みなさんこんにちわ。水澤悠です。
現在織斑一夏君は問題に直面していました
僕は一夏の部屋に呼ばれており、そこに楯無さんがいた。
ていうかもう深夜なのにこの人なんでいるんだよ、というのは野暮。
寮規則なんてこの人にはあってないようなもんだ。
「楯無さぁ〜〜ん………簪さん結構俺のこと無視するんですけど」
「結構あの子無視するのね」
簪さんに交渉してからもう一週間。
ろくな成果を得られてない何てものではなく進展のしの字もないのが現状だ。
良くて一言二言、悪くてガン無視が当たり前。
時々二人の様子を監視しろと楯無さんに言われたけど簪さん結構硬い人だ。
マジで一夏の事を恨んでるのかなんなのか…………
「一夏も諦めずにやったらいけるから頑張れ頑張れ」
「悠も人のこと言えないぞ!」
「それは………そう。」
「あ、そう言えば悠くん。 箒ちゃん貸してくれる?」
すると楯無さんがまたバツが悪そうに話しかけて来た
っておいなんて言った!?
「え!?なんでなんで!?」
「いやー改めてあの子の適正値を調べたいのよ。 ほらあの時研究所本部で一部の機械がショートしちゃったし一応測っておきたいのよ。因みに本人には了承済みよ」
「楯無さんってこういう時身勝手ですよね。」
僕はその態度にもう呆れかけていた。
「と、兎に角!お願い悠くん! この通りよ!」
「あーはいはい分かりましたのでやめてください!」
その様子に一夏は困惑していた。普段仲良さそうな二人だが、悠が無茶苦茶ピリついていた。
「二人とも喧嘩しないでくださいよ!悠もいくら綾音さん取られたからってそこまで八つ当たりすんなよ」
「………はいはいっと。」
そう言い残して一夏の部屋から出ていった。
「…………今の悠くんどう思う?」
「どうって………悠は多分また奪われる事に恐怖してるんだと思います。そもそも箒から悠と組もうって言ってましたから。」
「箒ちゃんにしてはなかなかやるわね。 それと一夏くん、君も奪われないようにね?」
「………?」
一夏の鈍感さに呆れる楯無であった。
ーー♢ーー
翌日!!
「悠!悠!!大変だ!!」
朝からうるさく一夏に突然揺さぶられた。やばい画面良いしそう
「ってどうしたんだよ一夏!」
「簪さん見なかったか!?」
「え、見てないけど。またISハンガーにいるんじゃ……」
「それが居ないんだよマジで!」
「え゛え゛っ゛!?」
流石に僕もこの状況を聞いて驚くしかなかった。
「だぁぁもうどうすんだよ!」
「と、取り敢えず僕も探してみるから。簪さんが食いつくようなものでも探しといて」
「済まねぇ悠、こんな状況なのに助けてくれて」
「お願い事に罪はないからね。ただし楯無さんはダメだ」
しれっと楯無さんに恨み言を放った後、一夏と別れたのだが何しようか迷う。
「あぁー……一人で練習はなんか寂し過ぎるし何しよう………」
「あのー水澤さん…」
すると後ろから声をかけられたので振り向くと見た事ある女子生徒だった。
「君は………あ!アニメ研究会の篠木
「おぉー!私のことを覚えてくださったんですか!男性操縦者に覚えてもらえて幸せですぞ!!」
篠木さんは二学期が始まった時に楯無さんと一緒にいたら何故か僕目的で襲撃を受けてしまい、その時ター◯スのキルドライバーを楯無さんに向けて放ったと言うインパクトに残り過ぎている人だから記憶に残っていたのだ。
因みに名前は楯無さんに教えてもらいました
「そのー…….あの時のことを謝りたいのです」
「あーあれ? 別に気にしてないし大丈夫だよ。」
「で、でも!水澤さんと織斑さんを心から思っていない女子どもに退学に追い込まれそうになっていた時言えなくなっちゃうんじゃと悲しくなり……やっと言えたんです!!」
篠木さん滅茶苦茶優しいんだけど。アニメ研究会でオタク女子でも社交性高過ぎやしキルドライバー放つ以外は完璧だろ。
「そこで君に渡したいものがあるのです!」
渡されたのは一枚のチケット……映画?
「これって……?」
「公開中のアニメ機動勇者アイアンガイVS超獣機神グラディオンⅢですぞ!」
え、1と2は??
