「フゥン、この覗き魔が妙の婚約者候補…」
「その話は蒸し返さないでちょうだい」
私の言葉にケラケラと笑う類と、何処か申し訳なさそうにしている三人を見つめる。多分、蒼月君の善意による不慮の事故はんだろうけど。
女の子としては恥ずかしすぎる。
蒼月君には善意もたまにはタイミングが悪いことを教えてあげる必要があるわね。ただ、私を心配してくれていたのはよく分かったから嬉しい。
「とりあえず、全員ぶん殴る?」
「甘んじて受け入れよう」
「甘んじるな。受け入れろ、乙女の柔肌だぞ」
強羅の頭に類のかかと落としが決まり、自動的に土下座の体勢になった瞬間、更に片足を振り上げた類のかかと落としが強羅の上半身を床にめり込ませた。
「強羅、生きてる?」
ツンツンとピクリとも動かない強羅の背中を指で突いて確かめるも反応はなく、どうやら二度目のかかと落としを受けたときに気絶してしまったようだ。
それに、この破壊力は二重の極み───。
そういえば私は全身で使えるけど、類は脚のみに集中して使えるように鍛えていたっけ。一時期、私も類も歩くだけで地面を砕くから『歩く災害』なんて言われて、よく一緒に馬鹿にされていた事を思い出す。
まあ、言ってきたヤツは全員報復したけど。
「残り二人か」
「だから殴らなくていいから。流君も杜綱君も正座止めて良いから普通にしてくれる?」
私の言葉に従って素直に正座を崩して胡座で座り直す二人を見下ろすようにベッドに腰掛け、類にも座るように話し掛ける。
「改めて紹介するわね。従姉妹の才賀類、こう見えても私と同じぐらい強い新妻よ」
「自己紹介して貰ったけど。生憎、私が宜しくするのは妙と結婚したヤツだけ、少なくとも金髪の方のどっちかが妙のハートを掴み掛けているわね」
「どっちだ!?」
「オレか悟か!?」
「(が、がっつくわね。まあ、悪い気はしない)」
類に詰め寄っている流君と杜綱悟の二人を放置し、強羅の身体を引きずり起こす。まだ気絶しているものの、目立った怪我や傷はない。
流石は凶羅の弟子だと感心する反面、そんな男の意識を刈り取った類の蹴りの威力に期待を抱く。ひょっとしたらあの頃よりも強くなって、純粋に私と渡り合えるかもしれないと思ってしまう。
しかし、二人に私の秘密を暴露しようとするのは止めてほしい。二人はきっとそういうのに頼らずに私を倒そうとしてくれるはずだ。
「妙って意外とモテるのよ」
「告白なんてされたことないけど?」
「それは、おっと言っちゃダメなヤツだったわ」
私の回りでなにが?