PokéDun LEGENDS Realization   作:ゲーマーN

3 / 5
流石に第2話と第3話が短すぎたので統合して再投稿しました。
【推奨BGM:審念熟慮】あやかしランブル!より


第2話 日本の トレーナーたちが 現れた!

ポケトモ

日本(6)

 

●ジン

クックックッ⋯⋯私が一番乗りですか

まずはご挨拶を

私は黒埼 仁

私のことは、ジンとでも

 

その口調は止めて、どうぞ

 

 

 最初のコメント――正確にはその口調を目にしたハルトは、反射的に返信を打ち込んでいた。傍らで一緒に画面を覗き込んでいたチコリータのローリエも、まるで黒光りするあの虫を見つけたかのように嫌そうな表情を浮かべている。

 

 

●ジン

これはこれは

お待ちしておりましたよ、ハルトさん

 

だから、その口調を止めてほしいんだけど⋯⋯

嫌なことを思い出すから

ポケモン広場からの逃避行とか

 

●ジン

おや、これは失礼

 

 

 ジン――最も古い付き合いにある友人の一人だ。初めて会った頃の彼は悪の救助隊・ゲマトリアのリーダーであり、「ハルトがもとは人間だった」という事情を偶然耳にした彼は、それをポケモン広場の住民に言いふらし、「来れば災いを招くキュウコン伝説の人間」として仕立て上げた。これが原因で、ハルトとローリエはしばらくのあいだ逃亡の旅を余儀なくされることになる。

 数多の紆余曲折を経た今でこそ戦友と呼べる関係に落ち着いているが、当時の苦悩と葛藤は未だにトラウマとして、ハルトたちの記憶に色濃く刻まれている。

 

 

せっかくなのでキャラ作りをしていたのですが⋯⋯

確かに、冗談にしても悪辣でしたね

 

本当にね

 

●ジン

では、改めて

京都府円朱町の黒埼 仁です、よろしくね

 

こちらこそよろしく

僕は千葉県石竹市の青井春斗だよ

 

 

 とにかく、まずは一人。他にも見知った名前があるのを期待しつつ、他のトレーナーの書き込みを待つことにした。ジンと取り留めのない昔話を交わしていたが――そこへ、いきなりモンスターボールのスタンプが連打される。その数、五回。

 

 

●ジン

おやおや、おやおやおやおや⋯⋯

 

この出会い頭のモンスターボールは⋯⋯!

 

●ブルー

えーと! こんにちは、岩手県北上市の北上 葵です!

君たちも⋯⋯私のポケモンになってくれない?

 

 

 続いて貼られたのは1枚の自撮り写真。黒い瞳と長い茶髪を持つ美少女で、長めのサイドの髪に耳は隠され、前髪はゆるく切り揃えられており、頭頂部には3本のアホ毛が立っている。

 彼女と一緒に映り込んでいるのはゼニガメ、ピッピ、ロコンの3匹。いずれも幸せそうに笑っており、見るだけで強い絆が伝わってくる――のだが、それを優に上回る威力の開幕爆弾発言に、思わずハルトは頭を抱えた。

 

 

それ、まだ諦めてなかったんだ⋯⋯

 

●ジン

⋯⋯みたいだね

前は、ミカごと私のポケモンになってくれないって言われたっけ

 

●ブルー

フフフ⋯⋯考えておいて!

 

 

 これで前世の彼女が、一部の伝説を除くポケモン図鑑をほぼ全て埋め尽くすほどに優秀なトレーナーだったのが、また性質が悪い。彼女の言葉に宿る狂気が、冗談に留まらぬ重みを帯びてしまうのだ。とりわけハルトたちは過去生でポケモンとして生を受けた経験があるため、なおさら洒落にならない。もっとも、本人は至って素直で優しく可愛らしい女の子なだけに、何事もなく接している人々のなんと多いことか。だからこそ、余計に恐ろしいのだが⋯⋯。

 

 

●アカリ

あ、あはは⋯⋯なんか、すごい人たちばかりですね

 

⋯⋯変わり者なのは否定できないかな

 

●ジン

そうだね

それで、君は誰?