「それって……3から観てもいいの?」
「因みにこれはアニメの映画化したものですが3からも見れる初心者向けですぞ!」
「へ、へぇ……」
なんかロボットヒーローものみたいな感じだなと思い質問してみる
「そうだ、簪さんのこと見なかった?」
「ほれ? 更織さんですか?」
「うん。一夏君が組もうとしてるんだけどなかなか上手くいかないし、今日に至ってはISハンガーにもいないらしい」
「うーん……もしかしたらいそうですけど真実は心の奥ですぞ」
そのですぞって何?セシリアのですわみたいな感じ?
「とにかく今日公開なので是非観に行く事ですぞ!!」
「分かった分かった。観に行くよ」
最近僕疲れてんだ。一日ぐらい休んだっていいよね。
ーー♢ーー
一旦自分の部屋に戻って私服に着替えた。
準備万端で出発したのだが………
「………綾音……!」
「…………」
するとまさかの綾音と出会してしまった。しかもなんかISの待機形態である黒を下地に金色の仕込み杖がまたホルスターに収納されていた。
「まぁ………箒さんと組んだってのに一人で遊びに行くんですか。」
「………楯無さんに箒を一日だけ貸して欲しいって言われた。ただそれだけだよ。」
ここで会話を終わらせて僕はそのまま出発しようと考えたけど………
「綾音。」
「はい。」
「僕は君のこと謝りたいけど謝りたくない。」
「…………なぜですか」
「何となく……だ。それじゃ」
僕はそう言い残し、仲直りしたいと言う感情を押し殺してこの場から去っていった。
「ああああああ!!僕の馬鹿!なんで素直になれないのかなぁ!!」
『そりゃあいつが悪いだろ』
すると反射したところから僕の中の僕が出て来た
『あいつはお前を裏切って楯無と組んだんだからキレていいのにお前は甘過ぎるんだよ』
「……いいじゃん別に。それと映画みてリフレッシュしたいから邪魔しないで」
『………分かった。』
改めて映画館の看板にデカデカと乗った鋼のヒーローを見上げて僕は目を輝かせた。
機動勇者アイアンガイとは。
今年で27作目となる国民的特撮ヒーロードラマであり、小さい子供から大きな子供に広く愛される作品である。
世代交代という形で姿を変えた今のアイアンガイは燃える鉄魂の異名を持つ勇者。その名もアイアンガイ・ヒート。
真っ赤なボディのアイアンアーマーと主人公、
同時期の超獣機神グラディオンⅢも変身ロボットヒーローアニメでありその中でトップクラスに人気を誇るアニメ。
数年前に飛来した紺色のライオン型機械生命体グラディガーのコアを事故で死にかけの主人公である
と言う至極真っ当な王道もの。
しかしただの変身ものではない。グラディオンがグラディガーに変形し、グラディガーの固有サポートメカであるグラウイングとグラドリルと合体する事で超獣機神グラディオンになるのだ!
て言うのが本作なんだけど最初聞いた時「何これ無茶苦茶面白そう!!」
が真っ先に来た。
と言うのも自分も以前からヒーローものに憧れていたのだ。変身して人々を守る存在になる………それが僕の夢
でも自分は翠の怪物、人を守ったとしても怖がられたら意味がない!
学ぶのもいいけど今は楽しむ!予約してくれた篠木さんに感謝しかない!
「しかし人多いなぁ」
子連れとか高校生くらいの人達が多い。こんなに人気なんだこのアニメ
「やっべ!早く行かないと」
僕は上映時間に間に合うように急いで中へ入った。
「いやー楽しみだなぁ」
オレンジジュースにポップコーンを買って指定座席に着いた。イヤホンで映画のPVを視聴する事に、初見だけどネタバレ回避でコメ欄は見ないようにする。
(篠木さんからベストポジション聞いてよかったー)
と言うのも僕は映画館が初めてな為あらかじめ聞いといたのだ!
ワクワクしていると隣にスカートが見えたので女性客も観るとはと感心していたのだがどっかでみたことあるような雰囲気を感じとる。
空色の髪に特徴的なヘッドアクセサリー。眼鏡の奥から覗くルビーの瞳。
「…………あ。」
「ええっ!?」
まさかの隣にいたのは一夏と組むのを拒絶してる更織簪本人だった!
