妖怪バスは無事に倒すことは出来たものの、やはり蒼月君は周囲の人達を巻き込んでしまったことを悔いて、一人だけで行こうとしていた。
「なんで儂が家来を背負うんだよ!」
「えー、大将の背中が一番強いから」
「けっ。本当の事言っても許さねえよ!」
とらはそう言っているけど。
ルンルンとした気分が伝わってきて、私を落とさないように髪の毛を絡めてくれている。もっとも蛮竜は嫌そうに結界を張っているけど。
車や飛行機に乗っているときよりも安心できる。私もとらのように速く、疾く、迅く、どこまでも駆け抜けて往ける力が良いのに、そう思わずにはいられない。
「蒼月、バイクはどうだ?」
「最高だよ、流兄ちゃん!」
私達の下を走っている2人乗りのバイクを追い越して先に進んでいこうとするとらに目的地の場所は分かっているのかを何度も問えば渋々と速度を一定に保ってくれる。
それにしても、だ。
あの婢妖という妖怪に襲われて以降、私達は妖怪に襲われることはない。剣客兵器の援護かとも思ったが、あの人達は糸色本家に仕えているものの、どちらかと言えば国防に徹する人達だ。
西洋妖怪を初めとした半不死性を持つしろがねと機械仕掛けのサーカス団を率いる
「流君、後ろから変なバイク集団が来てるわよ」
「変な?」
サイドミラーに視線を向けた流君は舌打ちをした瞬間、私に向かって棘の付いた恐ろしげな舵輪に似た法具を一斉に投げつけてきたバイカーの攻撃を蹴りで全て弾き落とし、蛮竜を構えた瞬間、とらの髪の毛が私の腕に絡み付く。
「もう危ないじゃない!」
「儂の上で風の傷なんざ撃たせるかっ!第一、ありゃうしおと獣の槍を狙ってんだ!お前が手出ししたら面倒臭い事になるだろうが!!」
「……それはそうだけど」
とらの言葉にも一理あると思い、蛮竜を下ろす。
「
その言葉に思わず驚き、バンカーを見つめる。
私の名前は表向きは
それなのに、あのバンカーは私を相楽と呼んだ。
「とら、ちょっと降りるわね」
「ああっ!?てめえもかよ!」
一番先頭を走るバンカーの振るう錫杖と蛮竜をぶつけ合い、そのまま舗装された道を外れ、砂利や土の見える地面に転がりながら睨み合い、お互いを見据える。
ライダースーツに包まれているけど、背丈と足運びから察するに女の子なんだろうけど。私の記憶に残っているのは、少なくとも関守日輪だけだ。
「いい加減にしやがれ!てめえらは獣の槍の候補になれなかったからって今度は蛮竜を狙いやがるのか!」
「秋葉流、貴方には関係無いわ!」
ど、泥沼の展開だったりするのかしら?