 

●アカリ

あ、はい

私、兵庫県閂市の園崎朱里って言います

よろしくお願いします!

 

 

 自己紹介と共に送信された画像――そこに映っていたのは、肩にかかるか、かからないほどの長さの栗色の髪と、後頭の左右に結んだ赤いリボンが印象的な女の子。その姿を目にするや否や、ハルトは大きく目を見開いた。同じくローリエとリップルも驚きに顔を見合わせている。

 初めて聞く名前だと思っていたが、とんでもない。彼女もまた、過去生で数々の事件を共に乗り越えた仲間の一人。その正体は――

 

 

⋯⋯エスカ?

それとも⋯⋯アステラの方が良いかな?

 

●アカリ

アカリって呼んでください

今は園崎朱里が私の名前なんで⋯⋯

 

わかった

今回もよろしくね

 

●アカリ

はい!

 

●ブルー

⋯⋯あれっ?

二人って知り合いなの?

 

まあね

 

 

 調査団として共に世界を駆け巡ったサードパートナー。ローリエとリップルと3人で水の大陸に迷い込んだ際、満面の笑顔で迎え入れてくれたリオルの女の子――アステラ。困っている人を見過ごせず、人助けのためなら躊躇うことなく真っ先に飛び出していくようなお人好し。

 彼女とは幾度となく肩を並べ、助け合い、かけがえのない思い出を積み重ねてきた。まさか人に生まれ変わっていたなんて――思わぬ再会に、嬉しさと同時に懐かしさが胸に込み上げてくる。

 

 

●ショウ

遅れました!

あたしはヒスイ地方の⋯⋯

じゃなくて

北海道神薙村の翠川 照と言います!

 

●アカリ

ヒスイ?

 

●ジン

シンオウ地方の古い呼び名だね

一般的にあまり知られていない名前ではあるけど⋯⋯

 

●ブルー

ヒスイの固有種は捕まえるのに苦労したなー

探しても、なかなか見つからないし

うん、個人的にはポケモン図鑑完成の最大の壁の一つだったよ⋯⋯

 

●ショウ

ポケモン図鑑⋯⋯図鑑タスク⋯⋯うっ、頭が

 

 

 何やらショウは、ポケモン図鑑にまつわるトラウマを抱えているらしい。短い文字からでも、彼女の苦労がひしひしと伝わってくる。⋯⋯とはいえ、今生でも図鑑完成のために奔走することになるのだが――『全てのポケモンと出会え』と使命を託された以上は。

 

 

これで残りは一人だね

最後の一人は、どんな人だろう?

 

●レオ

俺だ

 

●ジン

君は!?

 

レオ!?

 

●レオ

桜島出身の獅白玲音だ

レオでいい

 

 

 余計な説明を省き、必要最小限で済ませた一言。シンプルすぎる自己紹介ではあったが――それでこそ彼らしい。非常に頭がよく、クールに見えるがポケモン思いで、内には熱いものを秘めている――レオがそういう男であることを、前世で共闘したハルトはよく知っていた。

 

 

⋯⋯びっくりした

いるとしても、アメリカだと思っていたけど⋯⋯

 

●レオ

こちらのオーレ

アリゾナ州フェニックスにはリュウトがいるようだ

エルデスとアルドスの兄弟も確認した

 

リュウトたちが⋯⋯

 

●ジン

その情報も気になるけど⋯⋯

取り敢えず、これで日本の6人全員が揃ったね

 

●ショウ

はい! 日本組、全員集合です!

 

 

 そう、これで日本に転生した全員がコミュニティに揃った。

 顔合わせを終えた今、ようやく本題へと歩みを進めることができる――。

 

 

それじゃあ

今後の方針について話し合いを始めようか

 

 

 アルセウスフォンをいじりながら自分の部屋へ戻ったハルトは、ベッドに腰を下ろすと、手近のリモコンを取ってテレビの電源を入れた。切り替わる映像は、どのチャンネルも一様に町の様子を映し出している。

 そこには、正体不明の生物――この世界にとって未知の存在であるポケモンたちの姿があった。

 

 

