきた事を怪しみつつ、ロボットを操作して私に槍というより棍に近い形状のモノを差し出してきた彼らを見据える。
ここから投げれば確実に殺せるけど。
「(……流石に人は殺せないわね。人として)」
そう思いながら槍を振るい、構える。が、のっそりと現れたゴリラのように大きくなった猩々の妖怪を見て、私は動きを止めてしまった。
不遜すぎるほどに偉そうな妖怪が、自然に生きる自由な筈の妖怪が、生きることに憔悴し、生きることを諦め、終わりを求めるように私の事を見つめていた。
「ふざ、けるな、ふざけるんじゃない!!」
観測室越しに私達を見下ろす白衣の集団に怒りをぶつけ、目の前に立つ妖怪に向き合い、ゆっくりと槍を構えると同時に彼の真横をすり抜け、心臓を穿つ。
「ごめんね、お休みなさい」
そう言って私は猩々の妖怪を抱き締める。
人間のエゴでこんなことをするなんて余りにも傲慢すぎる。妖怪だからって、人間と変わらない心を持った生き物だっていうのに、コイツらはなんなんだ。
白面の者を倒すためにしているという大義名分を笠に着て、こんなことをする奴らが正義を語って良いわけがない。……落ち着け、私が暴れたら蒼月君も危ない。
「素晴らしい!」
「なんとカメラに写りすらしていない!」
「これがMiss.糸色の本気なのね」
何が本気だ、何が素晴らしいだ。