「さ、更織簪さん!?なんで!」
大きな声を出して周囲の注目を集めた僕と簪さんは気まずそうに座った。
「なんで貴方がここに……?」
「と、友達に勧められたから。」
「アイアンガイを…?」
「いや、グラディオンⅢ」
嘘やろ好みが反転しちゃったよ
ビーーー。
「あ、始まる」
「………………」
劇場が暗くなり、明かりはスクリーンの光だけとなった。
『ぐぁぁぁあ!!!!』
『けけけ! この悪の帝国ティラノ軍団に叶うわけもなかろう!!』
『へへっ………それはどうかな!!』
『や、やめろ次郎!!(怜次のライバル、大剛神バスディオンに変身する。現在記憶喪失に陥った怜次の代わりに一人で戦ってる)』
するとバスディオン自身のコアを取り出した!!
『お前達は俺諸共死に晒せ! 地球の平和を守るなら! 命だって惜しくない!!』
『やめろぉぉぉ!!!!!!』
博士の忠告を無視してバスディオンは自爆。
『次郎……?ジロォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!』
数年後アイアンガイは復活したティラノ軍団に苦戦を強いられていたところ謎のマントを被った人が現れる
(まさか……!!!)
(うん……)
『チェェェェンジ!!!グラディオンッッッッ!!!』
なんと怜次であり仮面ライダーグラディオンに変身してアイアンガイを救った!
『俺の心はあの時から止まってんだ』
『俺はアンタに憧れていた! 大切な相棒を失ったからって』
『お前に何がわかる! 終わらない戦いに、死にゆく人たち!!失って行く俺の何がわかるってんだ!!』
『そんなのわかんねぇよ! だけど……やるべき事があるだろ……!』
(怜次………)
(………………)
『うわぁぁぁぁぁ!!!!!』
『へっへっへっ!!アイアンガイ一人で俺達に勝てると思ってんのか!』
『あの時みたいに自爆しなぁ!』
(聡司……!!)
(助けてくれ……!!)
『レックス将軍!空から何かが!』
『あれは………グラウイング!?』
『怜次さん!なんで!?』
『かつての友が教えてくれたさ。 俺は仲間の思いを無駄にはしない!行くぞ聡司!!』
『あぁ!その言葉を待ってたぜ!!』
二人が並び立ち
聡司はアイアンガイ・ヒートに変身
怜次はかつての変身ッッ!!!!って叫んで仮面ライダーグラディオンに変身。
ここが熱い。
『ハンマーコネクト!!グラディオンハンマァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!』
『エクスプロージョンナックォォォォォォ!!!!!!!』
「「最高だった」」
映画館を出て揃って言葉が出た。
まさかのグラディオンの二号ヒーロー、バスディオンこと
「いやー楽しかった!簪さんもまだ足りないんじゃない?」
「………何が?」
「変身を語りたい!いいかな?」
「ええっ………」
ーー♢ーー
とまぁ近くのフードコートでご飯を食べてネタバレ防止覚悟でプライベートチャットで会話。
黙々と食べているが僕の表情が時々変わるけど簪さんはやっぱり無表情。
『二代ヒーローとの邂逅、それに
『うん。僕は初めて見たけどこんなに熱くなったのは初めてだよ!篠木さんには感謝しないと……』
『………篠木さんってアニメ同好会の?』
『うん。』
『晴子が進めたんだ…』
すると簪は食べ終えてプレートを返却棚に戻し始めた。
「えっ、ちょ簪さん!?僕まだ食ってんだけど」
「それは分かってる…。」
一瞬焦ったけど彼女は僕をマジマジと見つめる
「てか一夏とどうして組まないの? 一夏は結構良いやつだよ?」
「………それは」
「白式の件で回されたのを恨んでるから?」
「………貴方には関係ないでしょ」
考えが当たったのか簪さんの口調が強くなる
「……それに他の専用機持ちがいるのになんで私なんか…」
「だって…」
「もしかしてお姉ちゃんからでしょ」
「……」
やべぇ気づかれた。でも表情は崩さない
「簪さんなら分かってるはずだよ!今のままじゃ打鉄弐式を完成は出来ない!楯無さんはISを一人で作り上げたって噂があるけど実際は黛さんや虚さんが手伝っただけで……」
「そんなの分かってる!!」
簪さんは今まで聞いた事ないような声をあげた。
「お姉ちゃんが一人で作ってないなんて知ってる!最初から知ってる! だから!……だからこそ一人で作り上げないといけないの! やりとげないといけないの!じゃないと私は!………ずっとお姉ちゃんの影のまま」
「そんなこと」
「貴方が善意で言ってくれてるのもわかる。でも私は織斑一夏と組まない」
「簪さん」
「それに貴方は何なのよ………ヒーローじゃないのに善人なことして………」
ヒーローじゃない……………?