まず、前提条件の確認からだね

本来ポケモンが存在しないこの世界に、ある日突然ポケモンたちが現れる

これを予知したアルセウスは先んじて対策を講じた

人間とポケモン⋯⋯両者の間を取り持つ自らの使徒を送り込む

そうして、この世界に転生したのが僕たちだ

 

●アカリ

ニュースでも騒ぎになってますね

 

●ショウ

ポケモンは怖い生き物です

どのような能力を秘めていて、どういった不思議なことができるのか

それを少しずつ、多くの人々が解明してきました

ですが⋯⋯この世界には、その積み重ねがありません

 

●ジン

だからこそ、アルセウスは私たちを送り込んだんだろうね

既に多くの知識と経験を積んだ者として

 

 

 ハルトの語った内容は、転生前にアルセウスから告げられたものであり、当然ながら転生者であれば誰もが把握している事柄であった。今更言及するまでもない話ではあるが――それでも一度共有することで記憶の齟齬を避け、改めて自分たちの置かれた状況を認識し直す意義があった。

 

 

次に事態の原因について

闇のディアルガ

堕ちた時の神が時の回廊を通じて、他の時間軸にバラ撒いた自らの残滓

それが時を超え、世界を超え⋯⋯二つの世界の境界を歪めた

 

●ジン

⋯⋯これについては、私のほうが詳しいかな

ディアルガは時限の塔で時を守っていた

けど⋯⋯

時限の塔が壊れたのをきっかけに、少しずつ時の流れが壊れ始めた

そして、ついには星全体の時間が停まってしまった

 

●アカリ

⋯⋯星の停止、ですね
 

 

●ジン

ディアルガは時が壊れた影響で暴走した

未来世界で星の停止を迎えたディアルガの意識は暗黒に支配され

全く別の存在⋯⋯そう、『闇のディアルガ』に成り果てた

 

 

 通常のディアルガよりも皮膚の青は一層濃く、黒みを帯びた色へと変わり、胸の宝石や体を走るラインも暗い橙色に染まった――本来の慈悲深さを完全に失い、「時間を守護する」という本能のみに従う、時の流れを変えようとする存在へ見境無く制裁を下す禍津神。

 闇のディアルガ――その脅威は、あの戦いから幾度もの転生を経た今もなお、鮮烈に脳裏へと焼き付いている。

 

 

今まで、いろんなポケモンに出遭ったけど⋯⋯

あれに匹敵する脅威は、僕も数えるほどしか知らない

闇のディアルガは正真正銘の怪物だ

 

●ブルー

⋯⋯そこまで言うほどなの?

 

言うほどだよ

ディアルガの専用技の一つに『タキオンジェイル』って技があるんだけど⋯⋯

これは、自分以外の時を止めることで全ての行動を阻害する技なんだ

 

●ショウ

タキオンジェイルはドラゴンタイプの技です

高レベルのフェアリータイプ

それか、同格の伝説のポケモンなら対抗できるはずですが

 

タキオンジェイルは、ね

問題は、闇のディアルガのそれはダークタイプの技だってこと

 

●レオ

ダークタイプ⋯⋯つまり、ダークポケモンなのか

 

 

 ダークポケモン――心を閉ざし、戦闘マシーンと化したポケモンのこと。レオが知るのは、シャドーという組織によって人工的に心を閉ざされた個体だったが、何もそれだけがダークポケモンとなる理由ではない。強い悪意や怨念などの負の感情に心身が蝕まれたり、或いは何らかの外的要因によってダークポケモンへと変異する例も確認されている。

 

 

闇のディアルガの固有技『ダークストップ』

これは、伝説のポケモンたちですら防ぎきれない時間停止技

完全には止まらないものの、凶悪なデバフが掛かり⋯⋯

グラードン、カイオーガ、レックウザ

その効力は、覚醒状態の伝説3匹を同時に相手取って終始優勢を保ち続けるほど

闇のディアルガとの戦いにおける最大の障害と言ってもいいだろうね

 

●ブルー

ホウエン地方の超古代ポケモンが勢揃いで⋯⋯!?

 

●レオ

⋯⋯凄まじいな

対処法は?

