まだ諦めぬか、糸色ぃ…!
「おおおおおりゃあっ!!」
蛮竜を白面の者の身体に突き刺し、身体の向きを入れ換え、一本背負いをするかのように白面の者の巨体を引きずり上げ、力任せに天地をひっくり返す。
ミシミシと全身の筋肉に負荷を掛け、強引に引き抜いた白面の者の背中を見上げ、二度目の攻撃を仕掛けるために、更に深く蛮竜を刺し込み、青白い雷撃を直接体内に向かって放電させる。
たかだか鉾の放つ雷に怯むものか!
「ぎっ、だあっ!?」
「ぐぬおぉっ!?」
その怒号と共に乱れた白面の者の尾に身体を薙がれ、一鬼諸とも吹き飛ばされ、海面を跳ね飛びながら熱風を放ち、バウンドを無理やり停止する。
しかし、私の戦いに無理に付き合わせていた一鬼の身体はボロボロだ。もう、まともに戦える状態じゃないのは彼も分かっている筈だ。
「一鬼、流石にもう…」
「この程度の傷何度も妖逆門で負っている!況してや白面との決戦に傷を負ったから下がるなどお前の鉾のために先立った輩に面目立たぬわァ!!」
「……ハハハ、そうね。確かに一緒に戦ってくれている彼らに申し訳ない!一鬼、もう貴方に下がれなんて言わない。とことん最後まで付き合って貰うわよ!!」
「おう!!」
我を前にまだひけらかすか
何ぞひ弱で矮小な小妖ごときに何が出来る。
私と一鬼のやり取りが気に食わないのか。忌々しげに見上げ、睨み上げる白面の者。だんだんと分かってきた。アレは私が他の妖怪と仲良くする度、怒りを滾らせ、憎悪を撒き散らしている。
我を憐れむな…!!
「一鬼ッ、受け止めるわよ!!」
「任せろ!!」
悲しみと怒りの混ざった絶叫を上げ、慟哭の様に吼える白面の者の突進を蛮竜に風の傷を纏わせ、最大最強の高火力を一撃を見舞うために振りかぶり、一鬼もまた両腕の妖蛇を肥大化させ、白面の者に食らいつく。
貴様ごときに止められるものか!
今一度、蛮竜を砕いてくれるわあ!!
「爆流破あっ!!!!」
私の放った風の傷は白面の者の火炎を絡めとり、より強大で絶大な破壊力を持つ妖気の渦を成して、白面の者の身体を抉り、後方に向かって弾き飛ばす。
しとりお婆様の居る場所まで、あと少しだ。
そこまで行けば動きを封じ込める結界をもう一度だけ張って貰える。その瞬間を狙えば白面の者を倒すことが出来る。一鬼やみんなの頑張りもある。
だから、早く戻って来なさい。
蒼月君、とら、私が白面の者を倒しちゃうわよ。
我が妖気を利用したか…
盗人のごとき業よ…!
「失礼ね!カウンターっていうのよ!」
そう私は言い返す。