「………僕はヒーローじゃない。でも僕は一夏と君が組んでISバトルをしたい! でも君が拒絶しても構わない! 僕は………君が助けを求めるまで一夏と繋ぐパイプになる!」
「水澤…………ごめんなさい」
そう言い残してフードコートから走り去った。
「簪さん…………」
一人残された僕はただ単に自分がアイアンガイやグラディオンみたいなヒーローではなく、人を喰う人工生命体アマゾンだと思い知らされたのだった
ーー♢ーー
自室に戻った簪はそのまま布団を頭まで被ってスマホ画面を開いた。
画面にはアイアンガイが。完全無欠のヒーローが悪の組織を倒している。
いつもなら楽しんでみれたが、今流れている映像にまったくといって良いほど集中できなかった。
「怒鳴っちゃった………」
いつもなら我慢できた。
感情的な衝動は理性的ではない。それは甘えであり、自分が未熟な証拠。
だから感情を抑える術を身に付けていた。
更識の家に生まれ、更識楯無の妹として見られ、周りからの期待に応えられず、否が応にも比較される現状に涙することもなく。
ただ単に心を閉ざし、殻に籠る。
それが一番効率的で理性的だったし。何より心を痛めずに済む。
それでも声をあげてしまった。
最後に声をあげたのがいつか。それは簪自身でさえ覚えていない程。久しぶりに大きな声を出した。出せた自分に驚いた。
どれほど心のないことを言われても反発などしなかったのに………どれほど確信を突かれた言葉を突き立てられても感情を爆発させなかったのに。
ふと、ポケットのなかに固い感触があったから取り出してみると。映画入場特典であるカードが入っていた。
「………………楽しかったな………」
悠が楽しめたように、簪も今日のお出かけを楽しめた。
彼女の周りにはアイアンガイを話せる人はいなかったし、自分から話し出すこともしなかった。
特撮ヒーローを見てるなんて女らしくない、あれは男が見るものだ。という偏見が色濃くある世界だから。
だから初めて共通の趣味を持った人と過ごした時間は楽しかった。
自分の好きを笑われなくて安心した。
たとえそれが、気にくわない人であっても。気にくわないはずだった人でさえも。
楽しかった。至高の一時だった。
「…………でも、水澤はヒーローなんかじゃない…………」
四組臨時代表雨霧沙苗と同じく臨時代表の水澤悠の戦い。
織斑一夏に続いてVTシステムを打ち破った存在でその時の試合を見てた。
けど………
『ヴェアアアアア!!』
『アァァァァマァァァァギィィィィリィィィィ!!!!!』
獣のような唸り声に相手を確実に仕留める暴力性。
それをみた簪は悠をヒーローとして見れなかったのだ。
変身するのにだ。
(でも……良い人だった。)
悠の本質は人と人を繋ぐ存在としてあり、一夏を拒絶して今日はISから離れたのに自分を心配してくれたのだ
ならもし彼の助言通り一夏と組んだらどうなるのだろうか。
友達が増えるかもしれない。本音とまた遊べるかもしれない。
………考えるまでもない。それは楽しいことだ。
だけど。
「それでは駄目………」
それではあの姉を越えられない。
姉を越えるために必死に頑張ってきた。
姉のISに対抗するために自分で打鉄弐式のプランを考えた。
姉にはない自分の特色を活かして、作り上げて、そして姉に勝つ。
『簪、あなたは何もしなくていいの』
「っ!」
『私が全部して上げるから』
『だからあなたは、無能なままで、いなさいな』
「うっ!」
耳をふさいだ。
自身を縛り付けるその言葉に耳を傾けない為に。
一人でやらなければ駄目だ。
一人でやりとげなければ駄目だ。
一人で打ち勝てなければ駄目だ。
だから。
今さら他人の手など借りれない。
たとえ打鉄弐式が年内に完成出来なくなったとしても。
代表候補生の立場が脅かされるとしても。
そうでなければ。更識簪に価値などない。
価値など、ないのだ。
簪はスマホの電源を切ってもう一度布団を被り直した。
途端に来る心地よい睡魔に身を任せ、ベッドに全てを委ねた。
「酷いこと言っちゃったな…………」
去り際に見た悠の顔は悲しげな表情をしていたのだった
久しぶり
好きなアマゾンライダーは??
-
アマゾンオメガ /ニューオメガ
-
アマゾンアルファ
-
アマゾンガンマ
-
アマゾンゼータ
-
アマゾンベータ
-
アマゾンミューズ