 

●ジン

時間干渉耐性を付けることだね

あとは、時間や空間といった概念の根源が宇宙そのものだから⋯⋯

宇宙の力を扱えるほどのエスパータイプなら、ある程度は対応できると思うよ

 

●レオ

⋯⋯現実的なのは、後者か

 

 

 もっとも、あくまで前者と比べれば、という但し書きが付く。時間干渉耐性を得る手段など、レオには時を渡る力を持つセレビィ以外に思いつかない。対して後者の方法は、エスパータイプのポケモンを徹底的に鍛え上げればいいだけだ。問題は、求められる能力が伝説のポケモンに迫るほど高く――極めて優れた才能を持つポケモンでなければ実現不可能であるという点だが。

 

 

当時の僕たちが勝てたのは千年に一度の奇跡が起きたからだよ

転生先で再戦した時はディアルガが味方になってくれたから楽に済んだけど⋯⋯

もしそれ抜きで倒すってなったら、全盛期の僕たちでも難しいだろうね

 

●ジン

私たちが戦った時も、歴史改変によって消滅するまでの時間を稼ぐのがやっとだったよ

⋯⋯そこで倒しきれなかったことが、今回の異変に繋がってしまったわけだけどね

 

●アカリ

ジンさん⋯⋯

 

●ジン

でも、次はそうはいかない

異変の原因が闇のディアルガの残滓であるのなら

この世界の何処かにいるはずだからね

闇のディアルガが

 

そのためにも、僕たちは力を付けないといけない

⋯⋯わけなんだけど、ここで次の相談にも関わる問題があるんだよね

 

●アカリ

⋯⋯その問題ってなんですか?

 

 

 ハルトは机の上に置いた3つのストレンジボールに目を遣る。その中には、パートナーであるポケモンたちが入っている。――そう、人間とポケモンの共存を目指す上で、無くてはならないものがある。それは――

 

 

モンスターボールが、無いんだ

 




登場人物紹介

名前  :ハルト
本名  :青井春斗 《アオイ・ハルト》
元ネタ :【救助隊DX】より『主人公』/
     【ポケ娘 不思議のダンジョン】及び【ポケモン牧場物語】より『ハルト』
担当地区:関東地方
出身地 :千葉県石竹市(千葉県館山市/セキチクシティ)

名前  :ジン
本名  :黒埼 仁  《クロキ・ジン》
元ネタ :【救助隊DX】より『ゲンガー』/【空の探検隊】より『盗賊ジュプトル』/
     【ブルーアーカイブ】より『黒服』及び『先生』
担当地区:近畿地方
出身地 :京都府円朱町(京都府京都市/エンジュシティ)
 
名前  :ブルー
本名  :北上 葵  《キタカミ・アオイ》
元ネタ :【Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ】より『ブルー』
担当地区:東北地方
出身地 :岩手県北上市(キタカミの里)

名前  :アカリ
本名  :園崎 朱里 《ソノザキ・アカリ》
元ネタ :【超不思議のダンジョン】より『パートナー』/
     【超昂大戦 エスカレーション・ヒロインズ】より『園崎アカリ』
担当地区:四国・中国地方
出身  :兵庫県閂市(兵庫県神戸市/閂市)

名前  :ショウ
本名  :翠川 照  《ミドリガワ・ショウ》
元ネタ :【LEGENDS アルセウス】より『ショウ』
担当地区:北海道
出身  :北海道神薙村(北海道遠軽町+湧別町/カンナギタウン)

名前  :レオ
本名  :獅白 玲音 《シシロ・レオ》
元ネタ :【ポケモンコロシアム】より『レオ』
担当地区:九州地方
出身  :鹿児島県桜島(送り火山)



ポケモン紹介

名前 :闇のディアルガ
性別 :不明
種族 :ディアルガ
タイプ:ダーク
特性 :???
持ち物:だいこんごうだま

【タキオンジェイル】
使用者:ディアルガ
タイプ:ドラゴン
分類 :変化
威力 :――
命中率:――
効果 :敵全体は移動・攻撃・道具の使用・作戦の変更ができなくなる。

【ダークストップ】
使用者:闇のディアルガ
タイプ:ダーク
分類 :変化/ダーク
威力 :――
命中率:――
効果 :敵全体は移動・攻撃・道具の使用・作戦の変更ができなくなる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。